BREAST STROKE (平泳ぎ)

平泳ぎは、4泳法中、最もパワーのある泳ぎ方です。

しかしながら、最も水の抵抗を受ける泳ぎ方でもあります。

この抵抗をいかに乗り越え、そのパワーを生かすか、が平泳ぎ上達の道と言えるでしょう。
ストローク 平泳ぎのスタイル リカバリー ブレス(呼吸) キック 平泳ぎのポイント よくある欠点 一かき一けり
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すとろーく
   【ストローク】

  ストロークの基本は、「開いて、閉じる」です。

  • かき始めは肘が伸びきったポジションで始まり、てのひらは外側に向けられています。
  • 腕が斜め45度ほど開かれたら、肘を曲げててのひらを内側に返す要領で、水を内側にかき込みます。この時、ひじの高さをてのひらより保つことも重要です。同時に、プルの速度も加速され、あごに向かって力強いプルが求められます。
  • 内側にかき込むタイミングは、手がヒジのラインまで到達したときと考えます。ヒジの曲げが最大になったとき、と考えてもよいでしょう。
  • フィニッシュは、両腕の脇の間から水を後ろに抜く動作で終了します。しかし、その直後には、腕は前方に向かって伸びが始められ、決してここで腕の動きを止めてはいけません。
  • 内側へのかきは、ヒジが肩のラインよりも後ろへ行かないようにしなくてはいけません。胸までかきすぎると、かいてきた水を上体で正面から受けることになり、大きな抵抗となってしまいます。

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ひらおよぎのすたいる
   【平泳ぎのスタイル】

  平泳ぎには、大まかにいって3つのスタイルに分けられます。

  1. フォーマル・スタイル
    このスタイルは、常にヒップの位置が水面近くにキープされており、例えて言うならば、「すいすい」と泳ぐスタイルと言える。体の上下動がない分、腕のかきの力強さが求められる。
  2. ナチュラル・スタイル
    このスタイルは、呼吸時にヒップがわずかに下がり、上体を斜め前方へグライドさせ、そこでの推進力と、その後の伸びによる推進力をより得ようとするスタイルである。フォーマル・スタイルに比べて、キック力がより求められる。
  3. ドルフィン・スタイル
    このスタイルは、ナチュラル・スタイルよりもさらに体の上下動を積極的に行い体のうねりを利用して体全体での推進力を得ようとする泳ぎ方である。プル・キック力が共に求められるだけでなく、プルとキックのタイミングの取り方もより重要になってくる。


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りかばりー
   【リカバリー】

  平泳ぎのリカバリーは、そのスタイルによって軌道が異なってきます。

  1. フォーマル・スタイルの場合は、
    フィニッシュの手の高さをそのままリカバリーにつなげていきます。この時、あごは常に水面に触れています。
  2. ナチュラル・スタイルの場合は、
    てのひらが水面の高さになる程度でリカバリーを行います。
  3. ドルフィン・スタイルの場合は、
    てのひら(というよりも肘から先全体)が水面上に出てくるようにし、水の抵抗を受けずに腕を前に投げ出します。
どのスタイルにおいても、リカバリーの際、てのひらは合掌しているか又は掌を向かい合わせに平行に保ったままです。てのひらを返すことは、かいてきた水を上体にぶつけることになり、大きな抵抗になります。
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ぶれす
   【ブレス(呼吸)】

平泳ぎの呼吸動作は、前を向いて行いますが、この時、あごが上がらないようにしなければなりません。あごが上がると上体が立ってしまい前からの水の抵抗を大きく受ける結果となってしまいます。
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きっく

   【キック】

平泳ぎのキックは、足を広げるタイプと、真後ろに蹴るタイプがありますが、水の抵抗を考えたときに、より速く泳ぐためには真後ろに蹴るタイプを目指すべきでしょう。
▼ 引きつけは、かかとをヒップに近づけるようにして行います。ももの曲げは、 125度を越えないように、と言われています。一般にスピードが2倍になると、抵抗は2乗されると言います。抵抗を減らすことは重要なことなのです。

▼ 引きつけ時にヒザを前に出しすぎることは抵抗を大きくするだけなのです。

▼ 蹴り出しは、加速をつけて行われます。足の裏、そしてヒザから下の足の内側で力強く水を挟み込みます。

▼ 蹴り終わりの足は、必ずしっかり閉じなければいけません。足を開いたままでいると、両足のあいだに渦が残ったままになってしまい、これがまた抵抗となってしまうのです。

    なお、キックの伸びと、腕の伸びは同時に行われます。

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ぽいんと

   【平泳ぎのポイント】

キックのポイント

  • 平泳ぎは、キック主体の泳ぎです。そのため、キックにタイミングを合わせたプルという考え方もできるかもしれません。キックの蹴り出しが行われるときに、プルのリカバリーが行われるのです。

  • キックの引きつけから蹴り出しへの一連の動作を止めないためにも、またプルの停止による上体の沈み込みを防ぐためにも、胸の前でプルを止めてはいけない(かいてきたプルを、すぐに前に出す)のです。

    
プルのポイント

  • 広すぎるプル、狭すぎるプルについても考えなければなりません。
    広すぎるプルは、内側へのかき(インワードスカル)に移行する際に、確実な水のキャッチを行うことができず、
    狭すぎるプルは、一連のプル動作の1かきから得られる推進力が効率の悪いものになってしまいます。

  • プルのフィニッシュは、どこに水を抜けばよいのでしょうか。それは、脇のあいだからです。
    かいてきた水を、両脇の間から抜くのです。こうして上体にぶつかる水を避けることができるのです。


  • また、プルのヒジが落ちることも避けなければなりません。手首やヒジが落ちることは、効果的なかき込みを行うことができず、1かきで得られる推進力が大幅に減少されてしまうのです。
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 けってん      
   
    【よくある欠点】


  • 最もよくある欠点は、腕を手前までかきすぎてしまうことです。極端に言えば、平泳ぎのプルは、ヒジが肩よりも後ろに行かないようなくらいでもよいのです。
    手前までかきすぎることは、リカバリー動作への移行の送れを生み出すだけでなく上体へ水をぶつける要因ともなってしまいます。

  • また、呼吸後の伸びもしっかり取るようにしましょう。呼吸時にひきつけたアゴをそのままに、入水後はプールの底を見て、かき始めの際にてのひらへと視線を移していくのです。
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ひとかきひとけり


     【1かき1けりについて】

   平泳ぎでは、スタートとターン後に1かき1けりの潜水が認められています。

  では、効率的な1かき1けりはどのようなものでしょうか。

▼ スタート、ターン後はストリームラインを形成しますが、この時の頭の位置は、アゴを引くでもなく、上げるでもなく、普通に真下(プールの底)を見ています。

▼ かき始めは、ヒジを立て、フィニッシュまでは一直線で、水をかききります。この時、腰が浮き上がらないよう、ボディポジションのキープを心がけなければなりません。不用意に腰が浮き上がると、ドルフィンキックととられて失格となることがあります。

▼ その後、キックが行われますが、キック動作を行わない間は、常に両足をしっかりと閉じなければなりません。

▼ キックののち、浮き上がってきますが、完全に浮き上がるまでは決して頭を上げないようにしなければなりません。頭を上げることは、即、抵抗となってしまいます。

   1かき1けりの進行する深さは、プールの深さにもよりますが、大体水面とプールの底の中間くらいで行うのがよいと思われます。深くもなく、浅くもなく、といったところでしょうか。

@プルをまっすぐかく 
Aキックしないときは足を閉じる
B浮き上がってくるまでアゴを上げない
Cアゴは上げすぎず、引きすぎず

  以上を守れば、1かき1けりの距離が大幅に伸びるでしょう。

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