ホミニス便り2005年6月号



切りのないこと 学園長 小堀俊二

 毎日繰り返される、利用者さんの歯ブラシや、入浴、トイレ支援など、いわゆる生活支援。当たり前なのですが、これらの支援は、ここまでやって完成という点がなく、つまり、やってもやっても切りがありません。ご飯を食べれば歯は磨かなければならない、でも、援助の合理化のためにご飯を食べないわけにはいきません。だから、明日も明後日も、私達は利用者さんの歯を磨き続けます。
 援助と似て非なる分野に治療があります。お医者さんが、病気や怪我の患者さんに向き合うときは、治療(あるいはそれに似たもの)という目標があります。それは計画だてて行われ、最終的には終了を迎えます。しかし、私達の行う生活支援は終りを迎えるどころか、援助の量は一般的に増えていきます。誰でも年をとれば生活能力は低下していくからです。切りが無く報われない仕事、これが援助職です。
 だから、援助業務に向かう時には、治療的発想、つまりある期間に決められた成果を目指すのではない、もう一つの価値観でその場に当らなければなりません。成果を目指すのではなく、相手に向き合うことそれ自体に尊さを覚えることが必要です。今日、この瞬間に一緒に過ごせたこと、肌を触れ合うことが出来た事、それこそがかけがえのない大切なものなのです。
 正に「言うは易し、行うは難し」ですが、これは、広い視野で見るならば現代文明の個人主義、成果主義、を批判する新しい指標です。成果を上げた人が尊ばれるのではなく、全ての一人びとりが、社会の責任において尊ばれなければなりません。
 人はそもそも、お互いを尊びあい、そのような社会を形成するように、神から創造されています。その意味からするならば、人生のより本来的な意味がそこに隠されています。
 困難な援助業務に向き合い続ける私達は、このことにこそ、希望を見い出さなければなりません。



私の仕事 生活指導員  竹田朝子

私の従事している職種は「生活指導員」といい、当たり前なのですが、利用者の方の支援をするための業務に携わっています。
 しかし、ふとした時に利用者の方が目の前にいるにも関わらず、それ以外の清掃や事務的な仕事を黙々としている自分に気が付くことがあります。
 それが利用者の方に関する間接的な業務であるとはいえ、それを口実に利用者の方への関心をおざなりにし、正面から関わることを避けてはいないだろうか?と自己に問いたくなる時があります。自分でも気が付かない内に「一見仕事はしているようだけれど」関心自体が利用者の方の存在でなく、違うところへ向いてしまうのはとても怖いことだと思いました。
 私の仕事、または本当にするべきことは何なのか?また、利用者の方と率直に向き合うことから逃げていないか?時折立ち止まりつつ自分の姿勢を振り返っていきたいと思います。


〜〜5タラントの会報告(4/30)〜〜
心と体 発題者 吉永 暁子

 他者からの好意を素直に喜ばす、疲れに支配され、愛を拒否する自分を目の当たりして、気持ちが乱れます。それが良い事ではないと十分に解っているのに、自分の気持ちの転がりを止められませんでした。
 その転がる速度に自分の事ながら恐怖を覚え、書物を手にして、その転がりを止め様と思いました。私の目に止まったのは、赦す言葉と励ます言葉でした。それらを通して少しずつ転がる傾斜が緩やかになり、救われた事を喜んでいました。
 しかし、ディスカッションの場で、著者達の本当の思いを見逃しているのではないだろうかと助言を受けました。
 それは、神の存在です。書物を通して、自分が愛され創造された事は思い出したましたが、そこに神の存在や懺悔、感謝はありませんでした。一番大切な学びを結局していなかったのです。けれど、今はその事に気づかせて貰いました。やはりここに、神の導きがあったのだなと実感しています。


〜〜今月の苦情&ヒヤリハット〜〜

*消毒用アルコールの期限切れ

 歯磨き支援で3週間程使用していた、手袋消毒用アルコールが製薬会社への問い合わせにより期限切れであることが分かりました。速やかに新しいアルコールに交換し、本人及び保護者に謝罪し、今後の対応として、類似するケースでは、製薬会社に確認することとしました。(今回のケースでは薬剤師より使用が可能であるとの助言を受けていました)

*清掃時の消毒薬品の使用法と備品の期限

 清掃時には、逆性石鹸の希釈液を数リットルまとめて作り、それをスプレー容器に入れ替えて使用していましたが、製薬会社に問い合わせたところ、希釈液の使用期限は当日限りであるとの返答を受けました。過去数年に渡る清掃、除菌方法が誤っていたことになります。対応として、洗剤等の希釈液の保存は行わないこととし、既にある洗剤や薬品、医療防災用備品などの使用方法と期限について、再度問い合わせを行いました。また、期限が不明確なもの(瞬間冷却剤、滅菌ガーゼ)についてを買い替えました。

*見学者への説明不足

 利用者が横になり休んでいる更衣室を見学者が覗き込むことがありました。見学者に対する説明が不足したことが原因であり、このための文書と共に、案内を担当する職員の規定を作成しました。

苦情解決委員会責任者 小堀俊二


*施設を利用していて疑問に思うこと、要望などお気軽にお話し下さい。また、苦情、要望など、直接申し出難い場合は、以下の窓口を御利用下さい。
・第三者委員
  日本キリスト教団戸塚教会
  尾毛佳靖子牧師 (045-881-3416)
・福祉サービス運営適正化委員会 (045-317-2200)
・権利擁護センター「アシスト」 (045-312-1121)


調理員の欠員について

 利用者及び保護者の方々には既にお知らせしましたが、5月より調理員が欠員しています。経営困難により人件費を削減せざるを得なくなり、常勤職員2名を解雇し非常勤職員1名を雇用する予定でしたが、求人に対する応募が低調であり雇用に至っていません。
 しばらく、今後の方向性を模索しつつ、外食、宅配サービスなどで対応しますが、食中毒の防止などは勿論のこと、利用者の方々には、ご迷惑をかけないように配慮しますので、よろしくお願いいたします。



神奈川県との話し合いについて

 3月29日に、ホミニス学園において県福祉部、教育部、茅ヶ崎養護学校との話し合いが行われました。数年間に実習がまったくないこと、当事者の選択権が奪われている実体を議題とし、養護学校や教育部から、学校主体で実習が行われている事情説明などがあり、当方よりホミニス学園は常に見学などを受け入れていること、選択の主体はご本人であること、などを訴えました。
 また、松沢県知事宛に、昨年提出した知事宛嘆願書について電子メールにて問い合わせたところ、4月18日に県知事より返答を受けました。その内容は、言わば「門前払い」というべきものであり、これまでの福祉部による調査内容、謝罪、などを翻して、地域行政に落ち度は無いと言い切る、誠に不誠実なものでした。
 御承知のように今年度も新入生のあっせんは全く無く、利用者本人に選択権を与えないという、重大な人権侵害は続いています。
 更に詳細な経緯はホミニス学園のホームページに掲載してありますので、是非御覧下さい。



6月の予定

1日 歯科検診
8日 防災訓練
9日 リクリエーション(旧お楽しみ会)
23日 祈祷会
25日 5タラントの会勉強会

7月の予定

13日 防災訓練
14日 リクリエーション
28日 祈祷会
30日 5タラントの会勉強会



6月の歌 賛美歌495番

イエスよ、この身を ゆかせたまえ

愛のしたたる 十字架さして

我は誇らん ただ十字架を

天ついこいに 入るときまで


*ホミニス学園では、見学、ボランティア、福祉相談など、いつでも受け付けています。お気軽に御相談下さい。

編集後記

 学園祭が無事に終わってホッとしています。出来不出来というような成果主義ではなく、神が導いたことのみを感謝していたいと思います。(小堀)


発行:社会福祉法人ホミニス会ホミニス学園
電話 0467-53-2980 ファックス 0467-52-4160

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