フィリップ・スパークは、1951年にイギリスに生まれた作曲家です。11才になったときからピアノとヴァイオリンを始め、アマチュアオーケストラに所属しヴァイオリンを演奏、作曲も10代のころから始めていました。その後、独学で練習していたトランペットに専攻を変え、1972年にロンドンの王立音楽カレッジに入学し、作曲とピアノ、さらにトランペットを専門に学びました。在学中から金管バンドを中心に作品を発表し、これまで多くの作曲賞を受賞し、現在でも、発表する全ての作品がレコーディングまたは放送されるという人気作曲家です。
「シンフォニエッタbQ」は、1992年にイギリス青少年ウィンド・オーケストラの委嘱により作曲されました。同年にロンドンのクィーンエリザベスホールにて初演された後、1994年に大阪市音楽団により日本初演されました。シンフォニエッタとは「小交響曲」という意味で、3つの楽章で構成されています。なお、本日演奏するbQのほかに「シンフォニエッタ1」という作品もあり、この曲も大阪市音楽団の初演によって日本に紹介されています。
第1楽章:オーヴァチュア
躍動感あふれる楽章で、きびきびとした動きが各楽器に次々と受け継がれるように演奏されるオープニングのあと、2つめのメロディーが現れます。その後、雰囲気を変えて少しおどけたような部分を挟んで最初のメロディーが再び現われ、前進感をもって終結部へと向かって行きます。
第2楽章:セレナーデ
フルートとクラリネットによって始まり、ついでイングリッシュホルンやテナーサクソフォーン、ホルン、ユーフォニアムといった中音域の楽器により、ゆったりと歌うような旋律が続きます。まるでイングランド民謡のような印象のあるとてもロマンティックな楽章です。
第3楽章:フィナーレ
スピードに乗っためまぐるしい動きの曲で、その激しい動きの途中でゆったりとしたテーマが突然現れます。この間奏部が終わると曲は前半の勢いを取り戻し、その後はスピードを緩めることなく、エンディングへと突き進んでいきます。
(出版:スタジオ・ミュージック)
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1998 Takafumi Watanabe, Manager, The Band of NEC Tamagawa
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