小学校に「教師コーナ」の設置
Date: 2007-01-03 (Wed)
■ 今日の富山新聞報道をみて
富山市教育委員会は2008年度の統合する二つの小学校に「教師コーナ」を設置する方針をうちだしたのだが、児童と教師の距離は果
たしてちじまるのだろうか疑問である。文部科学省は「教師コーナ」を有効ととらえている。教師が目が届く範囲として廊下をはさん
だ教室と向かえあう位置に3カ所(2学年×3)設置され担任教師4〜6人が常駐し生活指導にあたると言うのだが、いったい担任教師と
は何!役目を果たしていないの!とあらためて問いかけたくなる。少子化で各学年の生徒数も減り30人学級を推進するまでもない。
その30人学級にテ−ムテイ−チャを配置する。それなら過去にオ−プンスペ−スの学校創りを提唱した時期があった。教室の間仕切り
を排除し3〜4学級を一つに、ワ−クスペ−スや資料室、教材室を配して授業を行う学校体系は小規模小中学校に適しているとされ当時
、県内近辺では森本中学校や福光町立福光中部小学校がモデル校になったことがある。これらの事を鑑み県の教育委員会も検証しても
らいたいものだ。富山市の教育委員会は大規模の小中学校では教室と職員室が離れていて教師が細かな目配りができないことを指摘し
ている。問題を指摘しているならなぜ今まで基本設計段階でそのコンセプトを設計者に伝えないのか。学校建設には文部科学省の標準
的な面積や高さをの制限、補助対象の有無のクリアがあるのだが、どれだけ良いことだと新しい教育施設の改善を提案をしても建設費
がかさむ補助対象以外の施設には文部科学省も県・市町村は難色を示してきた。現在、戦後造られた学校施設(建設30年)はほとんど
改築され、又新たに少子化で統合され改築されている。学校建築の基本プロセスは過去も変わらない。職員室の位置は登下校の確認で
きる場所であること、放課後のクラブ活動等のグランドが見渡せる位置であること。各教室に近いこと。職員室が1階が良いのか2階が
良いのか。職員室のオープン化等、職員室のあり方を何時の時代も問われていた。戦後の学校建築は、木造から鉄筋に変わる時期に3・
4階建の箱タイプ(準ラ−メン)の総合教室型であった。その後、管理・普通教室・特別教室型の棟タイプが支流を占めた。そして教育
と施設のあり方に多くの建築家が異論を唱えた。施設を使う教師の考え方(管理と指導要綱)と施設のギャップ(用途)は今も縮まっ
ていないと思う。当時新しいオ−プンスペ−スが試みられたが教育委員会はその思想についていけなかた。