さくらんぼ (漢名)桜桃 (英)cherry

1 科 名 バラ科

2 原産地 ヨーロッパ中南部、西部アジア

3 品種名と主な特性


品種名 果実の形態 食べ頃 果皮の色 平均一果重 持  性 来  歴
水門(北光または北海ナポ) 心臓型 7月上旬〜 淡い黄色に
鮮紅色〜濃赤色
果肉は淡黄色
5〜
8g
やや柔らかくウルミやすい
甘いが酸味もある
1911年小樽市の藤野園で発見。偶発実生
発見地が奥沢水源地の水門近くであったため、水門の名が付く
佐藤錦 短心臓型 6月末〜 鮮やかな黄色に赤い斑点
果肉は黄白色
5〜
10g
肉質緻密で甘く、多汁
日本で一番多く作られている
大正元年(1912年)山形県現在の東根市の佐藤栄助氏が、ナポレオンに黄玉を交配して育成した品種を、昭和三年中島天香園主岡田東作が命名、繁殖普及した。
南陽 短心臓型 7月中旬〜 淡赤色(サフランピンク色)
肉色は黄白色
7〜
13g
締まりよく、歯切れ良い
大粒品種で糖度も高い
1957年 山形県農業試験場置賜分場育成
ナポレオンの実生
ナポレオン 長心臓型 全体杓に黄色がかった肌に紅色
肉色は白色
7〜
10g
やや酸味が有り、果汁多く甘い
皮は厚いほうで輸送に向く
アメリカから輸入された品種
ゴールドキング 心臓型 鮮黄色に赤色が少し斑になる
肉色は白色
5〜
10g
果肉が堅めで日持ちする
甘さがさわやか
地元仁木町で発見された品種
全国的な知名度はないが、美味しい晩生品種

4 旬  上記3の「品種名と主な特性」を参照

5 見分け方
 ・果皮に光沢があり、果柄が新しく、緑色でしっかりついている物。
 ・果皮に褐色の斑点がついた物は避ける。
 ・着色の良い物ほど、一般的には美味しい。

6 特 徴
 ・落葉樹で高さは15〜20mと高く、りんご園の防風林に使われていたが収穫作業のしやすさや、
  雨よけハウス設置のために樹高を5m程に制限している。
 ・春に五弁の小さい白い花が咲く。
 ・収穫間近に雨に当たると裂果しやすく、収穫が近くなるとハウス被覆を行う雨よけ栽培が進んできた。
 ・果実の着色が強いほど甘いが、軟弱になりやすく日持ちが劣る。

7 栄養成分
 ・鉄分は果物の中でトップの0.3mg/100g。
 ・爽やかさを感じさせる酸味は、ほとんどがリンゴ酸である。

8 効能・薬効
 ・鉄分が多いので貧血体質の改善によい。
 ・さくらんぼ酒は、疲労回復や虚弱体質の改善に効果がある.
 ・カロチン(ビタミンA)を含んでいるため、疲れ目の予防、回復に効果がある.
 ・細かく潰した物を顔に塗ると、小じわの予防になる.

9 利用方法
 ・生食の他にシロップ漬け、ジャム、ジュース、チェリーリキュール.

10 貯蔵方法
 ・果実が軟弱で日持ち悪いため、貯蔵には向かない.

11 その他
 ・さくらんぼの出回る6月19白は「桜桃忌」と言われ、太宰治のファンが桜桃を首飾りにし、お墓に供える。