シーン1〜サロニカ〜


「この野郎!」

俺は狙いを定め、クリムゾンの引き金を引いた。

迷彩服を着た人間(いや、もうそれは人と呼べる形をしていない)は、断末魔の絶叫とともに消えた。

この町に入って、もう何匹倒したかわからない。

わかっているのは、俺が倒したモンスターは、かつて人間だったということくらいだ。



「KOT症候群」この病気の存在を知った時の衝撃は計り知れないものがあった。

グレッグの持っていた古文書に記述されていた事と酷似していたからだ。

奴が動き出した・・・そう感じた俺は、10年ぶりにグレッグに会うために、リムブルク大学へ向かった。

せっかくだからダニーにも協力してもらおうと思った俺は、リムブルクの前にダニーの住むサロニカに立ち寄った。

だが、俺の行動はどうやら奴に筒抜けだったらしい。

目の前に突如として現れる敵、敵、敵。

こいつらは物質転送装置で、俺の、いや、正確にはクリムゾンの前に転送されてくる。

転送された直後を狙って、クリムゾンで撃つ。

転送直後はまだ不安定なため、奴等は、そのまま体が分解して消滅してしまうのだ。



正面に、またしても何かが転送されてきた。俺はとっさにクリムゾンを構える。

しかし、どうやら今度は敵ではなかった。

「た、助けてくれ!」

「誰だ、お前は?]

「私の名は佐藤。奴等に捕まっていたが、逃げてきたんだ。転送装置を使って。仲間も一緒だ。」

見ると、町のあちこちに、同じような白い服を着た人間がいた。

「しかし一体どうやって。奴等に捕まっていたということは、お前は・・・」

「ああ、そうだ。私はKOT症候群に冒されていた。しかし、ある人物がワクチンを持って来てくれてね。

その人のおかげで正気に戻れたんだ。そして、転送装置を使ってここに出て来たというわけだ。」

「そうか。・・・しかし、そのある人物というのはどこにいるんだ?どうやってワクチンを?」

「彼は、まだ向こうに残っている。他に捕まっている仲間たちを逃がすとか言っていた。

ワクチンも、一体どうやって入手したのか・・・。すまない、力になれなくて。」

「そうか。とにかく、安全な場所へ。ここは俺に任せろ。」

「ありがとう。ところで、その銃はまさか・・・そうか・・・君が、例の・・・」

「ああ・・・そうだ。」

「そうか。・・・気をつけてな。死ぬんじゃ・・・ないぞ」



佐藤と別れた俺は、更に町の奥へと進んでいった。

敵に混じって、佐藤の仲間も転送されてくる。

とはいえ、転送装置の出現位置は、ややアバウトだ。

ビルの屋上に転送された佐藤の仲間は、途方に暮れている。

しかし、俺には助けに行く余裕はない。

目の前の敵を倒すので精一杯だ。

敵を倒すたび、クリムゾンが進化していくのがわかる。

クリムゾンのエネルギーが俺にも流れ込み、俺の命が増えたかのように感じる時もあった。

「・・・10年前を、思い出すぜ・・・」

越前の脳裏には、ダニー、グレッグとともにマルマラの戦場を駆け巡った時の記憶が蘇っていた。

「そう、そしてその後・・・俺達は・・・」



空中から襲い来るコウモリ(?)を正確に撃ち抜き、俺はひたすら進み続けた。

そして、とうとうダニーの館にたどり着いた。

「あの後・・・俺達は・・・」



続く



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