中国大陸の奇門遁甲の特徴

 中国大陸では台湾と異なり、一時期術数の研究は国家政策によって規制を受けていましたが、近年自由化が進み、各地の気功学院や易学会等で、奇門遁甲の伝承者達による易・風水・四柱推命等の講習も少しずつ始まっているようです。大陸の奇門遁甲は、台湾とも韓国とも異なる風格の奇門遁甲が伝承されています。

 大陸の奇門遁甲については、おおまかに大陸北方と南方では若干趣きが異るようです。北方の奇門遁甲の研究家は占卜に強く、六壬のように雑占に使いこなします。南方の奇門遁甲は大陸奇門の趣きを持ちながらも、選吉的要素も強く、台湾の奇門遁甲とも類似性があります。

 ここで、特筆すべき点は大陸奇門の術法には、台湾の奇門遁甲よりも、韓国奇門の煙局との類似点が多いということで、この点で大陸の奇門遁甲が文革で途絶えて台湾からの逆輸入されたものでは無いことが解ります。

 さて、大陸奇門の特徴ですが、既に記しましたように占卜に優れる点がありますが、それ以上に注目すべき点は、日本の奇門遁甲が例えば西へ移動する場合、兌宮に入った要素だけで判断するのに対して、遁甲盤全体を見渡した上で判断する点でしょう。
 尚、この特徴は韓国奇門の方位でも同様で、韓国奇門では盤全体を見渡した上でその方角が吉か凶かを判断します。

日本の奇門遁甲 中国大陸の奇門遁甲

     
   
     

   
   
 
西(兌)へ移動する場合に兌宮に入った要素だけで判断する。 西(兌)へ移動する場合、兌宮だけでなく、条件によって他の宮の状態も判断に加える。

 中国大陸の奇門遁甲のもう1つの特徴として、個人差が判断出来ることにあります。日本の奇門遁甲では個人差が不明確な為、四柱推命等の奇門遁甲とは別の占術を利用する人が多いようですが、中国では 個人差に他占術を利用せずに、奇門遁甲自体で個人差を解決しています。
 また、日本の奇門遁甲では移転等の場合、月盤や年盤を使用する為に、移転先が凶方だと1ヶ月間あるいは1年間移転出来ないことがありますが、大陸の奇門では時盤の特殊な使用法があり、日時さえ良ければいくらでも移転が可能です。