今回、本12月定例議会において、初めて一般質問の機会を与えていただきましたことに対し、議長をはじめ、先輩議員各位に厚く感謝を申しあげたいと思います。
通告に従いまして、順次質問をさせて頂きますので、明快なる答弁をお願い申しあげます。
●まず、東部埋立に関する事項について、4点質問をさせて頂きます。
昭和57年に「新湊市東部 埋立地区 開発基本構想」が発表され、翌年の3月に90万uの、富山新港東部埋立の起工式が挙行されて、早7年が過ぎようとしています。海を身近に感じて生活をしていた、堀岡の住民の不安と期待のなかで、工事が進み着実に街が、変貌していくのを目の当たりに見て、沖合い630b、海岸線1600bの広さのなかで、これからの土地利用に期待をするものであります。さて、埋立の第一工事が今年度で終わり、平成6年迄の、第二期工事で埋立が完了すると聞いております。平成2年の11月現在で、埋立事業の進渉状況は50%、今年度の投入されると予想される残土が、15万m3と聞いており、この埋立に必要な土砂は652万m3で、その半分の326万m3が、残っている計算になるわけであります。当初一年間に30万m3、航路しゅんせつ土砂や公共残土が投入されるとして、今後10年がかかることになり、埋立完了が平成12年以降と大幅に遅れると推察されます....
又平成3年より運輸省の「第8次港湾整5カ年計画の策定」に入りますが、その中で航路振幅に伴い、航路しゅんせつ工事や東外防波堤600bの工事内容について併せて、今後の埋立完了時期について、市当局の考えをお聞かせ下さい。
●東部埋立に関する第2点目は、「都市再開発用地」と「臨港道路堀岡線」についてであります。
昭和37年に「新産業都市 建設促進法」が施工されて以来25年を経過しており、産業立地条件の形態も、伏木富山新港を中心とした臨海部より、富山テクノポリス地域を中心とした、八尾中核団地のように内陸部へと、鉄やアルミ等の素材産業から、IC,LSI,バイオ等の小さくて付加価値の、大きい物へと変わり、平成元年度には新産業都市建設促進法の見直しがなされました。この法律の、住宅政策のまずさもあり「新湊の人口減」においやられた最大の理由であります。当、堀岡地域は、まさにそのあおりおうけ、昭和40年の国勢調査の、堀岡の人口は、4,161人であり、新港開港後の、昭和44年の10月の常住人口は3,641人であります。平成2年度の10月の常住人口は3,410人であり、昭和40年からの人口衰退は、751人にのぼります。その間、雇用促進住宅,県営住宅,県営アパート,北電社宅等により人口流失を、最小限に止めているのが現状であります。
現計画では、都市再開発用地が9.7fとあり、人口推移からみても300戸程度以上の住宅を考慮すべきで、地域の振興策を考えますと、最低15f以上の都市再開発用地を確保していただくよう、県に強く働き掛けて頂きたいのであります。我が街の発展は、2本の進入道路により、海がわの、「東部埋立の都市再開発用地」と現堀岡市街地とを結び、街の一体化を図るものであり、これからは「堀岡住民総意」の兼ねてからの強い要望であります。当、富山新港対策 堀岡振興会から、昭和57年及び昭和60年の、2度に渡りこれら「要望書」が県と市に出されており、県及び市の当局の御努力により、平成元年度には、西側進入路である、市道幹1−8号線より東部埋立地に、通じる550bの「臨港道路堀岡線」に300万円の調査費が突き、600万円の予算が計上され、未だ未執行の状態であり、東西進入路と都市再開発用地について当局はどのように考えておられるのか、また具体的な進め方を明確にお答え願いたいのであります。
●近畿大学富山水産研究所の「取水管」の、着工が今年の、7月11日に東部埋立地、西側においておこなわれました。
私は、6月に、総務委員会の視察で、近畿大学の白浜実験場の「網いけす養殖場」を見る機会があり、養殖漁業の産業化を、目の当たりに見てきました。自然の2bから3bの干満の差により海水の入れ替えができる良い、条件にめぐまれたところであり、「生き物」を育てる難しさや養殖漁業は、金と時間と忍耐の、かかる仕事であることを通説に感じました。当地の漁業協同組合も、3fの漁業関連用地の利用を要望しているなかで、大まかには、1fは養殖漁業の関連事業や、フイシャマンズワーフや、組合の事務所移転等、2fは組合の水槽として利用し、近畿大学には技術指導等、養殖漁業の産業化を、いち早くおこない、育てる漁業への期待が高まり、次の世代に渡す準備をしています。近畿大学富山水産研究所の、施設計画と事業開始は、いつ頃からスタートするのかそして、地元の漁業者との技術援助は、いつの時点で行われるのか当局のご意見をお聞かせ下さい。
●4点目は神通川左岸流域下水道計画の問題であります。
「東部地区の浄化センター」の問題が、平成2年の7月27日の、県魚連の下水道計画の凍結解除から慌ただしく、実現に向けて動きだしています。昭和52年度の「東部埋立」と合わせて、「浄化センター」の計画が県より示され、それ以後、この「議場」において、沢山の諸先輩議員の、質疑なされている事を、過去の「定例市議会 会議録」を読ませて頂き、大変勉強させて頂きました。 当時から考えると、諸般の情勢の変化もあり、迷惑施設としての、地域のイメージも薄らぎ、逆に快適さや清潔さが、必要とされている様です。しかし、お年寄りと、話をしていると一部の高齢者の、住民の方にはどうしても、迷惑施設のイメージが残っているようです。当 堀岡地域においても、昭和57年に「富山新港対策 堀岡振興会」から県に「東部埋立に協力する要望書」に、流域下水道問題については凍結とありましたが、昭和60年の「公有水面埋立の協力」時には、流域下水道の早期着工を県に要望しているのであります。しかし、私達の堀岡地域は「人の好まざるものを受ける」のですから、それなりの、住民の納得の出来る振興策を模索、しなくてはならないと思います。ただ、県当局の対応が「東部埋立計画の都市再開発用地」や「臨港道路堀岡線の事業」や「浄化センターの事業」等は、別々の事業で分離していると、お考えの様であります。しかし東部埋立が進に連れ、別々の事業が相互の関連性のなかで、地元でこれらの蓄積している諸問題を、どうしても一括して考えていかないと、行政と堀岡住民の信頼間がなくなり、今後の対応が大変難しくなると思われます。今後の対応を含めて、見解を伺いたいと思います。
●又、今度初めて当市も、県に事業の早期着工について陳情され、平成3年度「富山県の重点事業」にも盛り込まれました事や、11月には9市町村の神通川左岸流域下水道促進期成同盟会の、会議ももたれたと聞いておりますが、渡辺市長の強い、決意のほどを伺いたいと思います。第三次総合計画の後期策定の中で、新湊市図書館東部文館設置構想について質問させて頂きます。東部地区における、生涯学習機関としての、射北中学校との一体化の図書館構想とは、どのような図書館を目指すのか、又東部での移動図書館の利用率も多いと聞いていますが、学校を「分館」として住民が利用するときの不便さを、どの様に利用してもらうのか、教育委員会の意見を伺いたいと思います。又富山市の神通川から堀岡に至るまでの東部地域に情報活動としての公共性の建物がまったくないので、東部埋立の東側進入路の西側空き地に、東部地区の起点として、東部図書館構想はを考えてはどうか、市当局の考えをお聞かせ下さい。
●次に、新湊の道路と路地の演出について、県の「ふるさと環境総合 整備事業」「まちのかおづくり事業」の二つの制度について、私なりに中央文化会館周辺と神楽橋周辺の二カ所を絞って提案してみたいと思います。
新湊市には、他の市町村に誇れる立派な中央文化会館があり、この文化会館を取り巻く周辺には、市道幹1−4号線や大石川をはさんで、東側に新湊小学校があり、西側に新湊市福祉会館、新湊市中部保育所が、4つの違った異質の単体が無造作に乱立しています。これらおひとつの大きな文化ゾーンとしてモデル地区の市条例をつくりこの文化ゾーンを「都市美形成のモデル地域」に指定し、「県のふるさと環境総合 整備事業の一まちづくり特別対策事業の制度」の財源を利用して「みちすじ」や「まちかど」の環境整備を多年度で行ってはどうだろうか。各建物をつなぐ、道路や敷地の境界をはすし、床には、アンジュレイションを持たせた、石やカラー舗装を施し、公共デザイン.街灯.ベンチ.欄干.電話等のデザインの統一をしたり、大石川を改修し、水辺や緑の街並に、花を添え「たむろする空間」と「流れる空間」を創ってはどうだろうか。
又現在、神楽橋周辺には、カラー舗装された、街路地があり、ステンドグラスの橋や、周辺にはグルメ街もあり、そして神楽橋周辺の道路拡幅や、文化性の高い公衆トイレも整備されていくなかで、HOPE計画の基本に添って、南北の建設を行い、この事業を「ジャンエキスポ記念事業」として位置付け「県のまちかおづくり事業の制度」の財源を利用するものである。
又、南北に走る「かぐら通り」の両側の家並みを市の「都市美形成のモデル地区」に指定し、「ふるさと創生事業1億円」の財源を利用して、改装時の補助交付金制度をつくり、市民の理解と協力を得ながら、各家の正面玄関のファーサードを、木の格子のデザインで「かぐら通り」のまちかど整備をする、計画案であります。市当局も、計画なされているようですから、お聞かせ下さい。
質問を終わります
再 質 問
ただいま答弁いただき、有難うございました。一点に絞って再質問させていただきます。東部埋立地につながる、西側の「臨港道路堀岡線の早期着工」にさいして再提案をしたいとおもいます。
二つの進入路は、これからの東部開発の「顔」であり、堀岡の再開発を模索する、大きな突破口であります。確かに当、西町.明神新協力がなくてはなし得ない仕事でもあります。しかし道路は、目的地へ行くだけの「アクセス道路」ではなく、あたらしい「道」をつくることにより、街のイメージを変え、その「道」を媒体として、歩く人を、楽しませる「道」のデザインを、していただきたいのであります。
又、私どもの地元にある東部埋立工事は、県直轄の工事でありますが、必ず市当局に県から相談があり工事が進められているわけでありますから、地元の抱えている懸案事項を十分理解していただきまして、強く重ねて、県に働きかけていただきたいのであります。私達地元議員もこれらの問題を真剣に受け止めておりますので、地元自治会と、十分な話し合いをし、納得いく方向をみつけたいと考えております。
これで質問を終わります。
12月定例議会一般質問の通告 021205
東部埋立に関する事項。
期着工と問題点を着工に向けての意気込みについて。
問題点
1 東部埋立の進渉状況と着工時期について。
2 浄化センターの位置(西か東? 縦か横?)。
3 漁業関係との同意について。
4 地元振興会との同意について。
5 地元振興策の考えかたについて。
6 新湊市がどのように県、9市町村に働きかけるのか。
(1990年12月5日 新湊市議会議場)