ホミニス便り2003年1月号



「価値観の多様性」 学園長 小堀俊二

 私は買い物がとても好きです。ストレスの発散になります。でも同じ位、レジに並ぶのが嫌いです。その時間が無駄に感じて、じっと待つのはとても苦痛です。気を紛らわすために近くの商品に手を伸ばし、お店の思うつぼ、とは私のことかも知れません。
 私たちは意味の世界に住んでいます。朝起きてから床につくまで、例外はあるにしろ何らかの意味や目的をもって行動しています。それを少し深く考えたものを価値観と呼びます。お店のレジに並ぶのはその「意味の無さ」故のものです。私はその時間に価値を見いだすことが出来ないのです。
 現代の中心的でありながらも徐々にその座を譲りつつある価値観は「働かざるもの、食うべからず」が示す、生産性絶対主義です。この価値観は社会福祉の分野にも浸透しています。たとえば「この人だってやれば出来る」とか「障害の克服」とか言う言葉に表されています。しかし、私はこの言葉を聞くたびに「がんばっても出来ないから障害なのに」と心で呟きます。
 何故、こうまで障害を持っている方々の生き方を周囲は決めてかかろうとするのか。それは、お互いに大切にしている物が違う、即ち「価値観の相違」が根源にあると思います。生産性を価値基準にもつ援助者が、生産性を全く持たない人を前にしたときの反応。それは、私がレジに並んでいるときの感情と似ているかも知れません。意味の無さからの苦痛、場合によっては不安感さえ覚えるでしょう。そして、その援助者が「私の価値観の枠組みに入ってもらおう」と決心したときから悲劇は始まります。特に、自分の価値観を絶対視していることにより、自らの行いが差別や虐待になっていることに気付いていない場合は、正に目を被いたくなります。
 様々な価値観があり、お互いに学び合い尊重しあうことが大切だと思います。ここが理解されていないため、未だにノーマライゼーション止まりでメインストリーミングやインクルージョンという言葉が日の目を見ないのかなとも思います。


〜〜リレーエッセイ〜〜
「受け入れられている自分」生活指導員:竹田朝子

 対人援助では「相手のありのままを受け入れる」ということが求められます。最近気が付いたというか遅すぎるのかもしれませんが、ホミニスという場所で色々な方達に自分は受け入れられていると感じます。色々な方達というのはもちろん利用者の方々、職員の方々です。
 なぜ受け入れられていると感じるのかというと、詳しく説明をするのは難しいのですが、利用者の方々は、援助者として余りに未熟な私を責める事無く、おおらかな姿勢で見守ってくださるのが伝わってくるからです。助けられている自分、支えられている自分を感じます。
 そのようにサポ−トしてくださっている方に対して人間的な温かみや尊敬の念すらおぼえることがあります。
 こう書いたものの、いつしかその支えられてる状態を忘れてしまわぬようにと言い聞かせながら援助者として、人として自分を振り返っていきたいです。


〜〜リスクマネジメント研究 6〜〜
社会における責任

 そうならざるを得ないとは言え、集団に対して大きなストレスを加える利用者達とその結果の暴力。その考察を半年に渡りお話ししてきました。今回はそのまとめです。
 大きなポイントの一つは、問題となる行動を私達は「他害行為」ではなく「暴力」と呼びました。これは対象者個人の療育の対象となる事柄としてではなく、被害者の痛みから議論をスタートしたことを意味します。
 また、騒いだり暴れたり皆が嫌がることを「しないこと」は、言い換えると社会に属することに伴う責任です。個々の人権は容易に取り上げられますが、責任を果たすための支援は見落とされがちです。
 上記の点を踏まえた上で、私達施設職員の仕事を定義づけするなら、暴力に伴うリスクマネジメントとは「利用者の社会的責任を果たすための支援」となります。具体的な方法は未だ模索の段階ですが、今後も利用者の痛みの視点を忘れることなく支援を提供していきたいと思います。 (この項終わり)


学ぶって何だ? 5タラントの会報告(11月30日) 小堀俊二

 今回の発題は、朝日新聞11月24日朝刊の「学ぶ意欲」と題された教育に関する特集記事を元に、私達なりの聖書や心理学を土台とした教育に関するスタンスを確認しました。
 聖書の中の書物、箴言には、「主を恐れることが、知恵の始まり」とあります。神の教えを忘れ、自分の価値観を絶対視することを戒めている言葉です。
 私達の学びは、神様のご意志を追い求めることだと考えます。聖書には、神様が人間を愛していること、罪の赦し、永遠の命を授かることなどが、神様からのメッセージとして書かれています。私達は、一人ひとりが、神様により創造された、かけがえのない存在であること、そして私達は神様から愛されているのと同時に、私達もお互いに愛し合っていくこと。これこそ、私達が日々伝え合い、学び合っていくテーマなのです。
 クリスマスを控えたこの時期に、このテーマで学べたことを感謝します。

5タラントの会

 キリスト教主義の勉強会、懇談会を毎月最終土曜日に行っています。場所はホミニス学園、時間は10時からです。どなたでも参加できますのでお気軽にどうぞ。




今月の苦情 

利用者の方から以下の要望を戴きました。
*トイレが寒い。

*女性用のトイレは通風口を塞ぎオイルヒーターを設置しました。男性用は清掃が頻繁に必要であることと感電の恐れがあることから通風口を塞ぐのみとなっています。これらの対策により、かなりの効果が確認されています。

〜〜苦情大歓迎〜〜

 施設を利用していて疑問に思うこと、要望などお気軽にお話し下さい。また、苦情、要望など、直接申し出難い場合は、以下の窓口を御利用下さい。

・第三者委員
  日本キリスト教団戸塚教会
  尾毛佳靖子牧師 (045-866-3466)(受け付け、及び苦情報告受理)

・福祉サービス運営適正化委員会(045-317-2200)

・権利擁護センター「アシスト」(045-312-1121)


〜〜 出張報告 〜〜
12月9日 県立茅ヶ崎養護学校 余暇支援の取り組み準備会(吉永教学主任)
 利用者の方々が、余暇を過ごすお手伝いで何が出来るかと話し合ってきました。答えのない問題だと思います。だからこそ、私は、仮定をするのではなく、利用者の方一人一人が、何を望み、どうして欲しいのかを十分に傾聴するべきだと思います。その事をしっかりとした土台に据えなければ、この支援も本末転倒になってしまうのでは無いかと思いました。

12月9日 「新たな福祉の契約」講師:弁護士平田厚氏(吉永教学主任)
 契約制度目前です。施設との契約を書面化した物が、個別処遇記録です。施設、御家庭と責任の所在が明確になります。人任せは、間違いであることを肝に命じなければいけまんせん。良い時も悪い時もすべてを受け入れる施設生活を築きたいです。保護者の皆様、施設利用に何か感じることがあれば、いつでもお話ください。一緒に歩きましょう。


1月の予定

9日 3学期始業式(半日)
15日 防災訓練
23日 食事会
30日 誕生会

送迎時間変更のお知らせ
 半日学事(終業式、始業式等)では帰りの送迎時間が以下の通りに変更になります。御注意下さい。

学園発(11時)
鶴ケ台(11時15分)
市役所(11時30分)

*冬休みに利用者の預かりが必要な時など、気軽に御相談下さい。5タラントの会で対応致します。

2月の予定

3日 体重測定
12日 防災訓練
20日 バス旅行(行き先未定)
27日 誕生会



1月の歌 賛美歌411番

すべしらす神よ ときわにみちびく

み手のおおみわざ われらほめたたう





初雪の日(12月9日)

編集後記

 施設の評価が叫ばれています。しかし、施設がどの様な叫びと共に運営されているのか、それを聴かずして評価は成り立つのでしょうか。施設を責め立てることが福祉活動であると混同されているのかな?と、少し心配になります。今月号からしばらく4面で発行します。(小堀)


発行:社会福祉法人ホミニス会ホミニス学園
電話 0467-53-2980 ファックス 0467-52-4160

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