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襖引手の特色 引手の施工にあたって 取り付け・取り外し方法  製造工程・加工技術 製作事例
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襖(ふすま)引手の特色
 日本特有の機能を持つ『ふすま(襖)』の手掛け用に取り付けられた金具を引手(ひきて)と言います。引手は、その2枚の襖が互いにすれ違う時、向かいの襖に当たらないように工夫された機能を持ち、襖と一体化しています。
デザインとその機能

 そんなシンプルで優れた機能を持つ引手は、森羅万象をモデルにアートな感覚でデザインされ、空間を飾るアクセントとしての機能も兼ね備えています。
また、襖の開閉時に、向かい合う襖に当たらないようにデザインされている引手は、室内の空間に突き出る物ではないので、部屋、和室はスッキリ広々とした空間が演出されるようになっています。
人にやさしい優れた素材

 引手の魅力は、機能性、デザイン性の他に”素材”の持つ効果にもあります。
特に真鍮や銅を使った引手は抗菌効果も高く、作用は全く人には無害であり、人に優しい素材でもあります。
耐久性にも優れ、数千年前の青銅器が地中から形を成したまま見つかるように、家が在る限り同じように使用可能です。
また、焼き付けエナメルでコーティングしてあれば、一般住宅での使用で濡れた手で開閉しても長年変色する事はありません。

人類の歴史の中で幾度とまみえて来たウィルス、特に新型コロナウィルスの研究では、銅の表面に付着しても、長くても生活時間の1日足らずで死滅する事がわかっています。
和の空間に馴染んだ伝統色

 引き手には、赤銅、GB、仙徳といった"メッキ"によって生み出された3色があります。
これらの色は銅メッキを下地に、職人の勘と経験から上手く色付けされて行き、深みのある色が出てきます。なお、下地は銅メッキなので、自ずと抗菌効果も持ち合わせているわけです。

また、耐久性に優れた塗装の引手も襖紙に馴染んだ色や、空間全体に馴染んだ明るい色も多く開発しています。

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引手の施工にあたって
引手の取り付けは、貼り終えた直後の襖紙を十分に乾かしてから取り付けてくださいます様、お願いしております。
錆発生現象

十分乾いていない、あるいはまだ濡れている襖に取り付けた引き手が錆びてくると、左図のように錆びが地図を書くように襖を汚します。これは、引き手の裏側や外円のエッジ部分に錆びがまわり、水分によって紙に錆びが浸透し広がっていくからです。
 
防錆対策 焼き付け塗料等による裏面コーティング

 こじか製品では、下図のように引手の裏面にも塗装(塗料やニス)や銅メッキなどのコーティングによって十分に錆び止め対策を施しております。 そのため、雨の日や湿気の多い地域でも錆びが発生しにくいのです。
しかし、襖紙を貼り乾燥させずにすぐ引手を取り付ける場合は、紙は湿気以上の水分を含んでいるため、下図のような襖紙に接する細いエッジの引手は、右端図の引手より錆びる確率は高くなります。
しかし、十分に乾かしてあるとコーティング塗料の効果は高いので錆や変色の心配はありません。
   

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引手の取り付け / 取り外し方法
 家庭にある、ごく一般的なDIYの道具を使った引き手の取り付け(釘打ち)、取り外し(釘抜き)方法をご紹介いたします。引き手の取り付け・取り外しが出来れば、家の築年数に伴い変化した、部屋全体の風合いに合ったカラーの引き手を手軽に交換出来るようにもなります。ちょっとした部屋のコーディネートに役立ててみませんか?

釘打ち道具だけは、お近くのホームセンターでお買い求めください。
取り外し方法

 
 引手の取り外しは、専用工具がなくなくても簡単に出来ます。ふすま紙と引手の外形エッジの間にマイナスドライバー(または丈夫なヘラ状のもの)を差し込み、消しゴムなどを台にしてテコの原理で引き手をこじ上げます。もしふすま紙を交換せずに使い続けたい場合は、引手と紙の間に薄い金属板を差し込めば、ふすま紙を痛めずに引手だけを交換することができます。
 
ある程度浮いたところで、また引手を元に戻すと釘の頭が引き手の釘穴より出てくるので、それをニッパなどのペンチを使ってください。また、2本のうち1本の釘さえ抜ければもう片方の釘は引手を引っ張るだけで簡単に抜けることができます。

引手を外した後、襖の取り付け穴に空いた釘穴にジェル状に固まる木工用ボント(速乾用もあり)を塗り込めておくと、後の釘打ちも固く固定できます。
取り付け方法

まず引手をはめ込み、次に釘を引手の釘穴に出来るだけ押し込んでおきます。この時、釘を打ち込んでいくと引手も襖の奥へ押し込まれていくかたちになるように、釘の差し込む角度に配慮されると引き手も襖に密着するようにしっかり固定できます。引手の底部分と釘の角度は約10℃から20℃ぐらい。
それ以上、引手の頭を手前に倒すと、引手側面から釘の頭が傾いた状態で出てしまうからです。

引手をはめ込む前にぐらつきがあれば、引手と襖の間にがたつきがなくなるように薄紙を重ねて挟み込んでおくと良いでしょう。
ぐらつきがなければ、釘をとことん押し込む必要はなく、引手側面と釘の頭の隙間がなくなる程度で済むし引手も痛まないですみます。

 
 釘をあらかじめ角度をつけて、出来るだけぐらつかないようしっかり押し込んでから、写真のペンの様な形状の治具を使って少しづつ慎重に釘を打っていってください。
引手の釘打ち工具はホームセンター等で入手できます。

引手の底部分に厚めの紙などを敷いておくと、釘から治具が外れても引手に傷は付きにくいでしょう。

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製造工程 / 加工技術
 こじか印の製品は、創業以来培ってきた経験と技術で、メッキ製品、塗装製品でも一貫した生産工程を保っております。

 エッチング加工においては、ウェルカムボードや家紋入り引手の様に、一枚の金属板にキャラクターや風景画、家紋等シルエット状態の凹凸模様を施し、オリジナリティ溢れる製品をご提供します。
製品開発
  • 情報収集
  • 企画、デザイン
  • バーチャルモデル、現物モデル(サンプル品)製作
◆特注品の製作
  • イメージサンプルの作成
  • 製作工程の立案
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製品開発
特注品の場合、依頼通りのイメージに近いデザイン案をご提案します。

家紋の場合
依頼を受けた家紋でも同じ名称デザインでも異なる場合があるので、依頼主様のご要望に沿ったデザイン作成も可能です。

金属メッキ
主なメッキは銅メッキ、ニッケルメッキ、銀メッキ。仕上がる色は赤銅、GB、仙徳、銀古美、シルバー。

塗装
プレス成形された半製品への着色、メッキ処理されたパーツ等をニスでコーティングし、焼き付け乾燥を行う。依頼主様より特別色の調色も可能です。
       
     
金型製作
  • CADによる設計
  • NC放電加工機等による金型材料の加工
  ◆製版作業
  • イメージデザインの作成
  • シルクスクリーンの製作
  • 金属板等への印刷
     
 ◆プレス加工
  • 絞り加工、目抜き及び裁断、曲げ加工
  • 安全作業対策の推進
  ◆彫金加工
  • エッチングにより金属板にエンボス加工を施す
 
 
◆金属メッキ
  • 銅メッキ、ニッケルメッキ、銀メッキ
  • 環境保全対策


◆塗装
  • 新色開発
  • 多様なカラーで焼き付け塗装
  • 透明ニス等による変色、防錆対策
     
    ◆仕上げ
  • 出来上がった各種パーツを組立、一つの製品に。
  • 箱詰め、梱包、出荷
金型製作、プレス加工
 引手を製造していくうえで、各パーツごとに加工の必要に応じて金型を自社製作し、用途に応じたプレス機械にて加工をしております。

主に、エンボス、打ち抜き、曲げ裁断、絞り加工。
 
カラー塗装、エナメルコーティング
 黒、ウルミ(茶系)等定番カラーから、マットな艶消し、メタリック等多彩なカラー塗装を行っております。
また、自社調色で新色開発も可能です。

メッキを施した製品パーツにはラッカーニスや焼き付けエナメルコーティングで表面仕上げをしています。
 
メッキ(鍍金)加工
 引手(ひきて)のメッキは主に装飾メッキで、色名では赤銅(しゃくどう)、GB、仙徳(せんとく)、銀、銀古美があります。

こじか製品では、銅メッキ、真鍮メッキ、銀メッキ、ニッケルメッキを主に行っております。メッキを施す製品のサイズや数量等に応じて、自動施工と手作業を使い分けております。
また機能性を持たせるために、ラッカーニスや焼き付けエナメルニス等のコーティングを施し仕上げています。


主なメッキのバリエーション

■ 赤銅

成形加工を行った金属(主に鉄、真鍮)パーツに銅メッキを施し、それを化学反応で燻(いぶ)して、青く黒っぽい深みのある色合い。古代色。

■ GB

成形加工を行った金属(主に鉄、真鍮)パーツに銅メッキを施し、それを化学反応で燻して、味わいのある銅色仕上げ。

■ 銀古美

主にエッチング加工で彫り上げた家紋や文様に銀メッキを施し、それを化学反応で燻して、いぶし銀(黒っぽい色)にしてから浮き彫りになった部分をはがして、白い模様を浮かび上がらせる。
 
エッチング
こじか製品では、シンプルな嵐模様から文様、家紋など、様々な彫金をエッチングで行っております。

襖(ふすま)の引手(ひきて)カタログ掲載の”露笹シリーズ”や”家紋入り引手”には、1次彫り、2次彫りを行い、メインの文様と背景の地模様にコントラストを付ける技法を用いて加工しております。

名板や表札の一品製作もお引き受けしております。
 

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 製作事例 家紋入り引手 / ウェルカムボード / 特注製品
こじか印の引手は全国各地の神社、寺社仏閣及び旅館等で使われています。
家紋入りや銀メッキ等の特注製品で、施主様のブランドコンセプトのお手伝いにもなるかと思います。
また、新郎、新婦の思い入れのこもった、結婚式のウェルカムボードも手掛けております。

掲載イメージ KH-01 赤銅 下り藤紋 2寸
家紋入り引手

様々な家紋に対応します。

全国の寺社仏閣や個人宅のお客様に対してオーダーメイドにて製作させて頂いております。

文様の微細な部分まで掘り込みが可能です。
製作事例



KH-01 太縁丸 赤銅 金色
下り藤
製作事例



KH-20 中縁丸 赤銅 金色
製作事例



KH-01 太縁丸 銀古美
仙台笹
とある教会で結婚式を挙げられるカップルのボードデザイン。和風建築という事もあり、カリグラフィを日本伝統文様の麻にしました。ボードを立て掛ける三脚台もご要望があれば提供させて頂いております。 
洋風の雰囲気が強い式のため、人物像を強調するため、タイトルメッセージを大きめにして、文字列を変形させました。
シンプルな仕上げです。
 
無垢材の框に金色の入った襖なので、引手も真鍮出しで製作させていただきました。 
某公邸の引き戸に使用したいと、形状、サイズ、色味の指定ありで製作依頼を受け、漆調のデザインで製作させて頂きました。

こじか印 
こじか印 田中金属工業所
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TEL/FAX 0743-64-0032
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