●メルコゲタ2の電源を改造してみよう●
※改造は個人の責任で!
【概要】
まず、メルコ製CPUアクセラレータのうち、型番の末尾が「-N2」「-V2」の物のことを、ここでは「メルコゲタ2」と呼ぶことにします。なお、「-N3」タイプのゲタも電源部分はメルコゲタ2と共通なので、同様の方法で改造が可能です。
さて、メルコゲタ2に使われている電源には、CPUのコア電圧を変更するためのスイッチやジャンパが存在しません。1999年3月現在発売されている物は、すべてAMDのK6-2の400MHz以下の物が搭載されているため、コア電圧は2.2Vに固定されています。
しかし、メルコゲタ2は、将来コア電圧が異なるCPUが登場した時にも、簡単に対応できるように配慮された設計になっています。
そこで、ここではコア電圧の変更の方法を詳しく紹介します。
【電圧変更の仕組み】
メルコゲタ2の電源部分にはLM2635Mというスイッチング電源制御チップが使われています。このチップはもともとSlot1用に設計された物で、PentiumIIやCeleronの自動電圧設定機能に対応しています。
このチップにはVID0〜VID4という入力ピンがあり、このVIDピンを適当な組み合わせでGNDに接続すると、電圧が1.8V〜3.5Vの間で変化します。本来は、このチップのVIDピンはSlot1のVID端子に接続するのですが、メルコゲタ2では0Ωのチップ抵抗を使って電圧を設定するようになっています。
LM2635のデータシートはここから落とせます
【詳細解説】
図1がメルコゲタ2の電源基板です。図中に0〜4の数字で示してあるのが、VID0〜VID4に対応したチップ抵抗を取り付ける場所です。
◆図1◆チップ抵抗の配置
各チップ抵抗の有無と電圧の一覧表を以下に示します。デフォルト状態では、VID1の抵抗のみが取り付けられているので、電圧は2.2Vということになります。
VID0 VID1 VID2 VID3 VID4
無 有 無 有 有 1.80V
有 有 無 有 有 1.85V
無 無 有 有 有 1.90V
有 無 有 有 有 1.95V
無 有 有 有 有 2.00V
有 有 有 有 有 2.05V
有 無 無 無 無 2.1V
無 有 無 無 無 2.2V
有 有 無 無 無 2.3V
無 無 有 無 無 2.4V
有 無 有 無 無 2.5V
無 有 有 無 無 2.6V
有 有 有 無 無 2.7V
無 無 無 有 無 2.8V
有 無 無 有 無 2.9V
無 有 無 有 無 3.0V
有 有 無 有 無 3.1V
無 無 有 有 無 3.2V
有 無 有 有 無 3.3V
無 有 有 有 無 3.4V
有 有 有 有 無 3.5V
目的の電圧に合わせて、0Ωの抵抗を取り付ければ、電圧が変更できるというわけです。もちろん、メッキ線などで代用しても構いませんし、ハンダを山盛りにして抵抗のランドをショートさせる方法でも構いません。
いずれの方法にしても、周囲の部品にハンダゴテが接触しないよう、慎重に作業を行って下さい。
なお、上の表にない組み合わせは、絶対に設定しないでください。
例として、2.3Vに設定することを考えてみましょう。表から2.3Vの設定を調べると、0と1の抵抗を取り付けることになっています。デフォルト設定の2.2Vでは1の抵抗が最初から付いていますから、0の抵抗を追加するだけで2.3Vになるというわけです。
メルコゲタ2の電圧変更については、これで終わりですが、上記の内容に間違いなどありましたら、メールでお知らせ下さい。
文責:YU
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