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 ■ ボランテイアの街、新湊を考える(平成4年9月五声会公開講座)
1、(目 的)
  ボランテイア活動は住みよい人間社会をつくる1つの「カギ」であるといわれている。

  * ボランテイア活動は欧米先進国ではすでに重要な社会的機能を果たしている。
  * 失われた社会的連帯などを、活動によって補いつつある時代が到来しつつあるようである。
  * 地域にとって、一体感や連帯感をつくり、真の意味の地域社会の形成に寄与するであろう。
  * 奉仕活動を通じてボランテイア自身が自己を高め、生きがいをもつことに貢献するところ
    ははかりしれないものがある。


2、(位置づけ)
 ボランテイア活動の社会的位置づけ
 ボランテイア活動の前身は、明治時代以来の博愛社(日本赤十字社の前身)などの奉仕活動と密接に結びついて発達してきた、その活動は今日と比べれば社会的連帯という考え方より、善意や救済といった個人の道徳的理念の方に頼りがちであった。その後、社会事業の立法や行政機構の拡大が戦争期を挟んで進につれ、民生委員制度や全国社会福祉協議会などの社会制度が整備され、これと並んで民間においても、学生セツルメント運動、VYS運動がはじまる。
 今日のボランテイア活動は、その内容が奉仕活動という狭い範囲にとどまらず、福祉・教育・レクリエーション・保健などの広い範囲にわたっており、これらの内容は公共的な目的に相当かかわっているため、この活動には多面的な社会的役割が期待されている。
   (行政などの社会制度との分担と共同が、少なからず関心をひく問題である)
 
3、(活動の定義)
  * 活動の基本的な点は、個人の創意工夫によって行政に働きかけ、社会制度を創設
    開設したり、よりきめ細かいサービスを提供したりする点にある。
  * ボランテイアはその活動の社会的な役割を理解し、これについて自ら進んでサー
    ビスを提供するものである。
  * 活動は、個人あるいはサービスを手段として用い、他人(社会)の利益・目的の
    ために行うものである。
  * ボランテイア活動では継続性・専門性という点に関しては、組織化が進んでいる
    行政サービスに比べて、提供しにくい場合もあるからである。したがって、真に
    利他性を追求するならば、ボランテイア個人の限界も考慮したうえでの協同活動
    が必要となってくる。

 
4、討議事項(参考)
  01) ボランテイアが自発的に行動したいと思わせるものは何か(動機付けの要因)?
  02) 実費弁償の場合もボランテイア活動なのか(無償性・非営利性の境界のあいまいな点)?
  03) 代償を求めないということが、奉仕や利他という精神的な意味で貫けるのか(継続とは)?
  04) ボランテイア活動の継続について(相互性:ボランテイアと対象者:社会的交流)?
  05) ボランテイア活動と行政施策の役割分担について(生活保護世帯・寝たきり老人)?
  06) ボランテイア活動と余暇(週休二日)?
  07) 市のボランテイア団体の現状?
  08) 活動がボランテイア自身にとってプラスになったこと、困ったこととは?
  09) サービスの積み立て方式について(相互扶助推進)?
  10) 活動に対する行政の援助対策について?
  11) ボランテイア活動の性格上重要と考えられる事項とは(自発性・無償性・実践性・福祉性)?
  12) ボランテイアの社会的地位について?


市民と行政との関係に新しい一頁をつくる



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 ■ 新湊の街づくりを考る(平成5年9月五声会公開講座)
1、ラフォーレ原宿館長:佐藤勝久講演 
  『街づくりーフアッションの街原宿が誕生するまで。』

2、生き残る街づくりとその手法 『都市のイメージづくり』
  1) 生まれた時から死ぬまでの施設がある?
  2) 公共施設にも独特のものがあるか?
  3) 価値観の多様化に対応しているか?
  4) 民間の施設が多い?
  5) 豊かな自然があるか?

3、市民感覚の多様化と商業者の役割について。
  1) 市民の意見はバラバラである。
  2) 新人類が生まれている。 文化施設(カルチャーセンター)のない商店街には人は集まら
    ない。
  3) ロックも尺八もパフォーマンス?  市民の交流の鍵
  4) 物事をまじめに考える人ほど都市に一流のコンサートホールを創りたがる
    (文化レベルが高?)
  5) 行政が真剣に考え一流の建築家が設計したホールで開催される音楽会は空席が
    目だつ。テレビの影響で,歌謡番組やクイズ番組の公開番組でホールは満員。
    ロックの音や光線で人が酔いしれる....パフォーマンス(市民の交流の鍵)

4、商業者はその都市のコーデイネーターである。 伝統、風俗、習慣(祭り)

5、人がより集まる空間をどうするか?
  いい建物いい空間がなぜできないのか
  再開発の契機(法定再開発事業の問題点)
  プロジエクトの成熟いい市街地ができる
   1) 法律どおりにやったとする設計者。
   2) 時間的社会的変化に対応する空間は難しい。
   3) 周辺の環境を配慮した広場づくりがなされているか。
   4) 地方都市には地方都市の再開発がある。
  ブライト(低度利用を良くしたい:住宅)
  ウオータフロント
  超高層の複合ビル(人工地盤と地下)
  コンパクトシテイと小売業
  物産展が商店街単位となる(小売業が独立した産業に育つ)
   例)有楽町西武の京都錦小路コーナ
   例)大阪の横浜元町商店街フエア
   例)甲府で浅草仲見世フエア
  売業の街が世界中に通用する(小売業の役割)

6、再開発事業を成功させるには?
  再開発の狙いをつかめ(なによりも実行が先決で動いた結果とは)
  1、アーケードのない商店街はだめ 〜 快適
  1、カラー舗装も必要 〜 安全
  1、青空式のモール街も良い 〜 利便
  1、歩行者用道路をとってもらう 〜 情報

  1) 評価の割れる各店舗(大手流通業者)
  2) 地元商店街はどうか
  3) 再開発に対する行政側の評価
  4) 再開発の前になすべきこと



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 ■ 人と緑とすまい(平成1年9月公開講座 パネリスト:菊民夫)
1) 自己紹介
今回は、昨年のテーマ「水辺のまち新湊」をうけて「人と緑とすまい」にスポットをあてる。まちずくりの主役である「人」の活気と、人の心に安らぎを与える「緑」、人々の生活を育む「すまい」を中心に、業界、市民の代表としって話をさせて頂きたいとをもいます。

 1) 緑にたいする日本人の意識について
 新湊市のなかで、公共の緑を捜すと見あたらない。新湊は、海に面していて、平地の風土の中では、緑が育まれなかった、のではないのか。又既成市街地の中で、外壁や物としての「住まい」が、余りにも存在を、主張し過ぎている。緑(広場)にはつきものの、宗教建築は日本場合、土塀や総門、山門等により閉鎖され、素晴らしい庭園を持ちながら、一般に開放されなかっつた事が、公共性の緑を欠いている原因よって、日本における緑(広場)は、歴史的には道路そのものであったようである。庭の歴史は、自然と人間が演じたドラマであり、種々の民族がどのように自然を受け入れてそして、どのように克服してきたか、種々の民族の創った庭を見ることでわかるものである。
 日本の緑(庭)は、自然を取り入れる事から始まり、庭園は戸外室ともいわれ、家屋の延長であり、住居の一部として利用されていて、中庭として利用されていた。ヨーロッパの庭園に見る緑は、自然を人口的に加えることで、開放的な公共性の緑として、発展してきた。
 
  1) ヨーロッパの露天市
  2) 旅情を誘うバイオリン、カンツオネの演奏
  3) サンマルコ広場のカフエテラス
  4) 季節観漂う永遠と続く街路樹
    山在り、川在り、人情在り
    音楽や芸術の育む街並へと、市民の意識向上を図るべきである。
 
2) 道路と路地の演出について(街並に色の演出を図る)
現在の新湊の街並に、公共性の緑を捜すと、寺、神社、公園、グリンベルト等であり、街並に風土の育んだ自然観の色がまっく見つからない。物としての「すまい」は、どんどん形を変えている、にもかかわらず、都市のパターンとしての、道路割はほとんど、昔のままに受け継がれているとゆう事実を認識して下さい。
 既成市街地を眺めると、復員4メートル前後の、一直線の狭い道路に立ち並ぶ街並に、緑を配置する事は難しく、外的指導(行政指導や補助)の力を借りながら進めるべきである。又新しい街並にたいしては、道路を蛇行して公私のわからない空間を創り、周囲の自然と一体となるような緑を、その部分に配置し、変化に富んだ、街づくりを進めるべきである。既成市街地の一地区を「市の地域ぐるみのまちなみ推薦」のモデル地区に指定することにより市の行政のアドバイスや補助を受けながら、ふるさとずくりを推進していってはどうであろうか。
 
  1) 街並に色の演出を図る(県花、市花、街並にも花の名前)
    冬の白さに赤い山茶花の咲き乱れる街並
    夏に西日に朝顔や黄色いひまわりの街並
    春は桜やつつじの街並
    梅雨時期の紫陽花の街並
    春うららの白、黄色、赤いバラの街並
  2) 緑量と光量と広場の演出を図る
    市行政の力により旧市街地の空き家の買収を行う
  3) 各家の正面玄関のファーサードのみに木を使用する
    改装時に、市の補助対象を受けれる制度つくってはどうだろう
  4) 道路との境界線を和らげ、公私の分からない空間の演出を図る
    ブロック、コンクリート等の塀を生垣に替える
    市より建設費の一部負担制度を作る
    街に色彩とリズムを取り戻す
 
3) 街並の景観にみる構成要素(公私の領域について)
現在の新湊の街並は一本の道路より、無表情の街並が作られている。街並の景観は公的な道路と私的な居住空間のヴォリュウムにより街並の善し悪しが決まる単に住宅を結ぶだけの道、言い替えれば流れる空間より広場等を持つたむろする空間に造り上げる努力をしていきたい、一人でございます。公的道路以外の街並に、道路以外の移行領域(公私領域のわからないもの)を演出する事が、これからの行政の課題で在る様に想えます。
 
緑以外に演出するもの(道の飾り)
 ・床の舗装(アンジュレーションのあるもの カラー舗装、木、タイル、芝)
 ・街灯、ベンチ、噴水、欄干、手摺
 ・電話、伝言板、時計
 ・生垣、植え込み、鑑賞用の潅木(シンボル的なもの)
 ・街の並木道
 ・最も美しく道を飾りたてるものは「人」であるあり、たくさんの人がいて楽しい。
 (帽子、靴、ハンドバック、 ファッショナブルな人たち)
 
一本の大きなシンボル的な樹木の効用
 ・道しるべや目印になる樹木
 ・広場を特徴づける樹木
 ・樹木の門
 ・季節観漂わせる街路沿いの樹木
 ・土地の境界を知る樹木
 ・自然から守る樹木
 

      最後に成りましたが、これらの事をふまえながら、
      新湊の新しい街ずくりのために、新湊市の行政に期待したいものです。