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赤ちゃんを見ていると、人間の発達(?)の経過がよくわかる。 育児書によると、赤ちゃんの運動機能というのは脳に近いところから発達していくんだそうな。 まず、目で物が追えるようになり、首がすわり、手が前に出るようになり、腰が自由になると、寝返りができるようになり、おすわりができ、ひざまで下がってくると、はいはいができるようになり、つかまり立ちができるようになり、歩けるようになると。 「上」から「下」へ。 「中心」から「末端」へ。 順序よく使えるようになっていくということだ。 なんてわかりやすい... |
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しかし、なっちゃんの場合は、普通の子と違い、目で物を追うより前に足で歩けるように...なんてならない。 ご多分にもれず、なっちゃんもその過程をたどっている。 それも、不思議なくらい忠実に。
「なんか、だいぶ目が見えるみたいだね。」 と言ってるうちに、なんだか首もしっかりしてくる。 「首もしっかりしてきたね。」 と言ってるうちに、ある日、突然、「手」をながめ始めるのだ。 それも、飽きることなく、暇さえあれば、自分の「手」を高々とかざしてながめている。 不思議な光景である。 |
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そして、ひたすらながめていたかと思うと、突然、お話を始める。 「ほぉ、はぁ〜、おお?」 自分の「手」と話をはじめる。 これはいったい...と思っているうちに、ある日突然、「手」を食べ始めるのである。 カポッ と食べる。にぎりこぶしごと、ガシガシと食べる。 これが、だんだん、「こぶし」から「指」になり、「親指」限定となり、 「なるほど、これはおしゃぶりか。」 とようやく納得できる状態まで進歩する。 |
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そして、ある日、突然、「横向き」になる。 それまで、「大の字」で寝ていた赤ちゃんが突然、横向き。 具合でも悪いのか? これは一大事である。 何かあったのか...のぞきこむと、口を半開きですやすや寝ている。 これはいったい... 再び首をひねることになるのである。 |
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これはいったい、と思っている2、3日後には、突然、うなり始める。 「うぅ〜ん、うぅ〜ん」 どうやら、ひっくり返ろうとしている。 が、手が邪魔でひっくり返れない。 人間、ひっくり返るのも実はたいへんなのである。 こうしてまた2日がすぎる。 |
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そして、ある日、突然、寝返りが完成する。 ペコッと完成する。 1度できると、今までの苦労はなんだったんだ、と思うくらい調子づいて何度でも寝返りする。 が、手で体をささえているもんだから、寝返りしたからといって、何もできない。 ただ、ひっくり返れたというだけである。 そして、だんだんその姿勢にも疲れてきて泣く。 「助けてぇ」 と泣く。 そこで、救出してやるわけだけど、救出してやってるはしから、ひっくり返ろうとする。 んで、ひっくり返って、疲れるとまた泣く。 「助けてぇ」 と泣く。 これはいったい...
菜月、生後4ヶ月半。なかなか不思議なことの多い毎日である。 |
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