なし (英)Pear
1 科 名 バラ科
2 原産地 中国、日本、ヨーロッパ中部から南東部、コーカサス地方、小アジアからイラン北部
3 品種名と主な特性
品 種 名 | 食べ頃 | 果 皮 色 | 平均1果重 | 特 性 | |
西洋 ナシ |
スタークリムゾン | 9月上旬 | 暗紅色 追熟すると鮮紅色 果実はビン形 |
220g | 果肉は白色 肉質は緻密で、多少ざらつく。 多汁、甘酸適和 |
パートレット | 9月中旬 | 淡緑色 追熟すると黄色 果実はビン形 |
230g | 果肉は白色 肉質は緻密で、多少ざらつく。 多汁、甘酸適和 |
|
マックスレッドパート (レッドバート) |
9月下旬 | 淡緑色に赤色が混じる 追熟すると黄色地に 赤が映える |
230g | バートレットの枝変わり (突然変異種) 特性はバートレッドに似る |
|
ブランデーワイン | 9月下旬 | 緑黄色にややサビあり 果実は倒卵形 |
200g | 果肉白色 肉質緻密で多汁 追熟必要 |
|
グランドチャンピオン | 10月中旬 | 全体に黄褐色(金色)のサビで覆われている 果実はビン形 |
240g | 果肉白色 肉質緻密 やや酸味強い 香り強い 追熟必要 |
|
ゼネラル・ レクラール | 10月下旬 | 黄緑色にサビ多い 果実は倒卵形 |
400g | 果肉白色 肉質緻密 追熟必要 |
|
中国 ナシ |
身不知(千両) | 10月上 〜中旬 |
緑黄色に斑点 ややサビ有り |
大型の 瓢箪型 |
しまっていて甘い 多汁で和梨に似る 黄色くなった方が甘い |
4 旬
上記3の「品種と主な特性」を参照
5 見分け方
・無傷でみずみずしく、ずっしり重い物。
・青ナシの食べ頃は、緑色から黄色に移る頃が食べ頃で、黄ばみすぎた物は過熟である。・洋ナシは収穫後の追熟が必要であり、食べ頃は品種による熟し加減が特に重要であるが判定は難しい。
6 特徴
・落葉樹、花は数輪ずつ群生し、つぼみの内は淡紅色、開くと純白。
・果実は、花托が肥大した物。
・収穫直後の洋ナシは、ガリガリで味も香りも劣る。美味しく食べるには、追熟が必要である。しかし、満費者には追熟適期の判断が難しい。
・最適な熟度の物は香気が高く濃い甘味が特徴で、口に入れるととろっとしてとろけるようで、水分もたっぶりである。非常に美味しいが、熟期判定の難しさから、販売方法が難しい。
・身不知(千両)は、余市町で育成されたため「余市千両」とも呼ばれる。
7 栄養成分
・大部分が水分で、糖分が10〜14%が含まれ、酸味はビタミン類はほとんどなく、カリウムは100g中170rと多い。
・洋ナシのとろりとした柔らかさは、可洛性ペクチンによる。
・ニホンナシ、千両のサクサク感は、リグニン、ペントザンなどからなる石細胞による。
・食物繊維が多い。
8 効能・薬効
・たっぷりの果汁は糖分、ミネラル、遊離アミノ酸を適度に含む天然のドリンク剤であり、体の渇きを癒す。
・肉類の消化酵素を含み、蛋白質の分解を促進する。
・解熱作用。
・アスパラギン酸が含まれ、疲労回復に効果。
・糖度高く、エネルギー補給に良い。
・食欲増進作用。
・食物繊維とソルビトールの整腸作用、1日300g程度食べると便秘の解消に役立つ。
9 利用方法
・大部分は生食用。
・洋ナシは、生食の他に香りが良いため缶詰、ジャム、製菓材料、ネクター、ジュース、ワインなどに。
10 貯蔵方法
・保存はポリ袋に入れ、密閉して2〜5℃の冷蔵庫へ。
11 その他
・ナシは「無し」につながり縁起が悪いので、「有りの実」とも呼ばれる。
・ことわざに「梨尻柿頭」とあるように、ナシは尻の方が、柿は頭の方が甘くて美味しい。