今週のメッセージ 99/09/19

ギデオン協会によるある日の聖書頒布の光景

 

 わたしたちの国の憲法はいわゆる「信教の自由」を保障しています。わたしたちの"こころの自由"のためにこれはとてもありがたいことです。

 しかしこうした自由の保障には必ず制約が伴っています。つまり、いやなものを無理矢理に強制されることから守られる反面、自分が他者に伝えたいと思っても自ずとそこに制約が伴います。例えば公教育の場や報道の場では、宗教を扱うことはほとんどタブーといっても過言ではないでしょう。

 ところで、キリスト教界にギデオン協会という団体があります。学校やホテル等に聖書を無料で頒布することを働きとしています。ホテルの部屋に備え付けの聖書が置かれていたり、私立学校などで新入生たちに聖書がプレゼントされたりするのはギデオン協会の働きにによるものです。

 しかし公立の学校となるとそうもいかないようです。そこで先日、下校時の中学生にギデオン協会が聖書を配ったのだそうです。事前に校長先生の了解も得、正門だと交通事故が心配なので裏門の外で、ということで比較的年輩の方々が、下校する生徒さんたちにていねいに声をかけながら聖書を手渡していったのです。大体5割ぐらいの生徒さんたちが受け取ったそうです。ところが、そのうちの何冊かがドブに捨てられたりしていたそうです。

 受け取ってしまったものの、中をペラペラとめくってみたところ活字ばかりがぎっしり詰まっていて面白くもなさそうだと思ったのでしょうか。仮にそうだとしても、すぐにドブに投げ捨てるとは、と思わされます。

 物を大事にすることや、人の好意を大切に思うこころが失われてしまった今の社会を象徴している行為のように思えたことでした。

 

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