増える外国人犯罪と更生保護に思う
(更生保護制度施行50周年)

 戦後まもない昭和24年、私の生まれた年の7月1日に「犯罪者予防更正法」が施行 されて50年を向かえる。我が新湊市や富山県においても国際交流を推進いくなかで、 相反する外国人の犯罪が急増している。日本に在留する外国人はさまざまであります。 留学・商用・報道・就労等、特に『就労目的』で来る者が犯罪を侵し、保護観察を受ける 。経済成長にともない労働力不足を補うため受け入れてきたドイツや日本。そして移民 によって成立した国、アメリカやブラジル。海外領土植民地政策により受け入れてきた フランス。『外国人受け入れの歴史』は各国さまざまであります。円高と労働力不足の 日本に働き口を求めてきた外国人就労者が、日本経済の落ち込みの中でここ数年企業の リストラや倒産の煽りをくい、真っ先に『外国人切り捨て』をしてきた結果、職にあり つけない外国人が日本を転々とするのである。就労先の居住地を仲間の携帯電話一本( 連帯性)で次の就労先に家族全員で他の街へ移るのである。
 昨年の富山県外国人登録者数は8,443人(58ヶ国)に昇ります。その中で『新 湊の外国人登録者数』は平成11年10月現在449人(21ヶ国)で、内ブラジル2 48人、韓国・朝鮮(在日含む)119人、中国24人、パキスタン14人、ロシア・ フイリピンが各々10人であります。又昨年の全国の『外国人犯罪』は3万1,779 人に昇り、国籍別では一位が中国、二位がブラジル、三位が韓国・朝鮮、四位がベトナ ムの順であります。
 窃盗や薬物により保護観察を受けた外国人の保護観察開始。身元引 受人の親に、環境調整の日時の確認をするのだが電話料金未払いで携帯電話通じず。身 元引受人の同居先を訪ねるのだが言葉通じず。子供の学校の受け入れ差別ありと親が拒 否。給食費未納のまま。身元引受人の勤務先倒産、解雇、職探し?行き先つかめず。一 夜にして家族全員が次の就労先に移動(新居住地へ変更届け)。その後、犯罪を犯し保護 観察を受けた者が何時のまにか帰国。未確認だが入国管理局の出国確認の知らせ。権 限およばず。安堵!! 言葉のハンデイや生活習慣の違いはあるが、保護観察制度が相 手や家族に本当に伝えられ理解されているのか!保護司が個々に行う処遇活動に限界を 感じる事しきり!言葉を伝えられない悲しさ!想いを聞けない苦しさ!更生保護活動を 、『家庭を含めた地域社会の責任』として捕らえれば、更生する外国人を文化や習慣の 違う日本の地域社会に受け入れる事(国際化)が犯罪予防活動に結びつくことは十分に 承知しているのだが...現実では人生経験の少ない私が保護司として更生保護に携わ る事、何時も虚しく反省しきりである。



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