tamio 風に吹かれて
自民クラブを代表して順次質問をいたします。 9月4日、「東京株式市場は、日経平均株価・255種を二日連続で一時9000円を割り込み、バブル後19年ぶりに最安値を更新した。」と、マスコミは一斉に大きく報じた。その時の、福田官房長官の記者発表は「株は下がったり上がったり、上がったり下がったりするから、いずれ上がる。」との政府談話であった。株価急落に直面しながら政府の受け止め方が余りにも市場経済を楽観している発言として国民に強烈に映ったはずである。株式の含み損拡大が銀行や企業に与える影響は大きな物があり、来年4月からのペイオフ解禁もより一層の金融不安に駆り立てている。手探りで探していた「株価の底」が又見えなくなったことで政府に対する政策転換が一層強まるはずであり、景気浮揚対策での早期予算執行は一番急務であります。国は地方分権や財政構造改革を推進する上で社会保障制度に対して国民に多くの負担を求め、デフレ現象の中で何時まで国民に耐えろと言うのか疑問であります。与党三党も来年度予算のシ−リングで公共投資関係費を前年度比3%削減するとの財務省案を容認する方針を固め、現在の景気状況の中では本年度補正予算を組まざるを得ない状況にあると見通しを示しています。 1、9月補正予算から見る今後の税収予想と、地域イントラネット基盤施設整備事業の指針について 我が市議会では、9月定例議会に提出された補正予算総額442,888千円が計上され、一般会計歳入では291,901千円。前年対比4.6%減であります。地場産業の景気低迷により、法人市民税50,000千円が減額計上されている。 新湊市においても、先行き見えない日本経済の長引く不況で、歳入予測がつきにくく、財政当局も大変苦慮されている事が伺われます。法人市民税の見通しや、今回、減額計上されていない固定資産税・市たばこ税・利子割交付金等の減額税収想定額を当局は、どれだけ掴んでおられるのかお尋ねを致しておきます。又、歳入の減収が本年度の事業計画にどう影響してくるか併せて尋ね致しておきます。 歳出の主な事業の中で、地域イントラネット基盤施設整備事業費67,000千円が補正で計上されており、これは誰のために行うのか、何のために行うのか、もっとこの事業の性格を市民に解りやすく説明すべきであります。 国は、2005年迄に世界最高水準の電子政府、電子自治体を創る計画であり、地域間競争の中で各自治体も2001年からその整備を行っている所であります。国家戦略として、超高速インターネット上で、@学校教育の情報化・A電子商取引等の促進・B2003年度迄に行政分野の情報化・Cセキュリテイやプライバシ−対策等が大きな柱として技術開発が進められてきています。 当市においては、第一段階としてペーパーレス化(電子化)を進めるに当たり、パソコンの整備と庁内LANの整備により、行政機関内部や各行政機関間において紙ベースで行われている法令等の協議、各種会議開催通知、業務関係資料の配布(回覧)などを実質的にすべてペーパーレス化(電子化)が実行段階に移されようとしています。それと並行して8月には住基ネットが稼働し、一部の市町村ではトラブルも発生しています。 インターネット上で、様々な情報がデジタル化されていきます。こうしたデジタル技術とネットワーク技術をうまく利用する事で、時間、居場所に関係なく、様々な行政手続きを行ったり、行政サービスが受けられるようになります。そのベースとして個人の所在の確認・認証が非常に重要であり、その基盤を提供するのが先の住基ネットであります。 まず住民基本台帳データをデジタル化し、ネットワーク化することで、来るべき電子政府/電子自治体時代に備えています。問題なのは、情報はデジタル化されると一度に大量のコピーや伝送が可能になるという点であります。ネットワークにはハッキングやクラッキングといった危険がつきまといますし、このため住基ネットにおいて、そこでやり取りされる個人情報は十分保全されるのか?という疑問が残ります。住基ネットを構築する際の選択肢として、誰でも利用できる“オープンな”インターネットではデータの保護が懸念されたのである。その結果、住基ネットは専用線とVPN(Virtual Private Network)を使った“閉じた”ネットワークとして構築されることになったと聞いております。市町村などの端末から住基データの写しを入手することは可能だが、自宅や外出先からインターネットを経由して、同じことをしようとしても、今のネットワーク構成では不可能であります。たかが「居住地以外の市町村窓口でも住民票の写しが手に入る」というだけのサービスのために、構築・維持に毎年多くの予算を費やし、必要な専用のネットワークを作るというのは一般市民に理解されない部分である。このため、住基データを行政目的に限って、本人の所在確認に利用できるようにしようということで、あらかじめ総務省が認めた特定の業務についてのみ、住基データを利用できることにしたのである。そのデータ照合のために、住基ネットに含まれる11桁のコードIDが利用される事になり、今度はこの11桁のIDが逆に、国家による個人情報管理が行われるのではないかという議論が持ち上がり、国民からセキュリテイは本当に大丈夫なのかと、今も指摘されているのである。現実として、新湊市において文章情報・財務情報・住民情報・税情報の取り扱いを、インタ−ネット上からの外部アクセスにどう対処されるのか又、本市での住基ネットの職員の教育やモラルは万全か当局の見解をお聞かせ下さい。 2、地方分権と市町村合併について! 我が会派、自民クラブの市町村合併に対する考えは、合併の枠組みにはそれぞれの持論はあるものの、市の将来にとって 「合併を強く、推し進めるべきである」と言うことで、意見の一致を見ております。市町村合併の推進は、地方分権の推進でもあります。地域の行政は自分達の手で決定し、その責任も自分達が負うと言う行政システムの構築であります。自己決定・自己責任から生まれる街づくりは個性豊かな地域社会への移行であります。 今議会での分家市長の所信表明は、4月からの説明会や住民懇談会を通して合併の枠組みについては「射水地区広域圏」での合併を望む声も多くあり、次いで「牧野問題」の解消についても各地区で聞かれました。この問題については、新湊の将来に関わる大変重大な問題であり、市民からの意見等も斟酌しながら議会と十分協議して参りたいと考えているとの事であり、合併に対する議会との足並みも揃いつつあります。 小杉町は、8月27日、アンケ−ト結果を重視した土井町長の判断は「新湊市を含む枠組みが既成事実のように議論されるのは不公平」であると、3町1村の射水郡での合併が有力であると方針を示した。 新湊市自治会長連合会は4月25日、総会の席上で緊急動議をし「射水地区広域圏での合併協議会設置」を決議されたが、各自治会長にはほとんど知らされないままの決議であった。8月30日には、射水圏政経懇話会が「射水広域圏の1市3町1村」での枠組が9月議会で合併する方向で定まらなければ「住民発議制度」を適用する方向だと。一つ一つの行動が余りにも唐突であり、本当に住民の意思の確認ができているのか疑問に思うのである。 そもそも、住民発議制度とは、市町村の合併について、それまでの行政主導だけではなく、住民等の立場からも市町村の合併を進められるよう、平成7年の市町村の合併の特例に関する法律の改正において新設された合併協議会設置に関する直接請求制度であります。 一方で、平成11年の改正において、これまでの制度とは別に、新たな制度(合併特例法第4条の2関係)として、すべての合併関係市町村に対して、同じ内容の直接請求がなされた場合には、すべての合併関係市町村の長は、合併協議会設置協議について議会へ付議しなければならないことになりました。 これら2つの制度とも、議会へ付議した結果、すべての合併関係市町村の議会において可決されれば、合併協議会が設置されることとなり、有権者の50分の1の署名があれば住民が直接請求できるのである。 全国で住民発議総数は、平成14年6月24日現在136件あり、その内、協議会設置に至った件数は28件であり、全体の20.5%のである。否決された結果を想定するに、当初から議会と住民とで合併への意見の隔たりがあったのではないか。今、何故、住民の直接請求なのか疑問に感じるのである。住民発議をした場合、相手のある事でもあり、議会で否決される可能性が高いとしたら、その時の枠組みが崩れ、後戻りができないこともある。 射水政経懇話会は、合併協議会の設置を求めて直接請求を行うと聞いている。合併問題は、住民・議会・行政 がそれぞれ共通認識を持ち、歩調を合わせ行動すべきと思うが、これに対して当局はどう認識しているか所見をお伺いしたい。 先日、合併の先進地、更埴市を訪ねた際、宮坂市長は挨拶の中で「合併は忍耐と妥協が必要である」と言われ、その言葉は大変心に残りました。 3、幼保一元化に対する提言について! 21世紀を迎え、女性の社会参画の進行や子育てを取り巻く環境の変化などにより、行政にはこれまで以上に、多面的な「子育て支援策」が求められています。 我が新湊市民総合計画でも子育て支援と健全な児童育成の基本理念を掲げ、安心して子供を産み育てることの社会の実現を目指しています。 現在、幼稚園と保育園は同じ子どもを育成する施設でありながら、乳児教育を行う「幼稚園」と保育に欠ける児童を保育する「保育園」は、法制度上厳格に区分されております。現実には、「幼稚園」で預かり保育を実施したり、「保育園」で乳児教育に力を入れるなど、二つの制度における保育環境の差異は、大幅に縮小しているにもかかわらず、「幼稚園」は文部科学省、「保育園」は厚生労働省と所管官庁が分かれ、幼保一元化制度の壁はまだまだ厚く残っています。 保護者の就労形態等で、0歳から2歳児、3歳児から5歳児の子どもの育成環境を今だに区分する仕組みでは、新たな時代の要請には到底対応できません。 両園の枠を越えた完全幼保一元化は、児童福祉法が親の就労などで「保育に欠ける」場合と定めた保育所入所の条件の撤廃が第一条件である。将来に渡り保育士と幼稚園教論を統一した職種で一元化を図って初めてなしえる制度である。両省庁の力関係で小手先だけの規制緩和で進んでいる改革には限度があり、子供や保護者の多様なニーズに応えていないのが現状であります。市町村合併が進んで行く中で、効率的な保育園・幼稚園の廃園そして統廃合、そして民営化。延長保育や放課後での子供の預かり、帰宅時間、施設設備等、多種多様問題が想定されます。一貫した乳幼児教育は市の将来にとっても重要な課題であります。私は持論を述べましたが、見識高い教育長の幼保一元化に対する基本的な考え方をお聞かせ下さい。 市当局から、平成14年3月「保育行政のあり方に関する報告書」が新湊市保育行政検討委員会から示さた。人口減少や長期化する経済不況などによる税収減少などで財政運営は年々その厳しさを増しており、行政経費の費用対効果を高めるため施設の適正配置等を盛り込んでいる。費用対効果のみが全面に出ていて、基本的な産み育てやすい環境としての0歳から5歳児までの乳幼児教育の市の基本的なビジョンが欠けている。現在、市内には3つの幼稚園があり、堀岡地区には堀岡保育所と堀岡幼稚園があり、堀岡保育園では0歳児から5歳児までの乳幼児を受け入れる状況にあります。統合することで、行政経費の費用対効果は将来高まるが、これが幼保一元化では無いことを強く明言しておきます。 しかし、七美・本江地区には幼稚園しか併設されていませんので、3歳児から5歳児までの幼児しか受け入れられない状況にあります。両地区の0歳児から2歳児までの乳幼児は、海老江保育園に通園しています。堀岡、海老江、七美地区は土地区画整理事業で現在も宅地化が進み人口増を図っている所であり、若者が住みたい産み育てやすい環境をつくる為にも、規制緩和による幼保一元化制度で七美・本江幼稚園にも、0歳から2歳の乳幼児をけ入れる必要があるのではないか。それが本当の生きた施策ではないのか所見をお伺い致します。堀岡保育園についても建設から31年目が経過し構造的・意匠的にも老朽化している事もあり、耐力度調査を行い海竜町に移転すべきであると思う。施設は21世紀にふさわしい乳幼児育成施設として、「幼稚園」と「保育園」双方の要素を取り入れ、未来を担う就学前の子どもたちが年齢や保護者の就労形態等で区分されることなく、心身の発達に合わせ、一貫した方針に基づく、幼保一元化された乳幼児育成施設の創設モデルを調査研究して頂きたい。当局の所見があればお聞かせ下さい。 4、ダイオキシン対策と周辺の環境整備の基本的なスタンスについて。 去る5月29日、富山県地方港湾審議会が開催され、伏木徒富山港港湾計画の「軽易な変更」及び「一部変更」が審議され議会に報告されています。東埋立地、海竜町の緑地3.1fであったものを、7.2fに面積を拡大する「軽易な変更」として審議され承認されていますが,その経過や施策に異論を唱えるものであります。 従来3.1fの緑地は、Cポンドと言われる産業破棄物管理型処分場として使われた土地であります。東側の新たに隣接された4.1fの緑地変更部分も含め植裁や県民公園案を示しているのであります。特に議会には報告されず、ダイオキシン汚染土壌8万7000m3は現在、遮水シ−トによる封じ込めが行われています。県の港湾課はダイオキシン問題が終息したかのような態度をとっている事に怒りを覚えるものであります。 ダイオキシン問題と県が示している公園整備(案)は完全に別問題である。なぜその隣接部分に公園を造らねばならないのか疑問である。ダイオキシンを封じ込め、それを隠したにだけの行為に過ぎない。何一つ根本的なものが解決されていない。ダイオキシンがこの地に無ければ、県は簡単に県民公園等造ると言わないだろう。 県は当初から、将来に渡って除去する技術が確立されれば除去すると明言しています。ダイオキシン類土壌汚染の無害化の方法には、@封じ込めAバイオB薬剤C過熱分解等があります。過熱分解による某メ−カは、Cポンドからのサンプリングで実証試験も行い、ランニングコストは高いものの、その除去する技術はもう確立されています。将来、現地でプラントを設置し、除去するとなると、隣接東側部分にそれだけの空き地が必要になってきます。その為に4.1fの緑地は公園として整備すべきではありません。一度公園として整備し、技術が確立さ、公園を撤去するやり方は、社会資本整備を二度もすることになり、税の無駄遣いとしか言いようがない。行政評価の面から言っても納得できる施策ではありません。ダイオキシン対策と切り離し公園を創るなら新湊マリ−ナ側に計画すべきである。 世界各国が、環境問題を大きく取り上げている情勢の中で、平成11年に公布されたダイオキシン類対策特別措置法に則り、海竜町のCポンド部分3.1f地域を、「当該地域内の土壌のダイオキシン類による汚染の除去等をする必要があるものとして」政令で定める要件に該当するものであり、ダイオキシン類土壌汚染対策地域に富山県知事自ら指定すべきであると思うが、市当局の考え方をお聞かせ下さい。 又、平成15年1月1日から、日本で初めて施行される、土壌汚染対策法案は、有害物質による汚染が認められた時、土地所有者に知事が指定区域を公示し、汚染除去を命ずる法案である。 汚染土壌の原因者は、富山県である事をこの法案で強く認識してもらいたい。 5、第1回新湊海洋深層水有効活用検討委員会を終えて。 海洋深層水を新たな地場産業として取り入れている地域は、全国で9カ所で13本の取水があります。海洋深層水は太陽光の届かない水深200メ−トル以上の海中を漂う水で、栄養分が多く、雑菌がほとんど含まれない安全な水であり、その活用法に期待するものであります。 第1回新湊海洋深層水有効活用検討委員会が、去8月13日に開催されたと聞いております。新湊は平成16年度に取水をめざしていますいが、クリアしなくてはいけない難関が多いと思います。特に事業主体と規模であり、市がどのように関わるかも明確にしなくてはいけません。国や県の有利な補助事業(沿岸構造改善事業・漁港高度利用対策事業)を当初から示すべきであります。又新たな補助事業の模索も必要です。第1回目は有意義な検討委員会だったと聞いておりますが、今後の取り組む姿勢をお尋ねしておきます。 9月4日、新聞の見出しに「とやまの名水、6カ所から大腸菌群」を検出と! 昭和62年「水の王国・富山」をアピ−ルするために、県が選定した「とやまの名水」25カ所の内から、庄川町の「瓜裂清水 ウリワリキヨミズ」等、6カ所で大腸菌群が検出された。富山県は古くから河川水や地下水の水を利用して飲料水としてきたきた。水田をつぶし、山林を伐採し宅地化が進む中で、生態系に変化が起きているのだろうか。先日、庄川右岸水害予防市町村組合議会での国土交通省の担当者は河川法も変わり、これからの河川行政のキ−ワドは「環境」であると強く協調しておられたのである。富山の水は将来に渡って本当に安全でなのか! 富山県の水道水は、濾過沈殿方式で給水されている。現在濾過できない物質に、ダイオキシン・PCB・テトロクロロエチレン等があります。これらは水に溶け込み、沈殿方式では取り除けない物質とされているのである。富山県は水の豊富な地域であるが、深層水から注出された、汚染されていない「安全な水」が身近な日本海から豊富に取れるとしたら、深層水を貴重な資源として見るべきではないか、市当局の認識をお伺い致します。 END 所要時間30分程度 140911 <再質問部分> 3、幼保一元化に関する提言の中で、 今議会の中で、市当局から堀岡幼稚園と堀岡保育園の統廃合の方針が打ち出されています。統合が優先で、廃園される施設の利用方法がまったく示されていません。その施策が議論され方向性が打ち出さない限り幼保一元化の方向性は無理である。強く要望して終わります。 (2002年9月11日 新湊市議会議場) 掲載中の記事・写真の無断掲載・転用を禁じます。Copyright 2002菊 民夫(kiku tamio)
(2002年9月11日 新湊市議会議場)