2012.12
古九谷名品展〜躍動する色絵磁器 2012年12月29日
戸栗美術館に行ったのは初めてです。
ちかくの松涛美術館には今年何度か行っていました。
神泉の駅から少し歩いてbunkamuraの方へ下る通りを突き抜けて
上がった突き当り。松涛美術館よりもちょっと遠い感じです。
一階の小部屋に、再興九谷吉田屋窯のコーナーがあります。
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江戸時代に成形、絵付けなど熟練の職人を多数揃えて古九谷の再興を志して色絵磁器を制作したが、
巨額な投資が経営を圧迫し、7年間でその幕を閉じたとあります。
海外製品との価格競争とかもあったのかも。
いいものを作り続ける、というのはいつの時代も難しい。
ちなみに、今まで中島先生が話している時にずっと
「これは最高九谷の吉田屋窯にまちがいないね」と言っているんだと思い込んでました。
再興九谷だったんですね。
二階が企画展示室。
青いコバルトの呉須で絵付けした染付のコーナーから、しだいに鮮やかな上絵付けの磁器へ。
伊万里焼と書いてあるがはて?と最初思ったが、古九谷様式ってことなんですね。
色絵も非常に大胆なんですが、その背後に細かい模様が繊細に書いてある。
で、色で埋め尽くすかと思うと白ぬきの部分があったりなにも書いていない空間がすごく効いていたりする。
非常におもしろいです。
来年は鍋島ですか。これはまた来たいです。
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高円宮根付コレクション 2012年12月28日
中国王朝展に行った時、本館もじっくり見てきました。
高円宮殿下が妃殿下とともに集められたかわいい根付の数々。
常設に江戸時代の根付も展示されていますが、
こちらは現代作家の物かタイトルも非常におもしろくて、かわいく、しゃれが効いてました。
うーぱーるーぱーみたいなオタマジャクシ、ちょっとこわい夜行さん、外国人作家による獏喰らい、カウボーイなども楽しい。
新年にも特集展示されるようですね。
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日本画コーナーのお気に入り。
下村観山:修羅道絵巻
27歳くらいの作品というけど炎の描写などすごい迫力。
伊藤若冲:松梅群鶏図屏風
水墨の鶏がすきなので感激です。
今村紫紅:風神雷神図
来年のお正月に光琳の風神雷神図が展示されるのを前にこれを出してくるのがさすが東博。
とぼけた味があって楽しい風神雷神です。
おっと目が止まって引き付けられた白隠。
七福神の誰かが誰かに、(恵比寿と大黒?寿老人?忘れちった)
子孫にいいもんを残すにしても財産はこれこれでいかん、みたいな書を書いてあげているの図、みたいなの。
達磨もすごいがこういうものがめちゃめちゃおもしろいです。
やはり白隠展は行きたいなぁ。
東博の中国王朝の至宝-中国歴代王朝の覚え方 2012年12月27日
殷/周/春秋/戦国/秦/前漢/後漢/三国/晋/南北朝/隋/唐/五代/宋/元/明/清/中華民国/中華人民共和国と、
ドングリコロコロドンブリコの節で歌って覚えます。これに限らず水戸黄門の歌など、七五調のものならだいたいいけます。
ずっとこれでやってきたのですが、を見に行って、夏とか、金、遼などを入れていないことに思い至り候。
それにしても、見ごたえのある展示でした。
黄金仮面で成田三樹夫さんに似ているのがあったなぁ。。
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リヒテンシュタイン華麗なる侯爵家の秘宝 2012年12月17日
夏の離宮を再現したバロックルームの装飾と天井画。
ルーベンスルーム。
どれもすばらしく圧倒され、どう日記を書くか考えているうちに一週間。
やはりすぐ書かないといけません。
ルーベンスの対策は言うには及ばず素晴らしいので、
やはりここは「ルーベンスに倣う」作品。銅板画、陶板画の仕事の見事さに痺れました。
そして「倣う」シリーズ、ピーテル・ブリューゲルに倣う。
作者は息子のヤン・ブリューゲルで、父の遺した仕事を伝えようと忠実に再現しようとしています。
オリジナルではないけどその気持ちが伝わってくるような絵です。
それから気になったのは遺跡の発掘現場の絵。
目立たないんだけどところどころに調査している人物画ちっちゃく描かれていて、
その人物もちょっと画面から浮いているようでなんかいいんですよね。
あと、うしろから手紙を受け取っているか渡している場面の絵。
ツンって感じで見てないんだけど手の表情に気持ちが現れている、みたいな。
手が大事ですな、やはり。静物画もすごくよかった。
hpにもいろんな名画が出ているのですが、どうもわたしのツボの絵はあまり写真がないようです。
ツボがちがうのかなぁ。でも、ヴァンダイク作の婦人の肖像画はいいと思いました。
国立新美術館12月23日まで。
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新美術館とかサントリーとか行くと、富士フィルムのギャラリーに寄っていくのですが、冬の丹頂鶴の写真展をやっていました。
紹介しようと思ったら、次の企画に変わっていたようです。
伊勢神宮の写真展はだいぶ先までやっているのですな。
アンティーク・オルゴールの演奏会。これもなかなかよさそうです。
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猫写真展、ではありません。 2012年12月15日
八王子夢美術館で中山みどりさんのフェルトアートを特集展示したコーナー。
フェルトをけば立てて質感を出しているみたいです。
キジ猫、アメショ、ミケ、犬もいろんな種類がいました。ブルドッグ系がお気に入りでした。
ウリ坊に猿の子がぶら下がっているのがかわいいです。
中山みどりさんのフェルトアートhpへ
企画展の予定ではこの時期所蔵品展だけなのでどうしようか迷っていたのですが、hpでこの子を見たら行かずにはおれず。
所蔵品展も版画好きには非常にうれしい展示されるたびに行っている清原啓子さんの銅板画、
城所祥さんの木版画、それからこの美術館でも寄贈を受けて初めて紹介されていた堀井英男さん。
技法的にも人物の描き方も非常にツボにはまってもっと見たくなりました。
迷宮の川瀬巴水展(馬込) 2012年12月13日
目黒から五反田経由地下鉄浅草線の西馬込。
大田区立郷土博物館に川瀬巴水の版画を見に行きました。
地下鉄の出口の地図で見つけられなかったので窓口の駅員さんに聞いて、
「養老の瀧がもう見えているので、横入っていってください」
と言われ、ちがう横を入ってしまい住宅地のラビリンスへ。
途中また3度道を訪ねたが、地元の人じゃないというおじさんが一生懸命教えてくれたり、
自転車のおばさんが自転車を置いて途中の曲がり角が見えるところまで案内してくれたり、
車いすのお父さんのお世話をしている娘さんが目印を教えてくれたり、
なかなかつかずにたいへんだったけど、人の親切にふれほろりときました。
そういうわけで坂道を下がったり上がったりしながら30分ほどで到着。
川瀬巴水の作品に初めて触れたのは2009年のよみがえる浮世絵展。
それ以来ずっと気になっておりました。
特に水に映った情景のゆらぎの表現が大好きで。
絵はがきセットも水辺の風景編を購入しました。(8枚400円ですが、紙質もいい感じです)
また迷ってはいかんと、絵はがきを買った時に駅への道を聞いたところ、
まっすぐ行ってください。
5〜6分で着きました。
なんで迷ったのか、いまだに不思議。
曲がり角 ひとつ間違え 迷い道くねくね (字余り)
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カラフル陶磁器(松岡美術館) 2012年12月12日
日曜日、目黒駅から少々歩いて松岡美術館。
前回、エコールド・パリと同時開催だった単色の焼き物の時は気がついたのが閉館間際だったので、
今回は陶磁器の部屋から真っ先に。
コバルトで描かれたブルーの染付、銅系の赤茶色に発色する釉裏紅(ゆうりこう)などは、
素焼きに絵付けしてから透明釉をかけて高温で本焼きします。(釉薬の下に描かれているから釉裏紅)
これらわりとシンプルな下絵付けをしたものから、しだいにタイトル通りのカラフルに。
色数が多く鮮やかなものは、一度高温で本焼きした上に上絵の具で彩色して、
さらに何度も低温で焼きつけます。
すごく鮮やかできれいなものもたくさんありましたが、黄色の地に緑ぐらいが好みでした。
日本画コーナーの掛け軸も、
応挙、玉堂、栖鳳、蓬春、観山、そして大観と並びますが、
これも完全な好みで、今回は雅邦先生に軍配。
松岡美術館はだいたい空いているのですが、充実していていつのまにか長居してしまいます。
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近代美術館60歳。 2012年12月01日21:25
新宿線の九段下から、朝10時の開館に合わせて行きました。
60周年の開館日。無料です。
入る時、すでに行列。エレベーター満員。
順路は4Fの今回の目玉のハイライトからですが、そこは後に回して反対側の部屋からまわると、
入館したみんなが入って混んでたところもこなれてくるの術で、わりとゆったり見ることができました。
佐伯祐三の「ガス灯と広告」は、これまで見た壁の中でもとびぬけていい壁に見えました。
上村松園「母子」は思っていたよりもずっと大きかった。
絵は言うや及ぶの名作の数々ですが、
写真の部に植田正治の家族で並んでいるパパとママと子どもたちが展示されていて、これはうれしかったなぁ。
見ているだけで楽しくなる。1Fの銅板画コーナーもですが、
やはり版画部はどちらかというとすいて見やすくなっている。
木版画 マックス・ベヒシュタイン。非常に印象に残りました。
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工芸館も誕生日です。
やはり樂吉左衛門、焼貫黒樂茶碗に目がいきますが、きれいな円筒形で真っ白な、なにも描かれていない器。
ひねりを加えた青磁、友禅染めの訪問着の幾何学模様など、すばらしかったですよ。
小田橋昌代さんの人形も気になったなぁ。
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ほんとはもっとゆっくり見たかったけど、午前中に切りあげて先週の日曜から一週間たった東御苑を通って東京駅へ。
紅葉もだいぶすすんだようです。
雨がぽつんと当たったと思ったら駅への道で降ってきた。
いそげやいそげ、新橋へ。
で、前の日記につづくと。
児玉清 切り絵展(汐留) 2012年12月01日
hpより抜粋
期間 : 2012年11月26日(月) 〜 2012年12月3日(月)
会場 : パークホテル東京 25階 アトリウム
時間 : 11:30〜22:00
入場料 : 無料
児玉清さん手作りの「切り絵」特別展示を25階アトリウムにて実施いたします。
お仕事だけではなく、プライベートでもご来館いただきご愛顧頂いたホテルからの恩返しの僅かなご協力として、
国内外問わずお客様が来館される「ホテル」という場所を生かし、彼の作品が存分に堪能できる形に展示を行います。
可愛らしく素晴らしい作品をたくさんの層のお客様にご覧いただけます。
児玉氏との思い出は、ホテルへいらしていたとき、人柄がにじみ出る温かさはホテルスタッフも
いつも楽しみにご来館をお待ちしておりました。
ひとつひとつ丁寧に作品を作られている姿勢は、作品にも表れていて今回は貴重な原画の展示となります。
この場所でしか見られない楽しみ方として作品をモチーフに作られたラグの展示も行います。
この期間から始まるホテルの特別メニューもご堪能いただけます。
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「展示会」という感じではないです。
ホテルのエントランスロビーの壁に、ほんとにさりげなく飾られている感じです。
普通にホテルマンの人たちが仕事していて宿泊客が珈琲を飲んでいるスペースの壁にさりげなく。
だが、それがいかにも児玉さんらしい。
(どうしましたか?とホテルマンの児玉さんが現れそうな雰囲気でした。)
ユーモラスでなんか味がある。あったかくなる感じ。
切り絵の材料には雑誌のカラーページなどが使われています。その中の英語やドイツ語?のところがまたなんともいい。
AND
竹内まりやさんのCDジャケットの原画も展示されていました。
CDは知ってて見た時にいいなぁ、と思った記憶が。
児玉さんの作品だったんですね。
思わず今の朝ドラのホテルのロビーでやるウェディングを連想してしまった。
幸せのものさし/うれしくてさみしい日(Your Wedding Day)
2012.11
ちばてつや原画展 2012年11月30日
最終日間際に行ってきました。
池袋西武本店別館2Fギャラリー。
ジョーがぶらっと肩に荷物一つをひっかけてドヤ街に流れ着き、
段平のおっちゃんと出合う場面。
少年院で脱走を試みたジョーがはじめて力石徹と出合う場面。
少年院でのボクシング試合。衝撃のクロスカウンター。
表のリングでの対決。そして・・・
世界チャンピオンホセ・メンドーサとの死闘。
ネームを貼った原画で読むといっそう臨場感が伝わってきました。
かなり大きく、一枚一枚縮小の指示が鉛筆で書き込まれています。
場面場面なのでまた続きが読みたくなりました。
ペンで書いた線で表した陰影と墨で荒いタッチを残した部分が絶妙。
原画ならではでした。
貸本屋時代の作品から、なつかしいハリスの旋風、
おれは鉄平、のたり松太郎にチャーシューメーンの向太陽くん。
昭和37年の魚屋チャンピオンという初期作品が上野毛がジョーそっくりで、
これが原点か、と納得。
ちなみに原作では力石はジョーのライバルとして戦うわけだから
同じくらいの体格だったようですが、登場した時に大きく書かれていて問題になった。
しかし、そのせいで力石の減量というシチュエーションが生まれることになった。
そういう話を昔読んだことがあったような。
名作の種ってなにかそういう不思議なところにあることが多いように思いました。
会場では版画作品も販売されていて、これが非常によくできています。
色は一色ですが、真っ白に・・の場面が一番人気でした。やはり。
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おまけ
段平マスク展示に、笑。
琳派芸術Uからモンブランへ。 2012年11月28日
東御苑をあとにして出光美術館へ。
琳派芸術UということはTがあったのですね。
見逃してました。((^_^;))
ちなみにUというと百恵ちゃんのプレイバックpartUを思い出してしまいます。
ばかにしないでよ、ジャカジャン坊や、いったいなにを教わってきたのー♪
あたしだってあたしだって、疲れるわ。
プレイバックpartTもあったのかなー、と気になってました。
それは置いといて。
今回の展示は光琳は一点ありましたが、後につづく酒井抱一、
弟子の鈴木其一といった江戸琳派の絵師たちの作品が並びます。
と、いうか抱一は絵師なのか、というのが微妙なところのようにも思えます。
もともと酒井侯の弟で、めちゃくちゃうまい旦那芸だからこその、遊び心に満ちた絵が贅沢に描ける。(いい意味で)
抱一があこがれ続けた師(百年前の人だが)、光琳は昨年の大河ドラマでお江のお付きのお女中、
民部局の実家である呉服商、雁(かりがね)屋の出身で、
分与された財産を放蕩三昧で使いつくして弟の乾山に借金するまでになって、ようやく絵に本気を入れ始めたということで、
なにか対照的な感じでおもしろい。
そういえば伊藤若冲は錦小路の青物問屋の主人を弟に譲って本格的に絵に取り組んで、
鶏を飼い始めたとか。ま、それは置いといて。
今回特におもしろかったのは、絵のすばらしさはもちろん、抱一の遊び心。
屏風のミニチュアを、凝りに凝って完全な形で作っていたり(裏は銀張り流水模様)
本絵で描いたものを(糸桜に短冊が下がった絵)、扇子にさくっと描いてみたり。
いくら見ても見飽きない感じで、何度も行ったりきたりしてしまいました。
琳派芸術Uhp
琳派をお腹いっぱい堪能してお腹も空いてきたところで、お茶会に。
めざすはアンジェリーナのモンブラン。
がっ、4人で歩いていたのにいつの間にか先を歩いていた人を見失う。
有楽町ああすれちがい、往き別れ。
君の名は。携帯です。
わかりました。すぐ前の通りの向こうで手を振ってくれている。
携帯があったら、君の名も、めぐり逢いも、多くの名作が成り立ちませんでしたね。
なんつっている間に、プランタン銀座の2Fへ。
やはり行列です。しかも、ラーメンの行列とちがってなかなか動かないです。
しかし、動く時は意外に動く。ついに席に座れてモンブラン、いただきました。
栗がのっているのは日本のモンブランだけ。そしてフランス側から見たモンブランは等高線が広くゆるやかな形。
イタリア側は等高線のつまった切り立った山に雪に見立てたパウダーを散らしているはず。
すると、このモンブランは、フランス生まれですね。ピンポーン。
この間見たばかりの美の壺の蘊蓄はほんとでした。
上部のペーストが濃厚で、中のクリームがふわふわで、
下の土台のところがさくさくしてて、これはほんと並んでも食べたくなるモンブラン。
ひとこと、おいしかった。
いちにち楽しかったです。みなさんありがとうございました。
モンブランタン銀座hp
三の丸尚蔵館で平清盛の世界にひたる。 2012年11月27日
東京駅から皇居東御苑へ。
皇室の文庫(ふみぐら)から、平安末期−鎌倉の書状、名筆を展示中です。
特に平清盛関係の書状に目がいきます。
嫡男重盛の書状。妻の兄である藤原成親あてのもので、
書状をもってきたものの成親知行地での就職をお願いする紹介状というのがおもしろい。
西行、関白藤原忠通書状、そして悪左府頼長の日記「台記」が写しではありますが。
誰にも見せずに書き連ねていた日記とは思えぬほど図をまじえてこと細かく書いてあり、ドラマの頼長を彷彿とさせました。
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三の丸尚蔵館を出て、お城の石垣、庭園を散策。
ひらひらが長くゴージャスなニシキゴイを見て思わず「ジュディーオングみたい」とつぶやいてしまったが、
同行の方々は同年代で説明しなくてもわかってくださり助かりました。
(わからない人には「魅せられて」から説明しないといけませんからね)
何度も前は通っていた天守台にもはじめて上りました。
さて、東御苑を後にして、一行は琳派展へと向かいます。
有楽町であいましょう。
つづく
秋の藝大美術館。 2012年11月27日
日曜日、前日までの雨がうそのような快晴。
朝から上野の藝大美術館へ。
尊厳の芸術展 -The Art of Gaman-
太平洋戦争中のアメリカの収容所の中で作られた作品の数々。
お茶碗やお皿などがあったので陶器かと思ったら、材料が石だったり。
石をあそこまで彫ったのか、と驚き。
どんな苦しい状況でも希望をみつけてゆく姿に感銘を受けました。
退任記念展 中島千波 人物図鑑
なじみのある花の絵ではなく、ずっと人物画も描かれていたのを初めて知りました。
受付に千波先生ご本人が座ってられて、帰る時に思い切って
先生のDVD付きの御本(花のスケッチ入門)で勉強しております、と告白してしまい、@:
「がんばってくださいね」
と言っていただきました。わーいわーい。
平櫛田中コレクション2012|平櫛田中記念室 開室
先日小平の彫刻美術館にも行ってきた平櫛田中。今回の展示は田中所蔵の彫刻作品の数々です。
田中作品は数点で、また見たくなりました。小平再訪しようかなぁ。
退任記念 山下了是 染色作品展 赧−TANN−
布に染色した作品ですが、はじめは絵画だと思って見ていました。
形と色合いが琳派を思わせる作品が多く、とてもひきつけられました。
解説をうかがってシルクスクリーンなのでTシャツなどにも刷ることができるとのこと。
技法についてもつっこんで聞いてみました。はじめ全体を赤く染めて、
人物の肌の色の部分はそこだけ色を抜き白で染めている。(白+微妙に残った赤で肌色に)
シルクもおもしろそうです。
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4つの展示を見て12時ごろには藝大美術館を後に東京へと向かう。
アコーディオンのパフォーマンスに聞き惚れて立ち止まり、駅とは違う方に行ってしまった。
上野公園の中で迷うとは、なんともはや。
つづく
五島美術館 奈良・平安編 2012年11月13日
リニューアルした五島美術館で開催中の企画展「時代の美」
第一弾の奈良・平安編を見に上野毛へ。
小野道風など名筆が並ぶ中、
ドラマの影響もあって、平清盛の父忠盛の写経がつぼでございました。
紫の紙に金字でとても立派な字。
そして署名。
一行の中に日付を入れて、「正四位」「播麻の守」「なんとかかんとか」いろいろ書き込んで、
最後の方はスペースがなくなって、字が小さくなって忠盛の盛が半分はみ出しております。
中井貴一氏のトホホの時の顔を思い浮かべてしまうのは、やはりドラマの影響。。
崇徳院側近の藤原教長卿のお経はきちっとしていてまじめなお人柄が表れているように見えました。
梵字は仁和寺の法親王が書かれています。やはり仁和寺に縁がおありなのか、と。
他にも字は頼盛の子で梵字は信西入道の孫とか、
鳥羽院、たまこさま、得子さま、令子内親王によって制作された、とか。
書はまだよくわからないのですが平清盛を見ていたおかげで興味の幅がとても広がりました。(範囲は狭いけど)
源氏物語絵巻は鈴虫・夕霧・御法が、絵の具などを分析して
当時の色を鮮やかに再現した復元版とともに展示されています。
光源氏大好き時子さんの時代は、まだこういう色で見られたのかなぁとか、
またまたドラマの深きょんの顔が思い浮かんでしまったりするのでした。
平安編は18日(日)までで、その後鎌倉編に展示替えになります。
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はじまりは国芳(横浜美術館) 2012年11月06日
タイトルから国芳展を想像していたのですが、国芳から弟子の月岡芳年、
そして明治大正と時代を移して鏑木清方、伊東深水へと。
「はじまりは」サブタイトルの「江戸スピリットのゆくえ」はそういうことだったのか、と。
最初の展示室の正面にいきなり国芳の例の三枚続きに描いた髑髏の浮世絵、相馬の古内裏。
開館記念日で無料開放ということもあるのですが
ここは相当混んでいてどうなることかと思いましたが、中はわりとゆっくり見られました。
ちらしに出ている鯨の浮世絵は出ていなくて巨大なワニザメが出ていました。(讃岐院眷族をして為朝を救う)
リストを見るとこれらを含め国芳の浮世絵はほとんどかなり前後期展示替えになるようです。
(全部では260点中通期展示は100点ほど)
特に今回の展示では月岡芳年がたくさん見られてよかったです。役者絵、美人画など、うまいなぁ。
そして鏑木清方。
歌舞伎(寺子屋)を見ながら筆でささっと場面場面をスケッチした写生帖。
(名刺サイズぐらいのカードサイズがジャバラになっている)
これがほんとにうまい。小説の挿絵の原画もいい感じ。
お芝居の絵看板として作られたものが演目が変わったために絵として展示会に出されたという作品、
そして美人画。特に「遊女」はなんとも言えない色気です。
清方が師匠の水野年方氏を描いた肖像画。謹厳そうな髯に、手を固くぐーにして膝の上に置いています。
数枚だけ残った写真と記憶をたよりに描いたとのこと。(清方美術館蔵)
そのとなりに、その清方先生を描いた弟子の伊東深水の絵が並びます。(国立近代美術館蔵)
こちらは穏やかに笑っています。
愛用の万年筆を手に原稿用紙に向かっています。そして傍らに泉鏡花の本。
壁には浮世絵。こちらの絵も、両方とも後期は入れ替えです。
で、その深水の木版画へと続きます。芸者さんの絵とか。髪の毛を洗っているバックショットとか。
伊東深水の娘さんが朝丘雪路さんということですが、描く絵もなんとなく似ているような。
モデルは雪路さんのお母さんなのかな。
このあたりから大正新版画の浮世絵へと移り、同じく鏑木門下でも
小早川清の洋風にショートカットしている絵もなかなか。
そして川瀬巴水の風景画。近美でもいつも気になっている吉田博の同じ版で昼と夜を摺り分けた帆かけ舟の作品。
また同じ技法を使ったタージマハルの版画もいいものでした。
これは、いいものだ。
つづいて、
常設のコーナー:シュールレアリズムの企画展。
キリコ、マグリッド、ダリと並んで、府中で何度も見たデルヴォーと再会。
でも電車は走ってませんでした。服も着てました。
写真のコーナー:ヒトラーとムッソリーニの2ショットにはじまって、アンリ・カルティエ・ブレッソン、土門拳、そして沢田教一。
ベトナム戦争でお母さんとこどもたちが川を渡っている「安全への逃避」
ピューリッツア賞も撮って、このあと数年後に今度はカンボジアに行って、三十代で亡くなったんでしたっけか。
地雷を踏んだらさようならの一ノ瀬泰三と時々まちがえてしまう。
で、最後は森村さんの映像作品も。レーニンに扮して車上で演説。
似てる。(真珠の耳飾りの少女のメイクもしてたけど、こちらの方がいい)
三時間以上いたようで、終わって出てきたらすっかり暗くなっていたのでした。
みなとみらいの日本丸も夜バージョンに。(フォトアルバムの写真)
見ごたえ、ありました。
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竹内栖鳳展とチョコレートブラウニー 2012年11月05日
日曜日、鑑定団見てからぼちぼちと出かけて恵比寿の山種美術館へ。
九段から移転して初めて行ったのが春、奥村土牛「醍醐」の桜を見に。
今回が2回目だが、駒沢通りと明治通りが交差するところで渋谷橋の歩道橋を渡るのだが、
階段が螺旋になっていてまわっているうちにどっちが来た方向かわからなくなるのです。(わたしだけですか)
竹内栖鳳の班猫。実物は今回が初めてでした。(速水御舟の炎舞は何度も見ているんですが)
額絵を額に入れて飾っています。朝日新聞の動物額絵シリーズでもらったやつです。
そのサイズを想像していました。実際は非常に大きな猫でびっくりしました。
10キロくらいありそうな猫でした。(真珠の耳飾りの少女の逆バージョン)
猫に見入っていたら、美術館好きのお知り合いとばったり遭遇。
びっくりしたなーもー(古)
山種hpへ
帰りはチョコレートブラウニー&コーヒーセットをごいっしょさせていただきました。
本体が数種類×生クリームが数種類で、かなりのバリエーションが選べます。
プレーン×クリーム(生姜)をセレクト。
生姜の苦味とチョコ。合いますね。
食べログ
2012.10
平櫛田中展 2012年10月19日
小平の錦城学園の説明会に自転車で行ったので五日市街道沿いの
平櫛田中(ひらぐしでんちゅう)彫刻美術館に寄ってきました。
どっちも名字みたいだと思ってたら実際田中家から平櫛家に養子に入ったということ。
旧宅がそのまま美術館になっており、庭に巨大なクスノキの輪切りで置かれています。
生前注文して107歳で亡くなる直前までこれで作るものについて構想をたてていたというからすごいです。
数年前に円空仏から船越圭、動物彫刻の三沢さんの作品などを見に行ったことがありますが
今回は平櫛田中回顧展で、初期の作品からたっぷり見ることができました。
歌舞伎座の六代菊五郎鏡獅子は制作過程の着物を切る前の裸像の試作から展示されていて、
これがああなって、ああなったというのを見ることができました。
生涯尊敬していたという岡倉天心の釣り人姿の木彫、五浦釣人。
正装してイスに座ったものが藝大にあるようなのですが、この釣り姿の天心が個人的には好みで、
とてもリラックスしていい感じに見えました。
藝大美術館のならびのところでもたしか田中の作品を展示していた記憶が。
こんどまた、そちらも行ってみよう。
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博物図譜とデジタルアーカイブ(武蔵野美術大学美術館) 2012年10月02日
真夏日を記録したきのうより6度下がって、ちょうどよい自転車日和になりました。
府中から、国分寺市を抜けて、小平市まではおよそ40分くらいで到着。
入り口で場所を聞いて学生とおなじところに自転車をとめて、キャンパスの中を歩いて美術館へ。
開館時間まで10分ほどあったので、外のベンチで風に吹かれながらしばし休憩。
ペンキだらけのオーバーオールで歩いている女の子とか、美大のキャンパスって感じでいいですなぁ。
デジタルアーカイブというタイトルからずらっとパソコンの画面が並んでいるのかとか想像していましたが、まるで違います。
これをデジタルにする前の図鑑がずらっと並んでいる。300年前の大きな本でぼろぼろになっているのに、
描かれているキツネザルとかハタハタみたいなお魚とか、蝶とか、花とか、非常に鮮明できれい。
そして人体解剖図のコーナーとか、等身大ぐらいの銅板で作っているんだと思うけど、
ずらりとまわりを囲んでいる。こりは真夜中には行けないぞ。
荒俣先生の所蔵品を中心にしたコレクションということで、これがデジタルになったやつがipadやiphoneで見られるのかな。
それも見てみたいが紙の状態で見られたのが大きい。
やっぱり質感とか、厚みと言うか、古さというか、そういうとこもそれはそれで、いいんだよなぁ。
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他の展示も非常におもしろい。
世界の美術学校の版画集。(含むさび)
いろんな技法をしっかり身につけて、個性的な作品を生みだしているんだな。基本は大事だと感じた。
タイポグラフィ教育 I
文字造形を主体にした大町尚友の教育の軌跡
少年ジャンプ、CITIZEN、TU−KAなどのロゴも手掛けている先生が監修されている企画展。
文字に関する書籍や、フォントの作られる過程なども紹介されていておもしろかった。
文字は深いなぁ。
武蔵野美術大学教授退任記念
田中秀穂展 VANISHING & EMERGING
には、教え子と思われる方々も来ていらっしゃいました。
そんな光景が、なんか学校だなぁと。いい感じでした。
図録は教職員、在籍生1000円、一般2500円。
学校ですね。
2012.9
オールドノリタケのなかの女性たち 八王子市夢美術館 2012年09月26日
hpに出ているデコレディの絵皿ももちろんよいのですが、
人物ではなくて植物を意匠化したものや、幾何学模様を描いたコーヒーカップなどもあって、それがまたよかった。
アール・ヌーボーからアール・デコの時代。
職人さんたちが試行錯誤しながらこんなにいいものを作っていた。そして戦争を経て忘れられていた。
この間行ったアールデコ作品を所蔵している黒壁美術館の館長、鈴木潔氏が監修していて、
講演がちょうど3時からあったんだけど、仕事なので後ろ髪をひかれる思いで帰りました。
(目黒美術館のガレ展の時はおはなしを聞くことができた)
常設で八王子出身の銅版画家清原啓子さんの作品が展示されています。
この人は31歳で亡くなっていて作品自体30点ほどしか残っていない。
それも試し刷りしただけってものも含めてという。
だからナンバーもサインも入っていないものが多いんですよね。
でも、いいんですよね。版画好きの人はhpにも数点出ているので、ぜひ見てみてください。
今日は仕事で八王子経由したついでに行ったのであまり時間がなかったけれど、
ゆっくりリピートするつもりです。(ここの年間パスポートは1200円)
駅から遠いのが難点ですが、バスもあるので
多摩地区の美術館にお越しの際は時間の余裕があれば是非足を延ばされること、おすすめいたします。
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ポール・デルヴォー(府中市美術館) 2012年09月22日
会期が始まってすぐに行って、2回目です。
ガラス玉のような大きな瞳の、まるで感情がないかのような女性像。
ギリシャの神殿。
デルヴォーの生まれ育ったベルギーの街の路面電車。
時間も空間もばらばらの素材が一枚の絵の中に書かれているのに、
なぜかあまり違和感なく見えてしまう。
これはなんなんだ、と初回の時も漠然と思ったことなのですが、
あの表情に原因があるのではないか、と。
服を着てない人を描いているのだけれど、本人もそれを全く意識していないというか、
裸ですが、なにか?
で、ふつうにとなりの人と会話してたり行進してたりする。
逆にその中のひとりが着てたりするとそっちの方が普通じゃないように見えてしまうというか。
彼が若い時に描いた裸婦デッサンはふつうに裸婦で、きれいだしうまいです。
こういうところがおもしろいんだよなぁ。
もうひとつ2度目で納得したのが、電車です。
はじめの時は電車多いな、ぐらいに思っていたのですが、
なんでこんなところに鉄道?という感じでほとんどの絵に電車です。
それも必ず車体番号まできっちり描いてあり、車体だけではなくて架線も張ってあって、
その架線を支えるワイヤーまで描きこまれています。
修行時代の絵もだいたい駅。で、路面電車だけのスケッチも展示されています。
そういう風に見て行くと後期の絵も電車が中に描かれているというよりまず電車か?と思えてきたりして。
生れ育った家を描いた絵では、さすがに家の前に鉄道はないので、玄関の前に荷車を描いている。ううっ、そこまで。
また、会場には完成した絵だけでなくて習作も多く展示されていて、過程をたどることができました。
鏡の中に浮かび上がる少女の姿が本絵では描かれているんだけど、
習作の墨で描かれた最初のものには鏡の前にちゃんと少女の後ろ姿が描かれている。
それが次の習作では本体は消えて鏡の中の姿だけ、とか。
画風もさることながらこういうタイプの作品は好き嫌いが分かれるように思います。
自分的には嫌いじゃないです。年間パスポートがあるのでまた何度かいきそうです。
あと、常設展はパリに留学した初期の画家たちの特集で、コラン先生と黒田清輝が並んでいました。
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ジェームズ・アンソール展 2012年09月20日
ポスターになっているような不気味な仮面たち、骸骨などが強調されるが、
それに至るまでのふつうに室内の様子を描いているもの、
いろいろ模索しながら画風を探しているあたりの絵がむしろ好きだったりする。
楽隊が出ている街並みの小さな油絵とか、解説には「素人が描いたような」と書かれているんだけど
自分的には一押しだったりする。絵の評価とかってむずかしいものですね。
おなじくベルギー、おなじく幻想の世界を描いた府中市美術館のデルヴォーの時も思ったことなんですけども。
アンソールの同時代の作家たち、影響を受けた作品なども流れの中で数多く展示されていて、
ライオンくんたちなどルーベンスの銅板画がけっこうあったのがうれしいサプライズでした。
エングレービングって書いてあったので腐食じゃなくて全部ひっかいただけで明暗を出しているんですね。
やはり銅板画に目がいくなぁ。
hp見たら次回のぶらぶら美術館でもとりあげられているし、
お客様感謝デー無料観覧日:10月1日(月)
みたいですよ。
損保ジャパン美術館
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アール・デコ 光のエレガンス展 2012年09月18日
月曜祝日の翌日火曜日は休館の美術館が多い中、
今日もやっている汐留パナソニックミュージアム。それは休館日が水曜だから。
ラリック、ドームがお目当てだったのですが、
行ってみると王立セーブル陶房の、素焼きした後に色付けした粘土で絵付けをしてから釉薬をかけて高温で本焼きした壺、
深いブルーの釉薬がグラデーションになってしだいに薄くなっている壺、
幾何学模様を絵付けした壺などの美の壺コーナーもありで、
全体の数はそう多くはありませんが何度も見返してみたくなる展示でした。
ラリックのガラス器、皿やコーヒーカップ、スプーンやフォークを並べてあるテーブルを眺めてたら、
リストに照明も書いてあって上見たらこれがまたいいんですな。
おっと、見逃すとこだった。壺もですがランプの模様をじっくり見ていると、
つる植物、藤の花かきつばたのような細長い葉っぱなど、そして直線的な図形。
琳派の絵といっしょに展示されていてもおかしくないような共通したものを感じてしまいます。
明日は水曜日で休みですが、23日まで。
hpの動画のところみるとけっこう雰囲気がわかりますよ。
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銀座線で帰って渋谷通ったのでヒカリエの8Fにも寄ってきました。
川本喜八郎氏の清盛(今の大河では梅雀さんの家貞が一番雰囲気が似ていた)、三国志の人形展示。
やはり関羽に目がいってしまいます。
写真展のスペース。それから東京のいろんな老舗のお店の展示スペースなどもあり、
池波先生でもおなじみ神田藪蕎麦、目黒のとんかつとんき、とかの
蕎麦猪口やお皿などが置いてあったりしてなかなか味なスペースでした。
でもやっぱり本物、注文したくなりますね。
受付のねえさん、ざるそばと、お酒ちょうだい。冷でね。
D-ボウイ、シルヴィアン、鋤田正義展でKYの人を見た。 2012年09月16日
赤い着物で髪を後ろでチョンマゲに結んだKANSAI YAMAMOTO氏が会場に。(KY)
やはりオーラが半端ないです。
東京都写真美術館。 YMOの赤い制服で人形と写っている写真。
シャウトしている永ちゃん。レイ-チャールズとクインシー-ジョーンズ、寺山修司、
頭をかかえて照れ笑いしている佐野元春、シェキナベイビー…数えきれない個性的な写真が並んでますが、
メンフィスの路地裏の階段でギターを抱えているまじめな顔をした清志郎さんが一押しでした。9/30まで。
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パルコでも関連の企画がやっているようで、(そちらは17 まで)
TREXとデヴィッド-シルヴィアンの印画紙っぽいチラシでかっこいい。
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ロバート・メイプルソープ写真展へ。 2012年09月09日
日本橋でバーナード・リーチの陶器を見たあと、
そのまま銀座線で渋谷西武A館。
ロバート・メイプルソープ展へ。
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上からスポットライトをあてた花を横から撮った、
落ちた上からの影と横からの姿が同時におさまっている構図。
最初この写真だけを見ていて、ジョージア・オキーフの
花のアップの絵とのちがいを思い浮かべたのだが、
行ってみると真正面からの写真もたくさん。
でもやはりちがう。
それはやはり、まわりの暗さと照明との
際立ったコントラストから生まれるものかもしれない。
黒は黒く、白は白く。だからそのあいだの微妙な階調がより引き立って見える。
また、花だけ、という写真は少なくて、活けてある器がなんともいい味を出している。
池袋でもあるようなで、それは今回のflowersとは
ちがったコンセプトのもののようなので是非行ってみたいです。
写真ではないけど、白と黒で苦戦しているので、非常に勉強になりました。
バーナード・リーチ展行ってきました。 2012年09月08日
民藝運動の柳宗悦、陶芸家の河井寛次郎、浜田庄司、そしてルーシー・リー。
関連して作品はその都度見ているんだけど、リーチのみ、という展示に行ったのは初めてでした。
(ルーシー・リーはリーチ先生の窯で修行している時はけっこう苦労したようだ。
それはそうだろうなぁ、生活の中から生まれる素朴な用の美、からすると。しかし後には大いに認めてくれたらしい)
その生い立ちからかかわった人々、そして今でもこの日本でリーチの指導を受けた人や窯が残っていて
作品を作り続けていることを知り、改めて存在の大きさを感じた。
もともとは日本に来てから銅板画のエッチングを教えていて、
そこで柳宗悦や富本憲吉と知り合い、陶芸とも出合うことになったリーチ。
リーチの代表作にもなっているイギリスに古くから伝わるスリップ・ウェアだが、
もともとは学生時代の柳宗悦が日本橋の丸善でむかしは作られていたが今は廃れてしまったという
その技法の載った本を見つけて何度も通いつめて立ち読みしていたことから始まそうである。
(そして同じ本を富本憲吉も読んでいた。相当高い本だったみたい。丸善て、そういう本屋だったんだよね)
スリップ・ウェアというのは生乾きの状態の皿などに他の色の粘土で模様をつけて
さらにその上から型押ししてデコボコをなくしたもので、なぜそういうことをするかというと、その上で煮たり焼いたりもして、
さらにそのまま食器として使うからなのです。だから今でも残っている作品は
表面が傷だらけのものがほとんどですが、それがまたいいんだな。
模様は互い違いに並べた粘土を櫛などでひっかいて矢羽模様になったものと、
絞り出した粘土で絵を描いたもの、指で直接描いちゃったものもあり、多種多様。
と、民藝館のスリップ・ウェアの企画展で実際に作るところのビデオを見せてもらったときの記憶を頼りに書いておりますが、
今日見たらあらためていいもんだと思いました。
やってみたーい。でも、ちょっと生乾きのところで作業、また乾かして作業、みたいで非常にたいへんなんですよね、これ。
それでウェッジウッドなどが大量に陶器を作れるようになると衰退してしまったということなのです。
(ウェッジウッドも好きなんですけどね)どうもとりとめのない話になってすいません。
リーチ先生が足で回す蹴ロクロをひいて実際に作っているビデオを見たら、
おおっ、こういうふうにやってたのかと感動してしまったようです。で、帰ってからロクロ倶楽部でやってみたのですが、
途中で電池が切れました。また今度にしよう。。
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神秘のひといろ−中国の単色釉磁 2012年09月06日
お盆休みのさいごに行った白金台の松岡美術館。
1Fの日本の仏像とは全く違った彫りの深い仏さまや峰フジコみたいなスタイルの菩薩さま、
ミイラの木棺から古代ギリシャの壺、ムーアやジャコメッティの彫刻をじっくり見て、
2Fに上がってピカソ見て、ルオー見て、デュフィー見て、ヴラマンク見て、
となりの部屋でシャガールのリトグラフ、モディリアニが床の間に飾ってあったりしてその横に壺が飾ってあったり。
藤田の聖母が、ちょっと滝田ゆうさんの描く女の人を思わせるいい感じの絵だったり、
そんなふうにして3時間くらい見てたでしょうか。最後の30分くらいはほとんど展示室ひとりぼっち状態で、
ユトリロの白い建物の絵とその向かいにお母さんのシュザンヌ・ヴァラドンの風景画が飾ってるのですが
その間のソファーでまったりしておりました。
高名な画家たちの有名モデルで自分も絵を描いていたヴァラドンが
ユトリロにアル中治療のために絵を習うようにすすめた、んだっけ)
そんなして、いつしか「もうすぐ閉館時間です」のアナウンスが流れて、
ふだんは使わない2Fから1Fへのエレベーターにのって、
展示リストを見ている時に、まだ見てない部屋があるのに気がついた。
陶磁器の部屋があったのです。
そういうわけでラスト10分しか見られなかったけど、
hpの写真の青と赤の壺の微妙な色合い。すばらしいです。
あれは出ませんよ。
次は色絵があるようなので、今度くるときは余裕をもってゆっくり見たいと思いますです。
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バーン・ジョーンズ展の一押し 2012年08月25日
生まれた年も一緒なら、死んだ年もちょっとちがいの
盟友ウイリアム・モリスと一緒に作った豪華本。(ぶらぶら美術館散歩でも五郎さん激賞
)
ヘプバーンのマイ・フェア・レディのモデルとなったピグマリオンなど、数々の物語、神話の大きな油絵作品。
どれも非常にすばらしかったのですが、一番気にいった作品は、
銅板画でした。
作品リストより
36. ウジェーヌ・ゴジャン/エドワード・バーン=ジョーンズ原画. フラマ・ウェスタリス. 1887 年.
エッチング・ヴェラム. 41×15 cm. 個人蔵
一番気に入った作品ですが額絵はもちろん絵はがきもなく、hpにも掲載されていない。
ジョーンズの原画をウジェーヌ・ゴジャンという人が銅板画にしたものなのですね。
しかも個人蔵なので他の美術館とかのサイトにもない。
でも、すばらしい版画でひきつけられました。エッチングとあり、線を腐食で出す技法なので、
一面黒い面は細かい線をひたすら描いてそのたびに腐食、という途方もない手間がかかります。
そして人物の手のやわらかさなどが繊細なタッチで表現されている。
このへんは微妙に時間差つけて腐食しているものと思われます。
ジョーンズ自身の油絵もいいんだけど、逆に他の人の手で銅版画にされたことで,
より生きた。
写真がないので、
フラマ・ウェスタリス
で、ググッてみてください。
三菱一号館hp
ちなみに、
三菱一号館美術館、はじめて行きました。
外観もですが、もとになった建物が会社として使われていたようでとても味わいがあります。
床が木張りの廊下みたいになっているのでかなり響きます。
わざと響かせて無意味に歩いているみたいな人もいました。
小部屋がいくつもある感じなので、こちらに数点、あちらに数点、階段上がって数点、降りて数点、と
けっこう順路が複雑になります。また、もとがもとなので階段がちょっときつい。
で、エレベーターも使えるのですが、そうすると順路から離れてしまうので、係りの人がいっしょに乗っていって、
ここをくぐってここを通ってここに出ます、みたいに連れて行ってくれます。これがたいへん親切で好感が持てました。
また、明治の頃の建物とか、竜馬がゆくとか龍馬伝とかで興味があって、
三菱の岩崎家ゆかりの静嘉堂文庫とかにも行っていたので、
案内してもらいながら建物がいつできたかとかいろいろ聞いてみました。
「弥太郎が作ったんですか」「弥太郎の時代では」「では、小弥太」「いや、もう少し前の弥之助、久弥の時代です」
おおっ、弥之助は弥太郎の弟ですね。
香川弥太郎が鳥かごを売りながら広末お田鶴さまにふられてもんもんとしている時も家を守って蟹江オヤジを支えつつ、
おふくろ様とともに、がんばっていたっけ。(龍馬伝)
とにかく質、量ともに非常にゴージャスで三越とハシゴしてきたのをかなり後悔しました。
(その後銀座まで歩いてタツノコプロ見に行ったし)
やはりいいものは余裕を持ってゆっくり見ないといけませんね。
輝ける皇妃エリザベート展 2012年08月16日
三越の皇妃エリザベート展。
皇帝が皇妃エリザベートに贈った星の髪飾り。
モーツアルトの魔笛に観劇、もとい感激した皇妃に贈るために皇帝が夜の女王の髪飾りを模して特注した星の髪飾り。
ダイヤを組み込んだ羽を重ねた星です。
数多くの肖像画、写真、装飾品の中にブレスレット、ベルトなどがありました。
細い。172・50・50・22.5です。
しかし座骨神経痛に苦しみ、皇太子が亡くなるなど、相次ぐ不幸に見舞われた喪服の皇妃でもあり、
自身も暗殺されるという最期を迎えます。
展示の年表で、彼女の死の後にオーストリアの皇太子(甥)がセルビアの青年に襲われたサラエボ事件が
第一次世界大戦の発端となるというサラエボ事件が書かれていて、
教科書ではたた暗記だけだった事柄がつながりました。
世界史的な、悲劇の皇妃だったんだなあ。
そこまで見てから髪飾りを見ると、また違った感慨がありますね。
巡回したそごう美術館hpへ
府中市美術館の夏休み企画。 2012年07月28日
はじまってすぐの先週の日曜日に行ってきました。
夏休みをテーマにして街から海へ山へ。
作品とともに、実物を見ながらクレパス、
色鉛筆で岡本太郎作品を模写できる、という夏休み企画もありました。
(大人も可)
たいへん楽しいのですが、印刷したものを塗るだけなので最初から描けるともっと楽しいと思います。
作品を見て吹き出しをつけたり、俳句をひねったりする企画もあり、つっこみずきには楽しい企画。
hpにはのっていない方の吉田博さんの石橋の水彩画もいい感じでした。
小西真奈≪Awesome Rocks≫
かなり大きい絵です。
写真のように描いているようで、どこか違和感(岩感?)を感じる不思議な作品。
これ、火野正平自転車こころ旅の東北編(岩手県宮古の三王岩)かなぁ。
こころ旅 岩手
府中市美術館hp
それから一番奥の展示スペースにスナフキンみたいな絵があって、
シンプルな絵なんですけどとても気に入りました。
村山槐多「スキと人」
hpにも画像がないので探したら数年前に松涛美術館の槐多展に出ていました。
府中市美術館貸出しで。はじめて見た。いろいろ持ってますね。
hp
琳派・若冲と雅の世界 京都細身美術館展パートツゥ〜 2012年07月20日
先に海の日に行った東京都美術館の日記書いちゃったけど、
前日の日曜日は関内にあるおじさんのお墓参りに行ってきました。
で、つぶやいた通り、関内駅からスタジアムへつづく赤いユニフォームに圧倒されました。
背番号1のMAEDAおとうさん、背番号18のMAEDAちびっこなど。
さすが勢いありますね。
で、その後横浜へ。崎陽軒のレストランで当然のごとくシュウマイ定食を注文。
カシュー・ナッツ&鳥肉炒め。当然のごとく生ビール。
で、当然のごとく横浜まで来て素通りはできない、別行動でSOGO美術館へ、
と行く前に、日産ギャラリーを抜けて風に当たりながら酔いざまし。
そして、当然のごとくセブン・イレブンを見つけて前売り券をキャッツ、もといゲッツ。
(1000円→800円。もっと前に買っといてもいいのだが、
岡田屋モアーズの前の大○屋をのぞいてからと思って。
会期終了一日前やはり売り切れだったが。
ちなみに次回展示の「いのくまさん」はあるので、行かれる前によってみよう)
SOGO美術館、琳派・若冲と雅の世界 京都細身美術館展パートU.
若冲の鶏、表紙になっているカラーのものよりも、
晩年、80過ぎて書いたという墨絵がじぶんてきにはよかったです。
若冲の水墨もずいぶん見たけど、筋目書きたくてしょうがない、みたいじゃなくて、
これはもう意識的に筋目書きしよう、というよりも勢いで描いていていつのまにかなっている感じ。
さっと流れた尾羽、すっすっと書いて自然に滲んだふんばった足の力感。足の下のピヨコのかわゆすこといとをかし。
それと一体一体がちがうポーズなんだけど、構図が決まってる。
どれもよかったけど
今回のmy favorite thingsを選ぶと、
若冲からはコレ。
鈴木其一 朴に尾長鳥図。
酒井抱一 扇面貼交屏風のうち、梅がちょんちょんとかいてあるやつ。
梅、花びらとかただ○書いてるだけなんだけど、梅なんだよね。うめーなぁーー。
ごほごほ。
あと、平家納経見て、お母さん平清盛だよーって目を輝かせているちびっこがいた。
うんうん。ぼうず、まことの武士になるのだぞ。ちなみに写しだけど。
夕方からだったけど、最終日ではなかったので8時までゆっくり見られてよかったです。
いつか、京都の細身美術館も行きたいなぁ。。
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真珠の耳飾りの少女 2012年07月18日
マウリッツハイス美術館展の行列の最後尾へ。
最後尾といっても、ロビーの中だし臨時の給水装置の用意もあり
(紙コップ付き)、
行列を抜けてもだいじょうぶなように配慮されている模様。
作品リストも兼ねている小冊子の武井咲ちゃんを見ているうち、
もとい作品解説を読んでいるうちに15分くらいで入れたと思います。
フェルメールの真珠の耳飾りの少女のスペースは、中でくねくねに仕切られた行列に並んで30分。
こちらは絵の前で見られますが歩きながらの鑑賞。
先頭鑑賞ゾーンから仕切られた後ろからはゆっくり見られて、
こちらもそんなに行列ゾーンとかわらないのでまずはここから初対面。
しばしお別れして、それから他の絵へと。
レンブラント、ルーベンスもすばらしいんですが、
特に静物画が気になりました。
ビーテル・クラースゾーン
「燃えるろうそくのある静物」「ヴァニタスの静物」
ヴァニタスヴァニタス、ルルルルル。ちがったか。(ラミパスラミパス?)
ヴァニタスとは空虚のことで、机の上に髑髏とかのってたりします。
前の東京都美術館はかなり年季の入った階段を順路に合わせてぎしぎしのぼっていきましたが、
新装なってぜんぶ上りのみの幅の狭いエスカレーターで一方通行。
一番上まで上ったら、出口直行下り。ミュージアムショップを抜けてふりだしへもどる。そこからまた見直し可能。
で、ゆっくり見直しながら(このころにはもう一枚のフェルメール作品
ディアナとニンフたちなどもほとんど1対1で見られる状態でした)
5時ごろふたたび真珠ゾーンにきたが「前でご覧になるのは30分待ちです」
閉館5時30分だけど。で、並ばずゆったりゾーンの、
あんまり正面ではなくちょっと斜めぐらいのところで付かず離れずして見ているうちに、
ゆったりの方はだんだんほんとにゆったりしてきた。(入場は5時までなので、もう人は増えない)
で、遠き山に日は落ちて〜♪の音楽が鳴って閉館10分前のアナウンス。
この後も展示はあります。ミュージアムショップも閉まりますのでお早めにご観覧をお願いいたします。
これからどんどん流れていくようになった。
先の絵、見るべきほどのものは見たり。(これ、大事KPこじろうポイント)
そしていつの間にやら、行列もなくなって、いま歩きながら見ている人だけが残った状態に。
さて、並ぶか。そしてさらに、もう一回並ぶ。
じっくり見られて、しばらくは目を閉じても鮮明にあの目が浮かんでくる感じが続いてました。
まとめ
朝一じゃなけば、閉館間際がねらい。
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あ、言い忘れた。絵のことなにも書いてませんでしたね。
最初よりもずーっと眺めて見てるとどんどんよくなる。ちょっと離れてでもゆっくり見るのがおすすめです。
東京都美術館ものがたり展 2012年07月16日
トピックの情報、公式サイトの混雑情報でも、
マウリッツハイス美術館展、日に日に待ち時間が伸びているようすなので、
平日の朝一かとも思ったが海ーの日の3痔すぎに上野に行った。
新装なったばかりの東京都美術館。入場制限は30分の表示。
ここは作戦通り、行列をスルー。係りのおねえさんに聞いて地下のギャラリーへ。
こちらはなんと無料で券もいらない。
東京都美術館開館の歴史をたどる展示。
あらかじめ知らなかったら気が付かなかったと思います。なにごとにも先達はあらまほしき事なり。 (徒然草)
エスカレーターを降りると目の前にいきなり佐伯祐三の、看板の油彩画。
壁だけではなく、ちゃんとパリのカフェが描いてあっての、看板だ。
そしてななめ右側から、感じる視線。じろりとこちらを睨んでいる、梅原龍三郎の写真。taken by 土門拳?
三角柱のこっち側にとなりの梅原先生が貼ってあるので、
いつまで佐伯見てるんや、はよこっちこいやって、メンチ切ってる図みたいになってるのでした。
そして梅原先生のとなりは藤田、真ん中の乳白色と、その周りを取り囲むねこwや狐や動物たち。
よかですなあ。おおっ、なにげに板谷波山の陶板画がある。これもよい。
と、そろそろ上のようすをのぞいてみると、しめしめ待ち時間20分に減っている。
真珠の耳飾りと青いターバンに会いにいくか。
つづく。
注、休館日の今日が休日で開館だったので、明日は火曜日だけど休館です。
東京都美術館ものがたり展
田渕俊夫展(松涛美術館) 2012年07月04日
下北沢の用事の後少々時間があったので、数駅のって神泉へ。
たまたま時間があるし、公立美術館で入館料300円だし、
ついでで近かったからぐらいの気持ちで行ったのですが。
後悔。
もっと時間のある時にゆっくり来ればよかった。
アートシーンで紹介されていた朝顔の絵は実際見るととても大きくて、
つぼみ、花、枯れて地面に落ちているものまでをひとつの画面にとりいれて、
特に葉っぱの虫食いや病(わくら)葉、地面に落ちて朽ちていく葉まで描きわけています。
じぶんで種を蒔いたら庭中朝顔だらけになって、朝顔ばかり描いていたので、
しまいには意を決して夜中に自分で刈り取った。
次の朝、刈られた朝顔が花をつけているのを見て心が痛みました、
というようなキャプションが出ていて。思わず笑ってしまいました。
ベトナムの風景を描いたバイクの連なり、無数の船と帆柱が並ぶ港の風景などは、
宗達や光琳の反復のリズムを思わせるし、
近年の水墨画のしだれ桜は等伯の松林図にも通じるものを感じる。
田渕さんはかつて平山郁夫ご夫妻に同行していて、
今でも藝大の修復科の生徒たちを連れて中国をまわってられるご様子で、
平山先生とはまた違ったWALLもVERY GOOD。
ちなみに、スケッチブックの説明に、藝大の大学院を卒業してナイジェリアで8カ月を過ごしてから帰国して、
パチンコの景品で手に入れた0.5mmのシャーペンを使うようになったことが、画風と合ってすごくよかったという。
たぶんちょこっと玉が余って「じゃあこれも」みたいな感じでしょうが、なんか、おもしろいなぁ。
土曜日は田渕さんご本人のギャラリートークもあり、東山魁夷、上村しょうこうの映像上映がある日もあるようです。
そちらもチェックされるとよろしいかと。
7,22まで。
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創作木版画展(府中市美術館) 2012年06月30日
イメージの叫び、パワー・オブ・創作木版画
会期が7/1までなので、行ってきました。
始まってすぐ、落語のイベントの時にも見たので、三回目です。
(そろそろ日記書こう)
入り口で渡されるマスクも3つ目です。
(4月ごろ買った2500円の年間パスの元がもうだいぶ前にとれてしまっている)
今回の企画展の最大の目玉、マスクをしてご覧ください。
周りにマットだけをした版画を額のガラス越しでなく直接みることができる。
担当の学芸の方のお話で、ガラスに写った自分の顔ごしではなくて
直接版画を見てもらいたかったというのはすごく画期的な試みだと思いました。
実際いいですよ。大好きな川上澄生の彫り、刷り、
ガラス越しじゃなく見られるっていうのは初めての経験ですから。
関野準一郎さんの版画を数年前に調布の文化会館で見て、
関連の一日体験に参加したのが版画にはまったきっかけでした。
今回も宇治平等院、なじみのある瓦屋根のつづく街並みの作品などが出ていました。
関野さんのような絵画的な版画。浅野竹二さんのなんともいえず楽しい版画。
稲垣知雄さんの猫。笹倉喜平「法界坊」何十年も前の作品なのに、
これがまた、今の勘三郎さんそのまんまみたいだったりして。
一本だけの松が風に吹かれながら立っている。
あの松としか思えない姿なんだけど、50年も前の千葉の松。
平塚運一(うんいち)、前川千帆(せんぱん)
名前の読み方もずいぶん覚えました。
あと、多色刷りの木版画でいいのが、なんといっても花です。
グラデーションで途中からぼかしを入れたアイリス、
さしてあるガラスの花瓶のカット面を通した水の反射が
また違った濃いブルーのグラデーション。バックは漆黒。
シクラメンとカーネーションは陶器の植木鉢の模様まで何度も刷り重ねています。
もちろん、「わだばゴッホになる」の人が大好きですが、
今まで知らなかった版画家の人がたくさんいて、
知らなかった作品がたくさんあったこと、全く驚きの連続でした。
版画、奥が深いです。
いやいや、まだまだこれからどんどん深くなりそうです。
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野口久光-黄金期のヨーロッパ映画ポスター展 2012年06月26日
最終日に間に合って、行ってきました。
野口久光さんは藝大の図案科から映画配給会社のTOWAに入社。
手描きのポスター。文字のレタリングがまたいい感じです。
「館ザモミ」演主ーゼロ・ワソンラフ?
途中まではこんな感じで横書きは右から左です。右から左へ受け流すのさ♪。
エビリオ・スンレーロ・−サの途中ぐらいからようやくサー・ローレンス・オリビエと左→右になってきて、
この辺りからようやく知っている名前が出てきます。
第三の男。汚れなき悪戯、禁じられた遊び、モンパルナスの灯・・・
館内で上映されていていた予告編。やはり手描きの文字が出てきて
フランスを 代表する 美男 と 美女 の 驚異の 共演!!くるくるまわって、
バン
近日公開!!みたいな。
ずっと映画を愛し続けて、亡くなる前まで描いていた鉛筆デッサン。
他の人は一枚ずつなのに、ヘップバーンだけ3枚。
うーん。わかります。
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陶酔のパリ・モンマルトル 1880-1910 2012年06月07日
日記を書いてなかったシリーズ八王子夢美術館。
シャノワール(黒猫)のポスターが一番はじめに展示されているんだけど、
実物は驚くほど小さいんですよね。でもインパクトある。
ポスターも印象に残りましたが、油彩画水彩画も見ごたえあり。
映像作品もおもしろかった。
映画創生期の大砲で宇宙旅行みたいなフィルム。まず動くというのがすごいことだったんだな。
そして、影絵芝居。映像もおもしろいけどそれに使われた金属板の人形とかがいい感じなのですよね。
もう一回見に行こうと思っていたんだけど、そうこうしているうちに展示が変わっているのです。
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地上最大の手塚治虫展 2012年06月02日
朝から出かけてきました。今日は無料開館日なのだ。
微妙なコスプレのファンの方を発見。じゃなくて、
実物大の人形なのですがどうもつっこみいれたくなる感じです。
フジコちゃんの実物大人形もそうですが、こういうのは難しいですね。
それはともかく。
手塚先生のトレードマークのベレー帽、ペンや墨汁などの仕事道具をはじめ、生原稿の数々。
小学校3年生の時に描いた漫画とか、すでに背景がきちんと描きこまれている。
アトム、リボンの騎士、三つ目がとおる、火野鳥、どろろ、ジャングル大帝、
アドルフに告ぐ、ワンダースリー、ブッダ、などなどなど。
ブラック・ジャックの一話分が通して見られる展示スペースがありました。
カラー原稿です。
ブラック・ジャックのなじみの寿司屋の若者が年老いたおふくろさんに
自分の握った寿司を食させようと休暇をもらって故郷に帰ろうとした日にダンプに轢かれて両手を失う。
彼はダンプの運転手を告訴せず、逆に釈放された運転手の青年に
じぶんの手のかわりになってそっくりに握れるように修行してくれと頼む。
やがて運転手の青年は一流の職人になるが、こんどは彼が事故に。そしてブラック・ジャック登場。
前から何度も見ているけど、ネームをは貼りこんだあととかが生々しい原稿で読んだらほんとよかったです。
浦沢直樹さんの講演会に行った時に20世紀少年の公開前でそっちがテーマだったんだけど、
ブラック・ジャックを見ないで描けるのが自慢です、ってすごくうれしそうに実演してくれたのを思い出した。
世田谷文学館だけあって、会場には手塚作品読み放題コーナー(全巻完備)もあり。
午後から仕事じゃなければずっといたかったです。
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