気になる登場人物たち
雲霧一味

お頭・雲霧仁左衛門(山崎努)

小頭・木鼠の吉五郎(石橋蓮司)


七化けのお千代5/15up (池上季実子)


やんごとなきお公家さんの姫から老婆まで、なんにでも化けてしまう峰不二子。
幼い頃の火事で家族を亡くしてたったひとりでお助け小屋へ。
<おつとめ先?>の相手の心をとろかせ引き込みをつとめるが、心はお頭を慕う。いつかお頭とふたりで静かでしあわせな生活がしたいと願っている。

因果小僧六之助 (近藤和久)
 
  役立たずで、災いの元になる俺なんか、
  生きてても……
  もともとお頭からもらった命です。
  あらためてお頭にお返しいたします。
  (「使い鳩」より)

  でも、おわんの舟はヤダー!

若さゆえのはねあがりやむこうみずな行動から、つとめの掟からはみ出したり盗賊改めから眼をつけられたり、トラブルを背負い込んでくることが多いが、七つの時にお頭に拾われてお頭を親とも慕い、なんとか役に立ちたいと思っている。お頭の銀ギセルがほしくてたまらなくて三年越しにねだってようやく手に入れるのだが……あら?

州走りの熊五郎5/15up (本田博太郎)
無口で愛想はないが、万事にきっちりした仕事ぶりで頼りになる男。おつとめのためのからくり仕掛けなどにも腕の立つところを見せ、大工経験有り、とみた。
「へーい」って返事の微妙なニュアンスのちがいに、要チェックです。

富の市 (六平直政)−夫婦−おかね (深浦加奈子)
治平 (奥村公延)−親子−おもん (佐藤恵利)

黒塚のお松(大橋芳枝)
おみつ(小田切優美)
山猫の三次(山田辰夫)


雲霧一味の主なおつとめ先

武蔵屋清兵衛5/8up (原哲男)
竹村玄洞 (早川純一)
松屋善兵衛 5/13up(神山繁)
井筒屋清右衛門 (前田五郎)
越後屋善衛門 (草薙幸二郎)
−息子−ひかる一平

盗賊雲霧一味の獲物を横取りしようとたくらむ

櫓の福右衛門 (小野武彦)−兄弟−暁の星右衛門

手下:おきね (速水典子)
手下:草間の勘蔵 (片桐竜次)



火付盗賊改方

お頭・安部式部 (中村敦夫)

与力・山田籐兵衛 (西田健)
与力・岡田甚之助 (平泉成)

同心・井口源助 (河野実)
同心・津山庄八 (武井三二)
同心・木村与四郎 (加藤正記)
同心・高瀬俵太郎 (鷲生功)

岡っ引き・浅草の政蔵 (不破万作)−桶屋の安太郎 山口真司()

密偵・豊治郎(芝本正)
密偵・粂三(廣田行生)
密偵・弁治(津久井啓太)
密偵・おしの(小林綾子)
密偵・鹿伏の留次郎(三浦賢二)
密偵・お京(増田恵子)



?(丹波哲郎)

制作:フジテレビ、松竹
企画:能村庸一
監修:市川久夫
プロデューサー:鈴木哲夫、佐生哲雄
脚本:宮川一郎、古田求
監督:工藤栄一、斎藤光正、舛田明廣、原田雄一、小笠原佳文、杉村六郎、原田徹
音楽:梅林茂
撮影:石原興、安田雅彦、秋田秀継
照明:中島利男
美術:倉橋利韶,、原田哲男
録音:中路豊隆
編集:園井弘一
殺陣:谷明憲,、清家光彦
協力:エクラン演技集団
製作協力:松竹京都映画
ナレーター:津嘉山正種



こんないい作品が……why?

平成8年フジテレビで放送された当時、スペシャル番組やサッカー等で放映の間隔があき、
しまいにはラストの3話を残したままで打ち切りになってしまった「雲霧仁左衛門」
この度スカパーに入ってようやく念願かなって視聴できましたが、
その質の高さ、おもしろさ、スピード感、話としても、役者さんたちの演技にしてもうならされるは、泣かされるは。
あんなドラマやこんなドラマがだらだらと流されているのに、
なにゆえこんな「珠玉」の作品がしかも一番おもしろいところを残してお蔵入りになってしまったのか。
ほんとに不思議なことですが。
雲霧は鬼平とちがって、ラストのクライマックスに向かって流れていく物語です。
雲霧と盗賊改めの戦いは松屋の時の長い張り込みに代表されるように、同心たちでさえ根をあげてしまうほどの根気のいる息の長いものです。
それを毎回のスピーディーな展開で飽きさせず、雲霧一党ひとりひとりの個々のキャラクターの丹念に作り込んだエピソードを織込んでいくことでより厚みのある疾走感が生まれる、とでもいうか。
イメージとしてはそれぞれのドラマを背負った登場人物たちが乗った舟が小気味のいいテーマ曲にのって夜の水面をすべっていく感じとでも申しましょうか。
思うにさまざまな事情によって何週も空いたぶつ切り状態での放映が、他の作品ではない「雲霧」だからこそ余計に痛かったのではないだろうか、と。
流れている中でこそより生きてくる厚みや遊び感覚、こだわりが、放映が停滞することで重みになってしまったのではないか。

冷めてもそれなりにおいしいスーパーの天ぷらではなく、職人が技術の限りを尽くした天麩羅だからこそ揚がったそばからどんどん食べんといかん、とでもいいますか。
ある意味水戸黄門みたいな時代劇だったら同じ状況でもつづいていたのかもしれません。
作品って、放送して見る状況までを含めての作品なんだなぁ、と思いつつ、スカパー雲霧仁左衛門祭り、ぶっ続けで見ることのできる仕合わせを噛みしめたのでした。

堪能しましたっ。

雲霧一味の大番頭、木鼠の吉五郎




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