曲目解説

セヴィリアの花(ジョン・フィリップ・スーザ)

(1929年作品)

 勇壮さ、雄大さ、快活さ、軽快さなどの力強い前進感にプラスして、ほのぼのと心にしみいるような優美感を併せ備えているのがスーザのマーチの特色です。

 この曲はスペイン政府の依頼により、花の都セヴィリアで開催されるイベリア=アメリカ博覧会のために作曲されましたが、セヴィリアは偶然にも父アントニオの生誕地でもありました。晩年75歳のスーザは、亡き父の面影を偲びつつ創作したのでしょう。哀愁感、懐古感、悲哀間に満ち溢れた美しい佳曲です。

 この秘曲は昨年アメリカで日本スーザ協会が発掘し、本年のスーザ没後3分の2世紀(66周年)の記念曲として、仙台(2月)、川口(3月)、と本日ここ横浜の3ヶ所でお披露目されることになりました。(高橋誠一郎:日本スーザ協会)

(使用楽譜:ジョン・チャーチ)

Copyright(c) 1998, The Band of NEC Tamagawa
All rights reserved.