“白 い 影”


何をどう言ったらいいのかわからない混乱した中でお届けするこの先どう進むか方向のわからないレポ





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第9話(新聞に出ていたサブタイトルによると『彼に残された時間』)


前回の終わりから。たんぽぽ気づき始めている倫子の「あのレントゲン、先生のじゃないですよね?」というきつい質問に、直江せんせいは言葉をすぐには返せません。顔色がいいのか悪いのかよくわからない、見ようによっては小麦色に見えなくもない直江せんせいは、眉間にそれさえ美しい皺を寄せて、たんぽぽの質問に固まってしまいます。ついにばれたのか、との気持ちなのか。せんせいは、隠し通せると思っていたのか、それともいつかはきかれる、そうしたら嘘をつく、と決めていたのか・・・・。きっと、冷静な頭では訊かれる、嘘をつくというシナリオはあったと思う。だけど、気持ちでは、知られたくなかった。たんぽぽに訊かれたことへのリアクションが返せないというよりは、自分の頭と気持ちの葛藤なんじゃないでしょうか。まっすぐ見つめてくるたんぽぽを見る、直江せんせいの瞳。なんだか瞼の二重部分がスミレ色に見えるのは私の頭が腐っているからでしょうか。

一方、小橋先生と三樹子とは、三樹子が持ってきた鍵束で開けたせんせいの机から、秘密をさらけ出していました。
押し殺した、爽やかな発音なんてとても出来ない心境の小橋医師の声。「MM・・・多発性、骨髄腫・・・・これじゃ・・・もう長くない・・・・」驚愕の三樹子薔薇。

暴かれた本人と一緒にいるたんぽぽは、目を見開いた三樹子とは対照的に、少し笑みに目を細めて、せんせいを見上げています。それは、冷静に見せているお芝居?それとも、天然?いろいろなことを知りつつあるたんぽぽ、これはお芝居が入った微笑みと見たほうがいいのかもしれません。
直江せんせいは、その瞳を見、そして空を見上げて。一瞬目を逸らしてからではないと嘘が上手くつけないのでしょうか!(涙)あぁせんせい・・・・・患者に嘘をつき、自分に嘘をつき、周囲に嘘をついて自分で生き方を選んできた強い強い直江せんせいでも、情の移った女に一世一代の嘘を付くときには、まっすぐ見つめたままでは出来ないのですね。直江せんせい、あなたって人は・・・・!最初は金の亡者かと思い、冷酷な天才外科医かと思った直江せんせい・・・・ボートなんていう熱血スポーツをやっていたり野球少年だったりしたことが判明してきたあなたは、実に心の優しい、暖かい、真っ直ぐな、誠実な青年なのですね!!!!嘘なんて、つきたくは無いのですね(涙)!!!せんせい!!!!せんせい〜〜!!(涙)
せんせいは、こんなにも気持ちの綺麗な人なのですね・・・・・(涙)
本当は、嘘を付くために、空を見上げなければならないほど、嘘を付くのが辛いのですね。この時点での運命の人であるたんぽぽに嘘を付かなければいけない、そう自分が決めたそれを実行する、それがそんなにも辛いのですね(涙)・・・・・・
出てきた言葉は・・・・「うん。・・・・違う」
あぁ、また出たわ、「うん」が!世界一愛らしい、「うん」が出たわ!きっとせんせいは、札幌のご実家では、お姉さまの後に生まれた可愛い息子として、愛されて育ったのでしょう。そして、庸ちゃんとか呼ばれて、うん、ママとか返事をする、可愛い可愛い子供だったのでしょうね!その「うん」なのですよきっと。せんせい・・・・(涙)
「違う」という台詞を、せんせいは、あっさりと短くしか言えませんでした。なんて白々しい、嘘臭い嘘なのでしょう!あんなに堂々と男らしく、患者のためには嘘を付いてきたせんせいなのに、自分のことになりたんぽぽの前になると、こんなにも嘘が辛く、嘘は寒々しく、嘘は空々しいものなのですね。その白けた感じを自分でも嫌だと思っているに違いないのに、それ以外には云いようが無いのです。その空気をたんぽぽは感じ取ってしまったのか、せんせいを見ている様子。きっと、せんせいの嘘には何らかの匂いを感じたに違いありません。きっとたんぽぽは、具体的なことではないけれど、隠すことになるほど重大なことをせんせいが隠しているのを知ってしまったのですね。
たんぽぽといるせんせいは、言葉少ない上にボキャブラリーも少な目。定番(でも意味は無限)の「うん」に続いて、もう一つの十八番「どうした?」が出ました。(笑)たんぽぽが納得したのかしていないのか、反応が無いので、そうしか訊けません。そしたらたんぽぽ、7って書いてあったから、せんせいのボートの7かと思って、と鋭いことを云います。たんぽぽはそんなことまで気付いていたのですね!たんぽぽ意外とわかってる!せんせいにとっては計算外だったんじゃないでしょうか。まぁ、あのレントゲン写真の束を見られてしまったわけですから、医療関係従事者のたんぽぽが、一般人より深く何かに気付いていたとしても仕方ないことなのですが。
そしてせんせいは、あがっていた雨のせいにして傘を閉じ、場面転換をはかります。
「人のこと勝手に病気にするな」
深い言葉ですね。そうですわせんせい!あなたみたいな方を、勝手に病気にするなんて!運命なんて!運命なんてーっ!せんせいを、せんせいを勝手に病気にしないでーっ!(涙)
せんせい。・・・・こんなに軽く、俺を勝手に病気にするな、って云いたいですよね。誰に云ったらいいのかわからない台詞ではあるけれど、せんせいは誰かに云いたい筈!俺を、って。(涙)(涙)
たんぽぽは、きっと気付いているたんぽぽは、そう言われたらそう返すしかないですもの、たんぽぽはこの瞬間、せんせいのつく嘘の中に入ってきたのです。

雨、あんなに激しかったのに、上がったようです。たんぽぽ満足倫子は片袖びっしょり。直江せんせの愛らしいお出かけ用コートは、黒いのでよくわかりません。きっと、同じように片袖が濡れているのでしょう。せんせい、お体に障りますわ!
そこへ、少年達が!・・・・このドラマの公式HPを見てしまい、ロケレポで迂闊にもそのシーンに野球少年が出てくるとかボールがどうこうとか読んでしまっていたので、今回のを見る前に、直江せんせは、拾ったボールが満足に投げられず、そこで病気が発覚するのでは、とか思っていたのです。・・・・でも、投げるより前に。拾えなかったとは・・・!(涙)既に、指先に症状が来ているようです・・・・(涙)
せんせいは、たんぽぽに「あ、ちょっと持ってて」と傘を持たせ、走ってボールのところへ。あぁ、可愛い走り。せんせいが走ってらっしゃる(涙)せんせいが、アクティブに走ってらっしゃるぅ!こんなところに、元野球少年の面影が。せんせい、子供に颯爽とボールを投げ返して、勝手に自分を病気にした(涙)たんぽぽにその投げ方を自慢して楽しい方向に持っていこうと思ったのかもしれませんね。でも・・・・!
俯いてボールを拾う指先はあまりに美しいです。細く長い指先。本当に、その指でこの役に抜擢したのだと云われても納得してしまうほど、器用そうで清潔な、中居さんの指は、直江庸介の指なのですよね。その指先に、症状が!!!(涙)
せんせいは、その動揺を後ろにいるたんぽぽに悟られないようにしながら、オーバーハンドは無理と判断し、アンダースローで投げ返すのでした・・・・(涙)たんぽぽに知られない、その苦悩の表情(涙)
中高と続けていた野球という話題のあと、少年達に混じってキャッチボールをやるとかそういうことは出来ないのですね。

しかし。今の今までざーざー降りだった雨なのに、どうして、傘を閉じた途端に野球少年たち、ユニフォーム姿でグランドに散らばっているのだろう!雨の中も続けていたのだろうか・・?それとも、雨宿りから飛び出してきていきなりボールを投げ始めたのだろうか・・・?ちょっと疑問の残る、少年野球の皆さんでした。

その頃、小橋医師は。X線技師に、7と書かれたレントゲン写真の束を持って確認に行っていました。部屋の外には、三樹子薔薇が倒れそうな顔をして待っています。写真は直江せんせいのものだったのかと尋ねる三樹子に、答えないことが答えになっている小橋医師の無言。

その頃、直江せんせい・たんぽぽペアは、なぜか、川の小さな桟橋にいました。なぜそんなところに。せんせい、ちょっとドーランが濃いような気がしますう。そんなところで手を繋がないで下さいせんせい!誰かと触れあっていないといられないのですかせんせい!せんせい、そんなところで微笑まないで下さい〜!(涙)


以下、次号!以上5月21日でしたっ。たんぽぽ竹内嬢、ビストロご来店記念!(笑)(遅すぎ)


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小橋・三樹子薔薇の鍵束ペアは、レントゲン技師から聞き出したことを小橋医師が三樹子薔薇に告げているところ。研究のため、と言ってずっと撮っていたレントゲン。長野時代に発病したのだろうと小橋医師は正しく推測しています。治らないんですか、という三樹子の問いに、無言で答える小橋医師。三樹子、お嬢さんだ弱いとさんざん言いました(言ったっけ?)けど、強いですわ。私だったら、愛する人が重病かも知れないと思ったら、怖くて訊けないですし、告げられようとしたら、耳を塞いでしまうでしょう。
その頃直江せんせいは、愛らしいジップアップのまま、自宅クローゼットを開けています。なんて厳しい表情でしょう。さっきたんぽぽに見せた顔との、なんという違い。せんせい、美しいです!
治らないんですね、という三樹子に、そう決めつけず、取りあえず、巨大な鍵束を使って見てしまった直江せんせいの秘密については、黙っているように言いました。けれど三樹子、小橋くんの表情や、何より自分で見てしまったせんせいの様子から、せんせいの置かれた状況については観念してしまったようですね。重い、二人。

何事かを感じ取ってはいるけれどまだ殆どわかっていないといったほうが正しいたんぽぽは、誕生日に男の家→外泊→しかも無断→次の日も夜になってるという凄いコースを辿って、やっと帰宅しました。そこでは大たんぽぽ@たんぽぽの母が角を出して待っていました。当たり前よぷんぷん。嫁入り前のたった23とか24の女の子が、しかも母一人子一人で自分がいなければ一人になって防犯上も危険な目に遭うことがわかっている母に黙って!しかもあんな素敵な、美しくて可愛くて怜悧で優秀な外科医の家に!それは母でなくても怒って当然!とか思うのですが、やっぱりこの母、大たんぽぽだけあって、たんぽぽとは感性が近いのですねぇ。まぁ、たった二人の家族だったら、喧嘩しちゃったら寂しいですもんね。いつもにこにこ元気で明るく。大たんぽぽ、かなり相当無限大に寛大。と思うあたしは古いんですかねぇ。でも嫌。あたしは嫌ーっ!!せんせいが凄い視力でほしがっていたものがわかっちゃって買ってあげたペンダントを、母まで知ってしまって!嫌なの・・・・(涙)なんか、こうやってたんぽぽと直江せんせいのことが公認されていくの、嫌。付き合ってるだけで嫌なのに、それがみんなに知られて、直江せんせいがアットマークたんぽぽの属性になってしまうのが嫌。直江せんせいは直江せんせいなのであって、孤独なプレイボーイなのに。誰かのものになっちゃうなんて、嫌なの。それが他の人にも「そうなんだぁ」と思われるのはもっと嫌・・・・理不尽だし子供っぽい反応ですけど・・・・自分でもびっくりするくらい、嫌なんですよねー。

さて。叫んでちょっとすっきりしたところで、次のシーンに行きます。もう、ペンダントのことは忘れたわ!
せんせいは、自宅のデスクにて、自分のカルテを作成中です。愛らしい濃いグレーのジップアップをお召しのまま。急ぐように書いているのは、少しでも多くの情報を、後の世のために残そうという願いの現れなのですね。あたしはここで、一時停止をしてカルテの内容を確認しました。
General fatigue 全体的な(全身の?)疲れ
Proteinuria 蛋白尿
Lumbago 腰痛
そして、腰の部分の骨の図解に添えた言葉は、圧迫骨折・・・・・(涙)
せんせい・・・・そんな凄い恐ろしいことを、淡々と綴るなんて!せんせい!滑らかな頬はこんなにも美しいのに!そんな、さまざまな症状を抱えてらっしゃるなんて!
カルテと直近のレントゲン写真をクリップで留めて、袋に入れ、それを・・・・そこに、電話が鳴りました。たんぽぽからでした。「あたし・・・志村です。」と告げるたんぽぽに出た!お得意の無敵の!「うん」登場ですわ!あーせんせいったらもう、いつでもそれ!もう一度声が聴きたかったとかもっと一緒に居たかったとか、少女の恋愛ってかんじのたんぽぽに調子を合わせる直江せんせい。いや、たんぽぽに調子を合わせるのがイヤイヤだといっているわけじゃあありません。せんせいは大人の、しかもめっちゃモテるプレイボーイとして、大人の女性相手に様々な恋愛模様を展開してきた人。今、自分の最後の大仕事を(涙)まとめているこのときに、たぶん最後の女なのであろう女性は、こんなにも微笑ましいくらい子供っぽいというか少女っぽい人で、きっとそんな巡り合わせを、笑ってしまうのでしょう。そう、せんせいは笑ってらっしゃるんです。たんぽぽの、遠い昔にどこかで聴いたようなその台詞に。懐かしくて、暖かくて、二度と巡り会えないと思っていた大切な台詞。せんせいがここ数年相手にしてきた女性達は間違っても言わなかったような、そんな台詞。「台詞」だなんて思いつきもしないんじゃないかなたんぽぽは。ただ、思ったままを述べただけ。たんぽぽ、若いしそんなに恋愛経験が豊富じゃないでしょうしまぁ付き合った相手がいなかったわけじゃないだろうけどこんなアダルティな男性はきっと初めてで、だけどそんなことにひるんだり背伸びをしたりするたんぽぽじゃなくて、自分のやり方で自分らしく行動する。
あー私って!
つい今の今まで、たんぽぽが外泊やペンダントを大たんぽぽに知られてしまって悔しがって泣いていたこのあたし。今この直江せんせいの微笑みに、ちょっとせんせいの気持ちをわかってあげたいそういう気分になってきました。せんせいは、別に子供っぽい恋愛を最後にしようと思ってたんぽぽを選んだわけじゃないけれど、なんかそういう、「懐かしい」気持ちを持たせてくれるこの女に対して、付き合ってよかったな、と心から思っているような気が、今してます。せんせいが明るく爽やかでスポーツが出来てしかも成績もトップだった高校時代。たぶんせんせいは、私立の男子校だと思うのよ!そして、近くの共学校(女子校じゃありません、ここが重要(私にとっては)!)の女の子からラブレターもらって、結構可愛かったから付き合ってみたりしたそんなことをきっと思い出してると思うのね。もっと時代がさかのぼって、せんせいが可愛くて優秀な中学生だった頃、近所の女子校の2年くらい年上の生徒会長かなんかの女の子と付き合っていた(ような気がちょっとだけした)そんな頃のことも思い出してたりして。そういう甘酸っぱい、本人にとってはのたうち回っちゃうような恥ずかしい若気の至りのような恋愛は、今のせんせいにとってかなり心安らぐものなのでしょうね。
だってせんせいは。
せんせいは、段ボールにその資料を入れていっているのですもの。せんせい!!!あぁ、言いたくは無いけれど・・・・し、身辺整理を?!
さっき、クロゼットを開けたときのせんせいは、とても厳しい顔をしてらっしゃいました。痛みが腰だけではなく、手の先にまで現れたことで、せんせいはきっと覚悟をされたのです。もう、あまり時間は無いと。(涙)
せんせい・・・・!そのご判断は正しいのかもしれないけど、あまりに酷い!!!
そういう身辺整理の最中にかかってくる電話として、たんぽぽの甘酸っぱい青春トークは、せんせいの心にどれだけ暖かい風を送り込むことか。
悔しいけど、悔しいけどたんぽぽ、三樹子薔薇だけじゃなくて、あたしも負けそうよ、あなたに!

ハッキリ申し上げて、今これを書いているのは5月23日。最初に見たときとはかなり印象が違っているんだろうなぁ、あたし。ここまでたんぽぽとの交際について寛容になれる(いや、なったわけではないが!)とは思わなかった。理解できない、というのが基本線でしたから。直江せんせいが、身の回りのことを片づけるモードに入っているとき、恋愛としては右肩上がり(たんぽぽにとっては)なわけで、それが今初めて少しだけ納得できそうな感じです。
でも、たんぽぽのキャラについてはまだまだ異論がありますの!えぇ!

せんせいは・・・・・せんせいは、たんぽぽと他愛ない(あぁこういうのを他愛ない会話っていうんでしょうね!)取るに足りない会話を交わしたあと、デスクに戻り、電話を取るときに落としてしまった例のガラスの破片を手に、デスクの上にその美しい上半身を伏せました。「ほぅ・・・・」という美しい溜め息が聞こえてきそうな、そんな仕草。倒した身体も、憂いを含んだ瞳も、高い鼻も、形のいい唇も、なんて美しいんでしょう・・・・
はぁ・・・・・
せんせい。美しい・・・・・!
こんな美しい人が。こんなに誠実そのものの医師が。こんなにも研究一途な学者が。そして、こんなに若く、可能性のある青年が。なぜ。
そんな、こちら側の溜め息をも吸収しながら、オープニングタイトルへ。


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再開します。6月になっちゃいました!DVD出ちゃいそう!!(焦)
オープニングタイトルの後、たんぽぽ、出勤風景。バイクを停め、バックミラーに映った自分にうっとりしてるのかと思ったら、その顔の下に付いてるペンダント(直江せんせいが驚異の視力でチェックして凄い時間に買ってきたヤツ)を見てとろけているのでした。たんぽぽよ。あたしは先日やっと、あんたのことを認めようとし始めたのにさ。職場恋愛ってのは基本的に秘密じゃあないの?そんなところでうっとりと、もらったものを見て・・・・あ、盛大ににやけてるから、高木看護婦に見咎められました。というか、誰かに見つけてもらおう、チェックしてもらおうと思ってそんな素振りを?!えぇ?
そんな楽しい朝を迎えるたんぽぽと対照的に、出勤直後の直江せんせいは、院長に呼び出し食らってました。せんせいが、疑惑の目を逸らすために敢えて提供した「本物の」「せんせい自身の」治験薬データは、「偽造」と言われてしまいました(涙)!せんせい、院長の怒りの追及を見やる目線のなんと美しいこと!心なしか、お顔色もよくないように見受けられます、せんせい。くっきりとした二重瞼も、高いお鼻も、唇の完璧な形も、丸い額も、ふわんとした髪も、こんなに美しいのに。そして、こんなにも努力してデータをまとめているというのに。
・・・・・無理もありません。誰だって、高価なそして貴重な治験薬を、自分の病院の勤務医が自分に内緒で手に入れ、その使用先がわからないとしたら、そう思うに決まっています。(涙)無理も無いのです!
なまじ、データは本物だ、事情があって誰の物かは言えない、と言うそのお顔が美しく不遜に微笑みさえ浮かべているように見えるものだから、院長の頭に血が上ってしまいます。せんせいとしても、うろたえる演技をする意味などなく、ただ真実を、言える真実だけを(涙)述べているだけだけれど。
院長が要求する、ここに連れてきて目の前で注射を打つようにという指示。それはもう、半分かなえられています、院長。あなたの目の前で、フロノスをもう渡さないと告げられて一瞬動揺を見せたその人が、注射を打っている人なのです・・・・!そして院長、あなたがこの世の誰よりも愛するお嬢さんは、その人に注射を打ってくれと頼まれて、震える指で打って上げたことがあるのですよ!!!
せんせい・・・一瞬ではありませんでしたね・・・もうフロノスは、あの病気への抵抗を示せる唯一の薬であるフロノスはあなたの手元に届かないと、そう聞いた、あなたの動揺・・・・!身体の症状が別の局面を見せる中、それの進行を少しでもくい止める手だてだったその薬が、もう届かない・・・・
せんせいには、本当のことを話すという選択肢もある筈。院長にすべてを話して、誤解と侮辱を解き、苦しみをやわらげるものを手にする道があった筈。でもせんせいはそうしませんでした。何もかも、覚悟の上。せんせいは、動揺の表情を遠ざけ、クールなもとの顔となって、院長室を去ろうとしたのです。その背中に、捨てぜりふを投げる院長。たんぽぽとの関係は知っているんだと、脅したのですね。これでもまだMRに連絡をとって手に入れでもしたら、今度はたんぽぽの命が(じゃなくて!)たんぽぽにあなたの卑劣な治験薬横流しをばらしますからね、と。

その頃たんぽぽは、飽きずに高木看護婦相手にのろけ話を。
ここは割愛させていただきます。

足取りから重い、三樹子薔薇登場。黒コートにブーツをお召しで、沈みきった面もちで。悲惨な宣告をされた直後の直江せんせいが、相変わらずのAラインぶりで可愛く(だって可愛いんだもんよう)歩いています。そんな愛らしい姿を見ても、お嬢さんは「可愛い!」とか思うことは無いのです。鍵束下げてせんせいの机を見てしまったあのときから、三樹子薔薇、考えることは一つ!
・・・・このドラマの中で、感情とファッションが一致しているのは三樹子くらいなもんでしょうか。演出家さんの「このシーンで三樹子にこの色を着て欲しかった」というコメントなど見ました。今の気持ちはきっと、真っ黒、真っ暗なのでしょうね。
愛らしい直江せんせい(だって歩き方が可愛い)の後を追っていく三樹子薔薇。そこに向こうからMRの姿が。怒ってます?との問いに「いや」と答える声もなぜか愛らしい直江せんせい。台詞が短いだけに、ちょっとの抑揚で明るく聞こえたり辛そうだったりと、せんせいも大変です。あのせんせいと渡り合うってことは、このちょっとばかりの抑揚と、眉を動かす程度しか変わらないこともある表情と、無言にも近いその台詞とであれこれ判断しながら、なわけで、なんて大変なんでしょうね。そのちょっとした眉の動きだけでも、近くで見ていたいと思うのが女心というものですね。
せんせいに会って変わったと話すMR。どう変わったと言うのでしょう。以前は自分の身だけが大事だったけど、せんせいに会って変わった私は、院長(パトロン)に黙ってフロノスを届けることもすると言いたいんでしょうけど・・・。それのどこが変わったと?フロノスを持ってくればせんせいに構ってもらえると思っただけなんじゃあ?せんせいからフロノスを取り上げることになったのはあんたが喋ったからじゃないの!これで自分の身が大事じゃないとは言わせないし、どこがどう変わったのかちゃんとわかるように説明してほしいもんだわ!(怒)
大体、「あなたに会って変わった私」なんて、使い古した言葉で食い下がらないで下さい!せんせいは、フロノスの無いせんせいは、あんたに構ってる暇があったら少しでも医学の進歩のために働きたいのよっ!
なんか急激な勢いで怒りが。せんせいは怒りをぶつけてはいないと言うのに。せんせいは諦めたというのに、あたしは諦められません・・・・・・・(涙)
医局には、当直を終えて帰ろうとする小橋くんの姿がありました。院長室で酷いこと言われて、途中MRに迫られて、散々な目に遭いながら帰ってきた直江せんせいとすれ違う時間。もしかしたら、せんせいが戻ってくるまで待っていたのかもしれません。話そうと思ったとかそういう気持ちがあったかどうかはわからないけれど、せんせいの顔を見なければ帰れなかったのでしょうね。何事かを語りかけようともせずに、小橋くんは帰っていきました。「おはようございます」の挨拶に「どうも」と返す直江せんせい。どうしても、長い台詞は言いたくないのですね(笑)。あ、私ったら、「(笑)」だなんて!こんなときなのに。だってせんせいったら、いつも変わらずせんせいなのですもの。

次のシーンは診療する直江せんせい。久しぶりですね、石倉氏以外の人を診察しているのは。初回だったか2回だったかのおばあさんの骨折を診て以来では?!細く長い指が、病人の腹に置かれています。う、うらやましい。そんな指で触れてもらえるなら、あたしも骨の一つも折って・・・・あ、ダメ。せんせいにこのハラを触られたら!女のほうが脂肪が厚くて手術がしにくいんだと医学生だった友人が言ってました。その女の中でもこのあたしのハラの具合ときたらもう!やっぱりせんせいには、元気でお目にかかりたいものです。
せんせいったら、退院を告げるその顔が明るくて(涙)。珍しく、せんせいから長台詞がきかれました(これで長いなんて言ったら橋田スガコに笑われるが)「いや、僕の力じゃない。ナントカさんの治ろうとする力が、病気に勝ったんですよ」とせんせいはおっしゃいました。
せんせい・・・・でもねせんせい、治ろうとしても、勝てないこともあるとせんせいは思ってらっしゃるのではなくて?せんせい!?せんせい・・・・(涙)なんて明るい顔をして、そんなことをおっしゃるのですね。
たんぽぽに会えなくなるのも寂しいという患者に、「あたしと会えなくなるってことは、元気になったってことなんですから」とたんぽぽ。確かにな。看護婦ってのは因果な仕事だね。仕事で顔を合わせる人間は、病気や怪我の加療を必要とする人と、それを治そうとする人の二種類。たんぽぽのように生命力有り余ってるような人でも、仕事相手はみんな、そのどちらかなのですね。
直江せんせいは、たんぽぽの台詞にハッとしたように、たんぽぽを見ます。でもたんぽぽは、愛しの直江せんせいが、患者の退院を喜ぶ笑顔を自分とかわしたかったのだと思ったようですね。意味の深い台詞ですね。直江せんせいが、たんぽぽの台詞の前半と後半どちらにハッとしたのかは、コメントしないでおきます。

そんな日常の合間に、せんせいの病状は。ふらふら、だけとも言えない複雑な歩き方をして、せんせいが医局に戻ってきます。発作が襲ってきたのかと思えばそうではなく(鍵をかけていないので心配しました)、発作はもう襲った後で、注射後のトランス状態から少しだけこちら側に戻ってきたところだったようです。幾分か髪も乱れているせんせい。デスクに落ち着き、フロノスの空き瓶と注射セットを放り投げ、そして一瞬「あれ?」と思う直江せんせい。何か、変?変なのですね。フロノスの本数が違うとか?それとも、レントゲン写真の枚数が?小橋くんたちが持ち出して調べたことを、雰囲気でわかったのかもしれませんね。せんせいは、たった1本になった(なったのか!(涙))フロノスの瓶をカバンに入れました。さっき見た小橋くんのカバンと、違いますね・・・小橋くんのは、堅くて、マチがあるいわゆるお医者さんカバンっぽかったですが、直江せんせいのは、マチが無い、ちょっと見には(持ってる人のイメージなのか(笑))ヤンキーカバンみたいなんですけど。あの、昔K県F市あたりとかにたくさんいた、ボンタン穿いてハイカラーの長ラン着た兄ちゃんたちが持ってたみたいなヤツに、ちょっとだけ見えたんですぅ。よく見ると違うんだけど。学生カバンをうすーくする(そのほうがかっこいいらしかった、昔は)のには、お湯をかけて柔らかくしたりするんですよね確か。で、縫ったりするんですよねマチを。あたしは超真面目な生徒だったので、知りませんけども。
脱線しました。せんせいは、残りわずかなフロノスを、カバンに入れたのです。

せんせいが帰ろうとすると、たんぽぽが!怖い!せんせいったら、誰にも呼び止められずに廊下を歩くことは出来ないんですわ。昨日母に怒られたばかりだと言うのに(あ、大たんぽぽめ、許したんだっけ)また、仕事が終わったら行ってもいいかとたんぽぽ。信じられない!これ以上直江せんせいに!(涙)あたしはまた、たんぽぽ許せませんモードに入ってきてます!ダメー!(涙)いやー!(涙)
なのにせんせいったら、少女漫画ちっくなたんぽぽに安らぎと懐かしさを覚えているものだから、愛らしい「うん」でOK出しちゃってますー!いやー!(涙)しかも!お疲れさまなんていう長い言葉を与えてー!いやー!(涙)
でもたんぽぽは、見ちゃいました。せんせいが、階段を降りる姿の不自然さを。せんせいは、ちゃんと歩けていないのです。(涙)
せんせい・・・・
(涙)・・・・
脚に、脚に症状が・・・・!
もう、指先にも来ているというのに・・・・!
不安そうなたんぽぽ。

せんせいの宝石のような瞳のアップ。目尻の皺が愛しいです(あたしったら)
せんせいはやっぱり、おかしいと思っているんです。前に確かに2本あった筈のフロノスが、なぜ次に見たときに1本になっていたのかと。おかしいのです。誰かが、ここを開けたのではと。もし院長だったら。でも院長は、直江せんせいはフロノスを横流ししていたと思っているから、使用した状態を見れば疑問に思う筈。だから院長では無い。だとすると・・・・?
研究資料として箱詰めした中に、などと考えていると、玄関のチャイムが。たんぽぽかと思って(いつもそうだが、せんせいは来訪者を確認するとかしないのだろうか?!)開けてみると、小橋君が。そう、やっぱり小橋くんだったのですね、レントゲン写真を持ち出したのは。しかも、大学病院に持ち込んで調べてもらっていたとは!!
ここまでされては、もう隠しようがありませんね。一言も「MM」とも「あなたの写真ですね」とも言わずに、その言わないことで深刻な事態を物語っている小橋くん。「いつから」と聞くのです。その台詞には、もしも同僚たる自分がせんせいの発病に気付いていたら何か出来ていたのでは、との気持ちがあったのでしょうか。
でもせんせいは、長野の七瀬先生のところにいるときに、既にわかってしまっていたのですわ。手の施しようがないなんて、そんなことを淡々とおっしゃるのですね。入院し、他の治療をするべきとの小橋くんの熱い言葉にも、自分で選んだことです、とせんせい。逃れようのない、事実ですから、と。
最初、せんせいに「あなたは」と言っていた小橋くん、途中から自分でも気付かずに、「きみ」に変わっていました。説得に同意してくれるだろうと安易に考えてはいなかったはず。でも、病気のことを知っていると切り出されて動揺を見せる場合とかを想定していなかったことは無いと思うのです。だけど、せんせいは、内心を見せようとせず、決意だけを語るのですから、小橋くんはもう、耐えられないのです。年上(でしたよね)であり尊敬する同僚である直江せんせいに、初めて(それも無意識で)きみに、と言うのです。
それでも僕は、君に生きてほしい、と。
今、もう一回そこを見直しました。違いました。小橋くんは、言い直しているのですね。最初は「僕は医者としてあなたに」と言い、「いや」と訂正するのです。「僕は君に、生きてほしい」と。医者同志として、または、病に苦しむ患者に対する医者として話していたのを、一個人としての発言に言い直したのですね。小橋くんらしい、熱くて気持ちの籠もっていることですよね。
でもせんせいは。直江せんせいは、美しい背中を夜の闇のような濃いブルーのシャツに包み、その背中と、丸い耳の端と、睫毛と、輪郭とを見せながら(表情を見せずに)、それは先生のわがままです、と言うのです。
小橋くんが一生懸命、「あなた」を「きみ」に言い換えてまで、人間としてぶつかってきているのに、せんせいの小橋くんへの呼びかけはまだ「先生」であることに皆さんお気づきでしたか?ありがとうございます、という異例に長い感謝の気持ちを贈りながらも、その好意を受け取らない直江せんせい。あなたってひとは・・・・(涙)
「ありがとうございます。・・・でもそれは、先生のわがままです。事実を誰にも知られたくなかったのは、僕のわがままです。」
そう続くのですね、せんせい。OAでは素直に聴けたこの台詞。今、穿った見方で見ていると、あの歌が思い出されます。歌詞の引用は問題があるでしょうか、「虹とスニーカーの頃」の歌い出し。あの歌詞、初めて聞いたときから納得出来なかった。我が儘は男の罪、と自分を責めているように見えながら、それを許さない女のほうがもっと罪深いと女を責めるその歌詞。なんか、男ってホント我が儘ってことなのねぇ、と子供心に思ったものですわ。あたしが子供の頃に既にクラシックソングだったような気がしますが。
その歌が唐突に思い出されました。だって、言い方は、相手→自分、とあの歌とは逆だけれど、結局言ってることは、自分のわがままを認めて欲しいってことなんですもの。
直江せんせい。ホントにあなたって人は。あたしがせんせいの同僚医師だったら、あたしも呼びたい、「きみ」って。そして、その細い肩を掴んで、揺さぶって、ひっぱたいても、入院させたい。それをしたいと思うのは先生のわがままだなんていう究極のわがままを言われてみたい!
「死んでいく僕だから見える医療がある、そう思ったとき、残酷な事実を味方に付けて、医者を続けようと決めました。・・・これ以上の医者としての、仕事の仕方は無いと。・・・だから僕は、最後まで、医者であり続けます・・・・ご心配いただいて、本当にありがとうございます。でも・・・・僕には僕の・・・・生き方がありますから。」 何も言えない小橋くん。じっとしていることも出来ません。
ここで唐突に、「自分・・・不器用ですから」という声がどこかから聞こえてきたあたしは、失礼でしょうか?不謹慎でしょうか?そして、直江せんせいの心の吐露が、七五調っぽくて、北の宿からとかそういう感じ、と思ってしまうのはやっぱり不謹慎でしょうか?罪でしょうか?
だってせんせい・・・あなたにそんな長い台詞は!似合いませんわ!せんせい!
たぶんせんせいは、本当に喋るのが苦手で。自分の気持ちを言葉にしてひとにわかってもらうのはいちばんの苦手ジャンルでしょう。患者の身体が言いたいことを聞いてやり、適切な治療を施すせんせいの職業とは逆のことをしているのですね。
また唐突にすみません。あたしは昔から、話し下手の人が恋愛上手であるケースについて、ごくたまに考えることがあるんですよ。自分の気持ちを語らずに、どうやってそこまで、とか思ったりすることがホントにたまぁにあるんですが、直江せんせいのこの「自分・・・不器用」な真実の言葉を聞いていると、その不器用さがかえって気持ちに嘘がないことを、より強く伝えるのかと思うのです。
直江せんせいが無口なのは、病気と無縁ではないのかもしれませんね。重大な事実を知らされ、それを誰にも言わずに生きようと決意したときから、せんせいは、滅多に喋らないことで、何もかも言ってしまいたくなる自分の弱さを封印したのかもしれません。ボート部で7番目を漕いでいた男が、野球少年だった明るい子供が、無口だったわけはありません。せんせいの愛らしい「うん」も「どうした」も、すべては、せんせいの病気が連れてきたのかもしれません。(涙)
せんせいが今持っているそのキャラクターのかなりの部分が、病気によってもたらされたものなのかもしれませんね。だって、七瀬せんせいと楽しそうにお蕎麦を食べる直江せんせいは、別人のように笑い、若者のような、無邪気な様子で店員さんにまで愛想を振りまいていたじゃないですか!
せんせいは、病気によってこんなに変わったのですね。
ほんとにわがままな人だ、と小橋くんは言葉の通じ無さに打ちひしがれていますね。せんせいは、どんなに小橋くんが言葉を尽くしても、一度喋ってかえって腹が据わったのでしょうか、動じません。
そこに、チャイムが。今度こそ間違いなくたんぽぽ。なんと、外廊下から「先生!」と無邪気な呼びかけを。信じられません。あなたってばせんせいと自分のことを世の中のすべての人に言いふらしまくるつもりでもあるのですか。せんせいの隣人がどんな人かも知らないのに、こんな夜に、「先生!直江先生!」と、固有名詞までつけて呼ぶとはなんという迂闊さでしょうか。迂闊っていう文字、書こうと思ってもきっと書けないけど、パソコンって便利ね。思いついたことが全部漢字になるわ!そう、たんぽぽ迂闊です。こんなふうに、来訪者がいるかもしれないという可能性とか考えないのでしょうか。先生はあたしを今か今かと首を長くして待ってるから早く行ってあげなくちゃぁ!とか思ってるんでしょうか。・・・その証拠に、たんぽぽは何と、勝手にドアノブをガチャガチャやりはじめました。これじゃあまるでストーカーです。せんせいが自分に気があると思いこんでる可哀想なストーカーみたい。仮にもせんせいに大事にされる最後の女なのに!尻尾振って「入れて!」ってやってるお散歩から帰ってきた犬みたいだわ。
なんかこう、たんぽぽらしいっちゃあたんぽぽらしいんだけど、もうちょっとアダルティまたは女らしいやり方にはならないんでしょうか。つい先日、許しかけたたんぽぽとせんせいの仲ですが、再び許し難いとの思いがふつふつと沸騰してまいりましたです。
これは、小橋くんが、来訪者がたんぽぽだと知るための仕掛け、なのでしょうか。小橋くんは、彼女も何も知らないのかと尋ねます。せんせいにとってはもちろんのことなのです。そして「愛していますから」と。
せんせい・・・・・
ほんとうですか、それは・・・・
せんせい・・・・・・!(脱力)
あたしは床にくずおれてしまいますぅ〜(涙)
なんか自分が失恋したみたいに(いや事実そうなのだが)悲しいですぅ〜
まるで、自分に言い聞かせるみたいに、言ってませんかせんせい?!
微笑ましい青春の恋を思い出させてくれる存在に感謝はしていても、愛していますからは言い過ぎなんじゃあ?
迂闊娘ドア破られそうたんぽぽがどこでうっかりさんを披露するかもしれないから黙っているんじゃなくてー?!
・・・・これは嘘ですけども。でもね、きっと、言い聞かせてる部分はあると思うんです。
今、直江せんせいがどんな気持ちで病気と向き合い医療と対峙しているかを知ったあたしたちは、せんせいが如何に情に流されず冷静に思ったことを実現していく強さを持っているかを改めて確認しましたよね。せんせいにとっては、今はとても、精神的に落ち着きを取り戻している状態だと思います。女や酒に逃げていた時期を抜け、今は、比較的穏やかに、現実と向かい合っていますよね。その「落ち着き」にたんぽぽも一役買っているのは認めるけれど、せんせいのような志向と性向を持った人が、魂の底から愛を捧げるタイプじゃないと思うんですよ、冷静に考えると(あ、疑ったな今!)どうしても。どう考えても。但し書き付き、条件付きの、「愛していますから」だと思う。この女を愛そう、という決意があったんですもの。あの、たんぽぽ(植物)狂乱の土手に降り立ったときに。せんせいのように現実から目を背けない人が、たんぽぽと自分が普通の状態なら恋に落ちないことを、わからないわけは無いですもの。せんせいは、「決意して」たんぽぽ(人間)に接してるんですよ。
しかし・・・(ぼそぼそ)・・・・・・言われてみたい、直江せんせいに・・・・・
毎度、ちきしょーの対象なたんぽぽ(人間)ですが、せんせいが出てきてくれないのを悟って、ふてくされて帰っていきました。

たんぽぽ、せんせいから留守電入ってるんじゃあ、と期待してたりします。そんなたんぽぽをそんなに励ましてどうする大たんぽぽよ。これ以上自信つけさせないで下さい。(あ、あたしったらやさぐれてる?!)
・・・・変に励ますものだから、たんぽぽはせんせいの家に行ってしまいました(涙)。ちっきしょー!!!
せんせいが、脚を引きずっているのに。愛用のセブンスターさえむせてしまうくらいなのに、なんでそんなに嬉しそうなんだたんぽぽ!!!大たんぽぽ、寛大過ぎないか?おかしかないか?まるでせんせいが大変な病気を抱えてらっしゃるのを見越してでもいるかのようにせっつくのはなぜ?おかしいって!あたしったらもうすっかりやさぐれー!
たんぽぽしかも、せんせいが脚を引きずっていたことを無邪気に指摘します。あんたってば、あれだけいろんなことを見聞きしてるのに、ただの捻挫だとでも?!いろんなことはすべて、かるーい風邪とか頭痛とかだとでも?!せんせいは、そんなたんぽぽに、笑いながら答えるのです、何ともないと。せんせい、その笑顔はちょっと笑いすぎですー。不自然ですー。
せんせい、たばこすら吸うのをやめてしまって、ふと目に入ったのは、支笏湖の写真。あぁ・・・・・(涙)

小橋くん、直江せんせい宅を訪問したことを三樹子薔薇に報告しています。想像していたよりも酷かった事実とせんせいの厳しい態度に、小橋くん、コーヒーにミルクを入れる手も震えています(涙)。話す内容の厳しさに涙しているのかもしれません。このまま病状が進めば、歩行困難となり、貧血と痛みの連続で動くことさえ苦痛になります、と・・・・。そんな報告、聞きたくないに違いない三樹子お嬢さん耐えて聞いてます。そして更に聞きたくない一言が。彼の心を動かすことが出来るのは志村くんだけかも、という言葉。(涙)
今までのお嬢さんだったら、違う反応だったような気がします。今の彼女は、鍵束持って直江せんせいの机を開けたときから、いやもしかしたら、せんせいの腕に注射を打ったそのときからずっと育ててきた強い心でそれを受け止めているのかもしれませんね。

その頃。せっかくたんぽぽが作ったパスタ(不味かったのか?!そうじゃないにしても、そんな夜更けにそんなもん食わねぇよ!)をあらかた残したまま、せんせいは眠っていました。緑色のソファの上で。不自然な寝方で。どこぞのわんこのような。せんせいは、ご自宅でもソックスをお脱ぎにならないのですね。
たんぽぽ、せんせいがうたた寝をしたのを見て、近づきました。もしやお姫様抱っこをしてベッドに運ぶのか?と思われた体勢でしたが、違ったみたいで。
せんせいは苦しそうです。汗さえかいてます。なんでたんぽぽ、もっと真剣に、具合が悪いのかとか思わないのかしら。そう思いたくないから、逃げているのかしら。そして、苦しそうなせんせいの息の根を止めようと言うのか(嘘です)せんせいの小さな頭を抱くのです。ああーっ!せんせいの耳に触ったなーっ!あたしの好きな、せんせいの愛らしいまぁるいお耳にっ!てめっ離せっ!
せんせいが、せんせいの愛らしいお耳が蹂躙されているぅ(涙)
たんぽぽが通りかかったとき、せんせいのお部屋の観葉植物が葉を落としました。かさっという音と共に。たんぽぽ攻撃の恐ろしさに、葉っぱもやる気を失ったのでしょうか。それとも、せんせいがたばこを吸いすぎるので、傷んだのでしょうか。違いますね、何かを象徴していると言いたいのでしょう。
たんぽぽ、落ちた枯れ葉と苦しそうなせんせいを見比べて、恐怖が顔に。そして、前に開けてみたことのあるクロゼットを再び開け、証拠の写真を・・・・
私思うに、やっぱりたんぽぽはあの後、直江せんせいを抱き上げてベッドに運んだんじゃないでしょうか。だって、毛布をまくり上げて運んできやすい体制を作ってるじゃないですかあ!きっと力持ちたんぽぽは、せんせいの身体なんて軽々なのよ!

たんぽぽは。直江せんせいのクロゼットから七マークの入ったレントゲン写真の袋をこっそり持ち出してしまいました。そして、小橋くんにそれを見せます。小橋くん、一目見てそれが、自分も失敬した直江せんせいの写真だということがわかり、余計なことは言わないようにモードに入ります。努めて明るく問う小橋くん。たんぽぽが不安そうなのを見て、研究用だと誤魔化します。何らかの安心材料が欲しかったたんぽぽはそれにすがることにしたのです。しかし、捨て台詞が凄いですね。「この患者さん・・・元気になったんですか」と来たもんだ!酷いたんぽぽ!なんて酷い質問を!小橋くん、思わず動揺しちゃったじゃないかあ!(涙)でも、可哀想な小橋くん、元気に退院したと、嘘をつくのです。心は既に、直江せんせい人生最大の「医者のつく嘘」に巻き込まれてます。小橋くんにしてみれば、同僚医師であるはずの直江せんせいは重篤な患者であり、同僚看護婦であるはずのたんぽぽはその家族、みたいな気持ちなのでは。小橋くんも、直江せんせいのご自宅での夜から、この嘘の中に入らざるを得なくなっているのですね。
あたしが気になるのは、たんぽぽの小橋くんへの態度。看護婦と医者の上下関係とか言っているわけじゃありません。年長者の同僚に対して、失礼するときに「じゃ」とは普通言わないし、頭の下げ方も適当です。やはり若いのかたんぽぽじゃなかった竹内嬢。

せんせいは、回廊にて脚に症状が。それとも、貧血でしょうか(涙)。
大事に至らなかったことに安心しながらも、そんな、吹き抜けの手すりに寄りかからないで下さい(涙)
たんぽぽがクロゼットから袋を取り出したことで向かい合うふたり。屋上へとたんぽぽを連れていったせんせい。たぶん・・・(涙)立っているのが辛いから、ベンチに腰を下ろしたのではないかしら・・・(涙)・・・・・
たんぽぽの発想と思考回路はどこまでも自分中心。あれこれ考え過ぎちゃって、と言いましたね。あれで考えすぎていると言うのでしょうか。つきあい始めたばかりの男の自宅の前で、夜、名前を呼んでドアをがちゃがちゃやったりするのは。あれで!
そして、信じていたいと言うのですよ。自分を主語にして言うなーっ!
しかも、何でも言えと強要するのです。ひどいです。どうしてそう、自分中心の発想になるんだ?!
せんせいはたぶん、早くたんぽぽにこの場を立ち去ってもらいたくて。いつ無様な姿を晒すかも知れないこの場から、たんぽぽに出ていってほしくて(これは真実だと思うよ)、レントゲンの袋を受け取り、たんぽぽの言質に「そうしよう」と答えました。辛そうなそのお顔の変化がわからないのかしら?!見たくないものは見えないのかしら?

その頃、院長は客人と歓談中でした。どこかのお役人の噂話をしている模様。そこに、悲痛な面もちとしか言えない三樹子薔薇が。大事な客人との歓談を中座したというのに、パパはとても娘に甘いのです。手短に、と告げる言葉の優しいこと。でも、その話題が裏切り者直江せんせいのことだとわかると、後にしてくれと話をさせてくれません。
そんなとき、せんせいは医局で調べ物の途中だったのですが、また貧血に襲われていました。小橋が予告したとおりの症状が始まっているとしか思えません。その姿が、三樹子薔薇に見咎められました。三樹子の歩き方は、薔薇とも思えずモデルとも思えない、おぼつかないもの。愛する直江せんせいのそんな痛々しい姿に、小橋の告げた今後の直江のことを想像してしまっているのでしょうね。
激昂してキーワードを口にしそうになった三樹子の口を押さえたところに、運悪く院長が!なぜ院長!さっきまでお客様と歓談していたではないですかーっ!なのにわざとらしく白衣を着て、どうしてこんなところにーっ!
いちばん見られたくないところを見られてしまいました。何しろ、婦長を通じて直江せんせいの病気のこと以外のなんでも知っている院長。きっと、お嬢さんに不届き千万なことをしてるのかも、という報告も、聞いていたのでは。そして、なんでも知っていると豪語し直江せんせいを突き飛ばして罵倒する父に、ついに三樹子が切れました!
部屋を飛び出す三樹子。決着を付けると言い切った院長。こういうのを万事休すと言うのでしょう。せんせいは、弁解することは出来ず、追いかけることも体力的に無理で、何も言えず何も出来ず。しかも、貧血でふらつく身体に、発作が襲ってきたのです。ひどい!!!!!
せんせいはデスクからフロノスの瓶を・・・そこにはもう、1本しか残っていません。切なく瓶を握りしめ、その意味を思うせんせいの耳に、何かがぶつかり合う大音響が。ここ以外のどこかに行ってしまいたかったに違いない三樹子が、過って事故を起こした瞬間でした・・・・・

フロノスを使ったのか使わなかったのか。事故イコール怪我人、という外科医の使命感なのかそれとも三樹子の状態から何かを予感したのか、せんせいは外に飛び出していきました。

応急処置を施された三樹子が運び込まれてくるとき。小橋先生を呼べ(イコール、直江先生は呼ぶなということか)という院長。しかし、手術着になった小橋先生が現れたときには、直江せんせいも着替えを終わっていました。
「脾臓破裂による腹腔内出血。脚の〜」あとはわかりません、っていうかせんせい、全然かんでますー!なんでそんな無表情で一生懸命喋ってるんですかーっ!(笑)
か、可愛い!せんせい、可愛いですー!
なんか、せんせいのかみかみ(たぶん何十回もNG出してるんでしょうね)にみんな緊張感が伝染ったように、おかしいですー。
あとの台詞も全部かんでますー!可愛いですー!
でも、医者だから、自分のことはわかっているとクールに言い放ち、なんとか威厳を保ったせんせい。でも、耳は愛らしいしお目目は綺麗だし、やっぱり手術着は素晴らしいと再確認した次第ですー。

意識の有無、輸血の状況などをてきぱきと確認していきます。ストレッチャーを移し替えるときには、やっぱりせーのとか言っちゃうんですね。クールな直江せんせいでもそうなのでしょうか。
院長パパは、小橋先生に、三樹子を頼むと。そしてその後、直江せんせいのところに。さっきは「決着を付ける」と言い切ったのに、娘の生死に関わる今、医者としての直江せんせいに告げる言葉はこれしかありませんでした。「助けて下さい!」
大丈夫とは言いません、全力を尽くしますと言い置いて、二人の精鋭外科医は手術室へ!

医師二人、看護婦数人の体制で同時に手術が進んでいきます。二人とも、出血を被って目が見えなくならないようにでしょうか、ゴーグルをしています。そして、たんぽぽから渡された器具を取り落としてしまう直江せんせい!事情を知る小橋先生と、たんぽぽに動揺が走ります!たんぽぽとっさに、すいませんと謝り、自分の過失としました。
その後はなんとかこなし、糸を結んで。
だんだん辛くなってくるせんせいは、必死で目を見開いています。たんぽぽと小橋くんに密かに気遣われながら。せんせいはずっと、貧血なのです。ずっとずっと、貧血が続いているのです。普通なら、立っていることもままならない筈。たんぽぽは、見る見る憔悴していくせんせいの様子にただならないものを感じていますがどうにもなりません。
ようやく急所を終え、小橋先生がもうあとはいいと言ってくれたので、手術室を出るせんせい。マスクを外し帽子を取り、引きずる脚で、ふらつく身体でロッカールームに逃げ込みました。カーテンを閉めるのは忘れません・・・・
すみませんっあたしこれから、直江せんせいの美追求モードに入らせていただきますっ!
目と耳だけ見える手術着の美しさも相当なものですが、それを取った手術後の姿はもう、この世のものとも思えない美しさですね!!高いお鼻、形のよい唇、汗を吸って濡れた髪は前髪が下ろされて少年のよう。ボク生きのナカイスペシャルプレゼンツの目が光るお顔の光る前の一瞬の顔ってわかります?あれみたいです。
貧血、脚の疲れ、腰の痛み、全身のだるさ。それにくわえて、何時間にも及んだと思われる手術で気力を使い果たし、せんせいはもう、息をするのがやっと・・・・・
脚を投げ出し、顔をのけぞらせて、全身の様々な症状と闘っているのですね。せんせい!!!なんて偉大な、そしてどうしてこんなにもお美しい、お姿なのでしょう!
ほんとに。本当に。美しすぎて涙が出そうです。せんせい。せんせい・・・・・(涙)

手術は無事終わり、特別室に入った三樹子に付き添う、院長パパと婦長。
三樹子薔薇の意識が戻り、発した言葉は、「直江せんせい・・・・」そして次が「パパ」でした。
直江先生を助けて、先生が死んじゃう、と三樹子は訴えます。

夕日に向かって疲れを癒す直江せんせい、とか思ったら、なんとたんぽぽが来てやがりましたっ。せんせ、疲れてるのに。
三樹子薔薇の話をするたんぽぽ。せんせいは、三樹子薔薇と自分のことを話そうとしますが、せっかくせんせいが話してくれようとしているのに、たんぽぽは聞きません。自分が話したいこと、聞きたいこと以外は聞きたくないのでしょうか。聞きなさいよう、せんせいが言うって言うんだからぁ。(涙)
せんせいはかわりに、なぜこの部屋に決めたのかを話しました。子供の頃迷子になって川にたどり着いたですって?せんせいは、この川を見つけたときにも、迷っていた自分の気持ちが一つにまとまるのを見たのかもしれませんね。

ついに院長が、直江せんせいの秘密を知ってしまいました。自分の目で見たデータなのに、なぜ気付かなかったのか、医師としての己を恥じる気持ちもあり、優秀な勤務医が、という悔しさもあり。そして、知らなかったとはいえ、疑いそしり暴言を浴びせたことへの後悔もあるでしょう。院長は、最後まで医者であり続けたいというせんせいの意志と、たんぽぽを悲しませたくないからでは、という推察を告げました。そのたんぽぽについても、院長は脅しに使おうとしていたことをまたまた後悔していることでしょうね。
そこに、院長に呼ばれたMRが。明日からまたフロノスを届けるようにと。そして、きっと彼女は、なぜそうするのかを院長と小橋くんから聞くのでしょう。

その頃直江せんせいのマンションでは。たんぽぽが戯れ言を言ってました。(涙)
残念ながら、せんせいの耳には半分も届いていなかったみたいです。せんせいは途中から目を開いていなかったのです。申し訳ありませんが、あたしはここ、早送りさせていただきましたっ。(OAではちゃんと見ましたけどねっ)
せんせいはどうやら、降ってきた雪に、故郷の北海道に一緒に行こうと誘ったようです。そして、ますます早送りな最中に、せんせいは気を失ってしまいました!!!!

せんせいごめんなさいっ!あたしは辛くて見ていられませんっ!早送りですー!
ああもう!9話れぽの途中までは、せんせいのためにたんぽぽのことを許そうと思っていたのにーっ!
でも、ダメーっ!
もう限界です。
せんせいも限界なの?ねぇ、そうなの?
せんせい、気を失いたいことがあったの?
・・・・そうじゃありません。せんせいは、貧血を起こして発作も来て大変な状態しかも院長に訴追されて、みたいなときに大手術をしたため、疲れが極度に・・・・!疲れと、病状との重なりによって!

せんせいーっ!


そしてせんせいは、気を失った状態のまま、最終回にいらしてしまうのです・・・・・・・


以下、最終回レポにて!
近日、マジでがんばります!





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