【資料2】 ダイオキシンは、何時から報告されているのか?
- 1957年
米国東部及ぴ中西部において、ヒヨコの大量死事件が発生。エサに混ぜられた脂肪の中にダイオキシン類が混入していたことが判明した。
- 1962〜1971年
米国がペトナム戦争において、枯葉剤として2,4,5-T等を使用。2,4,5-T等製造過程の副生成物として、ダイオキシシ類が発生する。後に肝臓癌、流産、出産欠陥等が多発していることがベトナムの研発者により報告された。
- 1976年
イタリアのセベソにある農薬工場で爆発事故が発生。TCDDが飛散し、事故後、ニワトリ。猫等の動物が死亡。現在も立ち入り禁止となっている区域がある。
- 1978年
ニューヨーク州ラブキャナルの農薬工場の化学系産業廃棄物による汚染事故発生。230世帯以上が移転。
- 1982年
ミズーリ州タイムズビーチで土壌汚染が判明。農薬工場の廃棄物が油に混ぜられて、ほこり止めとして道路等に散布されたことによる。米政府は町全体を買い上げ、全町民及び企業を移転させた。
- 1983年
愛媛大学の立川教授らのグループがごみ焼却場の飛灰からダイオキシンを検出し公表した。
調査9施設でTCDDが7〜250ng/gの範囲で検出された。
- 1984年
厚生省の専門家会議において、当時の知見に基づく判断が示され、報告書がとりまとめられた。
廃棄物に係るダイオキシンの問題を評価考察するための評価指針ゐ100pg-TEQ/kg/dayとする。
焼却処理に伴う一般市民及ぴ施設職員への影響については、現段階では健康に影響が見い出せないレベルである。
埋立処分については、現行法令を遵守することで対処できる。今後、さらに知見を集積することは必要である。
- 1990年12月
厚生省が「ダイオキシン類発生防止等ガイドライン」を作成し、都道府県に通知。
当時において技術的に実施可能な限り、ダイオキシン類の発生防止等を効率的に推進するという観点から、総合的な対策をとりまとめた。
ごみ焼却施設については、ガイドラインに示す対策の実施により大幅な排出濃度の低下が期待される。
特に、新設の全連続炉については排ガス中のダイオキシン類濃度が0.5ng-TEQ/Nm3程度以下になることが期待される。
- 1992年2月
環境庁が紙パルプ工場に係るダイオキシン類対策の推進について関係団体に要請。
塩素漂白等に伴うダイオキシンの発生抑制対策を製紙関連団体に対して要請するとともに、都道府県等に協力要請。
- 1995年11月
厚生省が「ダイオキシンのリスクアセスメントに関する研究斑」を設置。
ダイオキシンの人体に対する毒性評価の研究が進められ、1996年6月28日に当面の耐容一日摂取量(TDI)として10pg-TEQ/kg/dayを提案する中間報告がとりまとめられた。
- 1996年5月29日
環境庁がダイオキシン検討会を設置。
健康影響の未然防止の観点から、「ダイオキシンリスク評価検討会」「同毒性評価等分科会」「ダイオキシン排出抑制対策検討会」を設置し、1996年12月19日に健康リスク評価指針値として、5pg-TEQ/kg/dayとする中間報告をとりまとめた。
- 1996年6月3日
厚生省が「ダイオキシン削減対策検討会」を設置。
1990年のガイドラインを見直し、ダイオキシン対策を推進する。ダイオキシン削減対策技術に関する新たな知見を活用し、緊急対策と恒久対策に分けて検討を行い、1996年10月3日に緊急対策に係る部分を中間報告としてとりまとめた。厚生省がダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI)として10pg-TEQ/kg体重/日を提案。
- 1996年7月12日
厚生省が「ごみ焼却施設からのダシイオキシン排出実態等総点検調査」を通知市町村の設置するごみ焼却施設を対象に1996年12月までに排ガス中のダイオキシン類濃度等を調査するよう、都道府県を通じて、市町村に指示。
- 1996年10月
厚生省がごみ処理のダイオキシン類削減対策中間報告を発表し、80ng-TEQ/Nm3を超える炉に対して緊急対策を指示。
- 1996年12月
環境庁がダイオキシンリスク評価検討を発表、健康リスク評価指針値として5pg-TEQ/kg体重/日を設定。
- 1997年1月
厚生省が上記ガイドラインを改訂し、新ガイドラインを設定。
- 1997年7月
環境庁長官の諮問機関である中央環境審議会が、「ダイオキシン類の排出抑制対策のあり方」に関する答申をとりまとめ。
- 1997年7月
厚生大臣の諮問機関である生活環境審議会が、「廃棄物焼却施設に係るダイオキシンの削減のための規制措置」に関する答申をとりまとめ。
- 1997年8月
環境庁が、中央環境審議会の答申に基づき、大気汚染防止法の指定物質にダイオキシン類を指定し、抑制基準を制定。
厚生省が、廃棄物処理法施行令及び施行規則を改正し、廃棄物焼却施設の構造・維持管理基準を強化。
- 1998年4月
環境庁が、大気汚染防止法施行規則等を改正し、廃棄物焼却炉のばいじんの排出規制を強化。
- 1998年5月
WHO(世界保健機構)がダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI)を、従来の10pg-TEQ/kg体重/日よりコプラナーPCBを含んで1〜4pg-TEQ/kg体重/日に変更。
- 1999年2月
テレビ報道をきっかけに、所沢産野菜のダイオキシン汚染が問題になり、議論。
- 1999年2月
ダイオキシン対策閣僚会議が、耐容一日摂取量(TDI)の見直し、検査体制の整備を含む「政府におけるダイオキシン対策の推進について」を発表。
- 1999年3月
政府が、4年以内に全国のダイオキシン類の排出量を1997年比で約9割削減することを掲げた「ダイオキシン対策推進基本指針」を策定。
- 1999年6月
ベルギー産鶏肉等のダイオキシン汚染が報告され、輸入規制に。
(汚染の原因は、ダイオキシンにて汚染された油脂を使用して製造された動物用飼料。)
- 1999年6月
ダイオキシン対策閣僚会議が、耐容一日摂取量(TDI)をコプラナーPCBを含んで4pg-TEQ/kg体重/日とすることを決定。
- 1999年7月
与野党共同提出の「ダイオキシン類対策特別措置法案」が国会にて可決・成立。(2000年1月より施行予定。)
- 2000年1月
「ダイオキシン類対策特別措置法」が施行。
大気・水質・土壌についての環境基準が設定され、大気及び水質の排出基準を強化・設定。
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