関東地方有数の穀倉地帯でもある
◆近世国名・藩名:武蔵(むさし),武州(ぶしゅう)
埼玉県は,関東平野の中西部に位置する内陸県であり,東京と東北・上信越を結ぶ交通の要所でもある。面積は約3,800k㎡で国土の約1パーセントを占め,47都道府県中39位の広さである。 なお,首都圏に立地するという立地特性から,米麦,野菜,畜産,花植木,果樹など多彩な農林業も営まれている。
平安時代に関東各地に武士団が台頭し,坂東八平氏(ばんどうはちへいし)や武蔵七党が,台頭した。鎌倉時代に入り,河越(かわごえ)氏は川越市上戸(うわど)に,畠山(はたけやま)氏は嵐山町菅谷に館を構えたといわれる。
江戸時代には,旗本領や天領(幕府直轄領)が県域に設けられ,川越・忍・岩槻の三藩では城下町が整備され,岡部藩では陣屋が置かれた。新田開発が盛んに行われ,野火止(のびどめ)用水や見沼(みぬま)代用水などの大規模な用水路も開かれた。こうした江戸時代の新田開発により,埼玉県は関東地方有数の穀倉地帯となった。
明治の廃藩置県で県の統廃合を経て,埼玉県と入間県が誕生した。当時の埼玉県は,荒川以東の地域であった。県庁は,交通,庁舎などの点から旧浦和県庁舎が使用された。一方,荒川以西と熊谷以北の地域は入間県とされ,県庁は川越町にあった。明治6年,入間県は,群馬県と合併し熊谷県となり,明治9年に分離して埼玉県と併合併され,ほぼ現在の県の境域が確定した。
埼玉県の人口は,昭和30年代の中ごろから,県南部を中心に急激に増加。昭和35(1950)年に243万人であった県人口は,昭和52(1972)年2月に500万人を突破し,平成3(1991)年10月には,650万人を超えた。
県民性
●先祖代々からの定住者が多いのが秩父地方
埼玉県への移住者の多くは東京都から転入者であり,埼王県は副都心化しつつある。特に,東京都接する埼玉県南部地域は,地縁で形成されていた地域社会がほとんど消滅し,県民性や郷土意識は薄れたとも指摘されている。
埼玉県で,唯一,先祖代々からの定住者が多いのが秩父地方である。農産物の乏しい山間でつましく生きてきたという歴史・風土から,いまでも生活の向上をめざすという質実で堅実な気質がみられる。
農産物の乏しいこの地方にあっては,養蚕を主な産業とし,素朴で質素に暮らしてきた。こうした風土を反映して,封鎖的で封建的な気質を持っている。なお,秩父地方の人たちは,素朴で誠実,温和だが内部に激しさと根気ある実行力を秘めているともいわれている。秩父夜察り(12月3日)に見られる驚くべきエネルギーを示す行事は,こうした気質のあらわれでもあろう。
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地域区分
●地域区分
・さいたま,川口,上尾
・川越,坂戸,東松山
・越谷,草加,春日部
・熊谷,深谷,行田
・所沢,狭山,入間,飯能
・秩父,長瀞,小川町
●埼玉の小京都
嵐山町(らんざん):日本史に名をとどめる板東武者ゆかりの地。町名の由来は,渓谷と山並みにすぐれる嵐山渓谷にある。
小川町:武蔵の小京都 小川町和紙体験学習センター,埼玉伝統工芸会館,カタクリとオオムラサキの林。
川越市:小江戸 城下町,蔵造りの町並,時の鐘,喜多院,サツマイモ資料館,菓子屋横丁。
●県庁所在地-さいたま市
浦和市(現さいたま市)は,中山道の宿場町の一つであった。明治以降,埼玉嫌悪県庁所在地として発展を遂げていった。日本橋から25キロに位置する浦和は,東京のベットタウンとしていまに至っている。
「埼玉県とさいたま市の産業の特徴は」 となると,「特徴のないことが最大の特徴である」となる。首都圏という巨大マーケットへの供給基地として生活・食品・印刷関連の産業が集積している。また,関東一都三県でもっとも製造業比率が高いという一面もある。さいたま市では精密機械 (光学機械機器・レンズ製造) の製造品出荷額が全国でもっとも多くなっている。
つまり,埼玉県には比較的バランスよく産業が立地しているが,著しく秀でた産業や企業はなく,これといった特徴がない。
●県民1万人当たりの都道府県職員数(一般行政部門)は全国で一番少ない県
2003年9月に知事に就任したのが民主党の衆議院議員だった上田清司氏。以来,上田知事は行財政改革を強力に押し進め人員削減を断行した結果,県民1万人当たりの都道府県職員数(一般行政部門)は全国で一番少ない県となった。
「通勤・仕事」時間は全国最長 埼玉の男性、育児も熱心
●通勤・仕事」時間は全国最長 埼玉の男性、育児も熱心
埼玉の男性は全国一働き者で育児にも熱心―。総務省の2011年「社会生活基本調査」結果に基づき、県が県民の生活実態をまとめた。県は「都内などへの通勤に時間を取られながらも、男性の育児に関する意識が高まってきている」とみている。
埼玉の男性有業者(15歳以上)の1日当たりの「通勤時間」と「仕事時間」は2006年の前回調査より2分長くなり、計8時間6分(全国平均7時間46分)で47都道府県中、1位。通勤時間だけをみると、1時間9分(同50分)で2位だった。1位は神奈川県の1時間11分。育児の時間も前回調査と比べて4分増の10分(同7分)となり、大分県と並んでトップ。
逆に「睡眠時間」は7時間44分で44位。「休養など自由時間活動」は3時間9分で45位だった。県統計課は「通勤や仕事の厳しい条件下で埼玉県の男性が頑張っている一端がうかがえる」と話す。
県の女性有業者(15歳以上)の1日当たりの「買い物時間」は、大阪府などと同じく全国1位の35分(全国平均32分)。「通勤時間」と「仕事時間」は計5時間12分で39位(同5時26分)。仕事時間だけでみると、4時間31分(同4時間50分)で44位だった。一方で「育児時間」は23分(同17分)となり、島根、徳島県と並んで2位。
県民の平均起床時間は、群馬県民と同じ午前6時33分で26位。平均出勤時間は午前8時24分で29位だった。仕事からの平均帰宅時間は午後7時18分で44位、平均就寝時間は午後11時20分で39位となった。平均就寝時間は一番早い青森県と秋田県の午後10時35分と比べ、45分も遅かった。県統計課は「埼玉県民は仕事で外出している時間が長く、夕食や就寝時間が遅くなっている」と話す。
1日当たりの学業(学校での授業や家庭学習など)時間は前回調査と比べ、小学生が10分増え4時間54分、中学生も27分増の6時間9分となった。高校生も11分長くなり、5時間48分だった。
調査は1976年から5年ごとに実施。11年は県内の約2600世帯、約6400人(10歳以上)が対象となった(無作為抽出)。
┗■ 埼玉県 ひったくり被害全国ワースト2
平成24年中のひったくり認知件数は,1,535件(前年比+302件)。
出典:http://www.police.pref.saitama.lg.jp/kenkei/hanzai-bouhan/bouhan/hittakuri-toukei1.html
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