ホミニス便り2004年7月号



新たなる混沌の中で 学園長 小堀俊二

 ある日の昼食時、中々食堂に行かない利用者がいました。私は普段なら「食事をどうぞ」と声かけしていたのでしょうが、ひょんな思いつきからジェスチャーでそれを伝えました。やっていて自分でも何所かユーモラスで自然に笑顔になり、それは相手にも好意的に伝わったようでした。食事を食べるかどうかは本人が決めることなのはさておき、指図していながら強制的な雰囲気を持たないこの方法は、援助者の側の何所かポイントを指しているような気がしています。
 授業の殆どの場面では私は言語を用いません。言葉を使うと部屋全体が途方も無くうるさく散漫になるからです。しかし、無言語でありながらジェスチャーで指図を出している事は大変多く、その意味から目指すところの利用者中心、非指示的授業とはかけ離れていることにも最近気付きました。どれだけ私は声を用いない声かけを指図であることに気付きもせずしてきたことでしょう。
 一時期、徹底した非指示的授業に傾倒し、私は伴奏に徹し利用者が自然に表現するのを待っていたことがあります。しかしこの方法では、出来上がった作品はまとまりや意味性に欠け、時にお互いの表現が共生しません。参加している実感は言わずもがなです。
 指示を避け、利用者中心でありたいと願いながら、授業ではそれが中々叶いません。その反面、指示的でありながらも、そこにユーモアと相手を尊重し息を合わせようとする雰囲気があるならば、それは理屈抜きで「とにかく良い感じ」なのです。
 今、アシスタントの職員と合い言葉の様に毎日確認していることは、「一見職員中心で、良く見ると途方も無く利用者中心の授業」という仮説的授業観です。これは、これまで散々こだわってきた共同表出(いわゆる手取り法)を、利用者の意志を受け入れそれを授業の流れに組み入れるというような技術レベルで深めると共に、前述の授業全体のキャッチフレーズのような概念としての広がりでもあり、双方向に拡張していると思います。
 結論を急がず、もうしばらく、この渾沌の中に身を置いていようと思います。


気付いたこと 竹田生活指導員

 先日「職場におけるメンタルヘルス」という議題の勉強会に行ってきました。そこでは今現在様々な理由で心の病にかかってしまう労働者が多く、その現状や、職場内で何が出来るのかといった内容の講演でした。
 私は、そのような方たちを周囲で互いに支え合っていく具体策、といった内容を想像していただけに、心の病の定義や、その予防策などの話は聞けて知識は得られたのですが、終わった後の実感として少し物足りなさを感じました。
 またそれと関連して、心の病を抱えた方に限らず、周囲で苦しみや悩みを抱えている方々に対して、「〜病の誰々さん」、「〜症の誰々さん」など、その方の部分的な側面であるいは「対象者」といった見方を持ち、離れた位置から見てしまいがちな私の傾向に気が付きました。
 先入観やイメ−ジなども含めて、その方の部分的な側面のみに囚われず、利用者の方や、周囲の方々と関わりを持つことが今後少しでも出来ればと思いました。


~~5タラントの会報告(5月29日)~~
オウムと社会  発表者 吉永主任指導員

 表記の朝日新聞の記事を元に発題しました。カルト宗教では、教祖が絶対視され信徒は思考を停止させ、ロボットのように指示通りに行動します。私はこのことに自分自身が重なりあう気がします。
 学園長の指示を絶対視し、誤りはないと信じ込んでいます。全てにおいて受け身であり、しかしそれは責任を放棄しているのと同じです。その理由は、その方が楽だからです。言われたとおりにしていれば良いという甘えです。
 しかし、日々の学びを通して、人同士とは応答関係であると学んでいます。自分はどれだけ向き合い応答してきたでしょうか。
 私はこのことを直視し言い表すところまで辿り着きました。すぐに変化していけるわけではありませんが、少しづつ行動に移って行けたらと、またその勇気を持てたらと思います。


~~5タラントの会報告 2~~

キリスト者の自由/ルター 解説:徳善義和牧師 発表者:小堀俊二

 今回は信仰者の内面と外面の関係が論じられます。仮にどんな善行をもってしても神様から見て義とされるかには、一切関係がありません。これを言い変えると、どんな逆境にあろうとも、神は私達を見捨てないという、圧倒的な宣言なのです。
 逆に著者のルターが経験した悩みに満ちた道のりがなければ、新たな宗教改革に繋がることはなく、これは言わば一見遠回りではありましたが、同時に神が用意された近道と見るべきです。現代の信仰者がこの道のりを軽視し過ぎていないか、との問題提起もされていました。

 この勉強は、キリスト教放送FEBCの番組を発表者がレポートにまとめる形で行っています。

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 キリスト教主義のボランティアグループ、5タラントの会では、毎週土曜日に、勉強会、懇談会、音楽教室、その他の活動を行っています。

〜〜今月の苦情&ヒヤリハット〜〜

*昼食支援技量不足
 食事を食べる時、利用者個別の支援が必要です。今回のケースではそれを指導員が見逃し、嘔吐に繋がりかねないところを学園長より指摘を受けました。当日の会議にて、援助の必要性、特に利用者が食べるより先にメニュー全体を見渡し、事前に必要となる支援を察知することを再確認しました。

苦情解決委員会責任者 小堀俊二


*施設を利用していて疑問に思うこと、要望などお気軽にお話し下さい。また、苦情、要望など、直接申し出難い場合は、以下の窓口を御利用下さい。
・第三者委員
  日本キリスト教団戸塚教会
  尾毛佳靖子牧師 (045-881-3416)
・福祉サービス運営適正化委員会 (045-317-2200)
・権利擁護センター「アシスト」 (045-312-1121)




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江ノ島水族館

さかな うみ しんごう
ソフトクリーム こんどたべたいです
6月10日 中込早貴

7月の予定

1日 お楽しみ会(平塚七夕)
14日 防災訓練
29日 祈祷会

8月の予定

6日 1学期終業式(半日)
16日 2学期始業式(半日)
18日 防災訓練
26日 誕生会


7月の歌 賛美歌85番

主の真理は 荒磯の岩

さかまく波にも などか動かん

くすしきかな あまつみ神

げに尊きかな とこしえの主


*ホミニス学園では、見学、ボランティア、福祉相談など、いつでも受け付けています。お気軽に御相談下さい。

編集後記

 一見職員中心だけど実は利用者中心という気付きは、恐らく大きなテーマに膨らむような気がします。昨年度のアシスタント論に続く、リーダー論です。(小堀)


発行:社会福祉法人ホミニス会ホミニス学園
電話 0467-53-2980 ファックス 0467-52-4160

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