平成壱拾四年神無月壱拾八日

来年のテレビ東京10時間お正月時代劇は中村吉右衛門さんの忠臣蔵だそうで、
今からたいへんたのしみにしております。
吉良上野之介がなんと橋爪功氏とか。
これもどんな上野之介ができあがるのか楽しみです。
思えば今年のお正月は渡辺謙さんの「壬生義士伝」に滂沱の涙を流した、というか
涙がとまらなくて困ったもんでございます。
謙さんから橋爪さんへ、
梅安の輪、つながりですな。
この間の刑事ドラマでも共演されておりましたが、
やっぱり、いいですねえ。

平成壱拾四年神無月壱拾壱日

そうそう、藤枝梅安と言えば、緒方拳さんはもちろんのこと、
萬屋錦之介さん、現梅安の渡辺謙氏、
そして田宮二郎さんもやっておったのですね。
映像は見たことがないのですが、
鬼平の本に写真が出ていたので描いてみました。
うーん、ニヒルだ……


平成壱拾四年長月壱拾弐日

夏休み中に録画しながら見た「仕掛人・藤枝梅安」を最近頭からまた見直しています。
梅安の小林桂樹さん、彦次郎の田村高廣さん、音羽の元締め中村又五郎さん。
ただ会話を見ているだけでその間の絶妙さにほれぼれと見惚れてしまいました。
金で殺しを請け負う仕掛人と人の命を救う針医者の二つの顔を
小林さんが見事に演じています。
高廣さん、ひとつひとつの動作、せりふにしびれます。

藤田まことも好きだけど、
やっぱりこの人の剣客商売も見てみたいと思う、今日この頃です。



平成壱拾四年葉月七日

塾の夏期講習が朝から夜まであって、家に帰るとたとえ阪神が勝った日でもプロ野球ニュースまでもたずにテレビをつけたままバタンQ。
時代劇はため取りでようやく日曜日に見る、というかんじです。
天知茂の「雲霧仁左衛門」はお盗めの際にもヤンヤンヤンヤヤヤーンみたいな色っぽい音楽が流れていて11pmなんかを思わせる時代を感じさせるBGMがオヨヨってかんじです。
(という書き方自体が時代を感じさせる死語の連発ですが)
セリフや設定等は山崎版とほとんど同じなのに、ずいぶん雰囲気がかわるものだなあ、と楽しく見ています。
池上季実子さんが引き込み女の役で入っていて、七化けのお千代は大谷直子さん。
後年池上さんが同じお千代を演じることになるわけでこのあたりも興味深いです。


平成壱拾四年文月弐拾壱日

NHKで「腕に覚えあり」再放送。
ビデオを毎日予約にして楽しみにみておりましたが、
帰って再生したら田中康夫ちゃんがふくれっつらしていたり、
また台風で10分遅れて始まったお陰で
いざ、吉良邸に討ち入り!の寸前で終わっていたり、
なんてこともありました。
藤沢周平の「用心棒日月抄」が原作で本の方も好きで読んでいるんですが、
テレビの方もたいへんおもしろいです。
近藤等則さんのトランペットがまたじつにいい。
手堅い中島丈博氏の脚本で、落ち着いて見ていられる。
平成四年の放送ですから、もう9年前の作品なのですね。
ういういしい香取慎吾くんの姿も見られます。
よんどころない事情から国元で許嫁の父を斬って出奔、江戸に出てきて長屋暮らしの傍ら用心棒稼業で糊口をしのぐ主人公に赤穂浪士の討ち入りがからむ、というわくわくする筋立てですが、登場人物も大石蔵之助に江守徹、柳沢吉保に石坂浩二と魅力溢れる面々ですな。
そういえばこの後、大河ドラマの「元禄繚乱」では柳沢を村上弘明が、石坂浩二が吉良を演じたのでしたね。おっと上杉家からきた吉良の奥様の夏木まりさんも、出ていた出ていた。若いですねえ。千と千尋の「湯ばーば」「銭ばーば」とはとても思えません。
そういえば村上さんと鶴ちゃんが敵同士で斬り合っているすがたも、いとおかし。
なんだかんだいっても、NHKのドラマはおもしろいですよ。受信料払っても見たいだけのことはある。

平成十四年文月十五日

利家が唐沢寿明でまつが松嶋菜菜々子?
そんで信長が、?え?反町かよ?
トレンディードラマじゃないっていうの。
GTOかよ、やまとなでしこかよ。視聴率がとれればいいのかよ。
(しかも配役が発表されたと思ったら、菜々子と反町結婚!だし)
なんて心配もしておりましたが、
いやいや、なかなか反町の信長もよかったですよ。と、いうかスゴクよかった。
はじめはなんかもごもご言っているようで聞き取りにくかったセリフも
板についてきて、
「で、アルカ」の決め言葉とともに、
今までなかったひとつの「信長」像が確立されたようにおもいます。
興奮すると声の裏返る[明智光秀]萩健のキレっぷり。
しだいに骨太でしたたかになってくる市川猿之助さんと浜木綿子さんのご子息、秀吉[香川照之](鬼平で同心役で出ていたときはまだホッソリしていて頼りない感じだったんですけど、やはり流れている血は争えない、ということでしょうか)
利家の父上役だった文太さん、家臣の中条きよしさん、柴田勝家の松平健さん、また新たに登場した上杉景勝役には里見浩太郎さんと、
考えてみると「仁義なき戦い」「仕事人」「暴れん坊将軍」「長七郎江戸日記」などなどそうそうたる面々が脇で支えてくれているんですよね。
だから前田慶次郎の及川ミッチーとかも安心して傾いていられるというものですよ。
本能寺で反町信長の出番が終わって、秀吉が「これからはサルにお任せ下さいませ」と言ったとか。まだまだこれからの展開、楽しみですね。

http://www.nhk.or.jp/taiga/



ちなみに今年からの中学の歴史の教科書では、

1582年に信長が家臣の明智光秀にそむかれて本能寺で自殺すると、羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)は、主君信長の死を知り、いち早く光秀をたおし、信長の後継者の地位につきました。(東京書籍)

となっております。
平成十四年文月六日

土曜日は朝六時からCSで
銭形平次
鬼平犯科帳(萬屋錦之介版)
鬼平犯科帳(中村吉右衛門)
暴れん坊将軍
……

とつづく様々なタイプの時代劇ワールドの日なのです。
それで思うのは、
鬼平が
「人間というものはいいことをしながら悪いことをする。
悪事を働きながら善事を楽しむ不思議ないきものさ」って
その矛盾と不思議にみちた存在ゆえのドラマとリアリティーで
それまでの時代劇と一線を画しているとするならば、
銭形平次って最後の最後では人間の善なる部分を信じている、ってかんじがするのです。
いろいろあっても「こうなってほしいなあ」と思うようになる、というか。
ぼくは鬼平も好きだけど、銭形平次みたいな時代劇も絶対なくなってほしくないと思うのですな。
この2作品ってたしかフジテレビで交互に放送されていたんでしたっけ。
(TBSの大岡越前と水戸黄門みたいに)
そういう意味でもすごくいい回転のローテーションだったんだなあ、って思います。
しっかりしたつくりで役が手の内に入ったメンバーが、人情も捨てたもんじゃあねえよって作品を見せてくれる。
そういう時代劇って今は育ちにくい状況なのかなあ。
その枠で今やっているのが「陰陽師」ってことを考えてみても……
まず、話題と数字がとれるか。なのでありましょうか。

三上寛も陣内もけっこう好きではあるんですけどね。

全888話放送中。すごいねえ。888ですよ。
平成十四年水無月四日

今月のスカパー時代劇専門チャンネルは、
市川雷蔵「忍びの者祭り」
たしか雷蔵さんは三十七で早世されたのでしたっけ。
きのう第一作の「忍びの者」を見ましたが、
ただかっこいいだけではない、「哀しみ」のようなものが滲み出ていて、
四十代、五十代、と生きていたらどんな演技を見せてくれていたのか。
惜しいなあ。
この後も、「続忍びの者」「新忍びの者」「忍びの者霧隠才蔵」「忍びの者続・霧隠才蔵」「忍びの者伊賀屋敷」「忍びの者新・霧隠才蔵」新書忍びの者」と全八作品。六月いっぱい楽しめそうです。
ワールドカップも楽しいが、雷蔵祭りも楽しいぞ!

平成壱拾四年皐月

弐拾七日

塾に来ている生徒で、時代劇好きの子に
藤原竜也と妻夫木の「さぶ」第一回、見逃してしまったよ。
次は絶対見るぞっ。って言ったら、
えー?あれって、一回で終わりじゃないですか?
山本周五郎大好きということもあり、楽しみにしていたのに、
楽しみにしている割にはきちんとチェックしていませんでした。
ああ、ショック。
日頃から問題は良く読もうね、って注意しているのですが、自分がこれでは仕方ありませんなあ。



平成壱拾四年皐月

弐拾参日

朝、時代劇専門チャンネルで「長七郎江戸日記」を見たと思っていたら、深夜にまたもや他のチャンネルで里見さんの作品を放映してました。しかも里見さんと火野正平さんが連れだって歩いているところ。そして、老中役で丹波哲郎さん。松平右近もたしかこの顔ぶれだったですね。うれし。火野さんは愛情深い男の切なさがにじみ出てます。

悪人「なにか証拠でもあるのか!」

「闇奉行の俺には証拠なんていらねえんだ。性根を据えて、かかってきやがれ!」



(「大江戸犯科帳 闇を斬る」より)

平成壱拾四年皐月

弐拾弐日

月刊スカイパーフェクトTV!というガイド誌をなにげなく眺めていたら、こんな読者の声が出ていました。

子供の頃から時代劇が好きで、「時代劇専門チャンネル」を見るためにスカパー!に加入した我が家です。一口に時代劇と言っても、いろいろと好みのうるさい私。去年放送された「御家人斬九郎U・V」で、すっかり斬九郎&渡辺謙にはまってしまいました。ぜひ、TとWも放送してください!“村上弘明祭”があるなら、“渡辺謙祭”もお願いします。「時代劇が好き」というとたいてい相手から大笑いされている私を、どうか力づけて下さい!(神奈川県時代劇はロマンさ さん)

回答

いつもありがとうございます。「御家人斬九郎」や渡辺謙さんの魅力にはまる人が続出で、お客様からのリクエストに応えるべく企画を検討中です。5月は、時代劇の決定版、里見浩太朗主演「長七郎江戸日記」の特集がございますので、こちらもご期待ください。(時代劇専門チャンネル 小野田さん)

ほんとに本気で前向きに「検討」してくれているなら、すんごくうれしいことですねっ。
それにしても、「時代劇が好き」と言うと大笑いされてしまうのか。かわいそうなロマンさん。

平成壱拾四年皐月

弐拾弐日

スカパーで「長七郎江戸日記」を見ました。今日は放送のあとに下川辰平さんのインタビュー。太陽にほえろの頃からするとだいぶお年をめされましたね。でもお元気そうでした。
撮影中、里見さんが朝から大きなぼたもちを食べていて「おひとつどうですか」とすすめてくれたとのエピソード。里見さんって甘党だったのね。
今日見た話は高松英郎さんと田島令子さんがゲストでした。おふたりともお若い!
そう言えば萬田久子さんの時代劇調のパイプのCM、最近見たバージョンではいつもの高松さんではなく、若い人が出ていたようですがお体の調子でもお悪いのではないかと、心配です。
いつか笑っていいともに出ていた時に「いつも背広ですなあ」とタモリさんに聞かれて
「背広しか持っておらんのです」と答えておられました。
聞いたタモリさん自身がびっくりして「それじゃあ、ちょっとタバコ買いに行ったり犬の散歩とかの時はどうするんですか」と聞くと、
「背広で……」
今日はふたごの兄弟とのひとり二役で、たいへんたのしかったです。

辰三郎がいいですねえ。
火野正平さん、瓦版屋が実によく似合う。
三代将軍家光と将軍の座を争って腹切った駿河大納言忠長卿の忘れ形見で野に下り市井の人々とのふれあいの中で許せぬ悪を退治する華麗なる二刀流。
鬼平も好きですがこういう時代劇も、大好きなんです。わたくし。



(里見浩太朗「長七郎江戸日記」)

俺の名前は印籠代わりだ。ははーっ。……もとい、引導代わりだ。迷わず地獄へ堕ちるがよい!

「必殺」主水セレクション(2002.5/23up)


時代劇スター名鑑
あ行:天知茂(2001.10/8)
か行:勝新太郎(2001.12/5)
た行:

田村高廣(2001.10/2)

田村正和(2002.2/1)new
は行:

火野正平(2002.10/18)

阪東妻三郎(2001.10/29)
や行:

山崎努(2001.9/29)

萬屋錦之介(2002.1.6子連れ狼)
わ行:渡辺謙(2002.5/18斬九郎)new

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雲霧仁左衛門




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