日本語名 ランソン
英語名 Lang Son
国名 ベトナム社会主義共和国
・2011年8月28日作成
訪れた日 2009年5月2日

中国国境の街、ランソン。出国手続きを行うイミグレはプレハブのような質素な所だった。入国の時もそうだったが、順番に処理するなんて事はできない。受領、確認、スタンプ、返却、それぞれが「まとめ処理」されるのはベトナム特有なのだろうか。集まったパスポートは折り曲げられて、処理しやすいように重ねられる。折り曲げてはいけない日本のパスポート(ICチップ入り)も例外ではない。スタンプを押されると、今度は処理済みの山が溜まってくる。後から来る人のパスポートが上に重なるので、いつまでも手渡されない。スタンプを押している時に、「これは私のパスポートだ」と叫ばないと受け取ることも出来ない。勿論並んで順番待ちなんで出来ないので大混乱した受付だった。

ハノイから中国国境のランソンまで、鉄道で行きたいが、列車は夕方まで無い。国境は徒歩で越えなければならないので、日中に通過したい。そこでバスを選んだ。 バスターミナルで案内されたミニバスは単にワゴン車であった。正規のバス停以外からも乗客を集め、ひたすら突き進む。車内はベトナム人同士で盛り上がっているが私達にはさっぱりわからない。途中で休憩時間もあり、屋台のようなところで停まり、皆、思い思いに昼食をとっていたが、私達は言葉がわからないので見るだけでにした。

途中の街で下車して見学してみる。丁度、駅にハノイ行きの列車がやってきた。流線型の機関車は速そうだが、後に続く客車は古くて、小さくて、玩具のようなものだった。ホームと呼べるようなものは無いに等しく、駅全体が路面軌道化されていて、まるで路面電車に乗るような感覚で乗降していた。ボロだし、ミニバスの方が快適だろうけれど、乗りたかった・・・。

ミニバスを乗りついてランソンの街で降りて、朝に引き続きポーを食べる。街を眺めてみたが、中国のように着飾った雰囲気が無く、質素な感じに好感を持つ事ができる。さて、またバスを捕まえて、ランソンの国境を目指すが、途中から乗ってきた人が別の行き先を告げる。こともあろうことかバスをそちらを優先しようとした。口論の後に、私達は目的地に着く前にバスを降ろされた。歩いて国境まで向かう事になってしまった。ちなみに、私達はベトナム語は出来ないが、中国語は所々で通じるようだ。同行者が中国語が達者だったので助かったが、独りではとてもとても・・・。


ワゴンから見る景色は中国とあまり変わらないような気がする。バイクが多い事も物売りが多いのが印象的
列車は少なく、所々で見かける踏み切りでは列車側に遮断機を降りているのを見かけた。それでも貨物列車を2本ぐらい見かける事があった。中国から来たのだろうか? 設備は古そうだ。腕木式信号も懐かしい
途中駅で貨物列車と旅客列車のすれ違い光景に出会った。貨物列車の緩急車は老朽化した客車を使っているようだった。
機関車は流線型で近代的に見えるが客車は・・・。大量の荷物を載せる人で溢れ、昔、タイで見た景色を思い出した。加速は恐ろしく悪く、ノロノロ出発していった。
外側の線路は中国からの乗り入れ列車が走る国際標準軌。中央はベトナム国鉄が使う狭軌(メーターゲージ)。狭軌の上を走るベトナムの列車はまるで玩具のように見える。
日本の鉄道もよく、こんな細いレールの上を走るものだと感心してしまう。
ランソンの街。戦場になった街であるが、その爪あとは感じられなかった。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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