5タラントニュース 2008年12月号(No27)




繰り返しの効能2   小堀俊二

 今年度の目標として、利用者に指図をせずありのままで美しい音楽をするために「繰り返し」を足がかりに日々演奏しています。そのキーワードをちょっと違う角度から考えてみます。
 子どもの頃は毎日が途方もなく長かったし、一年後は遠い将来だったのに、今は全く違うスピードで時間が流れます。これは生活の中の、繰り返しの占める割合の変化によるのだと思います。つまり子どもの頃は何でも初めての経験ですが、私の今の生活など、ほぼ惰性のみと言ってよいほど過去の繰り返しです。
 これは嘆くべきことではないと思います。子どもの頃と同じような時を大人になって過ごすことはできません。強い刺激に心が耐えられません。体力や精神力が少しづつ衰え、それでも生きていくには、過去の経験を活かし、つまり繰り返しの中で刺激を和らげることが必要だと思います。
 繰り返しはどこか退屈や発展性の弱さなど否定的な印象を持ちがちですが、私は人生の中で必要不可欠な、特に人生の後半における必須アイテムのように感じています。




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