菊 民夫

平成4年6月定例会一般質問

a menber of the Shinminato City Assemble Tamio Kiku

 それでは通告にしたがいまして、順次質問させていただきます。

 ●富山県内の16の勤労青少年ホ−ムの過去3年間の利用状況を見てますと、1年間の青少年の施設利用者は平均17万1,343人に達しております。当市においても過去3年間の利用状況は、1年間に平均2万2,878人の施設利用者があります。また1日の利用者数は平均78 .3人を数え、16の県内の施設の中で、黒部市と並び一番多く利用されているのであります。平成3年度の勤労青少年ホ−ムの校下別登録者数は、市外の牧野では22.1%、新湊、放生津、中伏木の3校下で56.2 %を占め、年齢別利用登録状況では、21歳から24歳までが全体の42.4%。その中で23歳が17.2%とトップであります。また1年間のホ−ム主催の9つの教養教室受講者は、平均4,541人で、17年間ほとんど変わらない利用率であります。
 このように、各統計値から当市の青少年の育成を思うにつけ、校下の公民館の建設がおくれている中で、公民館機能を持ったホ−ムの果たす施設の役割は地理的にも、内川に隣接する大変重要な位置にあります。昭和47年の1月に勤労青少年ホ−ムが建設され、今年で20年目を迎え、開館20周年記念行事を開催すると聞いております。先日、ホ−ムを訪ねる機会がありましたが、ホ−ムを通り過ごしてしまいそうな高い植栽が目にとまりました。人の進入を妨げている植栽や駐車場の不便さ、内川やまわりの建物にマッチしない威圧感のある建物、ホ−ムの鉄筋コンクリ−トの3階建ての構造体はしっかりしているものの、20年の経過の中で、今の若者のニ−ズにこたえうる施設にはほど遠いものを感じました。
 そこでひとつ提案を申し上げたいのであります。昨年の12月にも一般質問の中で内川の橋と橋とをつなぐ周辺の整備を指摘したところであります。放生津町の内川を意識した勤労青少年ホ−ムの外装や、内川の景観を取り入れたロビ−や研修室の全面改装、利用の少ない小さな研修室の見直しや、若い人たちや子供たちが利用できる新設のスタジオ、開かれた駐車場の整備等、これらのホ−ムの施設の充実が大きな刺激となり、もっと若者の集まりやすい魅力ある施設へと新しいホ−ムのスタイルにリフレッシュすることは、今後我が市においても週休2日制の導入が今後一般市民へと浸透していく中で、ゆとりある暮らしのあり方をも含め十分検討すべきであり、若者を起点としての活動は当市の活性化への足がかりとなると思うが、既設の公共施設の充実について市当局の所見をお伺いいたします。 

 ●次に、東部埋立地の港湾施設についてお伺いいたします。  昨年の9月定例会において追加提案された新湊公共マリ−ナ建設の公有水面の埋め立てが可決され、平成8年の一部供用開始に向けて、600隻収容の日本海側随一の陸域、水域を含めて8万2,450平米の新しいタイプの開発に着手しました。堀岡、海老江の沿岸漁業者との均衡の取れた共存関係の難しさを感じるにつけ、マリ−ナと沿岸の定置網漁業者が相反する施設の中で一体化は極めて異例に映るのであります。平成3年の9月27日の県の河川課の調査では、新堀川、海老江海岸、内川、新鍛治川、下条川、新湊漁港などに251隻の不法係留があり、艇種別に見ますと、ディンギ−ヨット18隻、クル−ザ−ヨット36隻、モ−タ−ボ−ト79隻、ユ−ティリティ−ボ−ト109隻、漁船タイプ9隻などであります。特にユ−ティリティ−ボ−トの普及は年々増加していく傾向にあり、七尾市にある日本小型船舶検査機構での操縦免許は、船舶検査が短期間、安価に受けられることや、釣りブ−ムによるものと推察されるのであります。平水区域でのヨットのファッション性だけが先行し、マナ−の悪さによる定置網とのトラブルやボ−ト同士のトラブルなどは、海の上でのことでもあり、航行区域を示す、船舶安全法施行規則以外のトラブルであり、解決の難しい問題が残るのも事実であります。また、降雨量の多い時期に無人ボ−トが河川から海に流されて、伏木海上保安庁の手を借りることなどを考えると、生命の安全と財産保全の見地から、今後巡視艇の出動が多くなると予想されますが、マリ−ナと漁業者との共存や海の安全性について、基本的な考えがあればお聞かせください。
 新湊公共マリ−ナ計画の中では民間と公共のタイアップについて、「民間マリ−ナの積極的な経営拡大を期待するとともに、公共マリ−ナについては拠点的、先導的な役割を持たせることにより、全体としての均衡の取れた望ましい共存関係を確立する」と計画に示されております。しかしながら、海岸線は国や県の所有であり、港湾施設への民間施設の導入は、船舶修理以外の利益を追求する特定の施設は難しいと聞いているが、民間施設の導入について基本的な考え方をお聞かせ下さい。 そして、今後予想される能登、佐渡という2つの海洋型観光地との間に、遊魚船や観光船への民間活力への導入はできるのか。また、第三セクタ−方式とした場合の市や県の資金の負担率は決まっているのか。市当局の所見をお伺いいたします。また、現在新設された東部埋立地の東側の堀岡船だまりは、悪天候時の西風の強いときに、波やごみの流入がひどく、船の安定が保てないと聞いているが、市当局は事実を聞いているのか、市当局の所見をお聞かせください。

●次に、栽培漁業の今後の見通しについてであります。
 昨年、近畿大学富山水産研究所の第1期工事の研究棟や養殖センタ−が完成し、つくり育てる漁業の開設が行われました。現在、堀岡漁業界も近畿大学の村田先生からアドバイスを受け、市、県の港湾課、水産漁業課との陳情を行い、今年の8月ごろまでに栽培漁業の基本計画を打ち出し、平成6年には操業したい意向であります。その物理的に難しい施設の大きさや、3ヘクタ−ルの港湾関連施設の取得の考え方や、近畿大学からの深層水の無償提供ができるのか、その方向がなかなか定まらないのが現状であります。人と施設の確保はお互いの役割の中で、市当局が指導的な立場で進めていく時期にきていると思うが、市当局の今後の栽培漁業の振興についてのタイムスケジュ−ルや基本的な考え方をお聞かせください。また、市と漁業者と近畿大学との栽培漁業の研究委員会設置を試みてはどうか。市当局の所見をお伺いいたします。

 ●最後に、東部埋立地の15ヘクタ−ル都市再開発用地の確保は、市の粘り強い御努力によるものと深い感謝を申しあげます。しかし、今後都市計画審議会の用途変更も進めなくてはいけない中で、9.7ヘクタ−ルの開発を先にするか、15ヘクタ−ルとしての宅地の開発として進めていくかは論議すべきところであります。富山新港東埋立土地利用基本計画についてのこれからのタイムスケジュ−ルについて、市当局のお考えをお聞かせ下さい。


 それでは再質問をさせていただきます。

 国際港湾都市を目指す当市の港には、平水区域の中に定置網が点在していることは、大型船の入港に時間がかかり、船の停泊にアンカ−も打てないことも指摘しておかなくてはいけません先ほどからの話の中で、港と定置網とマリ−ナの共存が非常に難しいことも、今後の課題として残るのであります。
 先ほどの助役の答弁の中で、まだお答えをいただいていないところがあるのではないかと思ったんですが、今後の予想される能登とか佐渡という2つの海洋型の観光地との間についての遊魚船や観光船に対するもしも考え方があったらお聞かせいただきたい。それともう1つは、第三セクタ−方式というものの考え方が本当に定着しているのか、していないのか。港湾施設というと、国や県の施設の中で行われる中でしなくてはいけない難しい状況下ですが、基本的な考え方があればお聞かせください。   第一回の質問を終わります。 040609

(1992年6月9日 新湊市議会議場)





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