社会福祉法人ホミニス会ホミニス学園2003年度事業報告書(ホミニスだより添付版)

はじめに

 2003年度は、職員研修、特に施設内研究、および危機管理体制の見直しが行われた。
 本報告書に、2003年度における特記すべき事項および添付する職員会議議事録(注1)に補足が必要な部分に関して記す。

(1)本年度事業計画書における重点実施事項

 (イ)職員研修の充実と援助場面への反映

 援助職の資質は利用者の利益に直結することはいうまでもないが、では援助職自身は何を目指し何を望んでいるのか、自らをどのように見つめているのか。このような視点から「アシスタント論/施設職員の自己決定」*1 と題した研究を行った。管理者からの指示中心から自ら判断し主体的参加へ、また認知レベルの理解から感情を伴う参加体験重視の研修となった。また、その総括をホミニス便りに連載した。

(2)その他の特記すべき事項

 (イ)利用者支援に関わる新たな課題

 「切迫した保護者支援のニード」「施設内での窃盗及び失踪」の二点は、従来のホミニス学園の機能を遥かに超えたものであった。前者に関してはインフォーマルな支援によりそのニードを充足した。後者に関しては徹底した施錠、本人が極度に不安定な場合は登園させない旨を保護者と話し合い対応したが、結果的には利用者が退園することにより終決することとなった。施設の機能としてはこれらの課題を処理するには至らなかったが、利用者の障害の重度化、多様化、複雑化に向けて、将来を示唆する課題であったと受け止めている。

おわりに

 ホミニス学園の機能、即ち学事の意味合いとそれを現実の中で行うこと(主体的かつ共なる学びとリスクマネジメント)が、より具体的階層で深まった年度だった。これらを継続し定着を目指したい。

*1 「アシスタント論/施設職員の自己決定」
 援助の本質は傾聴にあること、援助者と被援助者の依存あるいは共依存の関係からの自立が求められていること、援助者が学びそれを利用者の援助の実践に反映すること、などが主な論点である。授業におけるアシスタントとは何かという狭義から議論は始めたが、その結論は対人援助全般に対する言わば黄金のルールとなったことが興味深い。またこれらを通じ、ホミニス学園の学事のあり方の方向性がより明確になった。

以上



注1
 このホミニスだより添付版には、職員会議議事録は添付されていません。御覧になりたい方はお申し出下さい。

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2003年度苦情解決委員会活動記録

2004年3月作成

作成者 苦情解決責任者 小堀俊二

苦情受け付けの概要

 利用者及び保護者から申し出のあった苦情は軽微なものに限られ、受け付けあるいは解決に至るプロセスの報告や説明は、既にホミニスだよりにて行われた。今年度はヒヤリハット報告と合わせて集計を行った。利用者からの訴えの有無は勿論重要ではあるが、訴え以前の危機管理を重視した。それらの内容は概ね以下のようになった。

1 生活環境に関するもの

 空調、ホットカーペット等の管理不足
 水質の管理不備
 清掃不足     等々

2 生活支援の方法に関するもの

 トイレでの支援が足りない
 食事の支援不足
 薬の支援及び管理不備  等々

3 人権に関連するもの

 利用者の暴力   等々

4 職員の能力不足を訴えるもの

 コミュニケーション能力の不足
 グループワークに対する参加の姿勢
 支援技量不足  等々

学園の取り組みと課題

 事業計画の重点実施事項にあるように職員の資質を強く問う中で、当然ながらこれまでに無かった職員の能力に関する問題が顕在化してきた。また、重大な事故に繋がりかねない薬の管理方法について大幅な見直しを行い改善した。
 その反面、比較的軽度ではあるが確実に利用者の不利益となるもの(エアコンの調整、道具の管理など)については、前年から改善はされておらず、これらについては、改善方法も見出せないでいるのが現実である。また、ウッカリミスとして軽視出来ないものに施錠管理の不備があった。これも根本的な解決方法は見つかっていない。
 今後も、利用者の利益の担保を目指し、特に訴えることが困難である利用者の代弁を重視し、苦情を透明性を保った中で、解決や施設機能の向上を目指したい。

以上