なんと「眠れる森」のロケを偶然見てしまったレポ



 その日、私はいつものように、勤め先の最寄り駅から、会社に向かって歩いていた。いつものようにあるビルの前を通ると、何やら女の子が数人、そこを遠巻きにしている。カジュアル系の女の子〜女の人といった年代の数人。その服装が、「なんかSMAPっぽい」雰囲気を醸し出している。胸がざわめく感じがした。その時点では、慎吾っぽいかも!と思った。
 そして次に、それよりは年齢が上そうな、でも20代半ばくらいの男女数人が、コピーした紙を束ねた冊子を丸めて手に持って立っているのを見つけた。その紙には、「森」の文字。
えええっ森ですってぇ?!
 私は回り込むように歩きながら、その文字列の全貌を掴んだ。「眠れる森」と書いてある、あるよ、あのロゴで!
 え、ロケ?!ロケなの?!台本持ってるのは、ADさん?!

 このビルは、1階が大きなショウルームになっていて、よくドラマのロケに使われるところ。じゃあ、誰か(木村がいるとは思ってない、贅沢過ぎて)来てるんだー、と思うが、中で照明は付いているが役者が見えなかった。
 逸る胸を押さえつつ、今朝は出社しないと取りあえずまずい、と全速力でそこから徒歩5分の職場に向かう。

 もはや歩くどころではない。泣きそうな顔で(たぶんね)急ぐ。

 早速上司に、今朝の打ち合わせについて聞くと、それは夕方にするという。じゃあ!
 まずは、Oさんに連絡だ。Oさんは、普通は現場から10分強のビルにいるが、朝は8時半から9時頃まで、彼女が付いているボスのもう一つのデスクのあるビルにいるのだ。そのビルは、なんと現場の隣!私は電話をした、事業部長席に。
「はい、おはようございます、○○です」
 おお、事業部長ご本人様!何を、何をさせるんだOさん!
 むちゃくちゃ恐縮しつつ、Oさんを電話に呼び出してもらう。Oさん二つ返事で現場に向かうと断言。現場から状況を教えてもらうことになった。

 待つこと数分。
 Oさんから連絡が入った。
「あ〜、今やってます、見ました〜、かっこいい〜!」
 喜びの叫びを聞き、私は立ち上がった。銀行に行くと告げ、財布手帳メモを袋に入れ、現場にダッシュだ!ああ、9時5分前!
 そのショールームは9時から営業のはず。もしや終わってしまっているのでは?!
 わき目もふらず、ダッシュしていたら、会社の子に見られたらしく後で指摘されたが、仕方ないでしょうそんなことは!

 現場到着。9時1分前。
 そして・・・・・
 ああ、木村!木村さんが、そこにいた!「きゃー!」待っていたOさんと、手を取り合って叫んでしまう。
 直季だ・・・・・
 ガラスの向こうのショールームで、白いコートを着て、手袋を付け、帽子を手に持って、ライトを浴びて立っている。
 あれは、確かに木村さん・・・・・
 距離は、15mくらいだろうか。あぁ、そんなには無かったかもしれない!彼はただ立っているだけで、ライトのテストかなんかをしていたのか、しばらくその位置にいました。目は外を向いている・・・・目が合ってる気がする・・・・
 まだ見物客は少なく、10数人の見物客と、数人の追っかけ、それに匹敵するくらいの数のスタッフが、攻防を繰り広げている感じ。私達は、それとはやや離れて立っていた。
 目は合っている・・・たぶん・・・こっちを睨んでいる気がする・・・この距離で彼に見えていないわけがない!
 あら・・・恐いけど・・・・コンサで「彼は私を見ている!」って言うのとは全然違う、私(とOさん)は今確かに木村さんと視線を合わせてるのね〜!(この際、どう見られてるかとかは無視!)→あとから考えれば、手を振ってみればよかったとか、思ったりして。

 Oさんが「そうだ、Sちゃんは?」と当然な発言を。ごめんS嬢、青組さんのあなたのことを忘れていたよ!ごめん!Oさんが電話で呼んでくれた。すぐ来るという。ごめんS嬢!
 現場前の歩道をうろうろ、追われては歩き、戻ってはまた追われ・・・さんざんどかされながら、私とOさんは見続けた。
 その間、メイクを直すために椅子に座ったり、しゃがんだり立ったり。何か飲んだりもしていた。
 ユースケが外からガラスにへばりついて中にいる木村さんに向かってなにかやっていて(たぶんおもしろい顔)木村笑う!
 今日最初の笑顔!!
 10分ほどして、S嬢も到着。3人でうろうろする。そのころには、職場に戻って報告した人からの口コミや、近くの学校の女子など、見物人は凄い数に膨らんでいた。
 ADは声を限りに「立ち止まらないで下さい!」と叫び続けている。
 通勤の時間帯でもあるので、歩道は大変なことになっている。サラリーマンのおじさんも、自転車に乗った地元のおばさんも、「何があるの?」と聞いていく。雑多な人種が、「キムタク」を見ようと集まっていた。

 そんな観察はどうでもいい。10数メートル先に、木村がいるのだ。カメラが回っていないところに。
 ほんとにTVどおりだなぁ・・・コンサでも生を見てはいるけど、TVの直季とどこも変わらない。TVどおりに綺麗だしTVどおりにかっこいいし、TVどおりに色が黒かった(笑)!衣装が白のコートだから、それに髪が今茶色いから、余計にそう思うのかも知れない。
 でも、圧倒される。そんなに近いわけじゃないのに、誰にも紛れない存在感。

 トランシーバーを持つスタッフの緊張感が増す。もうすぐ本番らしい。振り向かなければ通行も可能だ。あっという間に本番は終わった。私達が行く前にもこうしてテストと本番を繰り返していたのだろうか。

 もうタイムリミットだった。
 帰る前にせめてもう1回木村を見たい。
 そう思って、さっきすごい人だかりだったビル横の入り口に行くと、今は空いていて、ガラスの向こう、ライトの当たっていない隅の方(距離は3〜4m?!)に木村がいた!立って、たばこを吸っている。
 最初はスタッフと話をしていたが、しゃがんだな、と思ったら、前に座っていたユースケと話を始めたらしい。
 ライトを浴びて外の野次馬の視線に曝されているときとは違う、リラックスした表情で・・・・。ほの暗い空間に、木村のたばこの火が螢のように・・・と言いたくなるような、ちょっとした綺麗な「絵」だった。

 ガラス扉のこちら側には、スタッフがいて、立ち止まるな、撮影が出来ないから、と言う。
 でもねぇ、立ち去れませんよ、そんな光景を目の前にして!しばし堪能させてもらっていると、なんとガラス扉の向こう側に、ホワイトボードが立てられてしまった!
 あぁ・・・・
 それを期に、私とS嬢はタイムアップ。
 Oさんもいったん職場に戻ることになった。

 時間にして、40〜50分かな。まだロケは終わっていなかったけど、もう限界だった。



以上、眠れる森ロケ、興奮の現場リポートでした!



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