ホミニス便り2005年7月号



老け込むにはまだ早い 学園長 小堀俊二

 個人情報の管理、特にパソコンのデータの管理は悩みの種です。法律的に言えば消去するべきなのは分かっていても、情として捨てるに捨てられないデータも沢山あるからです。
 先日、古いパソコンのデータを保存するか消去するかの分別をするという、気の遠くなるような作業をしながら、ふと目に入る画像データがありました。それは今から4年前の学園祭準備の風景です。既に日付けが変わろうとする時間の作業指導室のテーブルには、段ボールで作られた沢山のオブジェがありました。それらは教具の機能を持たせたもので、ひらがなの一文字を更に分解したチップの「平仮名の素」、カンをヒモで繋いだ「傾聴の糸電話」という具合にタイトルも工夫していました。
 それらの教具で実際に授業をしていた時期もありましたが、最終的には定着には至らず、私達はその方向性を捨てて、もっとシンプルで純粋に芸術に近い授業を行ってきました。それらの教具を使うと、どうしても認知学習に偏ることにより授業の難度が高くなり過ぎてしまったからです。
 誰も乗り遅れない授業を目指した試行錯誤の時期のそれらは、決して成功とはいえませんでしたが、4年をはさんだ今、テーブルに所狭しと並んだ、誰のまねでもない純粋な創造物のエネルギー感に圧倒させられます。既存の福祉観を否定する強烈な自己主張、洗練とは程遠い、無理矢理とも言える社会福祉と芸術、そしてキリスト教の統合への想いは、今も流れ続けるホミニス学園の熱い血潮そのものです。
 暗中模索から抜け出し、安定期に入った今、より無理のないゆったりとした授業が日々行われていますし、事故防止策などは比較の対象にならない程充実しました。その反面、忘れかけた大切なものもあるのかなと思いを巡らせています。



素の自分  吉永暁子主任指導員

 今までも散々話しをさせて頂いたいますが、中々自分を直視すると言う事は簡単ではありません。特に、気持ちが否定的になり、内にこもってしまう時は尚更です。
 その上、否定的な気持ちをさらに抑えこもうと、そんな気持ちになってはいけないと、もっと、自分で自分を苦しめています。
 しかし、職員間の勉強会で、その事を発表する機会がありました。支離滅裂になりながら思いの丈を話しました。そこには、話しを聴いて貰えた実感と共に、自分の気持ちがすっと涼しくなった事を覚えています。その上、自分の感じている事を自分で否定する事の寂しさを発見しました。とても重要な発見です。
 その発表を経て、喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。という聖書の言葉が、他者の為だけでなく、自分の為にも必要な事である事に気づき始めた所です。素の自分に出会う事は決して楽な事ではありませんが、その片鱗にでも触れたときは、やはり言い様のない喜びがあります。素の自分を愛せる道のりをまた一歩踏み出せたかなと思います。


〜〜5タラントの会報告(5/28)〜〜
痛み 発題者 竹田朝子

 今回は、心の病を持つ当事者の活動拠点「べてるの家」で支援に携わるソーシャルワーカーの奮闘記*から学んだことを発表しました。  統合失調症を患っているとある男性メンバーがいます。服薬を減らした結果、猛烈な不安に襲われ「爆発」が始まり、その様子に嘆く家族に対して「彼にとって必要な事は回復などではなく、悩み絶望しきること、落ち込んでいる彼を見て希望を感じた」と筆者は言います。
 更に筆者は「彼」の絶望を通して、人間として尊重された出会いの中の希望と回復を、イエスの十字架と復活に重ね合わせます。
 「絶望することが必要だ」と言う筆者の言葉は余りにも突拍子もないかもしれません。しかし、その絶望の中で援助者が疲れ果てた本人やご家族と正面から向き合う事によって希望が新たに生まれるのです。神様の働きの大きさを感じさせられました。

*いのちのことば/いのちのことば社 弱く、遠く、小さき群れより/向谷地生良

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 5タラントの会は、毎月最終土曜日に勉強会をしています。どなたでも気軽に御参加下さい。


〜〜今月の苦情&ヒヤリハット〜〜

*今月は特記すべき事例がありませんでした。

苦情解決委員会責任者 小堀俊二


*施設を利用していて疑問に思うこと、要望などお気軽にお話し下さい。また、苦情、要望など、直接申し出難い場合は、以下の窓口を御利用下さい。
・第三者委員
  日本キリスト教団戸塚教会
  尾毛佳靖子牧師 (045-881-3416)
・福祉サービス運営適正化委員会 (045-317-2200)
・権利擁護センター「アシスト」 (045-312-1121)


厨房職員着任のお知らせ

 厨房の非常勤職員を1名雇用しました。着任した植木職員はホミニスの元指導員で、学園の事情を察してボランティアを申し出てくれたのが、雇用のきっかけとなりました。皆さん宜しくお願いいたします。

着任にあたって 厨房担当 植木真智子

 先月の末から働かせて頂いております。三年前、半年間と短い間、ホミニス学園で働かせて頂いておりましが、体調を崩してしまい、退職させて頂いてしまいました。
 退職した後もご迷惑をおかけしてしまったと思っておりましたが、いつかまた体調が良くなってから、ボランティアをさせて頂けたら、もう一度ホミニス学園の皆様と同じ時間を過ごさせて頂けたら、と願っておりました。そして今、もう一度学園の皆様と、同じ時間を過ごさせて頂いている事に、幸せを感じております。
 本来でしたら、調理の仕事を出来れば良かったのですが、力不足の為、大変申し訳ございません。今私に出来る事を、精一杯努めさせて頂きたいと思っております。どうか至らぬ私ですが宜しくお願い申し上げます。



2004年度決算報告 事務長 松井明人

 2004年度も厳しい経営状況で決算を迎えました。施設の利用者定員20名のところ現在9名であり、このことにより、2004年度は収入額1.200万円以上足りず、今回も法人本部から資金援助を受けての施設運営です。
 2005年度も新規契約利用者はなく、人件費(職員2名の整理解雇)及び管理費等の削減を行いましたが、厳しい経営状態です。利用者が増えない限り厳しい状況は改善されません。


7月の予定

7日 リクリエーション(平塚七夕)
13日 防災訓練
28日 祈祷会
30日 5タラントの会勉強会

8月の予定

11日 防災訓練
12日 1学期終業式(半日)
15~19日 夏休み
22日 2学期始業式(半日)
25日 祈祷会
27日 5タラントの会勉強会



7月の歌 賛美歌第二編41番

主はわが牧者 われはひつじ

みめぐみのもとに こころたれり




陶芸のデッサン/荒木賢一郎


編集後記

 キリスト教信仰とは、聖書をどう理解するのかではなく、日々聖書に向かっていく、現在進行形の生き方ではないかなと思います。(小堀)


発行:社会福祉法人ホミニス会ホミニス学園
電話 0467-53-2980 ファックス 0467-52-4160

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