“白 い 影”


何をどう言ったらいいのかわからない混乱した中でお届けするこの先どう進むか方向のわからないレポ





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第6話(新聞に出ていたサブタイトルによると『愛がかなう日』)


そりゃもう大変だった。先週は母と見ていて、感情のもって行き場が無くて後悔していた筈だ。今日は・・・・一人で見てて、感情のもって行き場が無くて!!!!!!(笑)
なんだかもう、大変です。大変、大変・・・・!
直江せんせー・・・・・
未だかつて、男性が主役のドラマでこれほど主人公が美しく撮られていたものがあったでしょうか!(いや、無い!)
直江せんせーは、回を追うごとにますます美しく、本当に美しく、透けるように儚い美しさから、凄絶で壮麗で可憐で清楚で妖艶で強烈な美しさを放ちつつ、そのドラマの中で生き続けているのです・・・・・!私ってマジ?!マジでこんなこと言ってるのか?!・・・・たぶんあたしは本気。本気でこんな恐ろしいこと言ってるのです。
直江せんせーは、造作の美しさはもちろんのこと、置かれた状況、取る行動、移り変わる感情のすべてにおいて、美を具現しつつ、医療にすべてを捧げていらっしゃるのです。(涙)
今日のタイトルは、新聞によると「愛がかなう日」。愛って?!愛って何?!愛・・・・直江せんせいと愛・・・・あまりに切ないその関係。直江せんせいはたぶん、愛にあふれた人で・・・患者や恩師に対するとき、その瞳は限りなく優しくて、素直な可愛らしささえあって、そりゃもう、日溜まりのたんぽぽのような可憐な笑みをその美しい顔に載せるのです。たんぽぽ・・・・それはあなたのこと。日溜まりの、そこだけほっかりと暖かいような、黄色い可憐な花。丸い瞳がふわんと優しくゆるめられて、張りつめていた眼差しがきらきらと、金の粉をまぶしたみたいに揺れて、形のよい唇がうすーく開いて小さな白い歯が覗き、花が開くような笑みが顔に・・・・・
あたしはだいじょぶ?!ねぇ?あたしって大丈夫?!

今、終わって一時間経ったところ。目に浮かぶのは直江先生の青みがかった宝石のような瞳ばかり。うううう気持ち悪い!気持ち悪いくらいに、直江先生が脳裏から離れない!!!!
あたしはホントに大丈夫なのか?!

前回の終わり、直江せんせーは、ラッキー脳天気倫子を追い返します。倫子はさすがに打撃を受けたようだけれど、それ以上に直江先生は痛手を負っているのです。タバコをくゆらし、川面に視線を投げる直江先生のお顔は爽やかとは言い難いのです。さすがに、後味は悪いでしょう。
そのあと、薔薇と呼ばれる筈の女、三樹子が訪ねてきたときにも追い返します。
「愛しているから抱いていたわけじゃない」
きゃー!!!!すてきー!!!!!あーもう直江せんせー!!!
ワタクシ、ドラマの中の演技だとしても、中居正広の口からそのような台詞を聞くことが出来るとは、思いもしませんでした・・・・(涙)いや、このドラマの話を聞き、原作者の名前を聞いたときから、期待と不安の中で、エロエロ中居を待ち望んではいたのですけれど、所詮日曜劇場、家族そろって次の週への英気を養うこの楽しいドラマタイムにそんなエロなことがあるわけない、とも思って諦めつつありました。事実、直江せんせいは、初回に倫子と、その後機会あるごとに三樹子やMRと、キスシーンとかベッドあたりへ誘うであるとか、繰り返してはいるものの、押しつけるだけのキスとか手を引っ張って終わりとか、あんまりにあんまりなぶち切れ方で、欲求不満、いやいや、期待はずれなことが続いていたわけです。
今回、台詞だけとは言え、大人な感じのキーワードが出てきて、これは今後への期待はしていてもいいのか、かなり具体的な描写のある原作に少しでも近い華麗なシーンが出てくるんじゃないかとか、思ったり思わなかったり、そういう転換ポイントになるような・・・いや、単純に直江先生の今後のラブ生活が、美しく描かれれば私はそれでいいわけで・・・・あのつまり・・・・うーん、とにかく直江先生、素敵な台詞をありがとうございましたっ!
小橋医師との会食をさぼって直江邸に現れた薔薇こと三樹子。どうやら三樹子ママは三樹子を産んだあたりから病弱になったようで、そういう事情からママには負い目があるらしい三樹子薔薇ですが、だったらどうして、はるばる逗子からママがやってくるというのに、そのママを悲しませるようなことをするんでしょう・・・・・先週、泣きそうになりながらママに済まないと思う態度をした三樹子薔薇なのに・・・それほどにも直江先生への気持ちが強いということなんでしょうねぇ。それはわかりますわ!病弱とは言え気分が良くて逗子から来られるくらいのママだから心配はないですもの。だったら、真っ赤なコートを着て直江せんせいのもとに行きたいのね。キャラや立場の割にラッキーでしかも脳天気な看護婦の影を見て心配になっているのでしょうし・・・・
その三樹子薔薇に、直江先生はその台詞「愛しているから抱いていたわけじゃない」をかましたのですね!直江先生・・・・・直江先生のその台詞、嘘じゃないからよけいきついのですよね。嘘じゃない・・・・だって、直江先生の愛は、閉ざされているのですもの。長野の病院を出て以来、来る者拒まずで関係を持って来たけれど、そこには感情が無いことは、三樹子薔薇自身がいちばんよく知っていた筈。自分だって、直江せんせいのクールで人を寄せ付けない雰囲気や、どうがんばってもかなわない美貌に惹かれていただけの筈なのに。
こうして拒まれ、自分に対するのとは態度が違うっぽい女が出てくるのを見て、初めて自分の気持ちの変化を知ってしまったわけなのですね。
ラッキー脳天気倫子のことは、直江先生から彼女への態度が違うというよりは、倫子の直江先生への態度が、他の女がするのとは全然違うから気になるんだろうなぁ・・・・。クールで頭脳明晰行動機敏で無駄が無く氷の美貌に可憐な瞳の直江先生にふさわしい女になろうとすると、自分だってクールでいなくちゃ格好悪いし、綺麗にしていい服を着て、彼の家に行くときには隙のない女でいて、いつ強引に手を引っ張られてもいいように(ベッドへかどうかは、場面転換してしまうので不明!(笑))身だしなみお手入れ怠りなく、と気を使っているというのに、そんなに苦労し努力している三樹子薔薇なのに、倫子と来たら、普段とおんなじ格好でバイクなんかで乗り付けちゃって、大人であろうともせずに大声で自己主張したり大騒ぎしたり。三樹子薔薇の美意識にはとことん逆らっているし、もし自分が倫子に直江先生を取られてしまったら、自分自身の価値観というものが根底から覆されてしまうような、そんな足下がぐらつくような気分を味わわされて、かなり感じよくないことになっているんじゃないかしら三樹子薔薇は!
三樹子・・・・かわいそうに。あなたはヒロインじゃないからダメなの。
倫子は、いかに脳天気でラッキーで偶然の出会いだけに助けられてこの先直江先生とうまくいくかもしれないのは三樹子薔薇にとって不本意かも知れないけど、ヒロインだから仕方ないの。そう、倫子がもし直江先生とうまくいったとしたら、その理由はただ一つ・・・ヒロインだから。(笑)
直江先生と偶然の不自然な出会いを繰り返すのは、ヒロインだから。どんなに不自然なふくれっつらをしても、ヒロインだから。ヒロインは何をしてもOKなのです。こういった場合。倫子は勝つのです。ヒロインだから。

直江先生は、相変わらず、自分のレントゲン写真をじっと見ては、切ない表情を。
何十枚、百枚にも届こうかという青白いレントゲン写真が散る自室の床に、俯せに倒れ、ガラスのかけらに手が届かずますます切ない直江先生・・・・・結局捨てていない、そのガラスのかけら。

小橋医師はどうやら三樹子を断ろうとしているようす。きっと小橋医師流の考えがあってのことえでしょうけれど、三樹子はぼろぼろ。直江先生には振られ、キープしようとした小橋には軽く断られ。薔薇と呼ばれようとしたけれど、その棘で意地悪をしようとしたラッキー倫子にさえ、棘の威力が効かないような。
意地悪、してるのに!切り札出してるのに!直江先生に振られた言葉をそっくりそのまま引用してしか意地悪出来ない可哀想な三樹子薔薇。愛しているから抱いていたわけじゃない。・・・・そう言われたのに、彼に抱かれた、何度も、とその事実を伝えるしかできない可哀想な三樹子。(涙)いじらしいねぇ。惨めだねぇ。なんとかしてやりたいけど、ホント、三樹子はヒロインじゃないから無理なのねぇ。

院長はどうやら、直江先生のことも、後継者イコール三樹子の婿として検討候補に入れたらしい。どうも信用できないと思っていたけれど、素直でコントロールできると思っていた小橋医師に振られて面目丸つぶれの院長ですから、どうやら三樹子が好意を抱いているらしい直江先生がもし信頼できる人物なら、こっちに乗り換えようと言うのでしょうか。そこに婦長を持ってくるとは危険だな院長。その婦長は信用できるのか?!
直江先生は、院長が丁寧に頭を下げ礼を尽くす姿にも、クールに決めつつ仕事をこなしています。振り返ることすらせずに仕事の手を止めない、クールでかっこいい先生の姿。すてき・・・!

直江先生は、MRのことも切ろうとしてます!今まで、高価な薬の代償を「これで」とか言ってたかどうかはわからないけど身体で支払ってきたに違いない直江先生がいきなりそれをしなくなると言うのですから、MRもそれじゃ割が合わないと言うのですねぇ。高いリスクを背負ってきたのは直江先生との関係が目的だったと自ら認めたようなかっこうのMR。
直江先生・・・・クールな大人の関係を何人もの女性と結んできたように見えながら、別れ方は結構不器用で愛しいです。大人の関係のつもりなら、もっと大人で後腐れのないようにしないと。仕方ないのね、片や薬代がわり、片や院長の娘・・・・クールな大人の関係ではなく、理由あっての納得尽くの関係だったわけですものね、「切る」ためにはそれ相応の痛みが伴うということですね。
MR、手のひらを返したように仕返しに出る?若い准看護婦(たぶん)を使って、直江先生が口にした七瀬という外来患者のカルテを見ようとしてます。直江先生のことだから、カルテに不審を抱かせるようなことはしてないと思うけど・・・・だって、准看護婦が取り出せるようなカルテですもの、小橋医師に見られたり院長、婦長に見られる可能性だってあるのですもの、小細工は完璧だと思うんだけど・・・・でもその報復の顔は怖いですMR。

直江先生のもとには、恩師七瀬先生が。長野の病院を経営している人らしいです。行田病院院長が医療より経営に関心がある人物として描かれるのと対照的に、この七瀬先生は医療に専念してきた様子。直江先生ったら・・・・直江先生ったら、七瀬先生の顔を見たとたんに、破顔するのです。あぁそのうれしそうなお顔!直江先生がこんなにうれしそうなお顔をするとは思わなかった。そして、女すべてを切った自宅へと導き入れ、女の誰にも入れなかったコーヒーでもてなすのです。直江先生、その態度の違いが素敵!(笑)この差別が、好き。
七瀬先生は、直江先生の身体の秘密を知っているよう。新しい勤め先で、身体の状態を誰にも話さずに一人で戦っていることを知り、辛い顔を。その先生を見つめる直江先生の顔は、辛くもあり、安らいでもいるよう。直江先生は、やはり、誰かに支えられたいのですよね(涙)。

石倉氏に「目が優しい」と見抜かれてしまう直江先生。クールで何を考えているかわからないって言われているのに、わかってる人はちゃんとわかっているのです。小橋医師、ちょっとショックを受けた様子。暖かい先生、患者の立場に立った医師を自負していた小橋医師ですが、直江先生が優しいと言われてしまう。がんばるんだ小橋。ここでライバル意識を燃やしていては成長は無いぞ!直江先生についていくんだ小橋。

直江先生は、今までに見せたことのない(強いて言えば石倉氏には見せていたか)優しい、そして明るい表情をして、レントゲン写真と研究の成果を恩師に見せます。直江先生は・・・・同じレントゲン写真を見るのでも、倫子と三樹子薔薇を追い返した後に見ていたときと、なんという表情の違いでしょう・・・(涙)・・・・ちょっとお茶目な表情すら見せています!その可愛い微笑みは、端正なお顔になんと似合うことでしょう。濃いブルーのシャツと、仕事仕様のアップヘアであの愛らしい微笑み!こんな綺麗な教え子が、腕は確かだし素直に自分を慕ってくれるし教えてことをすべて吸収した上で立派な仕事をしている教え子が、自分の専門分野の病気に侵され、そのことすら研究材料にして医学の進歩のために尽くしている姿・・・・嬉しく誇らしく、そして耐えられないほど辛いものでしょう・・・(涙)七瀬先生、わかりますそのお気持ち!(涙)
今まで、なぜ直江先生が大量のレントゲン写真を撮りそれをストックしながら秘密裏に入手した治験薬を使い続けて来たのか、はっきりとは語られてこなかったけれど、ここではっきりと、直江先生は自分の病気を、医学のために実験材料として提供しつつ自分の生と向かい合っているということがはっきりしたのですね・・・・(涙)(涙)
直江先生・・・・・副作用・・・・副作用に耐えながら、データを取り続ける・・・・・うううう!!!泣くー!泣いてやるー!先生!あまりに偉大すぎます!直江先生!!!!!誰に誤解されようとも、寄ってくる女を蹴散らしては文句を言われても黙ったまま、(未来の)人の生のために自分の生を差し出している直江先生。けれど、生き方、終わり方も、探しているのですね・・・・なんて強いんでしょう直江先生・・・・!
自宅にかかってくる電話・・・・きっとそれは、女からのものだと、七瀬先生にもわかった筈。自分の使命と、自分の病気とだけ向かい合い、それ以外のことを拒んでいることが恩師にはわかったんですね。だから七瀬先生は、何かを振り切ろうと話を続ける直江先生の話を遮ってまで、長野に帰ろうと言う。でも直江先生は・・・・直江先生には、尊厳ある死に方を導くまで手を引くわけにはいかない患者や、その他のことがあって、ここを去って自分と自分の病気のために、安らかな生のために生きるわけにはいかない、のですね。きっぱりと、「医師でありたい」と述べる直江先生の表情の、なんとすっきりと美しいこと!男性である中居正広が演じる人に向かってどうかと思うけれど、そこにあるのは観音様のような、大きな母性すら感じる表情がとうとうと湛えられているんです。慈愛に満ちた表情。あきらめとは違う、何かを乗り越えた表情。
だけど直江先生は悟った訳じゃないんです。この顔が出来るのは、恩師七瀬先生という、心の支えを前にして素直でいられるから。厳しい現実、患者との真剣な対峙、つまらないことを言って追ってくる女(笑)を前にしては、こんなに安らかな決意は語れないのでは、と思うと泣けてきます。
直江先生に本当に必要なのは、自分に自ら課した義務を投げ出すことの出来ない直江先生に本当に必要なのは、心安らぐこと。そのためには、きっと、精神的に自分と釣り合うかどうかとかそういうことよりも、安らいだ気分をくれるかどうかということのほうが大切なのかもしれない。今までは、ベッド(かどうかはわかりません、カットされてるから(笑))に誘うことで心の透き間を埋めることがかろうじて出来ていたのかもしれないけど、それももう、特効薬というか回避策にはならないってことなのでしょうね。

ポケベルが鳴ったとき、直江先生は発作の最中で・・・注射の準備をしながら、辛い息の下で電話をする直江先生。その苦しい息を倫子がどう解釈したのかは不明です。わざわざ呼びつけられて聞かされた三樹子との関係を思っていたかもしれませんねぇ。
ここから先は、辛くて辛くてもう見返すのが辛すぎる、石倉氏容態急変のところ。病気の進行ではなく突発的な事故で死なせたりするのは絶対、あってはならない、死に方の問題として・・・。私、必死で対応する直江先生の瞳を見ていて、子供の頃に見たTV人形劇の辻村ジュサブローの人形を思い出しました。きりっと釣り上がった、大きな瞳。人形しかも女の人形の印象的な瞳にそっくりなのです。なんて綺麗な瞳。
石倉氏は一命を取り留め。直江先生は、洋服もそのままに、石倉氏の枕元に居続けるのです。真剣な表情の石倉氏に、今度は女神のような微笑みで応える直江先生。女神・・・私また彼を女性にたとえてしまいました。だって・・・・怖がる石倉氏を優しく抱きしめる直江先生は、本当に・・・本当に、女神のようです。微笑み・・・・小橋医師も倫子も、石倉氏と向き合うとき、辛そうな表情を抑えきれないのに対して、直江先生だけは、いつも、完璧な笑みを向けることができるんです。細い、女性よりも細いその腰を起こして、石倉氏を抱いてあげて、「大丈夫ですよ」と。あぁ直江先生は女神さまなのだわ・・・・!(涙)または、天使か!羽を見せない、傷ついた天使。
今夜のことで、小橋医師は、直江先生の医療のあり方に、また一つ感銘を受け、近づいたのですねぇ。
小橋医師に向ける直江先生の瞳は、この回でいちばん、美しく複雑な表情をしていました。医者の表情では無いと、そう指摘された直江先生の顔。なんて、なんて綺麗な。綺麗なんて言葉を使ってはいけないんじゃないかと思うほどに、綺麗な、その顔。小橋はちょっと直江先生をわかったようなつもりになっているけれど、まだ、直江の持っているいちばん辛いところを全く知らないのだから。少しは知っているはずのラッキー脳天気倫子は、全然わかっちゃいないへこたれなさで、ちょっとびっくり。

直江先生、長野に帰る七瀬先生を送りに行き、そば屋で食事を。このとき直江先生が着ていたのは、いつものコートとは違う、プライベート用のものなのでしょうかしら。合わせが比翼になってて、黒ではあるけれどちょっと可愛い。丈も短め!しかも、インナーはジップアップ!(笑)中居の好きな、と某TKが指摘していた、ジップアップでございます!あぁ、可愛い!このシーンの直江先生がどうしてこんなに可愛いのか最初は気付かなかったのですけど、あぁそうか!前髪が可愛いのよ!衣装も仕事の時と違ってジップアップ。そして、前髪が、謹慎中のイタイケ直江よりは大人っぽいものの、完全アップではなくて少しサイドでわけた感じにラフにしてあって、それがなんとも、せくしぃかわいいというか可愛いりりしいというか・・・・好き。(笑)

直江先生、普段行くような店とは違って、お運びをしてくれた店員に「すみません」とまで言うじゃないですかー!すてきー!しかも、笑顔爆発!愛らしい微笑みを浮かべているのです。横顔は天下一品の美しさだし!先生も鼻が高いですよね、美人で優秀で性格もいいこの医師が、自分の教え子・・・だけど、病に・・・・(涙)(涙)!!!
東京駅まで、直江先生は見送りに。頑なに今の自分の責任を全うしようとする直江先生(医者も病気になります(涙)との台詞!!!)の首根っこを押さえてでも連れて帰りたいと本音の暖かい言葉をかける恩師に泣きそうになっても涙を見せない直江先生。バスが出発し、そこには涙の流れた後が・・・・(涙)頭を下げて、ただ一人の恩師を見送るのです。深々と、頭を下げて。一人で抱え込むなという言葉を一人で抱え込んで、酒を飲み、ボートに乗る。
一人で抱え込むしかないじゃないですか。七瀬先生には長野に、病院と待っている患者がいて、自分は東京に、待っている患者と体を張った研究がある。心を許せるのは、恩師一人なのだから・・・・(涙)
そのやるせない気分のまま、途中で発作でも起きたものか、もっていたガラスの破片で手を血だらけにしながら、直江先生はボートの上、流されていきます・・・・・その姿はまるで、おとぎ話のお姫様のよう。直江先生は、囚われの姫。悪い魔女にではなく、病と、病を治す医者という職業とにとらわれて、それも自ら進んでとらわれて、漕がなければ下流へと流されていく運命のように、痛む身体を折り曲げて、手を血で汚しながらたゆとうて行くのです。
手を血で染めながらっていうのは、もしかすると、患者の身体にメスをあてがう外科医という立場をあらわしてでもいるのでしょうか(穿ちすぎ?)。外科医直江は、病に身を包んで、流れていって。一人で抱え込むなと言われても、こればかりは恩師の言葉に逆らわないではいられなくて、やるせなくて。ただ流れていって。
と思ったのですが、見直したら血は流れてませんでした。ガラスが紅かったのね。
流れる音楽はマーラーだけど、ボートでたゆとうお姫様のような直江先生は、ワーグナーの世界のよう。白鳥の引くボートでやってきた騎士ローエングリンはエルザ姫のもとにやってきたのだけれど、直江姫は、王子倫子のところに偶然流れ着いたのですね。

ラッキー脳天気大ラッキー倫子は、朝っぱらからタンポポ探しに協力してくれた子供たちのおかげでたんぽぽが大量に咲く土手に案内され、そこに流れてきたのが孤高の姫直江先生。
姫は、一人で抱え込むなという恩師の言葉を思いだし、自分に群がる可哀想または狡い女たちを思い描き、抱え込んだ苦しさを救ってはくれないだろうけれど慰めにはなるかもしれない女を発見したのでした。女は、苦しむ自分を見ているくせに全然理解している様子もなく自分の気持ちをぶつけてくるだけの自己中心的思考にとらわれた、しかも職場を共にする女だったけれど、今の囚われの姫直江先生にとっては、こういう、直江先生の気分に関係なく常に一本調子な女のほうが、時間を共有しうるのかもしれませんね。
・・・・倫子は、たぶん世間一般からいったらいちばん感情移入をされてしかるべき立場の女。いわば、ヒロインであります。意地悪されても、辛いことが起きても、ヒーローの愛を受けるのはヒロインの特権。見る人は、ヒロインこそヒーローと結ばれるべきと思って自然に応援し感情移入しヒロインの幸せをこそ願うのが普通でしょう。私も、倫子の立場は応援したいですし、感情移入もしたい。だけど・・・・!こんなに子供っぽくて状況のわかっていない、しかも外科の看護婦として決定的に何かが欠けている倫子が、優秀な外科医にして美貌の独身青年、自分の病を医学の進歩のために捧げる研究者にして心優しい末期患者の主治医との恋愛を全うできるのか、不安になるのです。
彼との恋愛は、三樹子が言うまでもなく大変なはずで。
直江先生がそれでも、差し出された倫子の手を取って岸に上がったのであれば、やっぱり倫子はヒロインであるのでしょうし、直江先生は、こうして抱きしめた女を、石倉氏に向ける女神のような眼差しに似て非なる愛を注いで日々を過ごしていくことになるのでしょうね・・・・(涙)・・・・なんか、納得できないものがありますが!
そういうあたしとは別のところで、「おおついに本命登場か!これで今まで封印されていた本格的な美しいらぶしーんが見られるように!」とか思ってしまうイケナイあたしもいるわけで!(笑)
いやー!複雑ー!
直江先生は、そう、岸に漕ぎ着け、そして、倫子の差し出した手をとって岸に上がるのです!(笑)逆だろー!逆ー!(笑)どーして女に手を取られて岸にあがるんだよ!だから姫とか言われちゃうんだ直江先生!(笑)
あぁ、お姫様は、へなちょこ王子が岸で待っていて、辛い自分の運命を共に歩んでくれるのはちょっと鈍感(いい意味です。)なくらいのこの男がいいのかもと思って手を与えるのです。
姫・・・いいのか姫、それで。(笑)
いいんでしょうきっと。直江先生が激しく美しいことに変わりはなく、差し出された手の上にそっと添えられた姫の手は、細く長い指が見とれるくらいに綺麗なのですから。
直江姫は、こうして、へなちょこ(ほめ言葉です、直江先生の心のオアシスはへなちょこがキーワードなのです)王子の背を抱きしめたのでした。

倫子が駆け寄ってくるまでのあいだ、朝日に照らされながらしばし逡巡する直江先生は、瞳を上げたときに決意をし、一度ならず拒んだ倫子を受け入れることにしたようです。・・・・なんか、「受け入れる」という感じ。どうして直江先生は、自ら選択した倫子との道なのに、「受け入れている」感が強いんでしょうね。不思議な人だ・・・・だから、大ラッキー倫子を抱きしめたときにも、肩のあたりに不安そうに腕を回してしまうし、直江先生の態度を「自分を受け入れてくれたんだ」と倫子が納得する前に自分から倫子の肩に顔を埋めようとしてしまうし(それは留まり、倫子のほうが肩に顔を埋めるのは一瞬早かったけど(笑))、倫子とは身長差はOKだけどなぜかあんまり、守ってあげるような感じには見えなくて、どうしても・・・・直江先生が、守ってもらう感じに見えてしまうんですよねー。
仕方ないのかな。直江先生には、一人で抱え込んでいる苦しい秘密があって、彼は、医者としての仕事と、医学の進歩のための研究と、痛みに耐えることで精一杯で、倫子には申し訳ないけど女を守ってあげるような恋愛は出来ないんですものね。
これだけ美しくて、こんなに辛い直江先生にナイトの役目までさせるのは酷というものです。直江先生は、美しく男らしい姫として、そして「白い影」の本当のヒロインとして、いてもらえればそれで。

エンディング。ここ数回、歌の始まりがドラマ中であったり、ちょっとバリエーションがありましたが、今回は、サビの入りなどが今までと違う感じで間奏がついたりして、あぁ・・・後半に入ったのだなぁ・・・と思ったことでございます。そう、もう後半なのですよね。
あとたった4回で、この濃密な空間とともにある日曜日は無くなってしまうんですね・・・・(涙)
そんなことが耐えられるでしょうか!
直江先生・・・・どんな病か知らないけれど、ずっとずっとあなたといっしょにいることはできないのでしょうか・・・・日曜劇場は、白い影パート2パート3と延々と続いていけばそれでいいんじゃあ・・・・?
半分本気でそんなこと思っちゃいます。


次週予告。
いつもの仕事用コートの直江先生と、倫子がたんぽぽを抱えている出勤風景が。え・・・・?同伴出勤っすかー?!えぇ?!倫子の服が今回の終わりと同じってことはその後・・・・!?でも、そーいう(みなさん期待している)シーンが予告に出てこないってことは、また、カット?!抜かされたのか濃厚なそーいうシーンは!(笑)
だって・・・・あるんなら、ちらっと見せるでしょ!・・・また、次のシーンは次の朝ってやつですか?!えぇ?!
うわーんそれは辛い!辛いっす!厳しいドラマを真剣に見てる私たちへのご褒美は、直江先生の美貌だけなのか?!えぇ?!
と不満を述べつつ、次週にはほんの少し期待は捨てずにいようと思います!乞うご期待!






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