●揖斐線(本揖斐まで)

・2005年8月20日 作成
訪れた日 2000年9月 3日
2005年5月14日

残暑の厳しい9月初旬。古い電車はツリカケ音を響かせながら濃尾平野を走り始めた。全て開け放たれた窓から入ってくる夕方の涼風が気持ちいい。冷房が当たり前の現代、こんな夏の電車の旅は久しぶりだった。車内は見事にガラガラ・・・。若い女の子が携帯電話をかけているのはマナー違反だが、客は誰もいないし、窓の外から入ってくる走行音の方が大きく、あまり気にならない。

揖斐線の末端区間、黒野ー本揖斐間(5.8q)は、1両の古い電車が往復するだけの超ローカル線だ。車両は谷汲線と同じだが、深い谷を行く谷汲線と比べ、こちらは平野を行く単調な生活路線である。以前は岐阜市内線と直通していたが、末端区間が別系統になり、そして廃止が予定されている。終点、本揖斐は質素ながらも、かつてのターミナルを連想させる雰囲気があった。この雰囲気も、市内線直通の2〜3両編成の電車が走っていた名残であろう。

2001年9月末をもってこの区間は廃止された。そして2005年3月末には他のローカル線と一緒に揖斐線全てが廃止された。谷汲線の終点、谷汲駅は保存されているが、本揖斐駅跡は何も残っていなかった。広い更地だけが鉄道駅があった事を思い出させるだけであった。

黒野で
鎧戸式のブラインドが渋い
気持ちよい夕方の風を浴びて・・・
狭い運転台
本揖斐駅で
廃止後の本揖斐駅跡


http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurume/my_hp.gif (6911 バイト)


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