00.2.20「蒲田行進曲」千秋楽レポ


★さて、「蒲田行進曲」の千秋楽に行って参りました。よかったよ。とにかくニッキがかっこいいの!ステキ、舞台俳優錦織さん!そして、剛はとってもとっても可愛くて、それは演技とか立ち姿が可愛いということと一緒に、すごく剛のことが可愛く思えたという、ワタシの気持ちの問題もコミで、可愛かったです。もう、生で「真っ赤になる剛」っていうのを見た!(笑)可愛い!
感想と言う程度ですが、思いつくままに書いてみたいと思います。このレポでは、公演の内容は一切わかりませんのでご了承下さい!

私はお芝居には全然素人で、他の作家、他の演出家等のことは殆どわかりません。でも、もの凄い言葉の洪水(文字通り、大きなホースからわしゃわしゃと放出される水のようでした)の中から、観客の立場とかそれまでの人生にはたぶん関係なく、全員の中に、何かが突き刺さって来る様を見たような気がします。たぶん全員です。見ようとして見ていた人全員の中に、何かが。その何かというのは、見ている人の境遇によって全く違うかもしれない。
今回、2月6日(青山での3日目)と20日(最終公演)の2回を見たんですが、「この芝居ってこういうことなんだろうな」という理解は、1回目と2回目で大した違いは無いのに、感じたことは全く違ったので、そう思ったのだと思います。
とにかく言葉は溢れてきて止まらなくて、何しろ滑舌の悪い役者さんだと全部が一つの音で繋がって聞こえてしまうくらい、速く速くしゃべらないと、自分のノルマは消化しきれないくらいなんです。剛の落ち着いてしゃべるトーンは大好きなんだけど、そんな声は、このお芝居では味わえません。始終、出ている限りはしゃべり続ける、ヤス。その言葉の量は、ステージを超えて客席まで溢れ、逆流して出演者を飲み込んで更に客席に渦を巻いて、高く上って二階席に届き、ロビーまで出ていって、受付通って外に出て、コンサート以来久々に見たダ○屋のおっちゃんたちまで流し尽くしてしまいそうでした。
そんな量の言葉を使いきってもなお、たぶんヤスの心情は語り切れてはいなくて、だからこそヤスの剛はあんなに真っ赤になったり大汗を掻いたりして、足りない分を伝えて伝えて、全身を使って表現していたんですね。
ほんとーに剛大熱演で、初演のときにつかさんが言ったという「天才」→「天才ってのは間違いだった、大天才だ」という言葉は、なんか、当たってるかもしんないと、思ったのですね。
剛が出てきます。おみくじ買った、と言い、舞台の端の方で、青いスウェットの下に赤いTシャツを覗かせながら、長い長い台詞の最初を語り始めます。もうそこにいるだけで、ヤスなのです。立ち方から。立っているだけで、「剛のヤス」なんです。あー、その立ち姿はステキよ。惚れます。可愛くて。ほんとーに、ほんとーに、剛可愛かった。

席は、1階の中程にある通路から2列後ろで、舞台に向かって右手のほう。よく見えました。装置も無いし、役者さんだけ見えればいいので、席の位置によらず、見やすかったのではないかしら。まぁ、剛の飛び散る汗が見たいとかいう向きには、前に近い方がいいんでしょうけれど。私はこの席でよかったです。
青山劇場は、シートもふかふかで比較的座りやすい。それでも、長丁場ですから(3時間以上か?!)お尻は痛くなります。それに、背の高い人は、膝が窮屈かも知れませんね。3時間立っているのと3時間座っているのはどっちが大変でしょうねぇ。

舞台慣れ(本人曰く『舞台摺れ』だそうですが)しているニッキは心配ないと思うけれど、剛も以外と声が枯れていなくて、聞き易かったです。えっと、小夏の小西嬢は、地声を知らないのでわかりません。6日の時点で掠れてるなぁと思ったけれど、それが地声かもしれないし。
ニッキはホントにかっこいい。体がよく動くし、動きにキレがあってキメがちゃんと決まってるから、動きも止めもすぱっと綺麗に見えるんです。目鼻立ちくっきり、顔も大きいと、舞台にはホントに合ってる人なんでしょうね。ジャニーズ事務所、タレントの幅、広いなー。
対する剛は、青山に咲いた一輪の野菊の花のようでした(笑)。ホントです。可愛かった。剛も、首が長くて顔が大きくて、そういう意味ではわかりやすいのです。それに、SMAP1ダンスが上手いと言われるだけあって、たぶん、本人の思うように体が動いていると思われます。もちろん、それでも足りてないんだろうな、と思うところはあるんだけど。たとえば、ほっこりとした幸せを演じるとき、剛のキャラもあってすごくよくわかる。でも、小さな悲しみと大きな悲しみの差が、もう少しあってもいいんじゃないかと思うんですよね。悲しみの色の変化と言った方がいいのかなぁ。それが、見ていて途中で辛かったあたりです。

小夏との絡みが、また可愛くていいんです。アドリブがたくさんあって、見た回によってどう変わったか、楽しみでしょうね。ちなみに6日夜は「マッシュルーム」、20日夜は「トンガリコーン」でしたわ。え、何が?(笑)
小夏の小西嬢は、最初モデルさんだったんですね。写真を見たら、「あ、この人」と思うくらい、CMとかで見たことのある人。さすが、顔が小さくて手足が長くて、とっても綺麗。「舞台顔」な錦織さんや剛と並ぶと、ほんとーにお人形さんみたいです。小夏の衣装はずっとノースリーブ。私はずっと彼女の、動いてもお肉がぷるんぷるんしない綺麗な二の腕を見ていましたー。

最終日は、なんとか舞台上でちゅーをしようとする小夏(小西嬢)と、どーしても避けたい剛との攻防もファイナル、小夏の最終兵器は「映画メッセンジャーで飯島直子とちゅーをするシーンの証拠ビデオ」。剛、マジで真っ赤になって、袖に隠れちゃうまで引いて防戦をはってました。可愛い。結局、本編では最後までちゅーをせず。

カーテンコールのあとも拍手やまない中、おまけステージでやっとちゅーしそうになる二人。(したのかな?)そこへ登場する銀ちゃん、ではなく、既に「アンコールは終わった、カーテンコールには応えない」というのを信じてズボンを脱いでパンツ姿になったニッキと、二人の間に生まれた女の子、じゃなくてブタゴリラ(この辺キャラがわかってない)。あー、そうそう、カーテンコールのとき、剛は連続バク転でステージにご登場、これはかっこよかった。最初、私なんかはJACの役者さんかと思ってぼーっとしてたら、とん、と着地した姿が剛で。そう思ったファンも多かったんでしょう、剛だと認識して初めて「きゃー!」の声が高くなってた。

舞台ってもちろん生で、声を掛ければ役者に届く。反応が伝わって演技が変わる。そんなところが、映画なんかを見るより数倍疲れるけれど、数倍おもしろくもなるしつまらなくもなり得るところなんですね。
客席には、何人かTVで見たことのある役者さんも来ていました。関係者も多かったみたい。でも、メンバーは発見できず。私たちの席の後ろとか前とか、固まって空いていた席をOさんは「ここは慎吾が来るの!一般人は座っちゃダメ!」と言って確保していましたが、結局その席にはふつーの女の人たちが。残念でしたね。

お芝居そのものでは泣かなかった私。剛が拍手に応えて出てくる度に、それだけは感動だった。よくやってるね、って。でも、また次でもっとがんばれよ、って。素の剛に向かったときだけ、じーんと来た。

3カ所での公演、無事終了お疲れさまでした。大きな事故とか怪我とかなくて、よかったです。いろんなことを鍛えて、また次になにかやってくれるのを楽しみにしてます。
すごく中途半端ですが、これでおしまい。「え、蒲田行進曲って結局どんなお話?」なんて聞かないでね。(笑)
そう、見た次の日が出張で、大阪に行ったんですが、40歳過ぎの向こうの課長と、20代の女性3人とその話をしてたんです。そしたら、女性3人が、蒲田行進曲の粗筋を知らなかったの。40代の課長は酷くショックを受けてました。その世代だと、知ってて当たり前らしいです。


homeへ