ホミニス便り2005年3月号



こんな地域に誰がした! 学園長 小堀俊二

 「施設とは相談しなかった」「保護者が強く訴えてくると、逆らうことが出来なかった」。これは1月に行われた県、茅ヶ崎市、ホミニス学園3者の話し合いにおける、過去の退園者手続きについての市の発言です。利用者の為の制度であるのに、それを保護者と行政がねじ曲げたことを意味するこの証言は、ある角度からは恐喝、他の角度からは癒着であり、どの角度から見ても確実なのは利用者不在による構造的人権侵害ということです。
 何故このような事態に至ったのか。私は2つの角度から考えます。その一つは、法制度の無理解です。本人の選択を尊重することはいうに及ばず、自治体によるあっせん調整や情報提供が法に定められた義務であるにも関わらず、実際には行われていません。保護者が利用者の代弁者として無条件に盲信することが誤りなのは、度々報道される保護者による犯罪やそれを受けた法改正の流れからも間違いはありません。
 もう一つは、地域社会のあり方として、痛みを訴えた声、特に弱者の代弁を誰も聴いてこなかったことです。地域社会は一つの生き物であって、健全か否かはその自浄力、自然治癒力が問われます。癒着や腐敗、不等な弾圧等の訴え、特に弱者の声に耳を澄ませ、それを地域社会全体の問題として向き合わなければ、膿は身体全体に回るか、患部は壊死してしまいます。これまでホミニス学園が上げて来た叫びは誰にも聴かれることなく、現在は正に壊死(経済的に)寸前です。しかしこれは決して健全な地域社会とは言えません。その犠牲になるのは、発言権をもぎ取られている施設利用者なのです。
 ところで、文頭の「逆らう事が出来なかった」程の保護者のけんまくは相当なものだろうと私は想像しますが、何故そこまでになったのか、しかも自分の子どもの施設での様子を全く見る事無く退園させた、否、させざるを得なかった背景は何なのか。単なる「方針の違い」や感情問題として理解するには些か不自然です。最終的にはここにメスが入らなければ、地域の健全化はあり得ませんし、そのメスを握りうるのは私達市民一人ひとりではないでしょうか。



育む関係 主任指導員 吉永暁子

 新たな学びをしています。それは、育むと言う関係です。この関係を通して、様々な事に気付かされています。
 その一つが、表現者である事です。喜怒哀楽をそのまま表現する事です。喜びや楽しさを表現する事に躊躇はありませんが、悲しみや怒り、辛さや葛藤となると違います。正にここが大切な所だと思います。なぜなら、それらを表出する事で、人間らしくなれるからです。
 しかし、私の苦手とするこの表出は、私の考えと裏腹に思う様には行きません。だから、育むのですよね。私自身と私を見てくれている人達と共に。
 一人では、何も育む事は出来ません。だから、皆がいる。育む関係とは、孤独ではないのです。大いに表現をして行けるように育む関係を探検したいです。


〜〜5タラントの会報告(1/29)〜〜
ジェントルティーチング  発題者 竹田朝子

 ジェントルティーチングの考えた方の一つに、”相手が例え大混乱の真っ只中にいたとしても、援助者は相手に対して「あなたの存在は無条件で価値がある」と、関わりを持ち続けることに意味がある”とあります。
 また、相手に変容を望むのでなく、援助者側が無意識のうちに相手を支配したい欲求や、何が出来たからご褒美をあげる、何が出来なかったから罰を与えるといった条件付きの関わり方から解放される必要があるとも説いています。心底簡単なことではないけれども、素晴らしい考えだと思いました。
 しかし、利用者の方に対して温かい関わりをしたくても出来ない自分を知る必要があり、そこで問われてくるものが「援助観」なのではとのご指摘を頂きました。ホミニス学園では聖書の教えを土台にしています。大混乱の中にいる方を目の当たりにして時として成す術を失います。でも同時に自分の拠り所となるものがある事は心強いことだとも思いました。少しでも謙虚な気持ちで困ってしまっている方々に仕えていけたらと祈りながら歩んでいきたいです。


~~ 5タラントの会報告 2~~
キリスト者の自由/ルター 解説:徳善義和牧師 発表者:小堀俊二

 奉仕は自分の力で行うのではありません。神様の愛が自分に届き、それが隣人へ流れ出るのです。自分はその流れに身を任せればよいのです。また、奉仕とは相互関係、つまり互いに与えあうものです。一見自分が何かを捧げているようでも、それと同時に相手からそれ以上のものを受けているのです。私達は生涯に残る経験、学びを利用者から得ているのです。援助職とは何と恵みに満ちた生業でしょう。
 今回でキリスト教放送FEBCの番組は最終回なのですが、学びを通じて感じたまとめを次回に行いたいと思います。

*この発表は、キリスト教放送FEBCのラジオ番組を発表者がレポートにまとめる形で行われています。

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 キリスト教主義のボランティアグループ、5タラントの会では、毎週土曜日に、勉強会、懇談会、音楽教室、その他の活動を行っています。

〜〜今月の苦情&ヒヤリハット〜〜

*支援の種類と量に関わる調査の誤り
 トイレ支援について、誤った調査により自立度が高く評価されたため、本来は必要とされる支援が行われていないことが分かりました。
 本人に謝罪すると共に、能力判定が本人の支援量に直結すること、誤差が生じる場合でも利用者の利益となるように評価しなければならないことを職員間で話し合いました。

苦情解決委員会責任者 小堀俊二


*施設を利用していて疑問に思うこと、要望などお気軽にお話し下さい。また、苦情、要望など、直接申し出難い場合は、以下の窓口を御利用下さい。
・第三者委員
  日本キリスト教団戸塚教会
  尾毛佳靖子牧師 (045-881-3416)
・福祉サービス運営適正化委員会 (045-317-2200)
・権利擁護センター「アシスト」 (045-312-1121)




05年書き初め



神奈川県及び茅ヶ崎市との話し合いについて

 既にお知らせしておりますが、ホミニス学園は利用者不足による経営困難が続いています。それに関して昨年6月に県知事に嘆願者を提出し、それについて1月末に県福祉部および市福祉部とホミニス学園の3者の面接がホミニス学園にて行われました。話し合いの中で、過去の退園者について、本人の意思の確認を基本とする適正な手続きが行われていなかったことが確認され、その訴えを長期に渡り聴いて来なかった県からは謝罪を受けました。
 今後は県立茅ヶ崎養護学校および県との話し合いを行う予定です。私達はその中においても、利用者本人の自己決定権の保証を軸に関連機関のあり方の是正を訴えていきます。
 施設の閉鎖の可能性も具体的に見えてきております。保護者の方々も、是非関心を持って頂きたく、お願い申し上げます。
3月の予定

2日 保護者歯科講習会(10時より)
9日 1日防災訓練
24日 誕生会
31日 3学期終業式

 歯科講習会は歯磨きの支援方法を実際に行いながら指導していただこうと思います。参加される方は、お家で使っている利用者用の歯ブラシを持参して下さい。

4月の予定

4日 始業式
13日 防災訓練
28日 祈祷会

 始業式は是非保護者の方も御出席ください。語り合う時をもちましょう。10時からです。




3月の歌 賛美歌24番

父の神よ 夜は去りて

新たなる 朝となりぬ

我らは今 御前に出て

御名をあがむ


*ホミニス学園では、見学、ボランティア、福祉相談など、いつでも受け付けています。お気軽に御相談下さい。

編集後記

 見え始めたゴールまで利用者の為に走り続けたいと思います。(小堀)


発行:社会福祉法人ホミニス会ホミニス学園
電話 0467-53-2980 ファックス 0467-52-4160

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