第八話 運動会その五・弱肉強食

プログラム8番・3年生による50m走、9番・4年生による100m走は、

それぞれ3年4組、4年2組が不戦勝。10番の2年生による50m走は

2年生が全滅したため省略され、早くも11番の5年生の100m走が始まりました。

現在、総合得点で4位の5年1組には、まだ優勝の可能性があります。

そこで、私達は5年3組を買収し、5年1組に対抗させる事にしました。

本来なら直接手を下すべきなのですが、用意しておいた兵器類がいつのまにか破壊されていたのです。

手口からみて、1年2組の仕業のようです。早く彼らを見つけないと、取り返しのつかないことに

なるかもしれません。それにしても、不気味なのは6年3組です。昼休み頃から、

6年3組の工作員の動きが止まったのです。いったい若本さんは何を企んでいるのでしょうか。

などと考えている間にも、運動場には累々たる死体の山が築かれていました。

やはり5年3組では、5年1組の相手をするには力不足だったようです。

5年1組の選手が、次々と1位でゴールしていきます。と、そのときです。

突如、トップを走っていた5年1組の選手の胴体を、光が貫きました。

次の瞬間には、上半身と下半身に分かれて、地面に倒れたのです。

傷口は黒く炭化していました。どうやらさっきの光は、レーザー光線だったようです。

方角からみて、撃ったのは南校舎の4階、図工室のあたりからのようです。

今頃そんなところにいるのは1年2組以外に考えられません。そのとき6年3組が動きました。

どこに隠し持っていたのか、ミサイルランチャーが3台。各8門、計24発のミサイルが、

校舎めがけて一斉に発射されました。一瞬にして校舎は瓦礫の山と化し、1年2組は全滅。

たまたま真下にいた3年4組も、ある者は爆風に吹き飛ばされ、またある者は瓦礫の下敷きとなり、

全員息絶えました。また、ミサイルが放たれた直後に、もはや死を免れる事は出来ないと悟った

1年2組が最後にやけくそになって乱射したレーザーが、5年1組の生き残り数名にことごとく命中。

これにより5ー1も戦闘不能となってしまいました。

そして最後に残ったのは、私たち6年4組と若本さん率いる6年3組とその他大勢。

いよいよ3組と決着をつけるときが来ました。

長かった戦いも、もうすぐ、終わりです。


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