ホミニス便り2005年9月号



パラダイスは遠く 学園長 小堀俊二

 鳴り物入りで始まった支援費制度は、あっという間に経済破たんし、新たな制度が始まろうとしています。行政のやる事に一々突っかかっていても疲れるだけですが、気になる点をここでメモ程度に書いてみたいと思います。
 第一に、支援費制度は「サービスを金で買う」「利用者がサービスを選ぶ」という市場原理が根底にありますが、その「損得勘定」を活かすことが出来ませんでした。事業者側からは、良いサービスを提供しようとしても規制が邪魔をしたり、サービスの存在を利用者が知ることが出来ません。従って、競争は起こりませんでした。
 利用者側については、私は措置制度時代から意識の変化を感じることが出来ません。行政処分の対象者から消費者へと変化したはずの当事者ですが、その意識に対する啓発は、恐らくは全く手付かずだったのではないでしょうか。
 もう一つのポイントは、自己選択という根本的思想が、制度上で空回りし現場には全く活かされなかったことです。行政処分である措置から事業者と利用者が対等な契約へ、という根本原理は、知的障害者には選択能力はない、という有無をいわさぬ圧倒的な差別により、機能することが出来ませんでした。
 私達ホミニス学園は福祉活動は道義上の事と考えているので、損得勘定による支援費制度それ自体はあまり歓迎はしませんでしたが、それでも市場原理が全く機能しないまま、財源が不足したので応益負担導入、それを正当化するかのような就労支援、など、真剣に議論されていないのが見え見えの新制度は残念でなりません。
 しかし、根本的にはこれは制度の問題では無く、運用する地域の問題であると思います。その根元を理解していなければ、健全な福祉活動には繋がらないからです。
 国民の意識が景気の動向ばかりでなく、もっと福祉に向き、優れた制度、健全な運用を民間が主導するような社会は、まだまだ先のことなのでしょうか。



宿題  吉永暁子主任指導員

 解らない事をはっきりと伝える重大な宿題をしています。何だそんな事かと思うかも知れませんが、私の根源に関わる非常に重要な意味があります。
 先日、同じ事を職員の勉強会で話し、簡潔に短い言葉で語ることを助言されました。私なりに実践をしていますが、何とも遠まわしな表現が多い事を感じます。自分の事ながら、本当に出来るの?とも思います。
 しかし、不思議な事に取り組み意欲だけは、はっきりしています。それは、自分の姿を客観的に見る機会があり、宿題の重要性に納得をしたからだと思います。
 弱気になってしまう事もありますが、この宿題は学園で終えたいです。そのために、自分自身に疑問を持ち、そして、それを他者に質問する。この2点をする事です。


〜〜5タラントの会報告(7/30)〜〜
国際社会を動かす被害者の声 発題者 竹田朝子

 今回の発表は国連軍縮委員の猪口邦子氏が語った言葉*を引用させて頂きました。それには、武器による悲劇について共に考えるためには、まずは地雷や小型兵器による被害を受けた方々の生の声に耳を傾けることが大切なのだとあります。
 さらに、「他の人が経験したことの無い痛みを超えてきた、そのことに対する敬意の念を軍縮の出発点としていきたかった」ともあります。想像を絶するような、苦しみを味わい、痛みを負った方々の声をまずは聴かせてもらおう、といった対人援助にも通じるメッセージが心に響きショックを受けました。
 また、同時にその小さな声に耳を傾けているようで、それを飛び越えて、自分本位な支援をして自己満足に浸ってないだろうか?と日頃の自分を振り返りドキリとさせられました。
 頭で覚えるのでなく、身に染み込むまでにはまだまだ時が掛かりそうですが、ふと立ち止まり「これでいいのだろうか?」と、振り返りながら歩んでいけたらと思います。

*asahi.com asahi job platz this week special 05.5.29の「猪口邦子が語る仕事」より

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 5タラントの会は、毎月最終土曜日に勉強会をしています。どなたでも気軽に御参加下さい。


〜〜今月の苦情&ヒヤリハット〜〜

*利用者の暴力を防ぐことが出来なかった。

 この事例は、本人の様子により予想出来たにも関わらず起こりました。対応は事故当事者への謝罪と、職員の対応として、1事故が予想される場合の管理者への報告、2複数職員による判断、3事故対応の具体的方法、について再度確認を行いました。。

苦情解決委員会責任者 小堀俊二


*施設を利用していて疑問に思うこと、要望などお気軽にお話し下さい。また、苦情、要望など、直接申し出難い場合は、以下の窓口を御利用下さい。
・第三者委員
  日本キリスト教団戸塚教会
  尾毛佳靖子牧師 (045-881-3416)
・福祉サービス運営適正化委員会 (045-317-2200)
・権利擁護センター「アシスト」 (045-312-1121)




9月の予定

14日 防災訓練
15日 リクリエーション
22日 祈祷会
24日 5タラントの会勉強会
28日 歯科講習会


10月の予定

5日 防災訓練
11~13日 授業参観
15~19日 夏休み
27日 祈祷会
29日 5タラントの会勉強会




9月の歌 賛美歌497番

心穏やかに 主の御手に眠る

ただしき御民の いまわのゆかしさ

生き死にの恐れ つゆなき心の

のどけきみ空に 雲すらかからず



発行:社会福祉法人ホミニス会ホミニス学園
電話 0467-53-2980 ファックス 0467-52-4160

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