“白 い 影”


何をどう言ったらいいのかわからない混乱した中でお届けするこの先どう進むか方向のわからないレポ





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第10話(新聞に出ていたサブタイトルによると『君よ笑顔のままで』)


前回の終わりから。嫌だったから(嘘)気を失ってしまった直江先生のシーンから。看護婦とも思えない強引な揺さぶりをかけるたんぽぽです!
その後。やっぱりたんぽぽは、直江せんせい一人くらいはかるーく運べるのです。意識を完全に失った直江せんせいが、ベッドに寝ているのですから。一応、看護婦らしく脈なんか計ったりしてるっぽいたんぽぽですが、まぁなんで倒れたのかわからなかったらそうするしか・・・・って!意識失ったんだったら救急車とか呼ばない?だって尋常じゃないじゃないっすかー!
そんな横暴たんぽぽにも関わらず、ベッドに横たわる直江せんせいは、いたいけさすら感じる、愛らしいお姿です。こういうところを見ると、中居さんって顔が濃いなぁって思います。目を閉じてなお、濃い顔(笑)。どこぞのお昼の生放送とかと違って、ちゃんとメイクを施されているので、眉もくっきり、目なんかも何かしてるんでしょうか、とてもきりりとお美しいのです。睫毛!お鼻!唇ぅ!おでこも綺麗〜(うっとり)・・・・・
だいぶ見方が間違ってますかね。高いカラーがちょっと苦しそうですね。でも、そんなのをたんぽぽに緩めてもらったりするのはあたしが許せないので、これは仕方ないと言えましょうか。
そんな中、せんせいはやっと意識を取り戻すのです。
瞑っていた目をだんだんと開いていくと、まぁるいお目目がぱっちりと・・・・!あぁ、堅いつぼみが綻んでいくような、その目覚め。なんて美しく可憐なお目覚めなのでしょうか。
疲れが溜まって貧血を。目覚めた直後に、嘘を付く自分をすぐに取り戻し、見え透いた嘘を付くせんせい。たんぽぽは、騙されているのかいないのか、それに納得したふうを見せます。
「水・・・くれないか」
ですって!水、水なんていくらでもあげますわ、せんせい!私が!私がーっ! そして、たんぽぽを追い払って取り出したのは、麻薬・・・・モルヒネ。激痛を抑えるためだけに。最早治療でもなんでもない、そのためだけの薬です。

院長は、小橋くんと共に、直江せんせいを救えない、医者としての辛さを味わっていました。
「医者だって万能じゃない。」
辛い言葉ですね。

直江せんせいの嘘は、微妙に気付き始めているたんぽぽに向けて、色々なバリエーションが出てきています。学生時代に痛めた腰椎が今になってあちこちに影響を。とは・・・!辛すぎますねせんせい。たんぽぽも異常に辛そうな顔をしてます。そりゃ、自分とキスしてて気を失ったら自分が原因かと・・・あ、違いますね。あたしそこに拘りすぎだったり?
でもせんせい、嘘の中に少しずつ真実を含ませています。「今すぐどうこうなるものではない」すぐに悪くなったりするものじゃないから、という意味でたんぽぽに話すのですが、違うのですね。今すぐよくなるようなものじゃないから。そういう意味なのですねせんせい・・・・医者が言ってるから信じろというのも、あまりに痛々しいお言葉です。
ここでせんせいから、たんぽぽを気遣うためのさらなる嘘が重ねられますが、それは割愛させていただきますっ。
何でも話すと言いながら、何も本当のことを話していない直江せんせいです。たんぽぽ、敬語を省略しやがったなてめえ!というのもちょっとスルーさせていただきます。
・・・たんぽぽシーンを省略すると、最終回はちょっときついんですけどね。

次は、三樹子薔薇とパパのシーン。相変わらず、ずっとつきっきりの院長パパなのに、娘ったら口を開く度に「あの人・・・」と、直江せんせいのことばかり。お嬢さんわかりますわその気持ち。そしてパパ、わかりますわその気持ち。辛い親子です。片や、溺愛する娘はよその(しかも自分のとこの従業員と付き合っている)男に片思いしてると気付いてるパパ、片や、愛する男はにっくき看護婦が完全に奪い去ったと知りながら、そうなって初めて自分の真実の愛に気付いてしまった娘。
重体の身で、もっと重体な愛する人のことを考えるお嬢さん三樹子薔薇。その娘の様子に、甘やかしながらも本当の姿を見てやれていなかったと詫びる父。更に重ねて、心配をかけることを謝る娘。美しいです。

たんぽぽは、大たんぽぽ@たんぽぽの母に、直江せんせいと北海道に行くと告げた模様。もちろん・・・・もちろんOAでは見てたんですけど・・・早送り決定っ!
そして、直江せんせいも、院長に休暇の許可をもらっていました。相変わらず、上に媚びない直江せんせい、おすましさんでソファに座っていますが、実は院長、全て知っているのですよ。せんせいも、知られていることを知っているのですねたぶん。
「身体を休めたいだけ」というせんせいに、しばらく仕事を忘れて、と労う院長。けれど、「父親として」娘に会っていってやってほしい、と院長は頼むんですね。これは・・・・!会っていってやって、とは。会ってやってほしい、ではなく、会っていってやってほしい。これはねぇ、とても含みのある表現ですね。つまり院長は、せんせいの休暇が何らかの意味を持っていると、そう感じているということなのですよね。この休暇を境に、何かが、と思っているんですよね。そうでなくても、院長は、直江せんせいの罹っている病気とその経緯を知っているのですから。少なくとも一つ一つの休暇、一日の過ごし方がせんせいにとってどれだけ重みを持っているかを、十分知っているのですが、でも「会っていってやってほしい」というのはあまりに意味が深いです、院長。

小橋君は、直江せんせいにフロノスを届けに来たMRを屋上に呼び出し、もうフロノスを届ける必要は無いと言います。薬剤部から、経口のモルヒネを調達している、もう、治療はしない、激痛を抑えているだけの彼だからと。小橋くんがそれを知っているということは、院長も知っているということ。つまり、直江せんせいの休暇の意味を、院長も知っていてそれでああいう台詞を吐いているということなのですよね。つまり・・・・君が自分をどうするつもりなのかは聞かないが、せめてその前に娘と話してやってほしいと、そういうことなのですね。
いち早く、直江せんせいをめぐる女の争いから抜けてしまった感のあるMRですが、やはり、せんせいのような素晴らしい男性と関わりを持った女。そして、医薬業界に身を置く女として、現代の医療の限界を深く悔しがっています。それは、小橋君が先週直江せんせいにぶつけた気持ちと同じ。

たんぽぽは、どうやらまた、高木看護婦に自慢やらのろけやらをかましている様子ですが、ここは早送りさせていただきました。
その頃、のんきなたんぽぽとは裏腹に、せんせいは、不調をおして勤務に励んでいらっしゃいました。そこに小橋くんが現れます。どうやらアポがあったらしく、せんせいは早速、休暇の間の(涙)引継をしようとしますが、小橋君激怒して止めます。激情です!彼は常に、自分の気持ちよりも周りの気持ちに反応してしまう男。今彼がこれほどに激昂しているのは、たんぽぽのことを心配しているからなんですね。小橋くん、直江せんせいに休養と治療とを与えようという思いは受け入れられなかったため、それはもう諦めていますが、じゃあ、残された彼女はどうなるんだと、今度はたんぽぽの気持ちになっています。最後が近いと(涙)わかっていればそのつもりでそのときを迎えることができるのに、と。小橋くんは、人のことにこれほど一生懸命になれるのですね。彼は、感情ではなく、理性で激昂してるんです。頭で考えて「なんて可哀想なたんぽぽ」と思うことで、たんぽぽの身になって怒れるんです。これはすごい資質だと思う。小橋くん、すごい。結果としてそれが感情的になってしまうけれど、飽くまで彼の怒りは理性的なのですよ。
それに対して、直江せんせいはもっと凄い。小橋くんの怒りの内容も、その原因も、そして今自分のことを考えて泣いてまで忠告してくれることも全部わかっているのに、それに流されず、言うのです「ありがとうございます」と。
小橋くんは、直江せんせいのことを、「あなた」と呼んでいたのに、先週、部屋を訪ねたときから「君」に変わっています。特に、「友人として」喋るとき、君、と呼びます。なのに直江せんせいは何にも変わらないんです。あなたから君になったのに、依然として「ありがとうございます」なんですよ!
たぶん、直江せんせいは、この数週間(たぶん、1カ月も無いでしょう)でたんぽぽ以外の直江の身近な人たちが次々とせんせいがひた隠しに敷いていた真実を知っていく過程や、それによって生じる動揺とか怒りとか色々な感情のことを、発病以来ずっと、考えてきたに違いありません。きっとそのほかに、札幌にいるご家族のこととか、長野の七瀬先生のこととかもシミュレーションしてきたでしょう。小橋くんはこんなに狼狽えているけれど、そのさままで、たぶんせんせいには、予想されていたことだったと思います。せんせいには、誰にも言わなかったこの闘病の期間に、十分過ぎるほど、考える時間があったと思うんです。悩み抜き、考え抜き、苦しみ抜き。そして出した結論を、周囲が知ったときには反対される、貫けないということも予測していた筈。だから、小橋くんの思いへのせんせいの冷静な謝辞は、せんせいがいつか来る日のために用意していた「台詞」の一端なのではないでしょうか。
じゃなければ、本当はスポーツを愛する熱い男(なのだと思う)直江庸介が、確実に自分からも友情を感じている男にこれだけの誠意と熱意を示されたら、泣かないわけがないからです。
せんせいは、ご自分の考えた「最後のありかた」を貫くために、そしてそのときに無様な姿を晒さないために、この日のことを用意していたんですよ。
残念でしょうね、その友情に応えられないことは。本当は、熱い男同士、誠実で熱意ある医師同志として、とことん、医療の現在と未来を語り合い論じ合い、共に手を携えて、行田院長の言葉では無いが、二人で頑張っていきたいに違いないのですもの。
せんせい〜〜!辛いですあたし!
世界一の我が儘男、直江庸介は、最後までたんぽぽに自分の病気のことを教えるつもりは無いのです。その理由、超勝手!滅茶苦茶我が儘!「自分の前で愛する人から笑顔が消えるのがいちばん怖い」から。
これほど我が儘な、自分勝手な理由があるでしょうか。彼女なら大丈夫とせんせいは言うのです。そんな身勝手な信頼ってあるでしょうか。
まぁ確かにたんぽぽならば、全てを受け入れやがて吸い込んでしまうのでしょう。どんな場所にも花を咲かせることの出来るたんぽぽであれば。

院長との約束通り、直江せんせいは三樹子薔薇の特別病室を訪ねました。かつて大人の恋愛を展開していた二人の間には敬語は無く。こんなときでもせんせいの白衣は愛らしいAラインなのですがそれは見逃してあげます。
三樹子薔薇、掴んでも掴みきれなかった直江せんせいの実像がどこにあったのかわかったと言います。三樹子にしてみても、身体を動かすことが出来ない今の状態で、これまでのこと(特に直江せんせいとのこと)を深く深く、考えて考えていたはず。自分と確かに付き合っていた筈の直江せんせいが、他の女じゃなくて(もちろんたんぽぽでもなく)せんせい自身のこういう状況を見つめていたのだと、気付いたのです。
せんせいから「済まなかった」と告げられた三樹子薔薇は、幸せを少しでも感じることが出来たでしょうか。微笑んでくれてよかったわ、三樹子ちゃん。怖くて自分を抱いたと三樹子は言いました。それは本当かもしれないけど、言い過ぎですたぶん。いくらせんせいでも、何も感じない人を抱いたりは出来ない筈。いや、原作のせんせいならわからないけれど、TV版直江せんせいは、何かの仲間意識みたいなものくらいは持っていたと思うし、三樹子の女性としての魅力もあったのだという話だと思う。自信を持て三樹子!あたしは応援してる!せんせいも何か言いたかったと思う。たんぽぽの存在があって言えないことはあったと思う。三樹子、あたしはそれを信じる!

無力を痛感する小橋くんのもとに、たんぽぽが。小橋くんは非常に辛いです。あれほど、君の立場に立って直江せんせいに助言したけどかなわなかったよ。せめていい旅にしておいで、と送り出す小橋くん。以前の小橋くんなら、ここで本当のことを言ってしまいたくなっていただろうし、今もほら、葛藤が見えますね・・・可哀想な打ちひしがれた小橋くん。こんな言い方は嫌だけど、彼は直江せんせいのことを乗り越えてもの凄く成長する(した)んでしょう。いい医者になるのでしょうね。がんばれ小橋くん。

直江せんせいと主要登場人物との、お別れが次々と語られていきます(涙)。
ごめんね最後まで名前を出してあげないで、MRちゃん。フロノスの承認がおりそうであることと、研究開発部に異動になったことを告げます。こちらは三樹子よりは痛手が少ない、かつての情事の相手という感じで、だけどその言葉にはさまざまな思いがあるのですね。このエスカレーターの上の直江せんせいの横顔が激烈美人です!
ありがとう、と頭を下げられては、もうすがることも出来ないし、自分はそんな関係じゃないと、彼女も知っているのでしょう。ところでMR、院長との関係はどうなったのでしょう。研究開発部であれば、外勤は無いだろうし、キチンとそっちも清算したのでしょうね。第二の人生、がんばれMR。

行田病院には、大たんぽぽ@たんぽぽの母が。運良くそこに直江せんせいが、勤務を終えて(涙)出ていらっしゃいました。さすがにあのクールビューティ直江庸介も、あちこち引っ張り回してるというか外泊させまくってるというかそういう女の親ですから、愛らしい微笑みでご挨拶します。せんせいは早く帰って準備もされたいでしょうけれど、大たんぽぽに付き合って喫茶店へ。ここは、たんぽぽの歓迎会(直江せんせいったら呼ばれてもいなかった!)をやったときに待ち合わせに使い、せんせいの態度にたんぽぽが激怒した思い出の店ですね。
子供みたい、と大たんぽぽが言うのへ「看護婦としても、一人の女性としてもしっかりした人」と大絶賛の直江せんせい。誉め過ぎじゃ!あたし思わず「してねぇよ」と呟いてしまいました。せんせい、笑いすぎです。支笏湖が好きな場所だから、たんぽぽを連れていきたいとせんせいは言いました。でも・・・!支笏湖を旅先に選んだ理由は他に・・・あぁ!せんせい!せんせいは自らついた嘘の中に、入りすぎですー!せんせい!
だって、せんせいは!

自宅に戻り、旅立つ(涙)準備をしているとき、あんなに激痛に耐えていらっしゃるのですもの!嘘の中に、入らざるを得ないじゃないですかーっ!(涙)
モルヒネを傍らに置いて、最後の(涙)カルテをまとめる直江せんせい。日本語で、恐ろしいことが。「骨破壊進行」・・・!さっき、MRとの会話を終えたとき、あの短いエスカレーターを使って降りていったことが思い出されます。きっともう、階段は辛いのです、せんせいにとって(涙)。
せんせい!あたしは今、腹痛に耐え、整腸剤を傍らに置いてこのレポを書いてますー!
そこに、電話が。友達づきあいなんてものをわけあってしていないせんせいにとって、電話はたんぽぽくらいしかかかってきません。
案の定それはたんぽぽからで。具合が悪いのを悟られるわけにはいかないせんせいは、脂汗を浮かべながら世間話をしてあげました。まったくたんぽぽと大たんぽぽは似ています。さすが親子。たんぽぽの波状攻撃!せんせいは、まだモルヒネが効いてこなくて、腰を押さえ、痛みをやり過ごしながら会話してらっしゃるのです・・・・
電話の最後で、たんぽぽ、ちょっと今までとは違う顔をしました。これが、あの話への伏線なのでしょうか(怒)
せんせいは、自分の病状について克明に記した(七瀬先生に誉めてもらった)データのまとめと箱詰めをしていました。まとめといっても、たぶん、その記録をいつまでつけられるか、どの時点までのデータを取れるかは未定であったために、「まとめ」のようなことは書いていないと思われます。たぶんそれは、七瀬せんせいのもとに送られ、そこで、愛弟子の体を張った実データをもとに、先生または門下の研究者が、報告を作るのでしょうね。30代男性の被験者、とでも呼ばれるのでしょうか。それとも、その功績はどこかに名前として残るのでしょうか。たぶん・・・・せんせいは、名前が残ることを良しとはしないでしょう。もしかすると、七瀬先生が訪ねて来られたとき、そんな話もしたかもしれませんね。共同研究者として名を入れて良いかどうかと。せんせいはきっとそれを拒んだことでしょう。(涙)私の希望としては、せんせいの記録をまとめた論文が出来るとき、協力者として、せんせいの名前がどこかに残ってほしいです・・・

せんせいとたんぽぽは、支笏湖に来ました。・・・ドラマ開始直後だったでしょうか、最北の不凍湖として知られる支笏湖が全面凍結したというニュースがあったのは。それ以来、原作を読んだ皆さん、直江せんせいのベッドの上にかかった写真がどこであるかを知っている皆さんの間で、話題になっていましたね。結局支笏湖が青い水を湖面に見せてくれることはなく、ロケは洞爺湖で行われたそうです・・・・。直江せんせい、じゃなくて中居さんは、このロケの次の日がロタ島でのマラソンだったのですよね。寒くて小指くらいになったとか、今腹が出てるから上から見えなくて探したとか、ロタで元の大きさに戻ったとか、さんざん好き放題、ラジオで言っていたのを真っ先に思い出してはいけませんあたしったら。
とにかくたんぽぽははしゃいでいます。せんせいは・・・せんせいは確か、もう歩くのもお辛かった筈。雪に足を取られて、尚更大変でしょうね(涙)。
たんぽぽは、歩いてきた湖畔こそが、せんせいのお部屋にあった写真の、と気付きます。スタッフ大変だったでしょうね少しでも似た場所を探すのは!あんなに象徴的に扱ってきた支笏湖なのに。せんせいが、北海道でいちばんお好きな場所だと言うのに。
支笏湖の底には、枯れた木立が沈んでいるという話をするせんせい。近づきがたいけれど近づけば暖かく包んでくれるのはせんせいに似ているというたんぽぽ。それに対して、せんせいは、守られているのは湖のほうだと。確か、名詞に性別がある(中性ってのもあるのよね)ドイツ語では、海と湖は同じ単語で、女性名詞として扱うか男性名詞にするかでどっちのことを言ってるかを使い分けるんですよね。女性だと海で、男性だと湖。
たんぽぽとせんせい、カットによって雪被ってたり日が射してたりと、結構ツナガリが大変そうですね。(笑)

場面変わって、これはホテルか、コテージみたいなもん?暖炉のあるお部屋です。直江せんせい、たんぽぽとは別の日に帰ることを、本人に言っていなかったのです。「じゃあ、東京で」と言われて急に何かこみ上げた直江せんせい、たんぽぽを抱きしめ「僕はいつでも君と一緒にいる。君の側にいるから」と。言われたたんぽぽ、素直に嬉しそうです。
ということは、たんぽぽはやっぱり、せんせいの病状の深刻さに、気付いてはいないということ?!ねぇ?気付いていないの?腰椎を痛めたからと薬を飲むのを「ああそうなのね」と信じ切っていたということ?
ああよくわからないわ!たんぽぽ!

次のシーンは問題の箇所ですね。朝日が昇るのを、部屋の中で毛布にくるまって見ているという・・・・!
強烈です!せんせいそれはどうでしょう!というか、なんで台詞じゃなくてたんぽぽの心の中のナレーションなんですかーっ!あくまでこーいうちょっとえっちぃな匂いのするシーンは生々しくしないために、台詞をつけたりしないんですかーっ!せんせい!教えて下さい!
あぁ、前髪をおろした愛らしい直江せんせいの初の肩出しなのに。初めて鎖骨がお目見えしたというのに。最終回だというのに。せんせいのリアルタイムのお姿は、・・・・最後・・・・だと言うのに!なのにこんなに愉快でいいのでしょうかーっ!
せんせい、ギコチナイにもほどがありますっ!なんで女より愛らしいんですかーっ!暖炉の前でも、相変わらず女の肩に腕を回してらっしゃいましたけどっ!せんせい、どうしてそんなにも、愛らしくいらっしゃるのですか・・・・(涙)・・・・(涙)・・・・
なんで、ほんの少しエコーをかけたたんぽぽの内面の声なんて入れるんだろう。私がもし演出家だったら、もっと可愛くてもっとせんせいが綺麗でもっと切ない画を撮ってあげるのに!(偉そう)
ああもうおかしすぎる!なんなんだ!

そして北海道のロケシーンは終わります。次はもう、東京にいるたんぽぽです。
たんぽぽが病院の廊下で外を見ている頃、せんせいは湖畔の船着き場にいらっしゃいました。手には、例のガラスの破片を持っています。
たんぽぽは高木看護婦に冷やかされているシーンなのでここもすっとばさせていただきます。
いつもと変わりない行田病院のナースステーション。そこに一本の電話が。札幌の直江と名乗る女性が、せんせいの死を告げました・・・・

たんぽぽが意識を取り戻すと、小橋くんが付き添っていました。夢だ、嘘だと思いこもうとするたんぽぽですが、切迫した声の大たんぽぽが駆けつけるに至って、否応なくそれが本当だとわからされます。
悔しいでしょうねたんぽぽ。なんで自分から命を絶つのかなんてわかってなくて。ここでも、もしかして自分が悪いのかとは思わず、私では助けにならなかったのかと自分を中心においた考え方をしているたんぽぽ。取り乱してはいるけれど、ある意味とても冷静だと思う。ちゃんと考えられてるもの。さすが、この女ならと直江せんせいが選んだだけのことはあるわ!だてにたんぽぽは名乗ってないね。(私が呼んでるだけだが、あまりに言い得て妙とはこのことかと自画自賛)
朝。寝かされていた病室にたんぽぽの姿は無く、窓が開いててカーテンがひらひら、ということはたんぽぽ、窓から抜け出したということか?!

たんぽぽは、せんせいと偶然出会うことが多かった河原にいました。
そして、せんせいのマンションへ。主のいなくなった部屋で、観葉植物は枯れていました。
支笏湖の写真を見て、この中にせんせいが、とたんぽぽ顔をゆがめて。それを手に取るので、投げ飛ばすのかと思いましたが違いましたね。
窓際に外を向いて置かれた白いソファの上に、それはありました。石倉氏の遺品のハーモニカと、封筒。
「志村倫子様」と書かれたそれは、まさに「書き置き」ではないですか!そこに入っていたのは、手紙ではなく、ビデオテープでした・・・・・
それを再生するたんぽぽ。あたし・・・あたしだったら、カムコーダーをデッキに接続してTVに映して、なんてことをこの動揺したときに出来るでしょうか。さすがたんぽぽ、直江せんせいが選んだ女だけあって、沈着冷静に接続を行い、テープを再生できたようです。
「どうしても、自分の口から出る言葉で、君に伝えたかった。今の君にとって、僕の姿を見ることが辛いことだとわかっていても、君に伝えたかった。僕は、多発性骨髄腫、それも末期だ。もう助からない。もうじき、歩くことも出来なくなる。君と出会った頃の僕は、?(不明です、何と言っているのでしょう)の海の中でもうだれも愛さないと決めていた。でも、君と会ってしまった。いや、君に会うことが出来た。君は綺麗な目をして、暗闇の中にいた僕には眩しかった。僕は最初から、そのときが来たら消えようと、滅んでいく身体を水の底に深く沈め、綺麗に消えようと決めていた。でも、それでも怖かった。迫ってくる死が怖かった。怖くて、自棄にもなった。そんな僕を、君が包んでくれた。そして、救ってくれた。僕の我が儘だったんだ。最後の最後まで、君に側にいてほしかったこと。君一人を残して、自ら死んでいくこと。すべて、僕の我が儘だった。僕は、この病気のことをよく知っている。自分に残された時間のことも、よくわかっていた。だから、自分の意思で、納得して、死のうと思った。君と出会い、心から本当によかったと思えたから。君のお母さんに会って、君もいつか、こんな素敵な母親になるんだろうなって、いつか君が、愛する人の子供を産んだとき、僕は、笑顔で、祝福を贈りたい。そろそろ出かけないと。君が待っている。君の笑顔が、倫子の笑顔が、大好きだ。だから、泣かないで。愛してる。」
せんせいの言葉を全部、書き取ってみました。せんせいは最後の最後まで、我が儘を貫いて、自らの死の形を整えて、湖の底に行かれたのです。
せんせいがこの録画を残したとき。きっと・・・・「いつか君が愛する人の子供を産んだとき」その相手を自分とは思っていなかったと思うんです。原作の直江先生は、死んでいく身だけれどあとに残るものが欲しいと思っていて、恋人の倫子だけでなく、他の女性とも刹那的な関係を持って、「どこかに残れば。倫子なら産んでくれる」と思っていたんですよね、これは本人が遺書に残していることだから確かなのです。でも、TVの直江せんせいは・・・。かれはたぶん、倫子のお腹に、ということは、予想していなかった筈。そりゃあ、医者と看護婦のカップルが、知りませんでした迂闊でしたでは済まないけれど、でも、結果として次の命が、というのは予想の範囲外だったと思います。だから、ビデオの直江せんせいが、いつか君が、と言った後に、笑顔で祝福する、と言ったのは、将来の、母になるときのたんぽぽと、たんぽぽの子供の父親になる人に向かっての、祝福だったと思うんです。・・・・違うかな。あたしは、そうだと思う。じゃないと、許せない。
最終回を見た当時、あたしの中ではあれやこれやのことがまだまだ葛藤していて消化し切れていなくて(今でもしてないけど)、あの高潔な直江せんせいが、自ら命を絶つ我が儘にして美しい道を選び取ったあの方が、病気のことを知らせない上に、自分の子を残していこうと願って敢えてそうしていたとは思いたくないんですよっ!(怒)はっきり申し上げまして、あたしは、せんせいの意図がどこにあろうと、どういう演出方針であろうと、たんぽぽのお腹にせんせいの子が、という状況には、今もって納得しておりません!最終回見た翌日なんか、仕事中に何回「違〜う!」と拳を握り机を叩いたか知れません。許せない!と。本当に、怒りの矛先が見つからず納得のいく答えが得られず、悶々と過ごしておりました。今でも、このレポを書くために最終回を通して見てみると、その感はまだ、あたしの気持ちの中に存在していて、辛いです。たんぽぽが涙鼻水ぐっちゃぐちゃになりながら、「せんせいの赤ちゃんが」と言うくだりは、申し訳ないが早送りさせていただきました。そして、怒りおさまらずにビデオを一旦止めてこのあたりを書いているというわけです。
たぶんこの怒りの半分くらいは、昨年の秋以来整理できていない問題と無縁ではありません。それはホント、たんぽぽにも直江せんせいにも、白い影のスタッフの皆様にも申し訳ないと思う。
でも、残り半分は、やっぱり冷静に考えても納得出来ないんです。
偶然宿った小さな命、なんて言えない。だって、医者と看護婦ですもの。だったら意図的、故意というか、「そうなったらなったときの」と劇中の二人が思っていたとするならば、もっと嫌。せんせいは、あのビデオ、今までの言動から、絶対「出来たら出来たときのことで」とは思っていなかったと思う。自分に残された時間まで厳しく見つめていた人がそんなふうには思わない。じゃあたんぽぽに責任が?これはわからないです。たんぽぽはホント申し訳ないんですが、あたしには理解不可能な人物設定で。

最終回を見終わって、このレポを書くまでに3カ月ありました。その間、一回も見返すことが無かったんですが、気持ちは変わっていませんでした。今も尚、頭ではわかるような気もするけど感覚としてわからないのが、どうして三樹子薔薇お嬢さんじゃダメでたんぽぽはよかったのかということで。私には、周りが(登場人物と、制作者が(笑))こぞって、たんぽぽを推し進めているような気がしてならないのです。それくらい、不自然に思えて・・・・苦笑。
直江せんせい、どうしてたんぽぽなのですか・・・・・
頭の片隅くらいでは「たぶんこうなんだろうな」とは思います。それは、直江せんせいのビデオレターがあったから。だから、せんせいがどう思っているかがわかったんです。でも、最終回直前までのドラマの中から、その理由を探すのは難しかった。

私、さっき勢い余って、データは七瀬先生に送るのではとか書きましたが、なんと、せんせいの魂のデータは、小橋くんに遺されていたのですね!(涙)
せんせい・・・・そして、小橋くん!
小橋くんはきっと、直江せんせいに会ってから今日まで、振り回され悩まされ胸の潰れる思いをして「医学とは、治療とは」ということを考えさせられたことについて、報われた思いがしていると、そんな気がします。爽やかなお顔をしてますね、小橋くん。「あなた」から「君」に呼称を変えたその人も、自分に友情を感じてくれていたのだと、嬉しいと思う。そして、その思いに全力で応えるために出した結論が、データを持って大学病院に戻り、勉強し直して、「行田病院に」血液内科を作るというもの。そりゃもう、行田院長も感無量でしょう・・・。とんだ問題児だと思っていた人が実は立派な医者の中の医者で、惜しまれてならないところに、優秀で誠意のある小橋くんまでいっときは失うことになる行田病院だけれど、それを認める度量が院長にあったこと、あたしも嬉しいですわ。三樹子薔薇お嬢さんのパパがそういう人だったこと、お嬢さんのためにも嬉しかったりするあたしはすっかり三樹子応援派。

ここでもう一つ笑っていいかな・・・・あの・・・・たんぽぽの髪型!あの!えっと!なんで急にアップに?母になるから?大人っぽく?それとも前作の山本陽子でしたっけ、あれをしのんでか?え、ここは笑うところじゃ・・・・無いんですか・・・・
えぇ?でも・・・・だって・・・・もごもご・・・・
お嬢さんとたんぽぽの間はすっかり和んだものに。それはいいのか。お嬢さんが無駄な意地悪とかをしないのはお嬢さんが成長したってことだけど、たんぽぽのその態度はどうなんだろう?なんか、偉そうじゃないですか?・・・母になるから?・・・・え、違う?
ああダメだなあたし!直江せんせいが出てこない白い影のレポなんて!暴言吐きまくりじゃないか!あたしってダメね!もっと寛容にならないと!たんぽぽを許した三樹子のように。三樹子を受け入れたたんぽぽのように。
・・・・ダメ。出来ない。
だって・・・・まだ傷も癒えないお嬢さんに、たんぽぽの身体を気遣えなんてーっ!そんなこと、あたしには言えないー!
やっぱり、ダメー!

ところで、逗子ってのはこのドラマでは最果ての地のように言われてますね。あたしんちより東京に近いし、逗子から東京に通勤してる人なんて数十万人いると思うが!なんでそんな、決意のいる場所なんだろうか。

そしてたんぽぽは、春の花が不自然に咲き乱れる河原を横目に、船に乗ります。船に横たわると川の音が近く聞こえるとせんせいがいったから。いいのでしょうか、妊婦がまだ春浅い川でボートに乗るだけでなく、横たわって流されるなんて。・・・いいんですね、たんぽぽだから。
すべてはたんぽぽだから、いいのですね!
とく、とく、とく・・・・直江せんせいが、まだ生きている自分のあかしを求めて聞き入った音を、たんぽぽは、これから生きていく自分のあかしとして、聞くのですね。二人分生きていくことのあかしとして。


せんせいが沈んでいった湖の畔でたたずみ微笑む二人の映像を流し、そして、最後の主題歌が流れます。タイトルバックの映像の意味が、すべて明らかに。水の中の映像。せんせいは沈んだままなのに、たんぽぽは、その水の中から、自らの力で浮かび上がるのですよね。せんせいが放った鳥は、たくさん飛んでいく。それは、せんせいがこの世に遺したことの象徴なのかもしれません。せんせい自身は、身体を沈めることで心を空へと飛ばしていった。そして、せんせいの医学への思いであるとか、愛した人々であるとか、そういったものは、せんせいはいなくなってもずっと生き続けるのですね。

あたしにとっては、たんぽぽの中に残ったせんせいの遺児よりも、小橋くんが遺志を継いだ、MM治療への道と血液内科の進歩のほうが、大きいような気がします。たんぽぽが継いだのはプライベートな部分で、自分一人で死んでいこうと決めていたせんせいが偶然出会ってしまった最後の女として、偶然授かったせんせいの命を、というもの。でも、小橋くんが引き継いでいるのは、せんせいが自分をたおれさせた病に対抗したせんせいの生の証そのものじゃないですか。
たぶん研究は一朝一夕には成らなくて、そのかん、行田病院では代替わりがあるかもしれない。きっと三樹子はパパの後を継いで病院経営をするようになるでしょうし、もしかしたら、パパが望むとおりに、最終的には、小橋くんを婿に迎えて、二人で共に歩むのかもしれない。そんな未来をほんの少し予感させているとは思えませんか。



第1話の戸惑いのレポから5カ月。最終回が終わってから、もう3カ月になりました。
最初のほうは、見終わったときに思い出しながらツボだけを書くという感じだったのに、だんだんドラマに、というか直江せんせいにはまっていって、ビデオを巻き戻してはツボ確認して書き殴り叫び涙し、どんどん、どんどん長くなっていきました。(笑)それと反比例して、たんぽぽキャラの矛盾点には遠慮なく突っ込ませていただきましたが、たんぽぽファンにはお腹立ちの点も多々あったかと思います。それは私の感じたまま、ということで、ご容赦いただければと思います。
中居さんは、ほんと素晴らしかった。美しく切なく、やるせなく。エロ度は演出の意向もあって抑えられていたとは言え、大人の男性、職業に誇りを持ち命の意味を常に考える難しいキャラクターを演じきってくれましたね。
たぶん中居さんの中で、どうしようもなかったとは言え、自ら命を絶つという終わり方を納得するために、葛藤があったと思う。中居さんは、自殺(せんせいの死をそう捉えることに異論があるかもしれないけど、結局自殺ではある)を絶対しちゃいけないことと思っているし、そういう死を選ぶ主人公を、自分のような影響力のあるタレントが美しく演じることに戸惑いとか悩みはあったでしょう。そして、その苦しんだ結果が、あの最終回と、直後のいいとも、家族会議、サムガ・・・・そういうものだったと。あの最終回はね、そういった後続の番組とセットで見て初めて、「中居正広が演じた直江庸介、白い影」が完成すると思うのね。いいともに、たぶんドラマのスタッフと話し合って許可を得て、まったく同じ扮装で現れて、「自殺なんて、してませーん。生きてまーす」とおちゃらけてみせたこととか、家族会議の中で自殺を取り上げたこととか。それも含めての、最終回だったんでしょう。
それが、中居正広が演じる直江庸介、のこだわりなんじゃないかなぁ。
よくいろんな番組で、監督の言うままに演技している、と中居さんは言ってた。確かに、伏線ありありで演出も複数いて、原作もありで、あながち嘘でもなかったんだろうと思う。中居さんが演じてはいるけれど大きな一つの流れの中の演技でなくてはならなくて。そういう中で、中居さんが「考えて」いたのは、案外、この「自殺とは」ということがいちばん大きかったんじゃないかなぁと、今思います。
それにしても、直江せんせい、すごい存在感ですね。
終わった途端に髪型を変え、お茶目路線にぐあーっと持っていったのも、納得できますね。あれじゃあ、見る方も中居さんも、引きずっちゃいますもの。
せんせいは・・・・ほんと、美しかったです。なんど叫んだことでしょう。中居さんの持つある種中性的な色気みたいなものが、新しい、直江庸介像と美しく調和していましたね。
ドラマの流れとしては滅茶苦茶突っ込みたくなるところ多々あり、涙ボロボロ流しながら見るような素直な視聴者にはなれず、とても残念です。そういう見方が出来る人が羨ましいです。でも、あたしはあたし。あたしが見るようにしか、見られませんもの。仕方ないわ。
この、何百キロバイトだかに及ぶ文字の羅列が、あたしの感じた白い影であり、直江庸介です。
もしかしたら、少し時間をおくと、特にたんぽぽのこととか、少し違った見方が出来るかも知れない。でも、基本は変わらないと思う。楽しみですね、何年後とかに続けて一気に見たいな。その前に、DVD買いますし、何度も見直すのかもしれませんが。中居さんは日々進化していて新しい彼を出してくるので、リピートはそうそう何度もできないかもしれませんね。
あ、最終的なお約束どおり、DVD発売前に終わることが出来て、ほんと、よかったです。
何ヶ月経っても、意地で終わらせようと思ってましたので、どうやら最後まで書き上げることが出来そうで、嬉しいです。ドラマそのものより、自分が一つのレポをちゃんと最後まで仕上げられたことのほうが感動するー!(ひねくれ者)

もう、指が限界です。ミスタッチが多くなってきました。止まらないので、そろそろ筆を置きたいと思います。
へたれ暴言レポにおつきあい下さいまして、ありがとうございました。
また、はまれる楽しいドラマがあるようにお祈りして、これで終わります。





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