社会福祉法人ホミニス会ホミニス学園2004年度事業報告書(ネット公開版)

はじめに

 2004年度は、重点実施項目である職員研修の他、生活支援や防災体制の見直しに取り組んだ。
 本報告書に、2004年度における特記すべき事項および添付する職員会議議事録(注1)に補足が必要な部分に関して記す。

(1)本年度事業計画書における重点実施事項

  職員研修の充実と援助場面への反映

 「利用者中心授業とリーダーの働き」*1と題して研究し、その総括を「ホミニスだより」、法人機関紙「あゆみの跡」に掲載した。利用者中心の意味と、その上で援助者は何をするべきかを掘り下げた。そして、その論理的到達点から、分かっていても出来ない人間の弱さ、人間の限界性と向き合わざるを得なくなった。これについて次年度に引き継ぐこととした。

(2)その他の特記すべき事項

 (イ)防災体制の見直し

 今年度に続いた台風、地震災害を受け、また、近年のボランティアグループにおける施設建物の使用状況と合わせ、防災体制の見直しを行った。誰でもが全体の防災体制を理解できる、災害時の切迫した心理状態を想定した分かりやすい準備、万全の体制を目指すのではなく既にある準備を無駄なく用いること、に重点をおいて備品の点検、再整理、掲示物の作成などを行った。

 (ロ)生活支援の見直し

 一部利用者についての歯科医からの助言をきっかけとして、利用者全員を対象に歯磨き支援を導入した。

 (ハ)衛生管理の見直し

 リネン類の扱いの見直し、衛生管理規定の試作などに取り組んだ。衛生管理規定については完成に至らず次年度に引き継ぐこととした。

 (二)個人情報管理

 次年度4月1日からの個人情報保護法の全面施行を受け、表記管理体制に着手した。しかしプライバシーポリシー、個人情報管理規定など文書作成に留まり、実務上の管理体制の再構築には至らなかった。その為これを次年度に引き継ぐ事とした。

おわりに

 境目を迎えた研究テーマに新たな気持ちで向き合うと共に、近年福祉施設に求められるリスクマネジメントの高い要求を満たす体制を目指したい。

*1 「利用者中心授業とリーダーの働き」
 この研究は「一見職員中心だが、良く見ると徹底して利用者中心」というキャッチフレーズからスタートした。その実務上の意味、職員のあるべき姿を模索し、「利用者中心とは、利用者が中心になり何かを行うのではなく、意識の中心に利用者があること」の結論に至った。学びを通じ、ホミニス学園が無条件の受容を目指しながらも、利用者が生産的活動をすることの期待を捨てきれないでいる現実を強く反省させられると同時に、活動方針の核とも言える原理により、より明確な指針を得ることとなった。また、この定義は狭義の授業場面は勿論の事、「利用者中心=メインストリーミング」として社会福祉総論にも通ずることではないかと思われた。

以上



注1
 このネット公開版には、職員会議議事録は添付されていません。御覧になりたい方はお申し出下さい。

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2004年度苦情解決委員会活動記録

2005年3月作成

作成者 苦情解決責任者 小堀俊二

苦情受け付けの概要

 今年度はヒヤリハット報告と合わせて集計を行った。訴えが無くとも事故あるいはそれに繋がる事例は利用者の不利益に違いし、利用者の申出を代弁する意識を重視したからである。受け付けあるいは解決に至るプロセスの報告や説明は、重要なものを選びホミニスだよりにて公開した。事例の内容は概ね以下のようになった。

1 利用者支援に関するもの

 支援全般の技術の不足
 支援そのものの不足
 授業の準備不備
 清掃不足     等々

2 保護者との連絡に関するもの

 指導記録(保護者と毎日やり取りしている書類)の紛失
 保護者に必要な謝罪がされなかった  等々

3 環境整備に関連するもの

 トイレの清掃が足りない
 室温の調整不備  等々

4 防災に関するもの

 備品の整備不足  等々

学園の取り組みと課題

 上記にある事例を職員の問題について、「うっかりミス」「技量不足」「認識不足」に分けられる。技量不足と、認識不足、即ち職員が自らの職務の意味を理解していない状態は、紙一重でありながらも、職員を支援する角度からは明確に異なると思われた。また、職員間の連絡不足が、結果的に単独判断によるミスを生むことも、問題として確認された。
 施設の管理の具体的取り組みとして、防災備品の整理、検食方法の改善、リネン類の扱い方の改善などを行った。また、健康管理上見過ごせないこととして、歯磨き支援を導入した。
 今年度に得られた気付きを手がかりに、利用者の痛みを代弁する視点を大切にして、管理体制の充実を目指したい。

以上