●名鉄三河線

・2003年5月31日  作成
訪れた日 2000年10月29日
2001年3月1日

名鉄三河線は知立を中心に山線、海線に分かれている。「猿投」という表現に惹かれて乗った山線の電車は淡々と走り、やがて豊田市内に入ってゆく。豊田市は世界企業「トヨタ」のお膝元、昔は挙母市と名乗っていたが、昭和39年、自動車産業を基幹産業とすることを宣言して豊田市になった。その名残を残す「上挙母」駅はめて通ったが、個人的にちょっと意識してしまう駅だった。

終点「猿投」は、特に印象に残る駅ではないが、地名が面白い。ここから先も三河線だが、「猿投」ー「西中金」間8.6qは非電化のレイルバスが走る閑散区間。昔は電車が走っていたが、1985年に乗客減少に伴う経費削減のため非電化された。実際乗ってみると、それまで平地だった車窓が山奥の様相を呈してきて、どん詰まりが終点といった感じ。こんな区間を残しておく意味がわからないと言っては言いすぎか。他の廃止路線よりも乗客が少ないように感じた。

三河線のもうひとつのレイルバス区間は「猿投」とは反対側の海線の「碧南」から「吉良吉田」までの16.4q。山線とは異なり、車窓の変化に乏しいが、矢作川の長大鉄橋は撮影ポイントらしい。市街地は立派な真新しい高架線もあり、乗客も山線より多そうだが、この区間の廃止は決定的らしい。

山線は豊田市が赤字を補填するなどして、しばらく生き残れそうだが、名鉄のローカル線は次々に廃止されてゆく。モータリゼーションによる乗客減が最大の理由なのだろうが、自動車産業に助けられて山線が生き残っているのは皮肉な話だ。

まだ登場してから5年のレイルバスはどうするのか、10年目の「北アルプス号」の車両も不要になり、前述の真新しい高架線・・・。世の中の移り変わりが激しいとはいえ、名鉄の先見性を見誤った経営にも問題があるのではと思った次第。

山線と海線が分かれる知立にて
豊田というより挙母という響きが魅力ある
猿投―西中金間のレイルバス
終点「西中金」。何もないが、平行する道路は立派
こちらは海線のレイルバス


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