“白 い 影”


何をどう言ったらいいのかわからない混乱した中でお届けするこの先どう進むか方向のわからないレポ





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第7話(新聞に出ていたサブタイトルによると『温もりの冷める時』)


ついに第7回まで来ちゃいましたね!
今回は、竹内まりや氏がハンカチ用意と言い、中居さんが台本を読んだだけでうるっと来たとさんざん脅かしてくれていた回。たぶん、新聞のサブタイトルを見るに、石倉さんが・・・・という予想はついていたところです。あたしとしては、たんぽぽが咲きすぎていた土手での温もりはやっぱり幻に過ぎなくて、先生が目覚めたとき、やっぱり一人で、あの夕日の見える部屋にはレントゲン写真と薬の空き瓶が転がっている・・・・というのもちょっと期待しちゃったのですが、だいぶ違ったみたいで、あのたんぽぽ咲きすぎの土手は現実のものだったようです。

次のシーンは、朝。

・・・・あさ。


(笑)


朝なのです。(笑)
白い影。あの失楽園でもお馴染みの、医学博士にして官能描写にたけた作家による、今から30年前の小説を原作に持つドラマ。日曜9時という微妙に家族帰宅率の高い時間帯に放送されるドラマ。そしてもともと日曜劇場と言えば、主婦の一週間を労うホームドラマの枠だった筈。
だけど白い影。中居さんとTBSと言えば、最後の恋での切ないベッドシーンなどもあり、期待高まる展開ではありました。直江せんせい、直江ライトによって、とっても綺麗に撮ってもらってるし!この美しい映像で、中居さんの綺麗な背中とか綺麗な首筋とか綺麗な・・・・まぁ、とにかく綺麗なラブシーンが見たいなーってのは誰もが望むところだったと思うのです。しかし。

朝。(笑)

きれーに、かんっぺきに、朝です!朝なのです!コーヒーをいれる音がしゅんしゅんと流れる中、せんせいの部屋のアダルティなローテーブルには、昨日、たんぽぽ咲きすぎの土手でたんぽぽの精・倫子が掘り出してきたバケツが無粋に置かれています。せ、せめて直江せんせいの美しい鎖骨・・・・・は?ズボン?・・・・・・(笑)
せんせいはもう既に見事に、そりゃもうかんっぺきに着替えを終えて、きっちりと通勤支度に入ってらっしゃいます。
ちょっとカラーが高くてきつそうなブルーのシャツ。スーツのパンツをきちっとベルトで締めて、渋く歩いているのです。せんせいは身仕舞いをきちんとされる方なので、いくら同じベッドで朝を迎えるからと言って、相手に無制限に肌を晒すようなことはなさらないのですわ!ほほほ。
女より先に起きてコーヒーを湧かし、女に肌を晒さず。せんせ、あなたって方は・・・・(涙)
半分くらいは想像していたことだけど、これほどまでに完璧に隠されてしまうと、私としても、そー来るならこう行くぜ!と行かざるを得ません。そう、直江せんせいとらっきーたんぽぽには、男女の関係は無かったのです、とかなんとか、言いたくなっちゃうんですよねー。なんかねぇ・・・・・
直江せんせいは、七瀬先生と別れたあと、一人で漕ぎだしたボートにずっと乗っていて、酷く疲れていた筈。そして、季節関係ないたんぽぽ咲きすぎの土手で目くらましをかけられ、差し出された手を握ってしまって、つい、家に入れてしまった手前、たんぽぽの体面もあるし・・とか思っちゃって、酷く疲れてるけど一応、とか思って、だけどやっぱり眠い・・・先生も眠いですか?あたしもなんです実はーむにゃむにゃ、って感じでね!えぇ。(笑)
・・・・本気で言ってるわけじゃ、無いですけどね。(笑)
まぁ、その何だ、あれこれあったのでしょう。直江せんせはどこまで脱いだかわからないけど、たんぽぽの精のほうはズボンを(ズボンなんだよこれが。倫子キャラっていうんでしょうか、わりといつも子供っぽい服を着ているのが災いして、アダルト直江せんせいとの初めての夜も、カジュアル・元気・運動OK!なパンツ姿だったわけですねこれが。たんぽぽらしいっちゃあ、たんぽぽらしいです。片や直江せんせいは、アダルトでストイックでスタイリッシュでダンディな(笑)スーツなのですもの!昨日の夜は、七瀬先生を送っていったときの服装・・・・はっ・・・・!・・・・・あの、あの愛らしいジップアップのトップスで?!あぁ・・・・・可愛いお出かけ用コートをたんぽぽに見られただけでもちょっと悔しいのに(誰がなぜ)、あの愛らしい、おろした前髪によく似合う愛らしいジップアップを!(涙)
愛らしいコートを脱いだその下の愛らしいジップアップを見られたかと思うとー!(笑)
・・・なんか、悔しい。(笑)
とにかく、たんぽぽ幸せに違いないさあぁそうさちきしょー倫子は、せんせより後から目覚めたようです。ごそごそと服を取り上げ、ズボンを穿く、と。
そんなところを見せられると、あぁ、直江せんせのおめざめはどんな様子だったのかと、思わずにいられません。儚げな白いお顔が柔らかな布団から覗いていて、もしかしたら綺麗な鎖骨とか尖った、だけどちゃんと筋肉質の肩だとか腕だとかが覗いていたかもしれません、そんな風情で、長くてまっすぐな睫毛をしばたかせ、たかい鼻がふと動いて、形のいい唇がうっすらとほころんで、朝の柔らかで真っ白な日差しが、輝く美肌にまぶしく反射します・・・・そして、スローモーションの美しさで睫毛が開き、朝日よりも眩しいきらめく瞳が姿をあらわすのです。いつもの一人の朝と同じに軽くのびをしようとして気がついたのが、昨夜のこと。起きる気配も無い熟睡にちょっと苦笑しながら、穏やかに起きあがり、人目に晒すことの滅多に無いその裸身を朝日の中に・・・・・・
あ、あたしって、バカ・・・・??
あたしって、変?!
だってだって、どうして何にも、一切、全然、まったく無いのさ!白い影!直江せんせ、今のところ、女とのシーンで、横になったことすらなく、相手の女の身体を一度(角度です)たりとも傾けたことがないのですものーっ!きーっ!
まったく、なんたることでしょう、その恐ろしいまでのストイックな演出!どー考えても、フルコースでしかも複数の女性とめくるめく出来事を日々体験している直江せんせいなのに、なんで!
ケチー!

・・・・私、ファーストシーンだけでこれだけ使っちゃいました。6KBですって。2542文字ですって!ぷぷぷ!2542文字!たったワンシーンの感想で!(笑)400字詰め原稿用紙6枚分くらい、いかに直江せんせいの外出着が可愛くてそれを倫子に見られたことが悔しいかということと、直江せんせのラブシーンが物足りないということで!(笑)
バカですね。バカです。すいません。

気を取り直してビデオを再スタート。せんせいは、二人分いれたコーヒーだけど、先に飲んじゃってます。可愛いです。ちゃんとひげ剃りも済ませた後らしくて、爽やかな青い剃り跡。(笑)形よい唇にそのカップを運んで、朝を楽しむ直江せんせいです。
そうこうするうち、やっと大ラッキーたんぽぽも、目が覚めたようです。コーヒーの香りに誘われたのでしょうか。ごそごそと、ズボンを穿くたんぽぽ。直江せんせいがかっこよく朝のコーヒーをキメている中、支笏湖の写真に映る自分の姿で身繕いをしています。あんまりそーいう姿をじっと見たりしない、じぇんとるまんな直江せんせい。素敵・・・ (何を見ても素敵なのだが)
たんぽぽ、朝初めて見た直江せんせいの姿に、思い出したことでもあるのか、一瞬ためらうけれど、たった一瞬後には、気を取り直し、24歳とはとても思えない子供っぽい笑顔を作り、せんせいに呼びかけます。「おはようございます」と。せんせい、顔を見て、かすかに微笑み、「うん」と。
うん、と・・・・・・!
あぁ、その「うん」の愛らしいことと言ったら!
なおえせんせーっ!
その「うん」だけで近くの公園を全力疾走で一周して来ちゃうくらい、素敵ですー!
たまらん!その「うん」!
うん。
・・・・うん。・・・・・
かーわーいーいー!
激らぶ!激ぷり!しどい!しどいよ中居さん!反則だ、その愛らしさ!
あなたってば、付き合う決意をした(涙)女にも肌を見せないかっこいいオトナのオトコじゃないの?!通勤前の、既に仕事着になって朝の決意をしている、優秀な外科医じゃないの?
なのに・・・・「うん」・・・・なのーっ!!!!
きゃー!
いやーっ!可愛いー!可愛い可愛い可愛い!!!!
あぁ・・・・(涙)ぜいぜい・・・・・
その「うん」の愛らしさに、どれだけの人がTVの前で卒倒したことか!
たんぽぽてめぇっ!その愛らしさにどーして平然としていられるんだーっ!どうして、鼻血の一つも出さずに冷静に聞いているんだその耳はっ!おかしい、おかしいよ倫子!だって、あの渋くて冷酷で怜悧な知性と卓越した技術と広範な知識を持って天職を遂行する天才外科医の直江せんせいが、「うん」なんて、しかも愛らしい、限りなく愛らしい発音でそうおっしゃってるのに、どうして普通にしていられるんだーっ!
・・・・・そこがたんぽぽ大ラッキーどう考えても幸せに浸ってるに違いないぜちきしょー倫子の強みなのかもしれません。そうですよね、いちいちそんな微妙な「うん」で血管を破裂させるような敏感で勘のいい女とは恋愛出来ない、秘密の多い直江せんせいなのですものね・・・・そういうところをたんぽぽの咲きすぎる土手で確認したからこそ、たんぽぽ倫子の差し出した手に細く長い指を重ねた直江せんせいなのですものね(涙)・・・・・

はっ!あたしったら、またここで、たった数分のことを語るために、またこんなにスペースを!
時間がかかりすぎてる!

はっきり申しまして、このレポは、最終回を見終わってから書いています。24日の夜です。最終回が終わり、いいともがあり、家族会議があり、サムガ(関東版)すら聞き終えた後で書いています。だから、あれやこれやのことはすべて知っているのです。今日、原作すら、全部よんじまいました。
だから長くもなるのかもしれないわ。もう会えない直江せんせいのことを考えて。
出来るだけ、7話までを見たときの気持ちでレポを書きたいし、この時点で、最終回を振り返ったレポにはしたくないんだけど、直江せんせいへの思い入れは、明らかに、7話を見終わった時点よりも深くなっているので、ある程度は影響を受けてしまってもやむを得ないところがあります。それは、このレポをごらんになる皆さんにしても同じなわけで、ご了解いただきたいと思いますわ。


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さて、3月25日にいちどupしましたこの第7回レポ、続きを書いている今はもう4月5日〜!(笑)あーもう。私ってダメダメ人間だわ。気を取り直して、続き行きます。


直江せんせいが異常に愛らしい「うん」で全世界の女を即死させたあの瞬間のあと、無感動いつもにこにこ倫子は、返事がもらえたことに満足して、その愛らしい顔をろくに見もせずに昨日の獲物・たんぽぽのバケツに目を転じてしまいました。・・・・馬鹿者!あの愛らしく切なく美しい直江せんせいから目をそらし、どうしてたんぽぽを見ているかたんぽぽ女よ!・・・・いやマジメに考えればさ、せんせいとの初めての朝なわけで照れちゃってあんまりその眩しいお顔が見られないのかもしれないが。しかし勿体ない。むしろ女よりもはにかんで見えるその絶妙な後朝(たしかこれで「きぬぎぬ」と読むのだったな、源氏物語あたりで。男女が共に過ごした翌朝のこと、ですよね)の表情を、どうして見極めずにいられるのかっ勿体ない!あたしだったら、穴の空くほど見つめて見つめ倒して、朝日を浴びるその顔を・・・・ハッまたこれだけのシーンでこんなに!
とにかく直江せんせいは、ハイカラーのシャツがちょっと今朝は薄めの色で、これまた朝日がよくお似合いになる色なのよねぇ・・・演出か?!そんな、「爽やかな後朝」に向けたせんせいのお茶目な演出に気付かないお子ちゃまなたんぽぽなのであった。何しろ、アダルティ直江との夜にパンツスタイルで臨んでしまったたんぽぽなのだから。
あぁもう、半分ふわんとしたそのヘアスタイルの愛らしいこと!朝日が窓辺に・・・・あれ・・・・?・・・・この部屋って夕日が入るんじゃなかったっけ・・・・?え・・・?

真っ赤な車から降りてきた三樹子薔薇は、ちょっと焦っています。不安な予感はあるのでしょうし、「後は自分が認めるだけ」で、あの人とあの女の行く末はわかっていたのだと思います。だけど来てしまう女心。今まであんまりふられたこともないんだろうな三樹子薔薇。携帯でせんせいの自宅に電話を・・・・そっか、せんせいは、自宅電話とポケベルしか持っていないのだったな。
電話しようとしてふと目を向けたそこには・・・・見ちゃいました薔薇は。・・・・せんせいが、歩いていき、ふと足を止め、誰かを待つ姿を。そして、たかたかと走って追いついたたんぽぽ(なぜかバケツを持っている!三樹子薔薇には理解できない!)が、並んで歩いていくその姿を。コトもあろうにたんぽぽは昨日の狩りの獲物・たんぽぽのバケツを手に持っているのです。
これすごい絵だよな。すっかり通勤モードで渋く決めてる直江せんせいは美貌の若き天才外科医直江庸介そのものなのに、並んで歩いてる女は季節感とか朝とか夜とか・・・つまりTPO・・・があんまり関係ない感じなんですよねぇ。うーん、不釣り合い。(けなしてるわけじゃないです)不釣り合いなんです。なんちゅーか、切なくなります。たんぽぽ王子に手を取られてその身をゆだねることに決めた直江姫だけど、なんか切ない。運命ってそんな生やさしいものじゃないんだな、と思います。運命の相手なんて、見つからないこともあるんだな、ということ。一人が一生かかって作っていくモノも運命だけれど、生まれる前から定まっているモノも確かにあるはずで、だけどそれに巡り会えないこともある。直江せんせいがもしもあと50年も60年も生きるのだったら、今とは違う「運命の相手」に出会えることもあるのかもしれない。だけど、今の直江せんせいには、「次が来るかも知れない」なんて、彼と同じ年代の女性が一回は考えるかも知れないことを思う余裕は無いのですよね。今出来る恋愛に身をゆだねようと思ったのかもしれません。今しか出来ないんだったらね。

そんな切ない直江せんせいですが、院長は着々と直江包囲網を狭めようとしています。婦長に頼んでいた調査は、まだ終わっていないようです。なぜだ婦長。婦長さん微妙なキャラで、悪なのか善なのか今ひとつはっきりしません。だけどコネはたくさん持ってるみたいで、直江せんせいのことなんかすぐに調べがつく・・・のかな。院長の前では慎ましくしている婦長恐るべしですね。
予感はしていたものの見たくはなかったそのシーンをまざまざと見てしまい、ショックを受けつつ出勤してくる三樹子薔薇のスーツはブルー。ブルーなその気持ちを表すかのような、青ざめた色です。許せません。三樹子薔薇には、ぽっと出のたんぽぽが、でかい面して直江せんせいと同伴出勤だなんて、許せないのです。あたしは、直江せんせいにあんなこともこんなこともしてあげたのに!とか思っているかもしれないし、そんなことやこんなことを思い出すだけで胸がいっぱいかもしれませんね・・・・可哀想な三樹子薔薇は、そう、ヒロインではないから、ヒーローである直江姫とはうまくいくわけにはいかないのですね。溢れる水をものともせずに、決意の表情を浮かべる三樹子薔薇です。

次のシーンは石倉さん。小橋くんが見舞う病室に朝の回診にやってきた直江せんせい。前触れに入ってきたたんぽぽハンターラッキー倫子は、たんぽぽ荒れ狂う土手から捕獲してきた獲れ獲れの(笑)たんぽぽを石倉氏の窓辺に。爽やかな直江せんせいは、ちょっと滑舌悪いのも愛らしい発音で「おはようございます」と声をかけました。たんぽぽしまった一晩過ぎちゃったぜとの朝の挨拶は、ショック隠しきれない激烈らぶりーな「うん」だったのですが、石倉氏にはフルコーラス(笑)で「おはようございます」と。あぁ、年輩者には礼儀正しく、患者さんには明るく爽やかな、直江せんせい!なんて白が似合うんだろう。今日も白衣がよくお似合いです。素敵・・・・!
そう言えば、うちの会社は4月から社員証がICチップの入ったクレジットカード機能付きのものになったんですが、今までは、磁気カードの社員証とプラスチックの名前だけ入った小さな名札だったのが、今度からは、社員証を首から下げることになったんです。ださださの太いストラップ(オリーブ色)の先に社員証ホルダーを付けるんですけど、胸ポケットのある人は、ストラップを使わず、クリップで挟めるようにもなっているんですね。それ、やってみると、行田病院の職員の名札みたいで!えぇ!あぁ、ここに「直江庸介」って書いちゃおうっかなーなんてバカなこと考えてます。

石倉氏は、春の象徴・戦利品のたんぽぽを見ながら、がんばると呟くけれど、自分自身の身体のことをも見つめ続け考え続けている直江せんせいには、石倉氏が医者のつく嘘の中に入ってきたことがわかったのですね。
エレベーターの中の二人は印象的です。今まで直江せんせいと医療現場で共に働いてみて、たんぽぽゲッター倫子には、彼を尊敬する気持ちが強くなってきているんだと思うけれど、ここまで引っ張りに引っ張ってきたようにあたしがどうしてもこだわっちゃう今はまだたぶん午前中で、いわゆる二人の後朝(きぬぎぬ)なわけで、たんぽぽゲッター無敵倫子はますます強くなったと共に、直江せんせいが石倉氏に嘘をつき通そうとするのにより共感を持って合わせることが出来るようになっただろうということが、表情からわかりませんか?
普通平安時代の男女の場合、女の家に男が通ってくるスタイルなので、朝になると男は自分の家に帰るんですよね。で、帰り道に(出来るだけ早く)歌を詠んで手紙と共に使者に持たせることまで含めての情事だったんですよね。だけど今は現代だし21世紀だし、たんぽぽと先生は二人揃って職場に出勤(たぶんせんせの支払うタクシーで)ということで、名残を惜しむとかそういう情緒的な気分はありません。直江せんせいのキャラからしても、翌朝だからといって仕事中に引っ張ったりはしないでしょう。・・・・まぁこの話は、かんっぺきに朝!だから二人の間には何も無かったんですぅせんせい、眠いんですか?お疲れですものね、あたしも眠いんですぐぅ〜っていう展開ではなかったと誰が断言出来るでしょう!(笑)
まぁそれはともかく、これ以降のたんぽぽゲッターラッキー倫子は、直江せんせいの医療に対して、今までにないシンパシーを感じつつ看護に当たることになるのでしょうね。
せんせいったら、エレベーターなんていう密室の中でも、クールあんどスマート!ちょっとだけ風間ちゃんチックな感じがしなくもないけれど、直江せんせいの石倉氏への発言がすべて、自分の生き様を語る言葉を暗に含んでいるために、聞くほう(TVの前)はもう、たんぽぽどころじゃない忠実ぶりでせんせいのお言葉を深く深く捉えるのみなのでした。

ところで。直江せんせいはタクシーで通勤されています。三千円だか二千円だかの運賃がかかる距離を。外科医は疲れるから運転は無理なのかとか、かっこいいとか大絶賛してましたけれど、ふと気付いたのは、「せんせい・・・もしかして、車を運転している途中で発作にあったら大事故になってしまうから、それで車にはしていないのだろうか?」ということです。・・・気付くの遅すぎ?いや、このあたりから思ってたんですが。
きっと、北海道とか長野とか、車がないとやっていけないと思うんですよ。だからきっとね、長野の七瀬先生の病院で働いていたときには、車は使っていたんじゃないかしら。そしてあるとき運転中に軽い発作が起こり、そして、「ここで事故にでも遭ってしまったら俺はやりたいことをやり遂げることが出来ない!」と思って、車をやめたんじゃないかしら。私の勘では、直江せんせいは運転が好きだと思うんです。一人になれる空間。さまざまな思いを巡らせながら、好きな車種を(たぶんシーマでは無いと思う(笑))思うままに操り勤務地へ赴く。または、勤務明けに、ふらりと一人で八ヶ岳とか行ってみる。たまには、恋人とかいちゃったりして、旧軽井沢の名ホテルなんかに泊まりに出かけるときもきっと車で。相手には、ホントに歩くのが苦手なんだから、と苦笑されてたりして。たぶんそんな人だったんじゃないかと思うんですよね。車をやめたのはかなり辛い決断だったんじゃないかしらね。もう人を愛さないと決めたのも、同じときだったかもしれません。
前に石倉氏が喉に痰を詰まらせて危なかったとき、「こんなことで死なせてはいけない」ってせんせいは言いました。死の形を整えるのが仕事とも。たぶんせんせいは、車で事故りそうになったときに、初めて、「自分の死の形」を意識したのかもしれません。望んだ形で死ぬために、無駄な死に方はしない、と誓ったのかもしれません。


全然終わらなさそうなので、またまたもう一度upします。
また続きは近いうちに。
9話、10話はその後に(せめて)放送順に書いていきたいと思います。


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さてさて月日は過ぎゆき、今日はもう4月21日。白い影放送終了後1カ月以上経ってしまいました・・・・
前回のupからでさえ、2週間以上が。・・・大反省。


石倉氏の妻ミツに嘘の説明をする直江せんせい。患者やその家族に対するときには、あくまで穏やかで暖かな直江せんせいですが、今は、ブルーに光るレントゲン写真をバックにして、白い額がブルーの反射を受けて、透明な美しさを・・・切ない感じに・・・。小橋が本当のことを話そうと口を開こうとすると、小橋への協力を求める台詞を告げて口を封じてしまいます。不安そうなミツへの説明を終わり、たんぽぽがミツを病室へと連れていき、「不安」の雰囲気は小橋がカーテンを開け眩しい外光を入れたことで払拭されます。あぁ、ブルーに照らされた直江せんせいも素敵だけど、眩しい外光の逆光を浴びる直江せんせいも、すてき(うっとり)。これを書くためにビデオを止めると、そこには「笑っていいとも春の祭典スペシャル」の再放送が!(笑)ツンツンジャンボカットの中居さんが、ゲンキ溌剌生き生き颯爽と仕切をしてらして、そのギャップが(笑)。
小橋は、真実を知らずに石倉氏が死んだときに残された奥さんのことを心配します。小橋の言葉を無視するように書き込みをしていた直江せんせい、その台詞に一瞬顔を上げます。その眉根を寄せた顔が美しくて、滑らかな額も麗しくて。直江せんせいの脳裏には、バケツ出勤たんぽぽ倫子の顔でも浮かんだのでしょう。幸せいっぱいのたんぽぽハンター倫子が、自分の病気を後で知ったら。それを考えていたのだろうことは想像でもわかるけれど、切り替わったシーンがたんぽぽハンターバケツ出勤倫子の顔から始まることでもわかりますね。ミツは小橋の診察を受けているところ。小橋は外科なんだけど、ミツの体調も外科的に悪いのかしら。バケツたんぽぽはミツのカルテに記載された氏名を見て密かに驚いています。そこにあったのは、「石倉ミツ」ではなく「岩崎ミツ」という名前。なんと、石倉氏とミツは入籍していなかったのですね!ミツのモノローグでその事情が語られます。痛くても医者にかかろうとしないし、なんとなく籍も入れずにここまで続いてきてしまったと。

場面変わって、院長とのシーンで可愛らしい愛人っぽくなっていたMRが医局にいる直江せんせいのところに登場。ストラップの女を強調したパンプスをぷらぷらさせながら、せんせいの机に座っているMRは、院長からの唆しによって、直江せんせいの秘密を調べようとしている様子。看護婦(たぶんあの中ではかなり若い)から聞き出した直江せんせいがフロノスを使う外来患者の「七瀬」について問いただします。ワタクシ以前にこれより先の8話レポで、「七は七瀬の七か。」と言う恩師七瀬先生に「そうです」と答えたのは直江せんせいの恩師思いのとっさのリアクションだったように書いたのですが、カルテへの細工とか考えると、やっぱり、「七瀬先生の七」も含まれていたのでしょうね。恩師の専門である病気にかかり、その治療の進歩のために命を捧げる直江せんせいは、ともすればぐらつくであろう決意を確認するためにも、七という文字を使ったのかも知れません。えぇ。ぐらつきますとも!直江せんせいだって、意志はぐらつき、楽なほうへと行きたくなるに違いありません。ときにやさぐれ、ときに女に逃げ。タバコを過ごし酒を呷り。それでも必死に、医学の進歩と自身の生の尊厳を守るために、生きている直江せんせいです(涙)。
こうしてビデオを止めている間、ずっと、春の祭典が流れてますー。いきいきはつらつのMC中居が、つんつん愛らしいジャンボカットで可愛く司会をこなしていますー。あぁ、ギャップが・・・・!
それにしても、医師の机って、レントゲンを見るスタンドがついていて素敵。直江せんせいの彫像のように美しいお顔がなんて映えることでしょう。ちょっと広めのデスクなので、会いに来た女が腰掛けて脚をぷらぷらさせていても、せんせいのお仕事は支障無く遂行されるのですわ。何事かを書き付け続ける直江せんせいですが、MRが連絡先にその患者は存在しなかったことを告げると、ちょっと表情を変えたようです。MRの調査が本気だとわかったからでしょう。放っておけないと感じ、不安を覚えたのでしょうか。ここで今までの直江せんせいなら、「これで」とばかりにMRに身体を与えてうやむやにしてしまうところですが、もうそーいうことはしないと決めた直江せんせい。ただ立ち上がって白衣を羽織ります。
あれ・・・・?この感じ、どこかで・・・・?ウィダーの木村CMに似ている・・かも。(笑)ほら、ジャケットを上からガバッと羽織るその感じが似てますー。かっこいいんだけど・・・かっこいいんだけど、ちょっと素の中居さんがかいま見えたりするぅ。直江せんせいっぽくないー。と思いません?まぁ元々直江せんせいは、明るく爽やかな、医学の未来と自分の将来に眩しい希望を抱いているスポーツマンだったわけで、そーいうキャラが、渋くしていても、つい覗いてしまうと解釈したほうがいいのかしらね。しかしかっこいいです。キャラがどうとか、関係なく、かっこいいです。
しかしMRのほうはあれだな、ちょっとキャラが安定しない感じが。院長の前で可愛い愛人っぽかったのに、直江せんせいの前ではアダルティなオトナの女っぽくしている。それは意識してのことなのだろうか。だってだって、「これで」って支払いの足しになるようなちゅうをしたりしない直江せんせいが、せめて美しく白衣を羽織るところでも見せて目の保養にしてもらおうと思って(違うそれは)白衣を着ているのに、感銘も受けていない様子。MR・・・・もしかして、目の保養くらいじゃ足りないと?(笑)帰らないでくれと言われた直江宅での出来事とかを期待していると?酷いわMR。直江せんせいの男性にしては狭い肩にがしっと手をかけて脅しの言葉を吐くなんて。しかも、丸くて可愛いそのお耳に。画面には、MRの唇と、直江せんせいの愛らしいお耳がアップに。しょわしょわと輪郭を縁取る髪と、丸くて綺麗な形の、あたしの愛するそのお耳。すてき・・・・・
直江せんせい、MRに脅されてるわけです。フロノスが手に入らなくなってどんな困り方をするのかわからないMRったら、酷い・・・・!
出ていくMRを横目で見る直江せんせいの美はいったい何に例えたらいいのでしょう。完璧な横顔だと常に思うその輪郭ですが、鼻の形→完璧。目の形→完璧。額のライン→完璧。唇から顎→完璧。鼻越しに見える、反対側の睫毛→完璧!あぁその長い睫毛!すーてーきーっ!不安そうなお顔・・・・あぁ、美しい・・・・!

場面は変わって、玄関前でタバコをふかしている直江せんせい。そこへ、たんぽぽが。事務連絡のついでに、立ち去りがたくしているたんぽぽに向かって、「どうした」と声をかけてやる直江せんせい。たんぽぽったら、たんぽぽったら、いいとも春の祭典(まだやっている)の橋田スガコのように、言ってはいけない真実を言ってしまいます。石倉氏は、自分のためではなく、奥さんのために嘘の中に入ってきたのではないかと。二人の時間を少しでも長く持ちたいために、嘘の中に自分から入ってきたのではないかと。それを言われた直江せんせいは、とても辛そうです。何しろ、それは直江せんせい自身が自分の立場で考えていることだったから。せんせいが、決意したたんぽぽとの関係を、少しでも長く平穏に幸せに過ごすためにしている悲壮で選びがたい辛い選択そのものだったから。せんせいはきっと、たんぽぽに言われた一言一言を、自分がいなくなった後にたんぽぽがどういう立場に置かれるのかを考えながら、辛い気持ちで聞いているのですね。たんぽぽが自説を力説するのを聞きながら辛い気持ちが胸に溜まっていく直江せんせい。
たんぽぽはここで上がりですが、直江せんせいは、石倉さん対応で今日は夜勤。こういうこっそり夜勤のときに、せんせいはレントゲンを取り続けていたのですね。淡いブルーのシャツ(あ、そうか、今朝たんぽぽがぐーすか寝ている間に着替えを済ませてから、ずっとそのシャツなわけですね。濃い一日ですわ!濃いわ!というか、激烈な仕事である外科の勤務医にとって、自宅で女とどんな朝を過ごそうと、患者の妻に嘘の病状説明をしようと、急に怖い存在になったMRからどんなことを言われようと、確実に夜勤はやってくるわけで、その間隙を縫って、医学の進歩のため、尊い研究のために実験素材となって写真を撮り続けるのです。素敵。あぁ。直江せんせい。(こればっかりである)
しかし、明かりも付けずに(見つからないようにか)機械を作動し、その淡いブルーのシャツを脱いで滑らかなお肌(すいません、もう4月21日なので、サタスマでの水泳指導の中居教官も見ちゃってます。あのお肌が・・・)がもう少しで日曜夜のお茶の間に、というところで、三樹子薔薇がやってくるのです。きぃーっ!なんてところで、なんてバッドタイミングでやってくるんだ三樹子!直江せんせいのお肌が・・・!見られないじゃないのよう・・・・(涙)・・・・あとちょっとだったのにぃ!また「寸止め」なのですかぁっ!(涙)
三樹子薔薇が「おはようございます」と言うと言うことは・・・・?今はもう朝?それとも、まだ夜だけれど皮肉をこめて朝の挨拶を?いつかの夜勤のときの医局での出来事を期待して、夜わざわざ来てみた?とにかく直江せんせいは、残念ながらレントゲンを撮る機会を失います。そしてそのとき、発作が・・・・!最近酷くなっているように思える、発作が。せんせい・・・・!腰を押さえるその仕草に不安を覚えたような三樹子薔薇です。声を掛けづらく、直江せんせいが慌てて立ち去るのを見送ってしまいます。
せんせいは追ってくるかもしれない三樹子を気遣ってか、襲ってくる激痛を堪えながら医局に戻ります。鍵をかけることは忘れない直江せんせい。立っているのも辛いらしく(涙)、ドアを閉めてはへたりこみ、注射セットとフロノスを取り出してはしゃがみこみ・・・・(涙)。直江せんせい、辛そうです・・・!!!
たんぽぽは自宅に戻り、自分のベッドで寝ていた大たんぽぽ(母)にもたれかかって甘えてます。一人で夜勤をこなす直江せんせいを思ったのか、帰った場所に直江せんせいがいないことが寂しかったのか。それとも、石倉氏と奥さんが籍を入れていなかったことに思いを馳せているのか。いまいち不明ですが、その仰向けの映像は、ちょっとオトナになった感じを表してでもいるのでしょうか。うーん謎。たんぽぽバケツ出勤倫子の思考回路は、普通想像するものとは全然違ったりしているので、わからんのです!うーむ。
その頃せんせいは、たった一人で、注射後の虚脱状態と戦っていました。
たんぽぽシーンの終わりがたんぽぽの仰向け。せんせいシーンの始まりがせんせいの仰向け。おお、白い影二大女優の仰向け競演!「演」を「艶」と書きたくなる、麗しの直江せんせいですわ。どうでしょ、どちらの女優さんが皆さんのお好みに?(笑)
でもせんせいは、そんな競演のことなんて知ったこっちゃない非常事態。しどけないその様子は、せんせいがもうなりふり構わず、戦わなければ病気に負けそうになっていることを表しているように思えて、辛いです。脚を投げ出し、床に横たわり、たった今さしたばかりと思われる注射器をまだ手にしたまま(止血のゴム?は外しているのですよね、注射した液体が身体に入っていくように?この辺知識が無くて不明)。顔には玉の汗が。・・・・前から思っていたのですが、どうして中居さんのお肌は、こんなにも美しく水を弾くのでしょう。なんて弾力のありそうな、そのお肌。美しすぎますわ!辛そうなのに、水滴のついた頬や、少し濡れて見える髪が美しい輪郭に沿うその様子までが愛しいわ!直江せんせい、どうしてそんなにお美しいのでしょう・・・・!そしてその注射器を握っていた指から力が抜けて、たらん、と放り出されるのですね・・・・(涙)ふぅっと息を吸い、はぁっと吐き出して。声に出して溜め息を吐き出すなんて、直江せんせい、そんなにもう、辛いのですか・・・(涙)瞑った瞼の曲線なんて完璧で、睫毛が、横顔で見るのとはまた違う長さに見えてそれも綺麗で、横たわったときの輪郭は起きているときとは違うのね、とか、横になるとますますつり目で、きつい目になるのに、眉根を寄せて辛さ(だるさ、なのかしら)に堪えるものだからますますつり目さえ色っぽいわ、とか思ってしまいます。額の秀麗なことは言うまでもありません!せんせい・・・・酷い、酷い一日でしたわ・・・・朝の麗しいコーヒーから、冷たい床に横たわる深夜まで・・・・・せんせい・・・・(涙)

ここでCM。4月21日になって再生をスタートしてから、まだ7分51秒分しか見ていません!なのにまたこんなにスペースを・・(涙)バカ。これじゃあいつまで経っても終わらないじゃないのお!ご飯の時間も過ぎちゃってるしぃ!もうもうもう、あたしのバカ。
いったんここで終わります。次はまた、ホントに、近い内に!がんばります・・・・・


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そして5月4日でございます。もう5月。これはマジで焦らないと、DVDが出る前にれぽが終わりません〜!


石倉氏の病状はますます悪化している模様。外は北風ぴーぷーで、中では戦う石倉氏と励ますたんぽぽ。他の入院患者、胃潰瘍でずっと元気だった石倉さんがとても苦しそう(しかも痛がっている)なので、不安になっています。この患者諸兄は、嘘の中に入ってくる必要もないホントの軽症患者らしいです。
そこに、たんぽぽが呼んだのでしょうか、直江せんせいが来ます。入り口に群がっている患者をソフトにどかし、入っていきます。あぁ直江せんせい!!!お久しぶりです直江せんせい!あたしったら、あたしったら、しばらく見ていなかった直江先生のご尊顔を拝し、不覚にも声が出てしまいました〜(笑)。「あぁんかっこいい〜」ですって!(笑)だってだって、直江せんせいったら、今ジャンボカットでぷっくりプクプクで鶴瓶師匠に腹の出具合を見せ、むくんだような顔でかつをいれられてる某アイドルが確かにその身体で演じていた人なのに、あまりに・・・あまりに違うんですもの・・・・(涙)!直江せんせい、美しすぎて、声も出ますわぁ。あぁ、素敵〜・・・・・(涙)
とにかく直江せんせいは、腕をちょっと身体から離してぎゅっと拳を握り、Aラインのエレガントな白衣をお召しです。長めの茶色い髪をきりっと上げて、あぁ、このせんせいに診ていただけるなら・・・いやいや、ダメ!こんな美しいせんせいに、診察なんてしてもらえないし、ましてやこの腹黒い内蔵を診られるなんてとんでもないことですわ!あぁ・・・!そしたらあたしは、小橋先生の患者になって、往診に回ってくる直江先生をひっそりと見守るしかないのかしら(涙)・・・・・
バカ。
さ、直江せんせいは、苦しむ石倉氏に聖母の微笑みを。背中をさすってくれます。でもあたしはそのせんせいの背中をさすりたいー!せんせいー!せんせいだって、お背中が痛いのでしょう?あたしがさすりますー!
バカ。
石倉氏の奥さんに病状説明をする直江せんせいと、付き添いの小橋先生。必ずよくなると説明します。小橋医師も、そんな直江せんせいに口出しはしません。だんだん、直江せんせいの治療方針に理解を示し始めているのでしょうか。

手術をしてよくなってきたと思ったけれど次第に病状がおかしくなる亭主に、一人では何も出来ないという妻ミツは呆然としていますね。大丈夫と自分に暗示をかけ、かえっていくミツを見守る小橋医師。

直江せんせいは、医局で一人、治療記録をつけてらっしゃいます。「naoe」とサインをして、レントゲン写真をうつす直江せんせい。ナースステーションにいるたんぽぽに電話し、ドーパミン5ガンマ?追加の指示を。看護婦達は、患者のうわさ話をしています。それを横目に、ドーパミン5ガンマの指示を実行しに石倉氏の病室に向かうたんぽぽ。

院長室では、直江せんせいの身辺調査を頼まれていた婦長が、結果報告をしていました。なぜか、せんせいがたんぽぽ王子の手を取ってしまったことが、早くも婦長の耳に届いていたとは!それとも、特殊調査機関でも利用したのでしょうか?もしあたしがたんぽぽだったら、この時点で直江せんせいと付き合っているという自覚は無いかも知れないな!とか思うような時点で、婦長からそのことが院長に報告されていたとは。まぁ、MRと直江せんせいが怪しいのはとっくに周知の事実だと思うんですが!院長は、直江せんせいがたんぽぽラッキーいつもズボン倫子と交際していることに関しては、目立たなければOKとの寛容な態度ですが、MRの一件に関しては、穏やかとは言えない表情をしてますねぇ。そりゃそうでしょう。

石倉氏の病室。先ほどのような痛みはないものの、闘病で疲れているのでしょう、石倉氏はただ横になっているだけ 。石倉氏、むくっと目を開けると、たんぽぽ倫子に手を伸ばし、凄い力で抱き寄せます。何が起きたのかと一瞬呆然としているたんぽぽですが、腰にまで手が伸びるに至って、必死でふりほどき、最後の理性で「ごめんなさい」とだけ言って、病室を出ました。さっきの看護婦達のうわさ話はこのことだったのね。他の看護婦も、そんなことをされているらしい。
病室を出たたんぽぽは、直江せんせいのいる医局へ。まぁこれは妥当。まだ震えているようなたんぽぽにコーヒーをいれてやりながら、しかし直江せんせいは、クールに言うのです。
「抱いて欲しいと言うなら抱いて上げればいいじゃないか」
そ、そんな、直江せんせー!付き合いだしてまもない女が、いくら末期の患者とは言え、他の男に抱きつかれて、怖くなって逃げ出してきたというのに、その冷静なお口ぶり!すてきー!更に追い打ちをかけ、
「抱くのは嫌か」
という直江せんせい。きゃー!クールー!
嫌です直江せんせー!ここはマジでたんぽぽに同情するー!直江せんせいみたいな渋くてかっこよくて優しくて美しくて優秀な外科医でスーツもシャツもおしゃれでよくお似合いでお肌が綺麗で横顔が彫像のようで瞳がきらきらしていて耳がまるくて可愛くて声がせくしぃで指先が綺麗なそんな人とせっかくつきあい始めたというのに、いくら仕事かもしれないとは言え、他の男を抱いて上げるなんて、嫌ですせんせい!(涙)いーやー!
でもここで、直江せんせいの本当の気持ちが語られるのです。
た「看護婦がそこまでやらなきゃいけないんですか?!どうして先生はそういうふうに、大したことじゃないみたいに言うんですか?!」
たんぽぽの描写としてちょっとわかんないのは、こういうとき、私なんかは見ていて、付き合いだした男との会話という側面と、看護婦と主治医という側面の二つから見てるわけなんですが、たんぽぽは比較的、仕事の間は、看護婦として担当患者の主治医として直江せんせいに接しているのですよね。そういうとこが偉いというか、歯がゆいというか。他の女とは違うところですね。仕事で直江せんせいとの関係をつなぎとめるMR、直江せんせいの仕事先のボスの娘である三樹子薔薇。三樹子に関しては、お嬢さんの火遊びがホントの恋になりつつあるようですが。
そして直江せんせいは。
直「死ぬからだ。石倉さんは近い内に死ぬ。その前に、心から女性に抱かれたいと思った。安らぎを求めたのか、生きるものの本能なのか、そうせずにはいられなかった。きっと・・・・死ぬと言うことはそういうことなんだろう。どうしても嫌というなら、それはそれでしょうがない」
タバコを吸う直江せんせい。
直江せんせいにとって、石倉氏よりは差し迫っていないものの、死とは、たんぽぽよりも数十倍も早く訪れるもの。たぶん、医者である直江せんせいは、自分の終わりの時期を、ある程度正確に予想しているのでしょう(涙)。だからこの台詞は、直江せんせいにとって、石倉氏のことを言っていると同時に、自分の本心をも漏らしたものと受け取ってもいいのでは?つまり、直江せんせいが、いろんな女と関係を持つのは、死と向かい合っているからこその行動だったと、そういうことなのでしょうね。たんぽぽだって・・・・一人で抱え込むなと、恩師七瀬先生に言われたものの、苦悩する気持ちを受け止めてくれる女のいない直江せんせいの前に、たまたま、これ以上ないくらい心軽く身を預けられる雰囲気でたんぽぽを両手に抱えて登場したのでつい、差し出された手を取ってしまったたんぽぽだって、他の女と雲泥ほどの差があるわけじゃあありません。仕事にプライベートを持ち込まない女ではあるけれど、その程度の差しか無いんじゃないかと思うこともあります。

たんぽぽは、抱いて上げれば、と言う直江せんせいの言葉を、主治医としての助言ととったものか、付き合っている男(う・・・恋人とは書けない!)が言っているととったものかわかりません。たぶん、制服を着てナースキャップを被った途端に、たんぽぽの心はたんぽぽナースとなるのです。直江せんせラブの気持ちは取りあえず遠いところには行くのですよ。夜の廊下を歩いていくたんぽぽ。

朝。石倉氏の病室には、昨夜たんぽぽが石倉氏を振り払ったときに落としたハーモニカが。それを拾い上げ、石倉氏の手に取らせるたんぽぽは、いつもの元気溌剌オロナミンたんぽぽとは違う人です。靴を脱ぎ、石倉氏のベッドに上がって、添い寝をして上げるたんぽぽ。ハーモニカを手に取らせたのは、怖いと思ってしまう気持ちを少しでも消すための行動だったかもしれません。「あったけぇ・・・」と漏らす石倉氏。たんぽぽは、昨日それがきっかけで彼の手を振り払うことになったのに、今日は自ら、石倉氏のハーモニカを持っていないほうの手を自分の腰に回させすらして、しっかりと、抱きしめさせてあげていました。
ハーモニカを手に持たせたのは、あれかなぁ、あれと一緒なのかも。オーストラリアで、コアラを抱かせてくれる動物園とかあるじゃないですか。あれって、園によっては、観光客は、コアラを捕まらせた縫いぐるみを抱くんですってね。コアラに直接しがみつかせると爪が鋭くて結構痛いかららしいです。直接抱くタイプのところもあるみたいですけどね。
医局で勤務中の直江せんせいのもとに、石倉氏の病棟から戻ってきたたんぽぽが。ノックもせず、切羽詰まった表情で入ってきたたんぽぽを見て、直江せんせいには想像がついたのでしょう、抱いてあげればいい、そう自分が言ったことを彼女が実行してきたのだと。でも、たんぽぽは、勤務中はナースな女。いくら、どうしようもない気持ちを抱えてここまで来たからといって、MRや三樹子薔薇のように、医局でどうこうなんて出来ません。だから、直江せんせいは、促してやるのです。「どうした?」と。どうしたか、知らないで言っているのではありません。吐けないでいるたんぽぽの背中をさすり口に指を突っ込んでやる感じ(汚くてすいません!)。そして、促されたたんぽぽは、石倉さんのところに行って来たと言うのです。愛らしい瞬きでその言葉を聞く直江せんせいの様子に、たんぽぽはついに、せんせいの胸に。しがみつくたんぽぽの肩に(肩です、せんせい!)手を添える直江せんせいです。ぎゅ、と指がたんぽぽのカーディガンを掴むようすが美しい!あぁごめんなさい、不謹慎ですが!カーディガンを次第に強く掴んでいくせんせいの指が、細くて長くて、あまりに美しいので、ついそんなところに見とれてしまいますー!せんせい!指が力強く開いて、指先に力が籠もって、また開いて、更にカーディガンを強く抱くのですー!
そんなせんせいの、たんぽぽには見えないお顔は、昨夜「抱いてあげればいい」と言ったクールなお顔とは微妙に変化しています。いたわりと、優しさを含んだお顔です。いったん抱いてあげたたんぽぽの顔を覗き込むそのお顔の慈悲深さ。このところの直江せんせいのお美しさは、すでに、女神とか菩薩とか、そういった人間を超越したものを感じます。このときもまさに、たんぽぽを覗き込む表情には、悟りとか大きな慈愛とかが感じられます。同僚医師であり付き合っている男、ではなく、たんぽぽを空の上から見守っている女神のような。女神様は、たんぽぽの頬の涙を拭い、また胸に抱き寄せるのです。せんせいは、瞬きを繰り返します。その様を一部始終をカメラに記録してくれてありがとう!あぁ、その美しい瞬き。せんせいの大きな切れ長の瞳は、伏せてもなお切れ上がっていて、なんていうんでしょう、戦いの女神アテナが、悲惨な戦場のありさまを天の上から見ているよう。あ・・・・!あれだ!!どこかで見たことがあると思ったその表情は、あれですー!!西日本チームの皆様ごめんなさい、NTT東日本のCM、ガッチャマンにて、戦場となった渋谷の街をビルの上から見下ろしているG1号大鷲のケンの、あの切ない表情と同じなのですー!TBSのプロデューサーが、「これなら直江庸介がやれる!」と確信を持った、あの表情でございますー!あぁ・・・・!プロデューサー氏の目は間違っていませんでした!この切ないとしか言いようのないシーンで、あのCMと同じ表情を見せてくれる中居正広!!!!!!
す、素晴らしい・・・・死んでいく石倉氏を抱いてあげたたんぽぽの動揺をおさめるための抱擁は、死んでいく自分をいっとき慰めてくれるための女を自ら抱いているという構図にもなるわけですね。たんぽぽはそういう力があるという自覚なんて無いし、直江せんせいにしたって、そういう力を持っていると明確に見込んでいるわけでもないと思うんですよね。これはもう、言葉は乱暴だけど、「そのとき居合わせた」というのがいちばんあたっているような。たんぽぽは確かに、直江せんせいと関係があると(視聴者に)わかっている三樹子薔薇とかMRとかに比べて、仕事とプライベートを切り分けられる、仕事のことや逆に自分のカラダとかを武器にしない、というのはあるんだけど、「死んでいく男を抱きしめられる女」という役割にふさわしいかどうかというと、わからないです。前に書いたように、運命って、変化していくものだと思うし、直江せんせいが病を克服して長く生きられたとしたら、別の運命の女が彼の前に現れるかも知れない。30年間限定だからこその最後の相手が、たまたまたんぽぽだったんだと思う。これは負け惜しみ(笑)とか屁理屈のつもりじゃなくて、なんていうか・・・過去から未来に続いていく直江庸介の女性遍歴(って言葉が悪いな、いい意味なんだけど)の中で、彼の生が30年で途絶えるから、その時点で付き合っていた女がたんぽぽで、だから「最後の女」なのだとういう。MRとの比較とか三樹子薔薇との比較とかいう狭い問題は関係ないです。なんていうか、直江せんせいのたんぽぽへの覚悟は、今言ったような意味での覚悟なんじゃないかなぁ。
どうでしょうか。異論・反論、あると思います。私にしても、全話を通してみたらまた別の見解があるかもしれない。でも、今の時点でのたんぽぽ観はそんな感じです。
あぁ、長いわ!前回のCM明けからスタートしたのに、また10分経ったところでこんなにスペースを!えぇいもうどうにでもなれだわ!ちきしょー!終わらねぇよ!

全然終わってないんですが、今日は体調不良にて、明日か明後日、またupします。


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そして5月5日。昨日お約束したとおり、続きを書きます。


石倉氏の容態は回復せず、ついに直江せんせいは、奥さんに「峠」であると告げます。大丈夫、よくなると言い続けていた主治医が突然と言ってもいい危機宣言をしたのですから、ただでさえしっかり者とは言い難い奥さんにはどうしてよいやらわからないでしょう。その様子に、またまた一緒にいた小橋医師、駆け寄って抱きしめんばかりに奥さんに手を置き、励まします。でもその言葉は?「石倉さんは強い人です」という台詞。え・・・?小橋先生も、嘘の中に?
そうなのですよね。今や、医者のつく嘘の中に、直江せんせい、石倉氏、たんぽぽ、小橋先生が入ってきて、そして、石倉氏がいちばん守りたい奥さんを全員で守ろうとしているのね。
石倉氏は、夕日の中でぐったりとしています。手を伸ばしてハーモニカを取ろうとすると、咳き込んでしまいます。けれど、たんぽぽと奥さんが病室にちょうど戻ってきたのを見ると、途端に、今まであれほど朦朧とした表情をしていたのに、笑顔を作り、奥さんに軽口すら叩いてみせるではないですか。嘘の中にいる石倉氏。そして、・・・・奥さんもまた、嘘の中に入ってきたのです。今の今、「峠」と聞かされたばかりなのに、夫の軽口に冗談で答える妻というのを演じています。この瞬間、奥さんも嘘の中に入ってきたのですね。

場面は変わって、病状説明室(という名前かは知らないが、いつも病状を説明している部屋)。オレンジの夕日を浴びる小橋先生と、青い蛍光灯を浴びている直江せんせい。ついに小橋先生は、石倉氏の治療に関してのみ、という但し書き付きだけれど、直江せんせいのやり方を認めたとはっきり言います。ふ・・・・真っ直ぐだな小橋くん。賛成でも反対でもはっきり口にしないと気が済まないのだな。

深夜の病室。奥さんが席を外したとき、石倉氏が直江せんせいに話しかけます。「先生・・・・」「はい?」
あぁ、なんて愛らしく優しい「はい」なのでしょう。口数が多くない直江せんせいの場合、相手の発言を促す言葉はいつも暖かくて優しいもの。「どうした」というたんぽぽへの定番も、直江せんせいにとっては、相手にしゃべらせる会話スタイルの定番とも言えるものでしょう。はい?と促した、石倉氏の言葉はしかし、死を覚悟したものでした。「生まれて・・・よかった・・・・」そして、あんただって、そうだろ?と同意を求めます。生まれてきてよかったなんて、そんなちょっと極限の台詞を聞かせてしまったのを少し柔らかく戻すために、一般論として先生に同意を求めたのでしょうか。きっとそうね。直江せんせいのついた優しい嘘に入ってきている石倉氏は、自分に死期が迫っていると思っていない演技をしています。自分が演技をしているのをせんせいが知っていることも知っている。お互い、承知で辛い嘘をつき続けている、いわば同志。最終的に、妻のための嘘を。だけど直江せんせいには、最後の見えている自分の生を確認させられているのと同じコトなんですよね。あたし、今ここを書いていてうるっと来ました。OAを見たときには全然感じなかったのに。直江せんせいが、少し屈み込んで石倉氏の言葉を聞いていて、同じように限りある命を自覚するものが、同じ気持ちを確認している、そういう場面なのですね。石倉氏は、直江せんせいの病気に気付いてなんかいないし、ましてや、限りある命のその終わりがいつ頃なのかを自覚している人だなんて思ったこともない。ただただ、もう長くはない自分のために心を込めたケアをしてくれる主治医に、相づちを求めただけ。なのに・・・・石倉氏ったら、直江せんせいの今の気持ちを視聴者に見せてくれる役目まで果たしているのですね。
石倉氏への直江せんせいの態度は、いつもいつも優しく穏やかで暖かい。ほんと、女神のように。最初は石倉氏へだけだったこの態度が、今ではたんぽぽにまで拡大しているのですよね。
先生も、と同意を求められ、せんせいはもちろん、そうであると、「ええ」という答えを返しました。そうです。これは嘘ではありません。せんせいは、きっと、心の底から、生まれてきてよかったと思っている筈。そして、それと同じくらい、まだ死にたくないと思っている筈。(涙)
せんせい・・・・・
直江せんせい・・・・・
あーもう。そうやって清らかな白に身を包み、本当に患者にとってなにがいちばんいい治療なのかを考え信念を貫く直江せんせい。あなたこそ、白衣の天使ですー!石倉氏、幸せ。直江せんせいに診てもらうことが出来て、幸せです。辛い闘病だったかもしれない。TVで描いているのはまだまだ甘くて、喉にたんが詰まって危機だったときの鬼気迫る演技も、実際に比べればほんと、美化してるというレベルだそうですけれど、ドラマの中での闘病としては、これがまさに真実。真実と書いてリアルと読む。直江せんせいの痛がり方も、石倉氏の苦しさも、奥さんの取り乱し方も。そして逆に、緊急事態になったときの医師の様子。きっと本当の医師が患者の重篤な場面に遭遇したとき、もっと冷静でもっとテンションが低く、そして穏やかであるのかもしれません。でも、ドラマとしてのリアルは、これでいいのでしょう。
余談ですが、先日NHKで放送していた、救急救命医のドキュメンタリーで、彼ら医師は非常に冷静かつ淡々と治療にあたっていました。当たり前ですが、なんか感動しました。そして、意外だったのは、意外と言っては失礼なのかもしれないけど、情熱を持って医療に対しているのだな、ということ。だから、直江せんせいや小橋先生の医者としての演技は、ある側面はデフォルメされ、ある側面はその通りに、そしてある側面は抑え気味に演出されているのだなぁと、妙に納得したのです。


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5月6日。もう言葉もございません・・・。


石倉氏は外を眺め、表はあったかいかい?と聞きます。直江せんせいは、微笑みながら、「えぇ」と答えます。じゃあもう春もじきに。その、問うているとも、独り言であるともわからない言葉に、せんせいは、酷く長い時間をかけて、優しい顔から、厳しいかおへ、切ないかおへと、そして、また暖かいかおへと、変化していったのです。これ以上話をさせず、マスクをつけてあげるせんせいですが、「マスク、つけますね」そう呼びかける声が、ほんとに、白衣の天使・・・・(涙)
せんせいと石倉氏は、もしせんせいが医師ではなかったら、同じ病院の隣り合わせたベッドで過酷な状況と戦う患者同志だったかもしれない、実は同じくらい重篤な患者。なのに、片方は、患者であり、もう片方は、その患者を励ます主治医。春は同じように二人には遠い季節(涙)
だけど、春はもうすぐそこで、二人はそれを普通の世間話のようにするのですね。(涙)
言葉では嘘の中にいて演技を続ける二人。でも、行動は。石倉氏は、ハーモニカを、直江せんせいの手に握らせます。いいから、持ってて下さい、とでも言うように、ハーモニカを掴ませたせんせいの手の甲を、ぽんぽんと叩くのです。いっしゅん、それを受け取るかに見えた直江せんせいですが、せんせいのほうが一枚上手。石倉氏は、言葉とは裏腹に、自分の命の限界を悟った行動をとりますが、それに対して、直江せんせいは、また石倉氏の手にそれを取らせるのです。この上ない暖かな笑みを顔に刻んで。石倉氏も、そうだった、と、再びハーモニカを自分のものに。
直江「何ですか、大事なハーモニカじゃないですか、持ってないといけませんよ」
石倉「おっといけねぇ、そうだったそうだった、俺の大事なハーモニカだもんなぁ」
ってところでしょうか。主治医と患者の関係を超えては全然いなくて、この二人は、主治医と患者のいちばん深いところまで辿り着いたのかな、という気がします。いいなぁ直江せんせいも。自分が、同僚医師の反対をおしても貫いた診療方針が、当の患者にこんなに深く理解してもらえるなんて。せんせいとしても、医者冥利に尽きるってもんでしょうね。
嘘の中にいた二人が、石倉氏の無言の行動で本当の話をしそうになり、また嘘の中に戻っていく。そしてその嘘は、今までの嘘とは少し違う。お互い、わかっている、全部理解し合っている、ということを確認した後の嘘になるのです。
その頃のたんぽぽ。ナースステーションでのたんぽぽと小橋医師は、目で会話をしています。たんぽぽが見ているのは、心電図計。だんだん下がっていく数値を無言で見る二人。
直江せんせいは、眠ってしまった石倉氏の病室の窓に立ちます。窓の外には、たんぽぽ女が直江姫をゲットしたときに捕獲した獲物であるたんぽぽの鉢が置いてあります。それに目を留めた直江せんせいの顔は、信じられないくらい、切なく青い影が浮かび上がるのです・・・・なんてお顔を。その顔は、たんぽぽが石倉氏の添い寝をしてあげて戻ってきたときに抱きしめた、たんぽぽに見えないところでの切ない表情よりも更に辛い顔を。きっと・・・・石倉氏が口にした「春」と、たんぽぽの花とたんぽぽ女が象徴となっているイメージとしての春、遠い季節が、患者の石倉氏と自分自身のことを一気に思わせたのでしょうね・・・・(涙)

それから時間が経ったのかすぐなのか。ナースステーションのモニターが危険を知らせます。飛び込んでくる、奥さん、たんぽぽ、小橋先生。直江せんせいは、さきほど窓辺で苦痛の表情を見せたときと同じかおのまま、石倉氏の枕元にいました。
せんせいとの話から穏やかに眠りについた石倉氏は、まだ眠っているように見えます。せんせいはなぜ、そんな穏やかで辛そうな顔をしているんでしょうか。どうして、奥さんが取りすがる相手を小橋先生に変えなければならないほど、呆然としたふうに見えるのでしょうか。
奥さんは一生懸命、石倉氏の手にハーモニカを握らせ、歌を歌います。
あぁ、直江せんせいの、見つめる眼差しのなんと厳しく凛として美しいことか。ほんとうに、こんなことを言って不謹慎ではありますが、せんせいのこの表情の美しさと言ったら。
そのとき、石倉氏が目を覚ましました。そして、奥さんが喜ぶ顔にはっきりと焦点を合わせ、笑いかけたあと、目を閉じたのです。
不規則な弱い音を刻んでいた機械が、連続した無機質な音を流す中、小橋先生が瞳孔と脈拍の確認をし、直江せんせいに首を振ってみせました。せんせいは、腕時計を見やり、「5時24分。・・・・ご臨終です」と告げました。
奥さんは我に返ったように、何をしてるんだ、吹きなさい、たんぽぽを見に行くんだと、必死で呼びかけます。
春の象徴、たんぽぽの映像。

病状説明をしていた部屋に再び奥さんを呼びだし、死亡診断書にサインをもらう場面。奥さんは、胃癌という単語を初めて目にします。胃潰瘍じゃなかったのかと詰め寄る奥さんに、入院時には手遅れだったという、直江せんせい。奥さん、夫の死に重ねて、担当医師にうそを付かれていたと取り乱します。
その感情がおさまりきらないあいだに、たんぽぽ倫子が息せき切ってその場に。病室に残されていた石倉氏の書きおきを持って。ごく普通の茶封筒。ほんとに、ごく普通の茶封筒で。石倉氏らしい。ミツ様、と震える文字で書かれています。それと、新しいとは言えないノートが1冊。
封筒の中身は、婚姻届でした。自分の名前と必要事項、それに、岩崎ミツという奥さんの名前が書いてあります。そして、裏に、文が記されていたのでした。
甚だ、誠に不謹慎ではありますが、殆ど何も話さない直江せんせいは、ブルーの影をまとって凄絶な美しさです。
ミツが、書きおきを読みます。いろいろな人に、ありがとうと、ただそれだけを言う不器用な文面。字は本当に震えていて、言葉は拙くて。
最後に、ミツへの感謝の気持ちが書かれていました。
読み終わったミツは、「嘘をありがとう」という夫の言葉から、夫が本当の病状を知っていたことに気づきました。そして、自分が知ったら耐えられなかっただろうからと、夫が言わなかった理由までわかってしまいました。そのミツの言葉に、今度は直江せんせいが、ハッとした表情を浮かべるのです・・・・やっぱり夫婦なのですね、籍を入れていなかったとしても、長年連れ添いすべてをわかりあった夫婦には、夫の最後の愛情がわかったのですわ。
ストレッチャーに乗せられて、石倉氏の遺体を動かしていくとき。見送る直江せんせいに、ミツは遺品のハーモニカを差し出します。奇しくも、昨夜夫が取ったのと同じ行動です。そのときには、嘘の中の本当の話をしあった二人は、いったんそれを石倉氏に返したのですが、今日はもう、遺品となってしまったそれを、直江せんせいは受け取ることにしました(涙)。不思議なものですね、昨日まで「愛用の品」と呼ばれていたそれは、持ち主が亡くなった途端に、「遺品」という名前になるのですね。
身体は遺体に。
家族は、遺族に。
主治医は、じゃあどうなるのでしょう。主治医は、患者に感謝された主治医は、どうなるのでしょう。
その答えが見えないからこそ、直江せんせいは、気持ちを石倉氏の病室に残している・・・空になったベッドを見ながら、高いブルーのカラーに顔を埋めるようにしています。そこに、たんぽぽが、たんぽぽを片づけに入ってきました。たんぽぽ(人間)、石倉氏は納得して死んだのだと直江せんせいに確認します。それに対し、肯定しない直江せんせい。僕たちが整えたのはあくまで形。死が怖くない人間はいない。石倉氏の強さがすべてだった、と。
納得した死などあり得ないのですね(涙)。そりゃあ、そうですよね。石倉氏は感謝の気持ちだけ書いて死んでいったけれど、悔しくないわけがないし、もっと生きたいと思わないわけがない。それを、毅然として、奥さんを最後まで悲しませることなく死んでいったのは、せんせいが言うように、石倉氏の強さもあるかもしれないけど、周りの人たち、それこそ直江せんせいとか小橋先生とかたんぽぽ女倫子とか、入った病院の方針とか、病状のすすみ具合とか、奥さんの性格とか、いろいろなことが影響し合ってのことだったのだと思うし・・・。それを全部コントロール出来るわけじゃないし。
たんぽぽがそう訊くのは石倉氏のことだったけれど、直江せんせいの言葉の裏には自分のことも入っている。それに、たんぽぽ全然気付いてはいないけれど、たんぽぽのことだって入っているのですから。直江せんせいの表情の本当の意味を、彼女はどう捉えるのでしょう。ミツが書きおきを読んだときに思ったように、あれこれのことが、駆け巡るのです。このときの、空のベッドを挟んだ会話は、きっと彼女の脳裏にいつか鮮やかに蘇る筈です。
直江せんせいの手には、まだハーモニカが握られています。たんぽぽは、それを見てまた辛くなったのか、せんせいとの対面を離れ、たんぽぽ(植物)の鉢のところに。一つだけ、もう種になっている茎があって、それを風に飛ばすたんぽぽ(人間)。あんまりすっきりと飛んではいかなかったけれど、ふうっと飛んでいった種を見て満足したたんぽぽは、見て下さい、とでも言うようにせんせいを振り返りますが、せんせいはいませんでした・・・・。
まるで、消えてしまったように・・・・。ベッドの上には、ハーモニカすら、置かれていました。

せんせいは、激痛に襲われていたのです!!
目の前の視界すら歪んで霞むような痛み。廊下は長く、薬は遠いのです・・・・!!!たぶん、普段の直江せんせいなら、もっと薬のあり場所を考えた行動をとっている筈。けれど、今の直江せんせいは、石倉氏の死に出会って、普段とは違う心理状態だったのでしょうし、あれこれの処置やら書類のことやらに忙殺されてもいたはず。そして、やっと彼の死を悼んでいたところへの突然の発作だったのですから、せんせいには悲劇でした。

三樹子薔薇は、医局に忍び込んで、直江せんせいの机を調べています。でもせんせいの机には鍵がかかっていますから、目的を果たせず、そして、せんせいが戻ってくるのを隠れて見届ける三樹子薔薇。
他の医師もいるのに挨拶すらする余裕は無くて、必要なものを取り出し鍵をかけ直すと、出ていってしまいました。
その頃たんぽぽ(人間、以下同じ)は、大事なハーモニカを置いていってしまった直江せんせいを探しています・・・・トイレに行ったとか考えないんだろうかこの人は。

せんせいが、屋上に行ってしまうなんていうミスをおかしたのは、普段どおりの神経では無かったから。夜通し石倉氏に立ち会って・・・・もう夕方なのですもの。
その屋上にも容易にたどり着けないくらい、せんせいの今度の発作は酷いのですね・・・・(涙)
屋上にやっと辿り着き、真っ直ぐ歩くことも出来ないのに薬を打たなければならない直江せんせい。
階段を後から上ってくる人影は・・・直江せんせいを探していたたんぽぽではなく、医局に忍び込んでいた三樹子薔薇。
せんせいは、仕切に寄りかかって薬を打っているところでした。苦痛の声をあげ、薬が入っていき、痛みが収まっていく恍惚にも似たそのお顔の表情を。寄せていた眉が開いていくその変化を。薄目を開け、こちらの世界に戻ってくるその道筋を。その一部始終を、三樹子薔薇は見てしまうのです・・・・・
あぁ、せんせい、そんな困った顔をしないで下さい!
三樹子薔薇も、そんなあなた、そりゃ、何も知らないでその場面を見たときに何を想像したかはわかるような気もするけれど!


やっと、7話が終わりました。長かった・・・・・
石倉氏の死去という事件があるのを知っているだけに、あれこれあれこれ考えてしまってなかなか進みませんでした。
もう8話はあげてあるので、次は9話。が、がんばります。せめてDVDが出る前に!




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