ヨハン・シュトラウス(1825-1899)は「ワルツ王」と讃えられているオーストリアの作曲家で、同名の父と区別するために「シュトラウス2世」とも呼ばれます。音楽家の長男として生まれたものの、父は息子が音楽を学ぶことに大反対だったため、工業学校で教育を受けました。しかし、小さい頃から音楽に興味を持っていたシュトラウス2世は自分の楽団を組織しワルツを発表して成功を収め、父の楽団と競争するようになりました。一時父親に勘当されましたが、父の急逝後その楽団を吸収し、当時のウィーンの舞踏音楽と娯楽音楽を支配して多忙な日々を送ることになりました。その後、彼はウィーンの宮廷舞踏会の指揮者となり、ウィンナ・ワルツの全盛時代を築き、『美しく青きドナウ』などの名作を次々に発表したのです。
「皇帝円舞曲」はシュトラウスIIが63歳の時、1889年秋ドイツの首都ベルリンに「ケーニヒスバウ(王の館)」という名のしゃれた庭園レストランが開店したときのお祝いとして披露されました。シュトラウス自身は最初、オーストリアのフランツ・ヨーゼフ皇帝とドイツのヴィルヘルムII世皇帝の親善を願って、曲名を英語の「ハンド・イン・ハンド」とつけていたそうですが、それを楽譜出版社の助言で、いかにも堂々とした曲調にふさわしいこの曲名に変えたという話が残っています。
今年は、シュトラウスIIの没後100年にあたります。クラッシック音楽界では、出版物・CD・コンサートなどで多くの「特集」が組まれていますので、シュトラウスの作曲した170曲ものワルツの中から代表的ワルツを選んでみました。
(使用楽譜:編曲者)
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1999 Shoji Kaneshige, Manager, The Band of NEC Tamagawa
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