風に吹かれてハンガリ−紀行
ドナウの真珠 BUDAPEST
2004.11


【 T 首都ブタぺスト 】 BUDAPEST
刺しゅうのテイブルクロス(マ−チャ−シュ教会前:民芸品)  国の人口は約1,014万人(2000年) 。面積は日本の4分の1(約9.3万km2) 。首都はブタペスト。人種はハン ガリー人 。言語はハンガリー語。宗教はカトリック約52%、カルビン派新教約16% 。
 ハンガリ−の歴史は紀元前1世紀よりローマ領パンノニア州州都までさかのぼる。896年に黒海の北、ヴ オルガ川かややってきた遊牧民マジャ−ル人(ハンガリー民族)が先住のスラブ族文化を吸収し定住(マジャ −ル帝国)した。1526〜1699年 トルコ占領時代。1700〜1918年 ハプスブルグ家統治時代を経て1867年 オー ストリア・ハンガリー帝国という二重国家が誕生した。その後、第2次世界大戦(枢軸国)をへ、1989年に共 和国に体制転換。議会は1院制である。今年の2004年5月「EU」に加盟した。

●ハンガリ−の、歴史の黄金期は19世紀のオ−ストリア・ハンガリ−帝国時代。ドナウ川を隔てた異なっ た2つの街「ブタ」と「ペスト」が「くさり橋」によってつながれた時期である。 ブタ地区は丘(グレルトの丘)が多く鍾乳洞や自然に恵まれ、ロ−マ時代のアクインクム遺跡をはじめ700年にわたって見 つめてきた旧王宮やマ−チャ−シュ教会、漁夫の砦等古い歴史の残る地区である。一方ペスト側は商業地域で 中心地にショッピング街(ヴア−ツイ通り)や近代ホテルその周りを新興住宅がとりまく。国立オペラ座・国 会議事堂・国立博物館・中央市場・英雄広場等、ア−ルヌ−ボ様式の建物も多く見かけた。ハブスブル家の 栄華や幾度となくさまざまな民族から侵略されてきた街ブタペスト。
E.ヴア−ツイ通り(高級街)
F.ヴア−ツイ通り  現在、首都ブタペストの人口約200万人。西ヨ−ロッパほど近代的ではなく、かといってプラハのよう に中世の街並みがそのまま残っているわけでもない。市内には32の温泉や高級菓子店(ジエル−ボ)があり、ジプシ−音楽やオペラも 聞ける。夜になるとドナウ川の周辺の”記念建造物”や”くさり橋”がライトアップされ、車のライトの光とともに 幻想的な空間を創り出す。魅力ある楽しい街である。

1.漁夫の砦から国会議事堂を望む 2.漁夫の砦からくさり橋を望む 3.漁夫の砦 4.王宮 1906年再建ネオバロック様式 5.マリア・テレジアのバロック様式王宮(現在ナショナル・ギャラリ−) 6.ゲレルトの丘からペスト地区を望む
A.ヴア−ツイ通り B.ヴア−ツイ通り・クロテイルド宮殿(高級店やオフイス) C.ヴア−ツイ通り D.ヴア−ツイ通りモ−ルの天井(自由市場近く)
ブタ地区(上)・ペスト地区(下) 2004.12.17

漁夫の砦 ネオ・ロマネスク様式 1896年建立(ブタ地区)
漁夫の砦からドナウ川を見下ろす


【 U 世界遺産ブタの王宮地区 】 BUTA
聖ゲオルグ像(三位一体広場)

  1. 歴史的建造物
    • 1,漁夫の砦周辺のマ−チャ−シ教会・くさり橋
    • 2,旧王宮・ル−トウイツヒ博物館・ブタペスト歴史博物館・ナショナル・ギャラリ−
    • 3,アクインクムのロ−マ遺跡(BC1)
    • 4,ゲレルトの丘
    • 5,くさり橋・エルジエ−ベト橋・自由橋

 第二次世界大戦後ブタ地区(王宮)は多大な被害をこうむった。王宮の丘にあった約170の建物のうち  マ−チャ−シュ王の泉・王は狩猟家(伝説の美女イロンカと鷹匠で描かれている) 残ったのはたったの4つだけであった。復旧作業は戦争が終わって10年後にようやく始まった。幸いにも 道路や建物など当時の様式で再建された。今日でも昔の国の歴史を垣間見ることができる。
 ブタ王宮地区は1988年にユネスコの世界遺産に登録されている。  マ−チャ−シュ教会のステンドグラス(キリストが神の羊)
三位一体広場にマ−チャ−シュ教会がある。13世紀初頭の建造後、700年の間に多くの民族の侵入によ り何度か改装されている。14世紀に左右の袖廊は身廊の高さにあわせてア−チ形天井に造り変えられた。 トルコの占領下はモスクに改装され、その後バロック様式に再建された。19世紀にゴシック様式に再度改 築され現在に至っている。教会の音響効果が素晴らしいことからコンサ−ト会場としても使われてきた。 1867年にフランツ・リストの載冠ミサ曲、1936年にはゾルタン・コダ−イのテドムが初演されてい る。ブタペストでで最も重要で最も愛されている教会である。

●ブタペストはドナウ川に沿って8つの国と結ばれている。
 黒海に至る2850キロメ−トルのドナウ川は、2002年8月にチエコ(プラハ市)、ドイツ(ドレス デン市)を中心として発生した今世紀最大の洪水に見舞われた。今回見てきたドナウ川周辺には何世紀にも および発展してきた歴史都市ドレスデン(ドイツ)、プラハ(チエコ)、ウイ−ン(オ−ストリア)、ブラ チスラバ(スロバキア)、ブタペスト(ハンガリ−)は世界遺産にも登録されている。旧市街地など歴史的 重要な地区については、”プラハ”では可搬式の特殊堤防によって防御され水害から守られている。又、” ウイ−ン”ではドナウ川本川と平行にしてバイパス水路を開削し治水安全を図っている。
 ”ブタペスト”で も、過去、大洪水を経験している。1838年の洪水で対岸のペスト地区に多大な被害をもたらした。現在 、両側には堤防が築かれ、岸壁の二段階洪水制御システムが導入されている。その堤防が余り気にならない のは景観に配慮されているからであろう。 2004.11 tamio


1.コミニテ−バス(マ−チャ−シュ教会前):ブタ地区 spacer 2.三位一体 spacer 3.漁夫の砦 1896年建立ネオ・ゴシック様式 spacer 4.マ−チャ−シャ教会 13世紀建立ネオ・ゴシック様式 spacer 5.トラム(自由橋から中央市場前):ペスト地区
ブタ地区と交通体系


T.ジプシ− L(10/s) U.トラム L(10/s)
ドナウ川に架かる 「くさり橋」 のライトが河面に浮かぶ


日本 ハンガリ−共和国

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