木村さんinTFMスペイン坂スタジオを見に行ったレポ


 木村さんが東京FMの渋谷スペイン坂スタジオに来るらしい。来るらしいと聞いたのはいつだったっけ。あちこちの掲示板でそれを知り、あのスタジオの客との距離の短さを思い、話題のタレントが出ると芸能ニュースで取り上げられた時に観客がきゃーきゃーやってるさまはかなり恥ずかしいことを思い出し、いやしかしせっかく東京にいてもなかなか会えない木村さんが、公開番組を持たない=ナマを拝めるチャンスが滅多にない木村さんが間近で見られるかも知れないということに思い至り、「行きたい」とまで考えがまとまったのが先週の月曜日くらい。
 しかし、梅雨なのだ。デビュー以来、何か事あるごとに雨を降らせてきた「イベント雨男さん」のSMAPさんだ。もともと梅雨なのですもの絶対降るって。

 巷では、始発で行くだとか徹夜しないと間に合わないだとか、噂が飛び交っている。それはもちろん噂であり、何をすれば木村さんの前にたどり着けるのか、誰も知らない。大体、コンサのチケットと違って、何人までOKかもわからないのだ。
 私の周りには、スペイン坂スタジオでお目当てのタレントを見るために並んだことのある人はいなかった。だから、どういう仕切になっているのかも全然わからない。「行きたいね」「どうなってるんだろうね」「雨降ったら嫌だね」「徹夜は必要なんだろうか」と、行くことを前提にした会話と行くかどうかわからない会話を取り混ぜて、友達と相談が続いた。

 ホントに、だってわからないんだもの。そりゃ行きたいさ。正確に言うと、行きたいんじゃないの、木村さんが見たい、ってことなんだけど(笑)。(・・・・それは当然と思われるかも知れないが、私の友人グループの中に、一人だけ「行っとく」ことに重きを置いている人もいた(笑)。あなたよ、あなた(笑)。)
 徹夜して土砂降りに打たれて何千人と並んで結局立ち止まることも出来ずに5秒かかってスタジオの前を通過できましたが、くるくるウールマークパーマの先っぽが見えただけでした、なんてことになるのなら、ネットでスペイン坂スタジオを覗いていたほうがいい。葛藤は続きます。

 結局、悩んだけど結論は出ず。帰宅したら相談しよう、ということで相談メールは中断し、帰宅途中で現場を通って通勤している渋谷勤めの女(行っとくことに意義を見いだす女とも言う)に電話をする。彼女、スタジオ周辺を偵察してくれたんですね。ありがとね。それによると、昼間、現場近辺の店に昼飯を食いに行ったら、スタジオの周りに、若い女の子グループが座っていた。折り畳みの椅子とか持ち込んで、すっかり徹夜の構えだったらしい。・・・しかし、夜8時ゴロ、彼女が帰るときに通ってみると、女の子はいなかった。そして、TFMの警備の人らしいスーツのお兄ちゃんが何人かいて、車も周辺に張り巡らせている。そう、徹夜は禁止なのだ。

 ここで取り敢えずほっとする。しかし・・・そのとき空からは雨が降っていた。25日金曜日、昼間は土砂降りだった。空梅雨かと思ったらいきなり土砂降り。土曜日に東京に来る遠方の友人に、「今東京雨ですぅ土砂降りぃ!」とメールを書いたくらいだ。それが、夕方には多少マシになっていた。確か、私は傘を差さないで駅から家まで歩いたくらいだ。しかししかし、予報では完璧に雨なのだ。しかも気温低いらしい。ううむ・・・・・・・・・・・・
 友人たちに電話。渋谷の女の話を伝え、徹夜は必要ないと告げる。さてどうする。徹夜しなくてよくても、雨だと座れない。どうしよう。しかし・・・ここで突然渋谷の女がみんなに乗り移ったかのように、
「やっぱりいっとかないと!せっかく東京に住んでるんだし!」
という話になる。あんまり凄い降りだったりしたら、朝になってまた相談しよう、と言うことになる。

 26日4:00。寝坊はしなかった。しかし、ちょっとアクシデントがあったりして、家を出たのがすこーし遅くなった。途中、山手線でOさんと落ち合い、渋谷で下車。ときに5時半ちょっと前だ。
おおっっっなんだこの人の波は〜〜〜〜〜!!!
 朝だよ?5時半だよ?真っ白々のぱさぱさの髪でこぉんな(15cmくらい?)ヒールのサンダルを履いた女の子達が、どんどん駅に向かって歩いてくる。別のグループに知った顔を見つけて「おやすみー」とか言いながら。すげー、オールナイトで遊んで今帰るわけね。そっかー。おねーさんは、渋谷で夜通しってのは無かったですねぇ。でも懐かしいなぁ、夜通しかあ。車数台で、夕食食べたあといきなり河口湖まで行ったりね、してたなぁ。

 5:35。ま、それはさておき。スタジオについてみると、黒スーツのお兄さんたちがスタジオの正面を固めていた。そして、女の子グループがいくつか、ガラス張りのスタジオを遠巻きにして、24時間営業のドリンクスタンドのあたりなんかにうろうろしている。そのかげに、M嬢を見つけて合流した。さすがだM嬢、一番乗りである。(遅れてごめんね)
 5:55。ちょっと相談などしていると、スタジオを守っていたお兄さんが、女の子グループにお話をはじめた。これから列を作るという。で、並んだら横入りは無し、友達が後から来るなら、後ろに並び直して欲しい、と言う。それから、座り込んではダメ。通行人の邪魔にならないよう、壁に沿って並ぶこと。その場を離れるときは、前後の人にちゃんと断って行くこと。・・・・などが語られた。雨は降ったり止んだり。大体降っていることのほうが多かった。
 6:00。そして、並んだ。スタジオのあるパルコの壁沿いに並ぶ。この位置が、「しまった」である。もうちょっとだけ後ろに並ぶと、パルコの1と3の空中連絡通路の下になっていて、多少の雨なら傘をささずに済んだのだ。・・・まぁいいでしょう。
 とにかく全員眠かったので、テンション上がらず、会話も盛り上がらない。しかし、前夜の打ち合わせ電話で私が言った「ビニールシート」を持ってきたOさんは、1枚じゃない、2枚持ってきていた。4人でゆったり座れるように。でも、座ってはダメなんだって。そしてミネラルウォーターとお茶が、ペットボトルに500mlずつ。お菓子が、あられの小袋4つ、ビスコ、おおきなお煎餅などたくさん。さすがOさんである。ビニールのレジャーシートは、途中から荷物置き場とその屋根として活躍した。あんまりおおっぴらにやるとお兄さんに怒られるので、壁際に隠すようにセットしてみた。

 8:00。Oさんは、時計を持っていなかった。私に聞かれるのでときどき答えていたのだが、そのときちょうど8時。ということは、スタジオ到着から2時間半。木村さんが出る番組のスタートまで5時間。ということは、「ほぉら、来てから今までの時間をあと2回繰り返せばいいんだよ!」と慰めるつもりで言ってみた。これは彼女の失望をかったようだ。あと2回・・(笑)。まあ、過ぎない時間は無いのだから、と思ったりする。
 彼女の時間感覚は正確なのか緊張しているのか、ほぼ30分おきに時間を聞かれた。

 10時になるとお店が開く。そうするときっと、お兄さんによる規制が厳しくなり、席を外すことは難しくなるだろう。それで、交代で朝食&化粧直し休憩を取ることにした。M嬢が、まずは出かける。近くのマックへ行く模様。
 30〜40分くらいずつで交代しようということになる。そこへ、さっき集団で食べに出かけた、私たちの前のグループが帰ってくる。そして、どうぞお食事へ、と言ってくれたので、残りのメンバー全員、お言葉に甘えることにする。M嬢には電話で連絡が付くし。
 マックの前で彼女と出会えて、そのままみんなで店にいることにした。せっかくのご厚意だし。
 朝マックは久しぶりだ!ホットケーキセットなんて何年ぶりだろう・・・あ、パッケージが変わっているぅ!ハッシュドポテトのケースさえ変わっている。(前は、アップルパイとかと同じ、ボール紙のケースだったのに、今はフライドポテトSサイズと同じ紙の袋だ。)
 しかし味は変わらない。ゆっくり食べて、メイク(これが長い)して。そのかん、最初に列を出てきたM嬢は、眠っていた。

 9:40。向かい側のパート3の入り口周辺にちょっとした人垣が。開店を待って店に入るお客さんらしい。その向こうのゲーセンからは、たれぱんだとプーさんのぬいぐるみを持ったカップルが出てくる。そのプーさんがハチミツのツボを抱えているバージョンだったことから、みんなでうらやましがる。どうせヒマなのだから、取ってきたいなどと思う。

 10時。あたりの店が開き、街がだんだん渋谷っぽくなる。まだ行列はそんなには長くないはず。誰が来るのかと聞いていく通行人も出てくる。
 このあたりから、スタッフが増えた。今までは警備スタッフだけだったが、TFMのシールを付けたおじさんが来始めて、緊張が増す。スタッフの耳にはイヤホンが付いた。仕切っているらしいおじさん数人がトランシーバーみたいなのを持ち出す。私たちが列をなす歩道を隠すように、車が増える。2mを越す木製のついたてがどんどん持ち出される。(まだ全部隠してはいない。)雨が上がって日が射して来て、スタジオのガラス張りの上にひさしを張り出させる。日除け、ではない。高い位置から覗かれないようにするのだろう。
 通行人もどんどん増える。そろそろ、ニュースとかで見てきたのだろうか、キムタクが来ると知って興味津々の感じになってきている。そういう冷やかしの人(行列には並ばないけど興味のありそうな人)には、親子連れが多い。30代のお父さんとお母さん、幼い子供というパターン。きっとお母さんがキムタクファンで、どうせ今日買い物とお食事なら、渋谷行きましょ、運良く拓哉くんに会えるかも知れないわ!ってかんじ。でもダメだもんね、見たかったら並びましょ。そんなふうに(言い方はもっと恐い)お兄さんに言われたりする。誰もいないスタジオを覗いていく人も増える。

 M嬢、Oさん、いちばん若いRちゃん、渋谷勤めの「いっとけ」女、それに私。これがフルメンバー。日が高くなるにつれて会話も増えていく。
 大きなついたてが次々と並べられる。スタジオの正面には、荷台の壁を取り払ったトラックが横付けし、荷台の四隅に高ーいポールを立て始めた。おお、これに布を取り付けて目隠しに・・!すげー、ほんとに1mmたりとも見えないや。
 ・・・・皆様全員ご承知のことと思うが(苦笑)、私は曲がったことの大嫌いな女。というか、心狭く、ケチな女。(あーやだ)並びもしないでちらっとでも拓哉さんを見てご覧なさい、どうなるかは責任持てなくってよ?とかすごんでしまいそうになるので、こういう「外から見えない」スタイルはとても心が落ち着く。

 途中、高松からやって来た元木さんと、並ぶのだけ付き合ってあげているいわしくんに会いに後ろまで偵察に行ったりした。怪獣ちゃんもやってくる。早騎さんも。いわしくんはこれからお出かけなのでいなくなり、怪獣ちゃんと早騎さんは並ばずにみんなを待つという。まぁこの時間になると、もう、「並んでも見られる保証はない」と並ばせないようにしているし。
 ここで大切なお預かり物。「かばやきさん太郎」を拓ちゃんに見せて上げてほしいby怪獣ちゃん。私が預かり、私たちが見終わったら後ろにいる元木さんに渡すという約束をしてわかれる。私のシャツの合わせのところにおしっぽを挟んで、さん太郎位置決めOK。
 ちなみに、このときのいわしくんのせくしーなドレスをぜひっ皆さんにも見ていただきたかったー!いやもう、形容するのも鼻血が出ちゃいそうな・・・えへへ。

 12時。もう、あと1時間しかない。報道陣続々と集まる。カメラにはフジだのTBSだのと入っている。一通りのテレビ局が来ていた。行列をなめたり、先頭にインタビューしたり。そのたびに、我々は壁に顔を貼り付けるようにして隠れた。かなり不自然に。そりゃもう、えぇ、こんなのが誰かに見られてご覧なさいって。恐ろしいことには関わりになりたくない。ひたすら後ろを向く私たち。カメラが回ってくると、「くるっ」と・・・。いやでも、今のは赤いランプがついてなかったぞ?というような台詞のあとに、こないだの初心者っぽくしてる三宅健拓哉が浮かぶ。あぁ〜うたばん良かった〜などと感慨に浸りつつ。
 ここでスタッフから、拡声器(初めて)で連絡事項が。今日のイベントが成功するか失敗するかで、今後木村さんがここにまた来てくれるかどうかが決まる。だから、強制出来る立場じゃないけど、皆さんにはぜひ協力して欲しい。番組効果上、最初の「きゃー」はOKだが、外の声で中の音が聞こえなくなるくらいのはやめてね。それから、「拓哉ー」とか、皆さんがなんて呼んでるのか知らないけど、そういう名前連呼もやめてね。とにかくたくさんのファンがいるから、木村さんが来たら、出来るだけ長くスタジオにいてもらえるように交渉するつもりだ。30分かもしれないし、1時間になるかもしれない。交渉するから理解してほしい。それから、出待ちなど決してしないように。
 などと言われ、全くその通りだ、と思い、頷く。

 12:30。もうちょっと遅かったかな。スタジオのある角を曲がった先で、悲鳴のような歓声が上がる。ももももしや木村さん?!「ヤツだったら外から登場もあり得る!」「ヤツらしいよね」と言い合っていると、さきほどのスタッフまた拡声器で登場。「今の歓声を聞いておわかりと思いますが、木村さん、無事到着されました。だから、出演キャンセルも、遅刻もありません。予定通り1時から出演してもらいます。今、どれだけいられるか交渉中です」とのこと。
 拡声器が通るのは、最初の角まで。その数十人に対して、拡声器は言った。皆さんは朝早くから待っているから、多少、後ろの人と同じってことはないようにするつもりだ。例えば1分のところを2分とか、3分とか。そのかわり、約束は守ってね。出てと言われたらすぐに出てね、と。
 私はまた頷いてしまう。いい子にしてたほうがいいのだ。こういうときは。
 この中に木村さんがいる。いる。いる。あと30分切っている。どきどきしてくる。マジ、それまではあんまり何も考えていなかったのだが、突然木村との対面という事態に焦りまくり始める。いちばん若いRちゃん、緊張度かなり高し。

 そして、3度目の拡声器が現れ、私たちはスタジオ前にすたんばることに!なんとなんと、最初に見られるグループになったのだー!凄いでしょぉ?!
 私たちは、スタジオ正面へと進んだ。
 当然、まだ木村さんはいない。スタッフと、DJのおにいさん、そして・・・カメラがあるだけだ!カメラ・・・・!「ガラス張り」それは、外から中が見えるだけではなくて、中から外も丸見えだということである。木村さんに向き合い、だらしなく顔を崩している瞬間を、テレビカメラに撮られてしまうかもしれないのだ。やばい。
 焦る一同。渋谷の女は、職場が近いこともあり、深く帽子を被っている。なんだか中居ちっく。しかも新聞で顔を隠している。どうせならスポーツ面を外側にして前日の巨人勝利の見出しを木村さんに見せ、あくまで中居チックにこちらに目線を集めようかと思ったが本人に却下される。
 よぉく前室を見ると、ふわっとしたパーマの若い男性がいるらしい!しかし私には見えなかった。いやいや、それを木村さんと言ってしまうのは早計よ。でも木村さんなの!木村さんらしいのよぉ!最前列のお姉さまたちによると、そうらしいのよぉ!
 そして、そういう時間のあと、ついについに、木村さんがスタジオの中に!うわ・・・やっべー、あの恐ろしげなサングラスは何?!可愛い垂れ目ちゃんはどこに?!

 ・・・・・木村拓哉はサングラスをかけて現れた・・・・・・

 でもいいの!
 すごい、すごい近さ!去年の夏コン、センター花道(ただしアンコールでのみ使用する細いところ)から2人目で見たときより全然近い!近さ新記録達成。私→最前列のお姉さま→手すり付き柵→ガラス→DJ氏→テーブル→そして木村さんだー!距離わずかに2.5m!くらいだと思いますぅ。
 服は皆様TVでご覧になったとおり。私はもぉ、服なんて構ってるヒマはなく、服以外、腕とか顔とか、服から出ているところ(なんかヤだな私)のチェック、チェック!か、可愛いんです。最初だから、表情もまだ小さくて、でも、かなり濃いめに焼けているお顔の、可愛いお口の片端をきゅっとあげて「ニッ」って感じで笑うだけで悲鳴もんです。かぁわぁいいぃのぉぉぉぉぉ!茶色いお顔に、白い歯が・・・・!
 あぁレポにならん!いや、冷静になんてとてもとても見られませんて。しゃべる木村さん。腕が何しろ黒くって、黒い、もぉ真っ黒!顔はねぇ、黒いっていうより、茶色い。あれだけ焼いたら絶対体に悪いし、シミとか残りそう。髪は茶色い!顔と髪がおんなじ色!JUNONだかポポロだかで見かけたウールマークわんこヘアじゃなくて、ふわっとした髪に戻ってましたけども。あぁ、この上ウールマークひつじヘアで来られたらどうしようかと思った。ので、それはまぁいいでしょう。そして・・・えっとえっと、右頬の大きなほくろは、肉眼で確認出来ましたっ。・・・・いやいや、そんなコマカイところじゃなくて・・・ちなみに、前列のお姉さまは、後ろの列を気にしてくれて、「見えます?大丈夫ですか?」と。私は片目が乱視入ってて、両目で見られないと辛いので、「すいません、もぉちょっと!」とお姉さまにお願いし、自分は精一杯背伸びをして、見続けた。凄いよ、凄い姿勢だけどさ!
 さん太郎は、もうちょっと近かったM嬢が持ってくれた。ちゃんと木村さんの目に留まったかなぁ。
 なんか、見て、見て、見て、いっぱい見て、もっと見たいと思いながら、この恐ろしい背伸びをずっと続けることに飽きてきた頃、拡声器さんが言った。「じゃあ、もう3分過ぎてますんで、次と交代します。」
 時計を見た。1時から3分ちょっと過ぎていた。みんな、とてもお行儀良く、右方向へと出ていった。振り向くこともしていない。偉いぞ。私は振り返ったけどね。・・・・後で気付いたが、出ていくところを狙っているカメラがあったのだ。ここで目立ったら映ってしまうから、だったのか・・・・

 出てきた。ふぅ・・・1時から4分くらい過ぎていたかも。スタートちょっと前から入っているから、実質4分、見ていたのかも。いちばん若い女、ぼーっとしている。
「人間大でしたー!」
このシンプルにして究極の感想が、全員の感動を表せる言葉なのではないだろうか。ほんと、その距離と言ったら、ガラス越しではあったけれど、会社に於ける上司と私の机より近いのである!まさに「同僚間隔」。(「同僚感覚」ではないところが、ちょっと哀しい。)
 感動に浸る間もなく、電話が入る。怪獣ちゃんであった。早騎さんと共に、出口が見える喫茶店でお茶しながら、木村班を待ってくれている。私には、さん太郎を元木師匠に渡す使命があった。パルコ1の角を1つ曲がり、公園通りに出たところで、M嬢とRちゃん、Oさんは帰ることに。渋谷の女は、まさに渋谷でこれからお仕事だ。私は元木師匠にさん太郎を渡しに行った。

 それから、怪獣ちゃんと早騎さんの待つ喫茶店へ。二人はチャイを飲んでいた。優雅だ。私は立ったまま、取り敢えずの感想を伝えた。可愛かったのぉ〜〜と。程なく、師匠登場。可愛かった、とのお言葉のあと、信じられない一言が。「サングラスは外していた」・・・・・・!!!!!
 ここで私の、今朝4時からずっと切れずに張りっぱなしだった緊張の糸が、音もせずに切れた・・・・。
 さんぐらす。可愛いお口と白い歯と、ふわふわパーマちゃんと・・・・目、目なのよあの人のいちばん可愛いのはぁ、そりゃあもう〜〜〜〜〜・・・・・!!!!!!!
 切れてしまった。切れてしまったらもうどうしようもない。私はへたった。椅子に倒れ込み、頭も垂れた。力がどこにも入らない。外じゃなかったら泣いてたかも。
 あの人いつもそうじゃん、っていってもそんなに回数はないけど、途中からサングラスを外すなんていつものことだし。そんな自分も確かにいて、首を起こそうとするのだけれど、もうなんか、どぉでもいいや、って感じにもなってて、かったるさが襲ってきていた。
 いつもパワフルで、可愛いお目目と遭遇して元気百倍の師匠も、お好きなチャイを飲んで騒動を優雅に見ていた怪獣ちゃんと早騎さんも、私を慰めてくれた。でも力入らないのは仕方ないじゃーん、眠くなるし疲れが来るし暑いし(晴れていた、いつの間にか。真夏のようだ)。この暑さが身に染みるわー、このまま暑くて死ぬかもー、などと思ってしまう。帰る帰るとダダをこね、だらだらと人混みをかき分けて、慰めてくれようとするお三方には大変申し訳ないと思いつつ、拗ねっ子になっちゃった私はもうどうしようもなかった。くっそー、ちきしょー、誰に言うこともできない怒りがどこに行きようもなくぐるぐるしていた。
 バカだよなぁ、木村さんが見られたことだけでも幸せなのにさ。長かったしさ。楽しめないで終わってどうする、とか思う。
 お買い物のある師匠ご一行とはいったんお別れ。夜の再会時間を決めて、ふらふらと西武の脇を歩き出したら、電話が鳴った。渋谷の女、早くも一仕事を終えて、夜の待ち合わせの確認だった。後からサングラスを外したことを告げる。
 渋谷は暑かった。4時起きの身に染みる、白い太陽よ・・・・・

 家に戻ってさっぱりして、お着替えをして、怪獣ちゃんと合流した。元木師匠、魔法のマコちゃん・マツリカちゃん姉妹がゴロ舞台から戻るまで過ごし、渋谷でまた合流。
 この店は、以前M嬢たちと訪れたことがあり、今回私が予約したのだが、とても素敵なロケーションなのだ。道玄坂と文化村通りに挟まれた一帯。円山町と言えば、前を歩くカップルが一瞬後には消えている、あ、また消えた、という謎のトライアングル。もちろん私たちは消えはしない。
 何しろアヤシイ店なのですね。ホテル、ホテル、ホテル、クラブ、ホテル、ってかんじの通りを一本入った路地にあり、純和風一軒家の1,2階を使ったもんじゃ焼きの店なのだが、もとはきっと、そーいう家だったのですねぇ。個室もあります。なんか、一区切りが狭い感じ。階段も狭いしね。そう、大勢でどやどや入っていく家ではなかったってことですわ。
 予約を入れたのが22時。でも客はもういなかった。予約してなくても入れたとも言うが、逆に、私たちの予約が無かったらもう店じまいにしてたんだろうな。ははは、従業員さん、そんな嫌そうな顔しないでよぉ。
 ここで知ったのだが、いわしくんは下町っ子としてもんじゃのプロであったのだ・・・!こ の店の売りは、カマンベールチーズまるごと1個を入れたカマンベールもんじゃ。普通の種の上にカマンベールがどーんと乗ってるのをちょっとどけて、さきにネタだけ投入し、ほどなくカマンベールを。崩して溶かして、生地と一緒に押しつけて食う!トロリとしたところもいいし、ちょっと焦がして香ばしくしても美味しいの。とってもお勧めなのだが、やっぱり邪道ではあった。

 感想。やっぱりね、イベントにはいっとかないと。ナマ木村はみとかないと。見られただけで幸せってなもんだ。人間大だったしね。ご機嫌麗しかったしね。みんなともたくさんしゃべれたし、カメラにも・・・・・

 カメラーーーー!!!!!

 カメラなのだ!次の日。私はまた渋谷の女と一緒だったのだが、スポーツ新聞にて昨日の様子を確認した。2紙買って、我々が写っていないことを確認した。
 で、次の日!月曜日だ。元木師匠が、友達がTVに映っていたと書いている。私に来たメールには何にも書いてなかったぞ?じゃあ別の人かあ、と思ったら、それはM嬢だったらしい。そして、渋谷の女がチェックしたところでは、それどころか、Oさん、Rちゃん、渋谷の女、そして私が、すべて映っているらしい!M嬢中心に映っているカットに、全員がいるらしい・・・現時点で私はめざましTVの映像しか持っていないため、確認していないが、どうやら映っているらしい・・・・しまった、あの中にあったカメラ。あれか。見てないので何とも言えないが・・・

 会社に行くと、渋谷に行ったのかと数人に聞かれた。もちろん、会社に行った時点でワイドショーチェックをしている人はいないし、当然そんなもの録画してるわけないから、バレないとは思う。けれど・・・・どきどきした。油断は出来ない。あんな目立つところにいって、第一グループなんて目立つところで見たのだ。何にもないではスマされなかったということだな。きっと、Oさんは喜んでいるだろう。映りたいと言っていたのは彼女だけだ。

 見てないから、TVに映って記念になって良かったかなぁなんて、今は実はちょっと思ってる。見たらまた落ち込んでるかも知れないけどね。あまりにだらしない我が姿にね。
 もしも私に気付いた方がいらしたら、みっともない映像はすぐに忘れて下さい!

 補足。怪我人Oさんから、「映りたかったのは自分という意味じゃなくて、自分と木村さんのツーショットがあったらいいなーって意味だったんです!」とのことである。確かに。


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