今週のメッセージ 11.11.14

 

全体と個の調和の鍵

 

 バブル崩壊後、いわゆる不良債権の回収に手腕を発揮した前・整理回収機構社長の中坊公平氏が、日本社会を明るい未来へ向けて再構築するためにはどうしたらいいかというテーマのもとに語ったことが、先日の『朝日』の広告特集のページに載っていました。

 中坊氏はキーワードが二つあるとして、一つは、日本人一人ひとりが「お上頼み」の体質を捨てて、自分で考え、自立すべきこと、そしてもう一つは、自分さえ良ければというエゴを捨てて「公」の精神を持つべきことが、が挙げられていました。

 これは見方をかえれば、“個と全体(公)の調和”と言えるかと思います。あまり「個」に重点が傾き過ぎると自己中心的な個人主義に陥ってしまいます。また反対に全体に重点が置かれ過ぎると個人の自由や主体性が束縛された全体主義になってしまいます。

 この“全体と個”の問題を思うときいつも思いが及ぶのが“人間からだ”のことです。各肢体は実にそれぞれの責任と個性を発揮しています。そしてそれらが見事に有機体として統一と調和を持っています。人間の社会もこうなれたらと思いますが、なかなかそうは問屋が卸さないわけです。

 しかし聖書の中にすばらしい示唆があるのです。それは教会をキリストの体と表現し、一人ひとりをその肢体と語っている中にあります。人間個々人が真に自由と主体性を発揮しながら、しかしその形作る社会が決してバラバラにならず調和と統一を持てるためには、人間を創造し、かつ人間を救う神を仰ぎ、従うことが不可欠な要件です。その意味でキリストはからだの“かしら”だと言われているのです。神は、一人ひとりがこのかしらに連なる肢体となることを願っておられるのです。 

 

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