ホミニス便り2003年6月号



「アシスタント論/施設職員の自己決定」 学園長 小堀俊二

 ここ数年のテーマである人材育成は、誰もがリーダーができることから、リーダーとアシスタントという役割分担、また職員の自己研鑽中心から現場での利用者と共なる学びへと細かな方針の変更を受けながら、黄金のテーマ、あるいは単なるマンネリと化して、今年度にも引き継がれています。
 最近の基本的な授業の方法は、私がリーダーで指導員2名がアシスタントという役割分担が定着しています。リーダーの仕事、即ち授業の内容の決定や進行は、体験的、またある程度の理論化もされ、書面にもされています。その反面、アシスタントの仕事については、体験的にはかなり充実し時として「痒いところに手が届く」と実感することもありますが、理論的には殆ど深めることなく、リーダーの理屈を押し付けてきたのが、正直なところです。
 そもそもアシスタントとは何なのか。自動車のパワーステアリング(ハンドルの倍力装置)のようなものなのか、視覚障害を持つかたの白い杖のようなものか、現段階では全くの暗中模索です。ただし、確実に言えることは、場面の目的を等しくしていることと、リーダーとの意志の疎通が必要不可欠であることです。パワーステアリングが思った通りに舵をとらなければ恐くて運転出来ませんし、ブレーキを踏んだら加速しても同様です。
 今年度の主題研究テーマとしてこれらを扱おうと思いますが、もう一つの視点として、授業の内容がリーダーの理屈により開発されたのと同様に、アシスタントの仕事を本人達の理屈、感性、体験から組み立てていこうと思います。その先には、私達はそもそもどうしたいのかというビジョン、即ち「施設職員としての自己決定」の確立、または成熟を目指したいのです。
 人材育成をただ「勉強しろ」と言っていた時代は終わろうとしています。職員自らの足でしっかりと地面を踏むことを願っています。


〜〜リレーエッセイ〜〜
「捨てること」主任指導員:吉永暁子

 消化不良の中で過ごす私ですが、その中で発見した事があります。それは、捨てると言うことです。
 私は、物をまだ使うまだ使うと、保管します。その行く末は、物に溢れゴチャゴチャです。部屋は汚れ、汚い部屋を見れば心もすさみます。
 しかし、その物と対面し、良く良く考えてみると、本当にそれが必要なのかと言う疑問にぶつかります。何の為にそれを残しているのか、その事が不明確なのです。
 これは、援助者としての自分の姿にも現れています。目の前にある事のみを追いかけ、援助者としての居る意味を見出さないのです。その為に、私は消化不良を起こし、トンチンカンなことばかりをしているのです。私の歩むべき道程を利用者の方がそして、ホミニス学園が教えてくれます。今後は、この発見を基に援助者としてあるべき姿を確実に吸収して行きたいです。その為に、今必要なことと捨てることを明確にしなければいけません。



〜〜〜質問コーナー〜〜〜
「音楽と学習が中心なのは何故?」学園長 小堀俊二

 一番大きな理由は、音楽と学習が安全であることによります。作業活動を縮小する過程には数えきれないヒヤリハット報告あるいは事故がありました。それを現実的に管理することに重きを置いたからです。ただし、現在ではあらゆる活動をある程度のリスクマネージメントの上に「音楽的に」行うノウハウは構築されましたので、今後は科目も変化していくかもしれません。


5タラントの会報告(4月29日)
 今回は小堀、吉永両名により発題されましたが、お互いの感想を書きあう形で報告します。

米軍支えるマイノリティー 主任指導員 吉永暁子
 イラク戦争の戦死者の中に、黒人やヒスパニックなどマイノリティー(人種的少数者)が目立つ。新聞記事 (03.4.17朝日)の冒頭です。今回、この記事を基に、参加者の方々と共にディスカッションをしました。そして、その方々との議論を通して、私が感じ学んだことをお話したいと思います。
 この戦死者の方々は、除隊後の生活の為に、志願された方々ばかりです。勉強したい。家計を助けたい。愛に溢れた方々が、貧しさゆえに、政府が目の前にちらつかす特典にすがり、行きたくもない戦争に行き命を落とすのです。何と言う悲劇なのでしょうか。心が痛みます。政府の卑劣な手段に怒りすら覚えます。
 戦争をしたいですかと問えば、誰しもがNOと口にすると思います。しかし、戦死者の方々の様に、貧しさに陥いり、戦争後の暮らしを約束されていたなら、本当に戦争へ行かないでしょうか。嫌だと思いながらも、私は、戦争に加担すると思います。現に、戦争に加担している日本もそして、そのことを知りつつも、耳を塞ぎ知らないふりをしている私も現実に存在しています。
 何か、矛盾を感じませんか。思いと行動が伴っていないのです。結局、遠い海の向こうの出来事で、他人事なのです。自分の痛みとして感じていないのです。
 なぜ、人は戦いあうのか。「こんな戦争を誰が始めたのでしょう。」戦死した黒人男性の母の言葉です。全てを物語っているように思います。戦争をせずに平和を掴むことは、本当に出来ないのでしょうか。そのことを考えるために、悲劇しか生まない戦争は語り継がれ、戦争の無い平和な時を過ごす為に、私達は永遠に話し合うべきなのではないでしょうか。

生と死 学園長 小堀俊二
 吉永主任指導員による発表は、生と死と題してマザーテレサやエリザベス・キューブラ−・ロスの文献を用いながら行われました。ディスカッションの場で私が一番感じたことは、「言葉の無意味さ」と「決まった答えはなく問い続けることの大切さ」です。そして、死を目前に控えた人に向かって声かけが意味を持たないように、「共にいる」ことこそが大切だと思います。
 私はそれと同時に、聖書の本質的メッセージ、即ち弱者と共にあったイエス・キリストの生き様を思い起こしました。

5タラントの会

  5タラントの会では、毎月最終土曜日に、懇談会、勉強会を行っています。6月は31日です。時間は10時から12時で、場所はホミニス学園です。職員と保護者が話し合える場として、是非御参加下さい。


〜〜今月の苦情〜〜 

利用者の方から以下の要望を戴きました。
*授業の内容が突然変更され納得できない。

*このケースは創作活動の時間に既に模造紙と絵画の道具が準備されていましたが、職員の判断で段ボールへ描くように変更したところ、利用者から強い訴えがありました。
 利用者個々の特性の中には、急な変更が苦手だったり、決まった事柄がその通りでないと気が済まない、などの方もいらっしゃいます。臨機応変が裏目に出て、時としてパニックを誘発することもあります。
 今回の場合は、利用者へ謝罪し、元の内容に戻し、承諾を得ました。
 ホミニス学園の特性が、今回のような苦情を生みやすいことを心にとどめながら、運営していこうと思います。

苦情解決委員会責任者 小堀俊二


*施設を利用していて疑問に思うこと、要望などお気軽にお話し下さい。また、苦情、要望など、直接申し出難い場合は、以下の窓口を御利用下さい。
・第三者委員
  日本キリスト教団戸塚教会
  尾毛佳靖子牧師 (045-881-3416)
・福祉サービス運営適正化委員会 (045-317-2200)
・権利擁護センター「アシスト」 (045-312-1121)


6月の予定

11日 防災訓練
12日 バス旅行:江ノ島水族館
25日 歯科検診

7月の予定

9日 防災訓練
10日 陶芸&バイキング大会
*どなたでも参加出来ます。陶芸に興味がある方、是非、いらして下さい。連絡は特にいりません。

 休日や夜間の利用者の預かり、福祉相談など、お気軽に申し出て下さい。全て無料です。


6月の歌 賛美歌313番

この世のつとめ いとせわしく

ひとのこえのみ しげきときに

うちなる宮に のがれゆきて

われはきくなり 主のみこえを


〜〜ホミニスに集まろう〜〜

 ホミニス学園では、見学、福祉相談、ボランティアなど、随時受け入れています。お気軽に御連絡下さい。




編集後記

 学園祭で、施設職員の方から質問を受けながら、その行間から悲痛な叫びが聴こえました。援助者は皆苦しみ、迷っています。互いに聴きあう場がない事がとても残念です。(小堀)


発行:社会福祉法人ホミニス会ホミニス学園
電話 0467-53-2980 ファックス 0467-52-4160

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