古来より、鳥は人と深くかかわりを持ってきました。ツルは、古事記や万葉集にも登場するほか、詩歌をはじめ絵画などの題材としてとりあげられ、私たち日本人の生活に根付いている鳥です。
鶴が渡る 新谷彰久 鶴が渡る 渡る 湿原の空を鳴きながら渡る こう こうと渡る 夕日が燃える 山脈が燃える 鶴が渡る 力づよく渡る ならんで渡る 湿原には もうすぐきびしい冬がくる 凍てつく冬もくるだろう 鶴が渡る 渡る まっ直ぐに首をのばして渡る お互いの位置をたしかめ合いながら渡る 鳴きかわしながら渡る 鶴が渡る 渡る こう こうと渡る 白い花のように渡る |
ナベヅルの越冬地はかって西日本全域にあったのですが,いま,日本で定期的に野生のツルを見られるところは、鹿児島県出水地方,山口県周南市八代それに北海道東部の3箇所のみです。このうち山口県周南市八代は、都市化などの理由で渡来数が年々減少し、今ではわずか十数羽にとどまります。なお、高知県四万十市では、ナベヅルやマナヅルの安定した渡来地になるよう、餌場の確保や保全のための整備などを進めていますが、定着には至っていません。
渡りをしない留鳥タンチョウは,北海道の釧路湿原などを中心に繁殖しており、約1,300羽が生息していると推定されています。
出水平野には,毎年1万羽を超えるナベヅル,マナヅルたちがやってきます。昔から,慶賀の鳥として親しまれてきたツル。ツルの群れて,飛び立つ華美で感動的な姿には魅了されます。
ツルの鳴き声が聞こえてきます。「クル〜ン,クル〜ン」と。壮大なコーラスです。見上げると空いっぱいに,ツルたちの,優雅な舞いが繰り広げてられています。
ツルは、シベリア地方から中国を南下して韓国に 渡り、さらに南下して壱岐を通り、長崎半島から八代海を通って、当地に渡来してくるといわれています。
熊本県との県境,東シナ海に突き出した小さな半島に,通称「荒崎のたんば」と呼ばれる田園地帯が広がります。 ここが日本最南端のツルの越冬地です。荒崎地方がツルのねぐらとなったのは、島津藩による最初の干拓ができて数十年を経た元禄8年(1695年)のころといわれています。
出水平野のツルは、大正10年3月天然記念物保存法により、天然記念物及び禁猟区の指定を受けました。戦後の1952(昭和27)年3月に出水のツルとその渡来地が特別天然記念物に指定され、62年に県ツル保護会が結成されました。その指定区域面積は約245ヘクタールです。
ツルによる農作物の食害があり、72年から越冬期間中、農地を借り上げツルの安全な場所を確保し給餌などを行う「休遊地」の制度が始まりました。現在、荒崎地区と東干拓で計100ヘクタール以上(市有地なども含む)が休遊地となっています。
◆ツル故郷と渡りのルート
ナベヅルはパイカル湖、モンゴル西北部、アムール川中流域、ウスリー川流域など。マナヅルはアムール川の中上流域。シベリア東部のアムール川やウスリー川流域の湿地帯、中国乗北部のバンカ湖などで子育てをします。
繁殖環境は種によって異なり、マナヅルは広く開けた湿地、ナベヅルは杯に囲まれた湿地、5月から6月にかけて営巣します。卵は2個生み、1ケ月ほどでふ化し、2〜3日もすると親と一緒に巣を離れ湿地の中でくらします。
◆今シーズン飛来のツルの数は観測史上2番目に多い
出水平野に今シーズン飛来しているツルの数は観測史上2番目に多い、1万3000羽余りとなりました。
今シーズン最後の羽数調査は、2013年1月12日地元の中学校のツルクラブ員などが行い、ナベヅルやマナヅルなど合わせて1万3138羽が観測されました。この数は2000年に次ぐ観測史上2番目の多さで、出水平野に飛来するツルは16年連続で1万羽を越えました。
出水平野には,毎年1万羽を超えるナベヅル,マナヅルたちがやってきます。
熊本県との県境,東シナ海に突き出した小さな半島に,通称「荒崎のたんば」と呼ばれる田園地帯が広がります。 ここが日本最南端のツルの越冬地です。元禄時代から薩摩藩の手厚い保護を受け,1952(昭和27)年には国の特別天然記念物に指定されました。
◆出水でのツルの食べ物
ツルはシベリアでは広い草原の中を自由に動き回り,捕食しています。出水では,人工的環境の中で給餌しています。ここでの食べ物は,イネの二番穂や、麦の実,カヤツリグサ科の野草,そして田んぼのイナゴ,ヤゴ(トンボの幼虫),ドジョウ,ミミズ,小魚といった生き物たちです。人為的な給餌も行われており、年間約75トンの小麦をはじめ籾、玄米、大豆などがふるまわれています。
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┗■ ツルの越冬期間 10月中旬〜3月下旬
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毎年10月中旬になるとツルの第一陣が渡来し、12月末から1月にかけて羽数はピークに達します。そして2月初旬からツルの北帰行が始まり3月未までには大方シベリアに帰ります。
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┗■ ツル 北帰行
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春の足音が少しずつ聞こえてくると,冬の使者・ツルが故郷シベリアに向けて,北帰行を始まります。2月初旬からツルの北帰行が始まり3月下旬頃までには,ほとんどのツルが北に向かって飛び立ちます。
ツルが北へ帰る直前には約8トンのイワシがふるまわれます。
ツルの北帰行観察ポイントとして知られ,八代海や熊本県天草諸島を望む 長島町の行人岳(ぎょうにんだけ/標高394メートル)の展望台は,好天の日にはツルの旅立ちを見守る愛好家の人達でにぎわいます。
春の足音が少しずつ聞こえてきました。冬の使者・ツルが故郷シベリアに向けて,北帰行を始めます。 | |
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┗■ 16季連続で「万羽鶴」
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出水平野に今シーズン飛来しているツルの数は観測史上2番目に多い、1万3000羽余りとなりました。
今シーズン最後の羽数調査は、2013年1月12日地元の中学校のツルクラブ員などが行い、ナベヅルやマナヅルなど合わせて1万3138羽が観測されました。この数は2000年に次ぐ観測史上2番目の多さで、出水平野に飛来するツルは16年連続で1万羽を越えました。
年度 | 羽数 | 年度 | 羽数 | |
1927年 | 約440 | 1997年 | 10,469 | |
1936年 | 2,542 | 2000年 | 13,521 | |
1939年 | 3,900 | 2003年 | 12,024 | |
1947年 | 275 | 2005年 | 12,528 | |
1952年 | 263 | 2007年 | 12,039 | |
1962年 | 906 | 2008年 | 12,028 | |
1967年 | 1,677 | 2009年 | 11,637 | |
1972年 | 2,689 | 2010年 | 13,006 | |
1982年 | 7,055 | 2011年 | 13,101 | |
1987年 | 8,312 | 2012年 | 10,159 | |
1988年 | 8,554 | 2013年 | 13,138 |
鹿児島県出水地方では、大正時代からツルの保護のために飼料費が地元に交付され、さまざまなツルの保護活動を行なわれてきました。この結果、ツルの数が徐々に増え、1927(昭和2)年に約440羽、昭和14年に約3,900羽を記録しています。しかし、戦争前後の混乱期には密猟も行われ、終戦後の昭和22年には275羽に減少しましたが、昭和42年に1,677羽、昭和62年に8,312羽、平成9年に10,469羽と増加しました。いま,出水地方には,ナベヅルが約10,000〜11,000羽、マナヅルが約3,000羽飛来しています。この数は世界のナベヅルの約9割、マナヅルの約4割に相当すると推定されます。
2010年度に発生した高病原性鳥インフルエンザといった問題点も指摘されています。その対策として出水平野に集中するツルの分散化が当面の課題です。2001年(平成13年)から越冬地を西日本各地へ分散させるための調査も進められています。
「ツルも人間も住みやすい所は同じ。いつまでも共生できるような環境作りをおこない,次の世代に引き継いでいきたいものです。
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世界では15種のツルが知られていますが、国内には7種のツルが生息しています。冬鳥として大陸から渡ってくるクロヅル、マナヅル、ナベヅル、カナダヅル、ソデグロヅル、アネハヅルと、留鳥のタンチョウです。
出水平野に渡来するツルの約80%がナベヅル,約20%がマナヅルです。これらは繁殖地のシベリア東部や中国東北部から,朝鮮半島を経由して出水平野に渡来します。出水平野では,世界中のナベヅルの約90
%,マナヅルの約50 %が越冬しているといわれています。このほかに,クロヅル,カナダヅル,ナベグロヅル(ナベヅルとクロヅルの雑種)が少数ほぼ定期的に,また,アネハヅル,ソデグロヅル,タンチョウなども稀に渡来します。
マナヅル | ナベヅル | クロヅル | カナダヅル | アネハヅル |
真鶴の名前が示すとおり本当のツルという意味で名づけられたようです。 |
鍋の底についた煤(すす)のように黒い色をしているのでナベヅル(鍋鶴)と名づけられたようです。 |
個体全身が白い灰色をした中型のツルです。 |
全身が灰色で頭頂部の赤色がポイント。生息数が世界で一番多いツルです。 |
ツルの仲間で最も小さな種で、頭の後ろの飾り羽が印象的。ヒマラヤ山脈を越えることで知られています。 |
ソデグロヅル | ナベクロヅル | |||
個体全身がほとんど白色で、巽を広げたときその先端が黒く見えることから名づけられたようです。 |
ナベヅルとクロヅルの雑種。1986年以後、出水平野で見られるようになりました。 |
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┗■ 例年,10月1日にオープン−冬の間だけ開館
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「ツル観察センター」は,1989年のオープン以来,例年,10月1日にオープンし,冬の間だけ開館します。
鉄筋コンクリート2階建てのセンターの目玉は360度の大パノラマ。そこに広がる大自然のおりなす一大風物詩ともいえるツルの美しい舞。間近でツルの生態を見ることが出来ます。また,パネルやビデオによるツルの情報は一見の価値があります。
館内には食堂や売店も完備され,出水の冬の観光スポットとしても人気です。2013年1月13日,ツル観察センターの入館者が150万人を突破し、記念のセレモニーがありました。
⇒鹿児島市内から 車:所要時間2時間 国道3号〜328号/80キロ 九州新幹線:所要時間25分 鹿児島空港から:車:所要時間1時間20分 県道504号〜県道328号/80キロ
・住所:出水市荘2478-4 TEL:0996-85-5151
・営業期間 : 9:00〜17:00 11月1日〜3月第4日曜日(期間中無休)
・料金大人 : 大人:210円 団体割引30名から 中学生 : 中学生:100円 団体割引30名から 小学生 : 小学生:100円
団体割引30名から
・バリアフリー設備車椅子対応トイレ:○ 車椅子対応スロープ:○ 車椅子対応レストラン
・駐車場:大型バス20台,乗用車200台
・問合わせ0996-63-4061
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┗■ ツル観光周遊バスを運行
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ツルの観光シーズンに合わせて,出水市で「ツル観光周遊バス」の運行が,今月の1日始まりました。運行期間は来年2月末までです。ツル観光周遊バスは,出水市観光協会がおれんじ鉄道などとタイアップして毎年,運行しているものです。
このバスは,新幹線やおれんじ鉄道の到着時刻に合わせて,一日6回,出水駅を出発し,ツルの休遊地や武家屋敷などを回ります。
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・運賃:大人1000円,子ども500円
・問い合わせ:出水市観光協会 TEL.0996-79-3030 出水市観光交流課 TEL.0996-63-4061(直通) 企画実施会社(有)出水観光バス TEL.0996-62-1333
⇒⇒ 出水ツル観光周遊バス時間表
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┗■ 出水・薩摩川内エリアの宿
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ツルの越冬地 出水は,かつて、薩摩国府や国分寺があり、南九州の中心として栄えたという歴史をもつ街です。麓武家屋敷の武家門や石垣の落ち着いた景観に歴史を感じます。
ビジネスホテル鶴 | ホテルウィングインターナショナル出水 | 出水湯泉宿泊センター | HOTEL 鶴2号館 | |||||
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⇒⇒ 鹿児島市内探索
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大隅(霧島・国分・志布志・鹿屋・内之浦) のホテル・旅館 |
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北薩(出水・川内) のホテル・旅館 |
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