『好きってことさ』
・・・・何であんなこと言ったんだろ・・・・・カヲル君。
僕はふと横で眠ってるカヲル君の方に寝返りをうった。
カヲル君の横顔は、
僕の目から見ても女の子みたいにきれいで、
薄闇に光ってるように見えた。
・・・へんなの。
僕は男だし、
カヲル君も男なのに・・・・・・・・
・・・・・・なんで、こんなに緊張してるんだろ?
寝つきはいい方だと思ってたけど、
今日はぜんぜん眠れない。
さっきから、
ずっとカヲル君の言葉が頭の中をぐるぐる回ってる。
・・・・・・・今日の僕はへんなのかな?
いままで、こんなこと話したことないのに。
・・・・・・こんな思い、したことないのに。
・・・・・・・やっぱり眠れないや。
「・・・ジ君。シンジ君?」
「え?」
眠れなくてぼ〜としていた僕は、
カヲル君の声で目を開けた。
「どうしたんだい?眠れないのかい?」
カヲル君は上体だけ起こして、
僕の方を見ていた。
「・・・・・うん。ごめんね。起こしちゃった?」
「・・・・ふふ。気にしなくていいよ。僕もよく眠れなかったんだ。」
「そうなの?」
「そうさ。君とおんなじだよ。」
カヲル君は手を伸ばして、僕の髪をすくった。
「どきどきしてるのさ。」
のぞき返したカヲル君の、
真っ赤な瞳はひときわ明るく光っていた。
「そうだ。」
タオルケットを跳ね上げて、
カヲル君は何かを探しに行った。
電気がついて、
戻ってきたカヲル君の手には、
ちいさなプラスティックケースが握られていた。
「ババ抜きでもしようよ。シンジ君。」
カヲル君は、初めて見せる無邪気な笑顔だった。
いきなりと言えばいきなりだったけど、
カヲル君はすごく生き生きと楽しそうで、
もちろん断る理由もなくて、
むしろ、友達と夜中にこんなことするのは初めてだったから、
本当はびっくりするほどうれしかったんだ。
カヲル君の手の中で、
トランプは白いふちを光らせていた。
布団の上に座りこんで、
僕はカヲル君のシャッフルする手先を見ていた。
プロの人みたいに、鮮やかにトランプが舞っていた。
「罰ゲームはなにがいい?」
シャッフルする手を少しも止めずに、
カヲル君は楽しそうに笑っていた。
「罰ゲーム!?」
「そうだよ。罰ゲームがあったほうが盛りあがるだろう?」
「そ、そうだね。」
僕の微妙な変化に気がついて、
カヲル君はやさしく諭すように言ってくれた。
「ふふっ、そんなに心配しなくても、無茶なことはしないよ。」
カヲル君は笑いをこらえられないみたいだった。
簡単に見透かされた僕は、
恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
・・・・カヲル君を疑っちゃって恥ずかしい。
カヲル君は少し考えるようなそぶりを見せたあと、
「そうだね・・・・・・でこピンはどうだい?」
「で、でこピン?」
「そうだよ。」
笑顔を絶やさないままそう言った。
罰ゲームって言うからもっとすごいことを考えていた僕は、
拍子抜けして、
「うん。それでいいよ。」
簡単にうなずいた。
「そう。じゃあ、配るよ。」
テレビで見た、ラスベガスのカジノみたいな、
見事な手つきで僕と自分とにカードをわけた。
カヲル君ってなにやってもさまになるんだ。
かっこいいな。
思わずカヲル君の顔に魅入っていた僕に、
少し困ったように笑って、カードを捨てた。
「じゃあ、僕からでいいかい?」
「あ、うん。」
「はい、あがり。」
「ああ〜〜負けちゃった。」
僕は手元に一枚残ったジョーカーを眺めて、
投げ捨てた。
1回目はホントにあっさり負けちゃって、
カヲル君はもう一回やる?って聞いてくれたんだ。
だから、再戦したんだけど・・・・・・・・
結果はこの通り。
一回もカヲル君にババがいくことなく、
ずっと僕の手元に残ったまま終わった。
首をひねる僕に、カヲル君は、「シンジ君は正直者だからだよ。」って、
散らばったカードを拾い集めていた。
カヲル君は僕の考えてることがわかるのかな?
だったら・・・・・・・・・少し恥ずかしい。
ホントは勝ち負けなんてどうでもいいんだ。
カヲル君と一緒にこんなに長い時間過ごせたことが嬉しかったんだ。
「じゃあ、罰ゲームだね。」
カヲル君はいつもと変わらない笑みで、
僕の目の前に座った。
「・・・う。い、痛くしないでね?」
ずるいとはわかってたけど、
一応、お願いしてみた。
「・・・ふふふ。」
それには答えないで、
カヲル君の手が、
僕の前髪をかきあげて、
一瞬、ひんやりした空気が額に触れた。
・・・・・・・痛いかな?カヲル君のでこピン。
カヲル君って、見かけによらず力もありそうだし・・・・
僕は少し怖くなって、目をぎゅっとつぶった。
「い、いいよ。」
「そう?・・・・・じゃあ、いくね。」
目をつぶってるからカヲル君の顔は見えなかったけど、
楽しそうな声だった。
僕はまぶたに力をこめて、
その瞬間を待ち構えた。
でも、僕が想像していた硬い指はいつまでもこなくて、
かわりに、やわらかいものが額にふれた。
「え?」
目を開けると、
カヲル君のきれいにととのったあごのラインが見えた。
「カ、カヲル君?」
なにがなんだかわからなくて、
ずいぶんと間抜けな声を出してしまった。
ようやく、
僕はそのやわらかいものが、
カヲル君の唇だということに気がついた。
とても長い時間に思えたけど、
実際はそうでもなかったのかもしれない。
カヲル君はゆっくりと僕の目の前に降りてくると、
「指でやる、なんて言ってないだろ?」
って、いたずらっぽく笑った。
いつものカヲル君の少し大人びた笑顔じゃなくて、
もっと身近なやさしい顔だった。
「あ、あの・・カヲル君・・・。」
今になって、
カヲル君のふれたところだけが、
小さな火が灯ったみたいにあつくなってきた。
・・・・・・・・・・・な、なんでこんなにどきどきしてるんだろ?
なんだか座ってるのも恥ずかしくなって、
もじもじと動いてみた。
「さあ、もう遅いし、眠ろうか?」
カヲル君は僕の頭をそっと撫でて、
パチっという軽い音と共に、
電気を消した。
「お休み、シンジ君。」
「う、うん。・・・・・お休み、カヲル君。」
もぞもぞと布団にもぐってみたけれど、
眠れるどころか、
ますます目が冴えて、
さっきから心臓が割れてしまうほどどきどきしていた。
僕はこんなにどきどきしてるのに・・・・・・
カヲル君は平気なのかな・・・・・・・・?
「・・・・・シンジ君?」
「え!?あ、なに?」
カヲル君が黙ったままなので、
闇に目を凝らしてみた。
すると、カヲル君の白い手が、
タオル地の布団の端から伸びていた。
僕は、引き寄せられるように、自然にその手を握った。
「・・・・・・・おやすみ。」
カヲル君の指先は、
少しつめたかったけど、
手のひらはあたたかくて、
僕の手もあたたかくなっていた。
不意にさしこんだ月の光に、
ほんのり頬を染めたカヲル君が映った。
いつのまにか、僕は眠ってしまった。
あつい額と、
あたたかい手が、
心地よかった。
wowの終末ないいわけ
ごめんなさい!
とりあえず、謝っときます(笑)
なんかもぅ、いいわけするどころではありませんね。
いいんです。
ふっきれてますから(爆)
しかも書き逃げ。
みじけぇし。
何が書きたいんだかわからんし。
すんません。
カヲル君が相手では私の妄想はこの程度です(死)
では読んでしまった皆さんに感謝を込めて。
琥珀のコメント
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(笑)
さりげなくツボ!ツボです、これは!!
カヲル君!でこピンでしょ、でこピン。
『ピン』じゃないじゃん。そしたらやはりここは、『でこフニ(謎)』でしょ?
さてこれは、『友情』と見るか、別のものと見るか。
読んでいるあなたに判断を委ねます(核爆)
ちなみに私は(ただいま、回線が大変混雑しているため、メッセージが届いていない可能性があります)と、見ましたぁ!!
おや?聞こえなかった?
ごめんなさい。一回だけなの(笑)