りんご (英)Apple (仏)Pomme

1 科 名  バラ科

2 原産地   コーカサス・小アジア地方
 日本に入ったのは徳川時代であるが、本格化は明治5〜6年にアメリカから75品種入れ、明治8年現在の主産地に配布。

3 品種名とその主な特性

品 種 名 両  親 食べ頃 果皮色 平均
1果重
肉 質 糖度 酸度 貯蔵性 特       徴

 
つがる ゴールデンD×
紅玉
10/上 赤縞 250g 13.4 0.34 甘酸適和、果汁多、脂上がり、大玉
 あかね 紅玉×
ウースターペアメイン
10/上 鮮紅 200g 12.5 0.65 香気有、酸味多、小玉
きたかみ 東北2号×
レッドゴールド
9/中 濃紅 170g 13.0 0.53 甘味多、小玉
さんさ あかね×
ガラ
9/下 鮮紅 200g 硬、密 13.9 0.47 甘酸適和、歯触り良い、果汁多、小玉
ハックナイン ふじ×
つがる
11/上 濃赤縞 350g 軟、密 15.0 0.57
4ヶ月
果汁極多、食味良、大玉
ジョナゴールド ゴールデンD×
紅玉
11/中 赤縞 300g やや粗 15.0 0.71
3ヶ月
果汁多、中玉
スターキングD デリシャスの
枝変わり
11/中 暗紅縞 250g 14.0 0.40
4ヶ月
香気有、甘味多、中玉
陸奥 ゴールデンD×
印度
12/上 黄緑 350g やや粗 14.5 0.60
6ヶ月
果汁多、大玉
北斗 ふじ×
陸奥
11/上 濃赤縞 310g 硬、密 14.4 0.36
5ヶ月
香気有、果汁多、大玉
レッドゴールド ゴールデンD×
リチャードD
10/下 濃暗紅 220g 硬、粗 15.2 0.52 蜜が多く入る、小玉

ふじ 国光×
デリシャス
1/上 濃赤縞 250g 14.2 0.44
6ヶ月
果汁多、貯蔵性優、中玉
王林 ゴールデンDx
印度
12/上 250g 13.9 0.40
4ヶ月
甘味・芳香強、貯蔵性優、中玉

※貯蔵性 低:2〜3週間 中:1ヶ月 高:2〜6ヶ月

4 旬   3「品種名とその主な特性」参照

5 見分け方
 ・新鮮なものは組織も固くしまっている。
 ・果皮に張りがあり、軽く指先ではじくと、はずむような澄んだ音がするものは果肉がしっかりしている。
 ・柄にしわがなく、弾力性があってピンと立っているものが新鮮。
 ・袋をかけない無袋りんごは、外観は有袋に劣るが、甘味が強く、味がよい。
 ・赤りんごでも青りんごでも、尻の部分の緑色が濃いほど熟度が不足している。
 ・手にのせたとき見かけよりずっしりと重量感のあるものがよい。
 ・小玉の果実は大玉の果実より貯蔵性が高い。

6 特 徴
 ・世界の産地は冬季の最低気温が一10〜+10度の地帯で年平均気温が6〜14度が適地。
 ・落葉樹で、高さ十数mに達するが、わい化栽培で3m前後の低木にしたものが増えている。
 ・果実の食用部分は花托の発達したもの、果心部は子房の発達したものである。(偽果・仁果顆)
 ・品種により、成熟した果実の花心部泣くに「蜜」と呼ばれる甘味のある半透明部分の入ることがある。蜜の成分は、ソルビトール。
 ・「つがる、ジョナナゴールド」など品種によっては、熟度が進むと「脂あがり」の現象が見られる。いかにもワックスでもかけたように見えるが、「生理現象」の一つで、りんごが熟すにつれてリノール酸やオレイン酸の不飽和脂肪酸が増えたために生じる現象。「食べごろのしるし」でもある。
 ・りんごは、切り口が褐変しやすい。空気中の酸素とタンニン系物質である「ポリフェノール類」が結合して酸化するためである。
 ・りんごの果皮の赤色はアントシアン系色素である。

7 栄養成分
 ・果肉は糖分が多く、品種差は多少あるがおよそ13%。(果実の中では甘いグループ)糖の種類は果糖が50、%近く、その他ブドウ糖とショ糖である。
 ・酸の種類は、おもにリンゴ酸で0.5%内外、その他クエン酸・酒石酸など。
 ・無機質では、カリウムが比較的多い。(100mg/100g)
 ・りんごの食物繊維は果実類の中では多く約2%含まれる。成分はセルロース、ヘミセルロース、ペクチン、リグニンなどである。

8 効能
 ・カリウムの多いリンゴを食べることによって、血液がサラサラになる(塩分過剰摂取の方にお奨め)
 ・食物繊維は下痢や便秘時の整腸作用に優れています

9 利用方法
 ・生食、ジュース、ジャム、砂糖煮、アップルパイ、焼きりんご、アップルソース
 ・生でカットして用いる場合は、褐変を防ぐ為に1〜2%の塩水に漬ける。

10 貯蔵法
 ・−2〜+10度が適温
 ・一般にポリ袋(0.03〜0.04mm)に入れ口をしっかり閉じ冷蔵庫に入れる。
 ・長期保存用は晩生種で小粒のものを選び、段ボール箱に入れて凍結しない寒い所に置く.

11その他(たとえ・ことわざなど)
 ・一日1個のりんごは医者を遠ざける。(An Apple a day keeps the doctor away.)
 ・「ギリシャ神話」「イソップ物語」「ウィリアムテル」など広く引用されている。
 ・ニュートンの万有引力発見もりんごから。