8月28日 | |
23時54分 | JR日暮里駅
常磐線から京浜東北線に乗り換え。
この時点で、既に大垣行き(品川発:23時55分)に間に合わないことはわかっていた。 いや、正確に言うならば松戸を出た時からわかっていた。わかっていたけど出発しちゃったんだからしょうがない。高揚した気分は大切にしたい。引き返すのも面倒だ。明日の朝起きる自信もない。
結局、今日のうちに、行けるところまで行ってみることにした。
たまには行き当たりばったりの旅も良い。 |
8月29日 | |
01時10分 | JR磯子駅着
終電。
ここで初めて時刻表を確認。
東海道本線の始発電車に乗れば、鈍行を乗り継いでも10時33分に名古屋入りできることが確認できた。SF大会のオープニングは11時スタートだから、まだまだ新幹線を使わずとも間に合う時間である。私はほくそ笑んだ。
しかしここで大きな問題が一つ。磯子は京浜東北線なのである。
始発に乗るためには、東海道本線が通っている駅まで移動しなければならない。
横浜まで戻るか、大船まで進むか。
さてどうしたものかと、時刻表をもう一度確認。
磯子−大船の駅間は12.6km。
東海道本線の始発の大船発時間は5時10分。
人が歩く速度は時速約4km。
歩いても間に合いそうな距離。
私は何となく冒険したくなり、歩き出した。なんとなくね。
オリオン座を眺めつつ、虫の音を聞きつつ、テクテクテクテク。
ああ、気持ちいい。ポケットピカチュウつれてくれば良かったなあ。と、このあたりはまだ呑気。
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04時30分 |
JR大船駅着 バンザイ
コンビニで休憩
さて後日談になるが、SF大会終了後に再度時刻表を調べたところ、磯子駅を通る始発電車に乗っても、東海道本線の始発に乗ることができた……らしい。
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05時10分 | 大船駅から沼津行きに乗る
品川駅を4時20分に出発した始発電車は、酔っぱらいがシートに横たわってグースカ寝ており、まるで終電のような雰囲気。車内のだれた雰囲気に、こちらの気持ちもくつろいでくる。
それではわたしも、のんびり電車の旅を楽しもうかと、本を広げた。
広げた本は「世紀の大怪獣オカダ 岡田斗司夫のお蔵だし(イーストプレス)」
■アマチュアセルアニメの最高峰、「第22回日本SF大会 DAICON4オープニングアニメ」の解説 ■観賞後、この人たちにウルトラマンを作って欲しいと心底願った、奇跡のアマチュア特撮「ゼネプロ版・帰ってきたウルトラマン」の解説 ■今は亡き、雑誌「アニメック」の名物コーナー「ためになるゼネプロ講座」の収録 ■70〜80年代アニメブームを、読み手に総括させた名文と信じる、「小説版 機動戦士ガンダムU・解説」
などなど、中学・高校時代に大いに楽しんだ、岡田氏が手がけた作品の解説と、氏が書きつづった記事、そして資料が満載の一冊。
SF大会への道中で読むに、これほどふさわしい本はないと思う。
なぜならDAICONオープニングアニメがなかったら、ゼネプロ講座がなかったら、僕はSF大会のことを知ることはなかったかもしれないのだから。
まさか30過ぎて初参加するとは思ってなかったけどさ。でも参加者の平均年齢って、30超えてるんだったな(笑)。
ところで、「世紀の大怪獣オカダ〜」の本文中にあった、「帰ってきたウルトラマン(本家・円谷版)」NG主題歌に関する記述に一言。あれってCD化・カラオケ化の可能性は充分あるはずだ。なぜなら私が持ってるBGM集(LP)には収録されてるもの。
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05時51分 | JR小田原駅着
そして、そのまま電車は立ち往生。
なんと、大雨のためについいましがた小田原−熱海間の在来線が止まったというのだ。
目の前の穏やかな空、雲間から除く青空は何?とはいえ、空に文句を言っても仕方がないので、「日刊スポーツ」を買って車内で待つことにした。一面の記事は西川峰子宅が大雨で流されたというもの。ううむ世間は大変らしい。
SF大会オープニングまであと5時間。
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06時40分 | JR小田原駅
50分経過。電車は動く気配もない。
結局、在来線オンリーの旅を諦めて新幹線のホームに向かう。
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06時53分 | JR小田原駅発
こだま401号が小田原駅を出る。早い早い。ビュワーンビュワーン走るとはこのことだ。でも凄くつまらない。
退屈なので、プログレスレポートの整理など行う。
初めてじっくりと眺めるプログラム。どの企画も”その筋の人には”面白そうなものばかり。
さて、何を観るか。
「おたくアミーゴス」は外せないとして、あと「とんでも本大賞」「悪趣味映画の部屋」。
いかんSFとはあまり関係のなさそうな企画にばかり目がいく。やはり私は「SFもちょっと好む人」らしい。
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08時14分 | JR浜松駅着
新幹線から在来線に乗り換え。
キオスクを覗いて「うなぎケーキ」を探すが見あたらない。残念至極。職場で食べたかったのに。
あきらめてホームに上がると、そこには既に3両編成の豊橋行きが待っていた。
クロスシートのローカルっぽい車両にわくわくする。
発射までにはまだ時間が残っていたので、立ち食い蕎麦屋などをチェック。
「きしめん」は売られていないことを確認する。
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08時29分 | JR浜松駅発
豊橋行きの各駅停車が出発。
電車はゴトゴトと浜名湖畔を通過して行く。満足(^_^)/。そう、私はこの景色を観たかったのだ。
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09時01分 | JR豊橋駅着
やっと愛知県入り。
コンコースに上がると、そこには「きしめん屋」。流石は愛知県である。
朝飯代わりに「きしめん」をつるつるとかき込む。
いや、うどんや蕎麦じゃあるまいし、「きしめん」をかき込むときの擬音に”つるつる”ってのは妙な気もするなあ。
「ベラベラとかき込む」ってのはどうだろう?それも変かな?
まあそれはともかく、初めて現地で食べた「きしめん」はなかなか旨かった。具は刻みネギと、刻みあげなのね。メモメモ。
食べ終わると、もう名古屋行きの電車が出る時間。
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09時15分 | JR豊橋駅発
名古屋へ向かう新快速に乗る。
関西を走っている新快速と比べると、こちらの新快速はステンレス車であり見た目のインパクトと言う点ではどうしても劣る。しかし乗車後の印象は非常に良かった。
明るい車内。特に先頭車両の開放感は抜群だと思う。運転席前の大きなガラス窓から得られる視界を、ほぼそのまま乗客に提供してくれるところが嬉しい。そのためだろうか?結構な数の乗客が進行方向前方の景色を眺めていた。またスピードもすばらしい。別料金を取らない快速電車が、豊橋−名古屋間72.4kmをたった48分で結ぶのだ。うらやましい。
東京近郊の電車と比べるとその速さがわかる。
例えば
・常磐線 上野−取手 39.6km/44分程度
・東海道本線 東京−平塚 63.8km/快速アクティで54分程度
各駅での停車時間を無視して平均速度を出すと
・JR東海新快速:時速71km
・常磐線特急 :時速54km
・東海道本線快速:時速90km
無茶苦茶な速さである。運転席見たら、メーター120kmから殆ど落ちないんだもの。
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10時00分 | JR金山駅着
ここからは、会場まで歩いたって30分もかからない。
会場まで地下鉄で行く手もあったのだが、町の様子を見たかったので、歩いて行くことにした。
テクテクと歩いていると、道ばたに「SF大会会場への案内版」がちらほら。矢印代わりのロケット(ペットボトルで作られている)が可愛い。
さて、もうすぐSF大会の始まりである。(つづく)
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